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Posted by ブクログ
前編より続く。
敵情視察に訪れた京で見たのは、蝦夷に対する蔑みと敵意。そして宿敵坂上田村麻呂との出会い。
朝廷の威信と蝦夷の尊厳を賭けた戦いは朝廷の敗退が続き、業を煮やした帝は田村麻呂に討伐を命ずる。そして決着の時、征夷大将軍田村麻呂率いる十万の軍勢とアテルイ率いる精鋭部隊一万三千が陸奥の地で相見える。
この物語はここから結末までがとにかく感動的。一族の安寧を願うアテルイの決断に思わず目頭が熱くなる。
人類の歴史は侵略の歴史。一握りの受益者と数多の犠牲者。延々と続く負の遺伝。人は自らを理性を有する無二の生物とするに、欲望に際限がないのは何故か。
当時の日本の総人口は600万人前後と言われている中、十万の軍勢など想像を絶する規模。そこまでして得なければならないものとは何か。
人間とはそれほど愚かな生き物なのだろうか。
Posted by ブクログ
上・下巻合わせて1000ページ超にハマりました。長きに渡る戦いに蝦夷の先行きを想い、アテルイが下した決断の潔さと覚悟に、何度も目頭が熱くなりました。人としての誇りを守るために闘う物語に心底酔いしれ、茫然としています‥。
立場と信念の相違により対峙するアテルイと坂上田村麻呂。心では互いに認め合いながらも、運命に翻弄されていく様子が哀しくも美しく描かれます。田村麻呂の漢気にも感無量でした。
決して軽々しい「敗北の美学」がテーマの物語ではないのですが、形の上で負けであっても、後々どう評価されるか、そこで真価が問われるでしょうね。蝦夷の心・誇りが1000年先まで伝わったら、寧ろ勝ったのだと言えるでしょう。
本書を読まずに東北は語れない、と思い知らされました。東北人が、度重なる飢饉や災害、中央権力に虐げられてきた(3.11の福島原発事故や復興五輪など)歴史の原点をみる思いがしました。
蝦夷の民を束ねたアテルイの火怨は、この先も永く語り継がれ、決して屈しない東北の民の道標となり続けるのでしょう。
ところで、MLBで活躍する大谷翔平選手の活躍を見る度、アテルイを重ねてしまいます。岩手・水沢出身で大きな体躯、人望厚く周囲から愛され、勇猛果敢に敵と戦って結果を残すのですから‥。
◯古代東北の英雄 → アテルイの転生じゃね?
◯苦難に屈しない魂 → 蝦夷の末裔じゃね?
(蝦夷は蔑称ゆえ、お叱りを受けるかも‥)
アテルイと大谷選手の同郷は、偶然か必然か! アテルイを知るほどに、必然と思えます。日本の宝なれど、東北魂を体現する希望の星ですね。
発刊から四半世紀。遅きに失した感の出会いでしたが、本当に読むことができてよかったです。爆推しの上・下巻でした。
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