高橋克彦のレビュー一覧

  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    飛良手と丈部善理が対峙したときに放った飛良手の一言に、神国日本の虚栄像を垣間見た。「死に花を咲かすなど…武者であるのを自慢しておるらしいが、結局は心を持たぬ道具でしかあるまい。我らはこの戦さに進んで命を懸けている。罪もない女や子供を守るためだ。緑の大地を守るためだ。なのにそなたは命じられて戦さに加わっただけと言う。命じられれば親や子も迷わずに斬れるのだな」ー 朝廷の真意は分からない。しかし少なくとも蝦夷の人々は心から人道に生きていたということか。阿弖流為を「北の燿星」と表した意味を噛みしめながら下巻を楽しみにしたい。

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    2016年05月05日
  • 総門谷

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    ネタバレ

    『青夜叉』『星封陣』に続いて挑んだ高橋克彦作品。
    何でもアリ過ぎてレビューが書ききれない。

    トンデモではあるかもしれないが、一気に読み終えた。

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    2017年02月19日
  • 北斎の罪

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    鬼、竜、ホラー、搭馬双太郎、リサ&チョーサク、九鬼虹人。どれをとっても、後の高橋克彦の長編を成すもの。

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    2017年11月30日
  • 炎立つ 伍 光彩楽土

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    武士の美学…。新渡戸稲造が言ってたニワカBUSHIDOなんかじゃなくて、これぞ武士道。こんな大きな死に方見たことない。




     源義経の高橋克彦流の解釈。かなり『吾妻鏡』とは違う。

     吾妻鏡では、泰衡が秀衡に義経を守るように託されるも、頼朝に恭順すべく義経の首を差し出し、さらに義経に心酔していた弟の忠衡も誅滅したという。それによって頼朝に許しを得ようとするも、頼朝は勅令に背いたは大罪として断固として奥州藤原氏を討ち亡ぼすよう攻め込んだとしている。泰衡は逃げ続けたが最後は郎従の河田次郎に首を獲られたとされている。
     吾妻鏡は鎌倉幕府のつくった史書であり、ご都合主義が採用されていると思われる。

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    2015年09月20日
  • 炎立つ 四 冥き稲妻

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    ネタバレ

    後三年の役を舞台にした東北武士の物語。ここから奥州藤原氏は始まる。源義経を理解するならここから読み始めろ!!


     東北の歴史はブツブツと知る程度だけれど、脈々と続いていたことがよくわかって、歴史の勉強としても非常に理解が深まる。確かに正史ではないかもしれないけれど、この解釈は非常に納得がいく。というか、気持ちいい。


     前巻までの安部貞時や藤原経清らのように熱い感じは少ない。だけれど、生き残るには生死をかけないといけない、弱肉強食の時代を感じられる壮絶さを描いている。迫力ある描写は読みごたえあり。なんていうか…ページをめくるとその先は、血でべっとりしてる!!



     藤原清衡は…、我慢強か

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    2015年09月04日
  • 炎立つ 伍 光彩楽土

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    源氏による蝦夷奥州討伐の話。
    この時代の時代小説は珍しく、また日本の成り立ちのイメージも膨らみ、歴史に対する好奇心が広がって楽しかったな。

    1巻2巻は「前九年の役」
    3巻4巻は「後三年の役」
    5巻は「源義経」の話

    源義経の話は多いが、藤原氏視点と言うのは珍しいのではないか。興味深かった。

    【メモ】
    平将門の乱が平定されて100年後、蝦夷の反乱は、小規模ながら有るものの朝廷がよく機能し収めていた。朝廷は平氏や源氏を筆頭とする武士団に対して警戒するようになっていく。

    この国はもともと我らの祖先が開いた国、そこに帝の祖先が兵を率いて襲ってきた。我らの祖先はその時出雲を本拠地としていたが、追わ

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    2015年07月13日
  • 炎立つ 壱 北の埋み火

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    ミステリー、SF、伝奇と言った分野が多い高橋克彦氏であるが、正統的歴史物語である。と言うのもNHKの大河ドラマの原作として書かれているからだ。陸奥の藤原三代は歴史的にも有名だが、この物語はその一代前、当時蝦夷と呼ばれた安倍貞任に共鳴した藤原経清から始まる。大和朝廷にとって陸奥とは何だったのか、源氏と陸奥の関わりを明快に示してくれている。
    八幡太郎義家が義経に、経清が泰衡に転生するという筋書きには頷ける所がある。
    惜しむらくは、高橋氏の執筆が放送に追いつかなくなって、大河ドラマが途中から原作を無視したことである。高橋氏自身が途中からドラマを見たくなくなったそうである。

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    2019年01月09日
  • 竜の柩(1) 聖邪の顔編

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    とても面白かった。オカルト、考古学、古代文明の謎、オーパーツ。好きな要素ばかりで読み出したら止められなかった。

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    2015年05月13日
  • 炎立つ 弐 燃える北天

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    東北にスポットを当てた歴史戦争もの。西国が日本史の主流だけど、東北でこそ雪をも熔かす熱い戦いが繰り広げられていた。



     戦が始まった!源頼義との闘いが始まったぞ!!アツイ!アトゥイ!!心昂るぅ!!!謀略、謀略ぅ!!!

     源頼義のずるさが出る。でも、武士は武士だった。この頃からこんなに武士の倫理はあったのかなぁ?

    ______
    p9 鬼切部の後
     藤原登任というアホ陸奥守を安倍頼良が誅伐してその後、新たな陸奥守の着任は遅れた。朝廷は登任という誤った人選をしたことを自分たちの責任と認めてはいけない。次の陸奥守はきちんと実力のあるものを選んで、安倍氏を力でも支配における者を置かないと、後の反

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    2015年05月12日
  • 総門谷

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    高橋克彦が、吉川英治文学新人賞を受賞した作品。ミステリー作家と思われていた氏が、とんでもない伝奇SFを書いてしまった。ネタが凄い、あらゆるSFのテーマがほとんどつぎ込まれている。文庫本で778ページ。上下巻に分けないところがミソ。読み始めたが最後、読み終わるまで、飯も食えない。だって私がそうだったもの。

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    2015年03月24日
  • 時宗 巻の四 戦星

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    ついに蒙古襲来
    全国の武将が日本の為に命を懸ける
    この構造を時宗親子が作り出したのだ
    倉山満の歴史観では神風なしで勝てる体制を作った時宗が世界史に一石を投じたのだ

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    2015年03月23日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    宮沢賢治の生まれ育った町・岩手を含む東北地方に住む蝦夷たちの物語。
    自然が雄大だなぁ、と思う。

    歴史物は戦闘シーンが想像しにくくて読み飛ばしちゃうことがあったんだけど、これはすごく丁寧に書いてくれてるからじっくり読んでしまった。

    阿弖流為、母礼を始めとする蝦夷たちの友情は温かくて、阿弖流為と佳那、飛良手と滝名の恋愛は微笑ましくて、人間模様も素敵に描かれている。

    坂上田村麻呂の名前は(お、出てきましたな)って感じで登場してて、これからどうなるかは知ってても下巻が楽しみになる。

    こんな美しい東北に地震と津波があってから、そろそろ4年になるのだなぁ。

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    2015年03月06日
  • 炎立つ 伍 光彩楽土

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    時代が下って、平氏の台頭から奥州藤原氏の滅亡まで。泰衡が義経を逃がし、奥州の平穏を守るため、自ら滅ぶ道を選んだというのは、もちろん定説ではありませんが、これは「アテルイ」からの筆者の基本的な姿勢。まあこれはこれで良いかと。

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    2015年02月08日
  • だましゑ歌麿

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    これは、本当に面白い。
    久々に傑作の時代小説だった。
    登場人物に歌麿、北斎、蔦屋という豪華さに、主役の十手持ちの男振りの見事なこと。
    エンターテイメントとして、完璧。
    良い読書でした。

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    2015年01月17日
  • ドールズ 月下天使

    購入済み

    最高

    単純なストーリーみたいで奥が深い
    このシリーズをずっと続けて欲しい
    目吉センセーの大ファンです

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    2015年01月12日
  • 炎立つ 四 冥き稲妻

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    後三年の役と奥州藤原氏の成立を描く第4巻。安倍氏と源氏の争いだった前九年の役と比べると、スケールも登場人物もスケールダウンの印象も、高橋克彦氏の筆の冴えはさすが。はずれ無しです。

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    2014年11月16日
  • 炎立つ 伍 光彩楽土

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    今までの集大成。全5巻は多いという方も、最終巻だけでもおすすめです。
    読後に奥州に旅立った方が結構いらっしゃってびっくり。…自分も旅立ちました(大笑)!

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    2014年10月07日
  • 炎立つ 四 冥き稲妻

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    3巻の主人公の子供が主人公。母親と2人で敵の館で暮らしているという過酷な生活。
    でもこの人が陸奥を纏めるようになるんです。どうやってそこまで登り詰めたのか。
    この人もすごく気丈。 

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    2014年10月07日
  • 炎立つ 参 空への炎

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    誰かがすべて悪いというわけじゃなくて。それぞれの思いが擦れ違っている所が切ない。
    登場人物も見所もすごく多い。擦れ違った思い達が繋がり、滅びが訪れる。
    ☆←ブログの方は纏め切れていませんが(汗)。

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    2014年10月07日
  • 炎立つ 弐 燃える北天

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    一巻の続き。一件落着したと思いきや、今度は源氏が陸奥に乗り込んできた。
    名を挙げるため戦に持ち込みたい源氏と、戦を避けたい安部氏の策略の応酬。
    でも防ぎきれず戦に。安部氏強い!☆

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    2014年10月07日