高橋克彦のレビュー一覧

  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    坂田村田麻呂の蝦夷征討の話。主人公は 蝦夷・ 阿弖流為。

    「炎立つ」に負けず、心熱くなる話であった。蝦夷贔屓の著者によると、史実がこうなるのかと感心しながら読むが、引き込まれ蝦夷の心意気に熱くなる。

    「4千人が呼応しての戦となれば、命令が下まで届くことこそ大事。それには馴れ合いこそが大敵と心得ねばならない。もし自分の兵を他の兵と同じに扱えるか?いや、過酷な状況に追いやって無駄に死なせることになるだろう。出身地関係無く、兵を混ぜ、将も感情に流されず、指揮する事が必要。」のくだりは現在のマネジメントにも繋がると感じ、多くの人間を部下にもつ人の考え方を垣間見れた。

    【参考】
    文の菅原道真と武の

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    2017年05月16日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(2)

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     南部の雄、九戸政実は南部一族内の権謀術数うごめく陸奥に縛られていた。そんな中、天下人となった秀吉が20万の兵を率いて東へ進軍を始める。

     前巻では、政実の戦いぶりが数多く描かれ、戦国武将の強さを見せつけられましたが、この巻の前半部分では、合議の駆け引きの緊張感漂う戦いが描かれ、一気に読み進めてしまいました。

     陸奥に縛られながらも南部の将来を見据えて闘い続ける政実の生きざまに心を打たれてしまいました。

     政実の敵や弟たちが戦いの中で武将として成長していく様子も読みごたえがありました。

     次巻の最終巻で政実が秀吉とどのような決着をつけることになるのかしっかりと見届けたいと思います。

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    2017年05月07日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    登録を忘れていたので改めて。上巻を読んでから少し時間が空いたけど、結構キャラがたっていることもあって、人物関係の把握とかは問題なし。更に歴史上の超有名人が積極的に絡んできたこともあり、上巻以上に魅力的な内容になっていました。最後まで優勢に抗いぬいたアテルイ軍団が素敵過ぎるけど、幹部連中の見事な散り方に感動。この時代、こんなにも心惹かれる戦いが繰り広げられていたんですね。実に面白かったです。本作者の東北関連作品が解説で紹介されていたけど、是非とも読んでみたくなりました。

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    2017年02月07日
  • 総門谷

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    ちょうどこの時同時に読んでいた柳田さんの「遠野物語」とリンクする部分が多く、シンクロニシティを感じたのを覚えています。東北地方の不可思議さにも関心をもつきっかけになりました。普通のSFとしても一級品と思います。

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    2017年01月19日
  • 浮世絵鑑賞事典

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    浮世絵インデックス本、もんのすごい短文ですばらしいまとめっぷりに脱帽、”事典”の名を冠する事に意義無し。ビギナー向けの基本情報にも良いと思いますし、ババ的ド忘れを補うのに最適。読み物と言うにはナニですが、1、2分の隙間に(たとえば厠とか、笑)1つ読むような、そんな用法もアリだと思います。とりあえず、1冊常備系。
    著者の専門分野の”角川ソフィア”物件なのでぶよぶよエイリアンとかは出て来ないです。

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    2016年11月25日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    まだ日本が今ほどひとつじゃなかった頃、奈良時代末期の物語。金が採取される山があって、それをめぐる戦いが、即ち蝦夷との戦いだったんですね。授業では時間が無くて仕方が無いんだけど、年代と人物と出来事を詰め込んだだけで、どういう事件だったのかとか、背景にまつわる部分は本当に知らないことばかり。小説だけの脚色とか、もちろん多々あるんだろうけど、それにしてもこうやって描かれると、随分興味の持ち方も違ってくると思うんですけどね。いわゆるゲリラ戦で少が多を挫く、って内容に終始しているけど、ここからの後半で逆転劇が起こるんですね。ちょっと寂しいけど。ってか、敢えて苦言を呈するなら、政府軍の不甲斐なさが目立ちす

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    2016年10月12日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    ネタバレ

    以下、思いっきりラストのネタバレ。
    他の蝦夷を離反させたように見せかけ、アテルイが犠牲となって、大多数の蝦夷と朝廷の和議へと方向づける...というのは幾らなんでも作者の創作だろう(もちろん小説なんだから、これくらいは有りだよ)。ただ、それを考えると、戦闘には負け続けていながら、蝦夷の結束を崩し、アテルイを捕虜にして、蝦夷との戦争を終らせてしまった田村麻呂の力量が凄いわな。この辺りの史実をもっと調べてみたくなる。

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    2016年08月07日
  • 星の塔

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    東北の民話をベースにした、それはそれは恐ろしくて怖いお話ばっかり。

    「さざえ堂」の螺旋階段を登ってみたい。

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    2016年07月26日
  • 星封陣

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    オチが今ひとつ…だけどおもしろかった。
    主人公が太っている事にも意味があったのだな。
    しかし最後はつまり?どうなったの?
    黄金のジパング?

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    2016年06月20日
  • 時宗 巻の四 戦星

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    蒙古に勝ったのは、神風が吹いたからではなく、立派な作戦勝ちだったということが、よくわかります。大河ドラマの時は、ほとんど見ていませんでした。

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    2016年06月19日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    22年間無敗を通しながら、最後に投降という形で幕を閉じたのは、蝦夷の未来を守るために周到に練られた阿弖流為の戦略だったのか。その気持ちは田村麻呂には届いたが、朝廷や都の民には届かなかった。っというより理解されなかったというべきか。断末魔の阿弖流為の言葉が今も目に焼き付いて離れない。「俺たちはなにも望んでおらぬ。ただそなたらとおなじ心を持つ者だと示したかっただけだ。蝦夷は獣にあらず。鬼でもない。子や親を愛し、花や風に喜ぶ…」そう。阿弖流為はただ、蝦夷という地を正しく理解してほしかっただけだった。

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    2016年06月19日
  • ドールズ 闇から覗く顔

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    ネタバレ

    これは「ドールズシリーズ」2冊目になる。

    2冊目は短編集なので
    どれを読んでも最後は
    おっさん目吉センセーが現れて
    江戸言葉に江戸時代の仁義で
    犯人を説得する。
    これが何とも良い。
    私が犯人でも
    説得されて出頭するわ。

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    2016年06月08日
  • ドールズ

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    ネタバレ

    ドールズシリーズの1冊目
    (最近5冊目が発刊されたらしいが
    今は単行本なので我慢)

    個人的には2冊目の
    短編集が1番!
    江戸の古き良き時代の
    考えが現れていて
    江戸言葉で
    犯人に問いかける。
    「おめえさんも・・・」
    ほっこりして好きだった。

    シリーズ全般を通して
    面白い着眼点で
    面白い小説だった。

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    2016年06月08日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    飛良手と丈部善理が対峙したときに放った飛良手の一言に、神国日本の虚栄像を垣間見た。「死に花を咲かすなど…武者であるのを自慢しておるらしいが、結局は心を持たぬ道具でしかあるまい。我らはこの戦さに進んで命を懸けている。罪もない女や子供を守るためだ。緑の大地を守るためだ。なのにそなたは命じられて戦さに加わっただけと言う。命じられれば親や子も迷わずに斬れるのだな」ー 朝廷の真意は分からない。しかし少なくとも蝦夷の人々は心から人道に生きていたということか。阿弖流為を「北の燿星」と表した意味を噛みしめながら下巻を楽しみにしたい。

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    2016年05月05日
  • 総門谷

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    ネタバレ

    『青夜叉』『星封陣』に続いて挑んだ高橋克彦作品。
    何でもアリ過ぎてレビューが書ききれない。

    トンデモではあるかもしれないが、一気に読み終えた。

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    2017年02月19日
  • 北斎の罪

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    鬼、竜、ホラー、搭馬双太郎、リサ&チョーサク、九鬼虹人。どれをとっても、後の高橋克彦の長編を成すもの。

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    2017年11月30日
  • 炎立つ 伍 光彩楽土

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    ネタバレ

    武士の美学…。新渡戸稲造が言ってたニワカBUSHIDOなんかじゃなくて、これぞ武士道。こんな大きな死に方見たことない。




     源義経の高橋克彦流の解釈。かなり『吾妻鏡』とは違う。

     吾妻鏡では、泰衡が秀衡に義経を守るように託されるも、頼朝に恭順すべく義経の首を差し出し、さらに義経に心酔していた弟の忠衡も誅滅したという。それによって頼朝に許しを得ようとするも、頼朝は勅令に背いたは大罪として断固として奥州藤原氏を討ち亡ぼすよう攻め込んだとしている。泰衡は逃げ続けたが最後は郎従の河田次郎に首を獲られたとされている。
     吾妻鏡は鎌倉幕府のつくった史書であり、ご都合主義が採用されていると思われる。

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    2015年09月20日
  • 炎立つ 四 冥き稲妻

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    ネタバレ

    後三年の役を舞台にした東北武士の物語。ここから奥州藤原氏は始まる。源義経を理解するならここから読み始めろ!!


     東北の歴史はブツブツと知る程度だけれど、脈々と続いていたことがよくわかって、歴史の勉強としても非常に理解が深まる。確かに正史ではないかもしれないけれど、この解釈は非常に納得がいく。というか、気持ちいい。


     前巻までの安部貞時や藤原経清らのように熱い感じは少ない。だけれど、生き残るには生死をかけないといけない、弱肉強食の時代を感じられる壮絶さを描いている。迫力ある描写は読みごたえあり。なんていうか…ページをめくるとその先は、血でべっとりしてる!!



     藤原清衡は…、我慢強か

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    2015年09月04日
  • 炎立つ 伍 光彩楽土

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    源氏による蝦夷奥州討伐の話。
    この時代の時代小説は珍しく、また日本の成り立ちのイメージも膨らみ、歴史に対する好奇心が広がって楽しかったな。

    1巻2巻は「前九年の役」
    3巻4巻は「後三年の役」
    5巻は「源義経」の話

    源義経の話は多いが、藤原氏視点と言うのは珍しいのではないか。興味深かった。

    【メモ】
    平将門の乱が平定されて100年後、蝦夷の反乱は、小規模ながら有るものの朝廷がよく機能し収めていた。朝廷は平氏や源氏を筆頭とする武士団に対して警戒するようになっていく。

    この国はもともと我らの祖先が開いた国、そこに帝の祖先が兵を率いて襲ってきた。我らの祖先はその時出雲を本拠地としていたが、追わ

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    2015年07月13日
  • 炎立つ 壱 北の埋み火

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    ミステリー、SF、伝奇と言った分野が多い高橋克彦氏であるが、正統的歴史物語である。と言うのもNHKの大河ドラマの原作として書かれているからだ。陸奥の藤原三代は歴史的にも有名だが、この物語はその一代前、当時蝦夷と呼ばれた安倍貞任に共鳴した藤原経清から始まる。大和朝廷にとって陸奥とは何だったのか、源氏と陸奥の関わりを明快に示してくれている。
    八幡太郎義家が義経に、経清が泰衡に転生するという筋書きには頷ける所がある。
    惜しむらくは、高橋氏の執筆が放送に追いつかなくなって、大河ドラマが途中から原作を無視したことである。高橋氏自身が途中からドラマを見たくなくなったそうである。

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    2019年01月09日