高橋克彦のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
日本を守ったのは20代の若者だ
【巻の壱】まだ時宗は最後の最後で産まれたばかりの第一巻。主に北条時頼が5代執権に就任した前後の権力闘争を描く。やたらと兄弟や親戚が多いから、誰と誰が味方で敵なのか把握が実に難しい。北条家内部でのお家騒動に始まり、将軍家との対立や最大豪族三浦氏との対立、源氏の復権を狙う足利氏との対立など、様々な思惑が絡み合う中で、冷静に対処していく時頼が頼もしい。また、『徒然草』の中で障子の張り替えの話に登場する時頼の母松下禅尼の賢母ぶりが、ここでもいかんなく発揮されていて、兼好法師が称賛する理由も頷ける。
【巻の弐】北条時頼の生き様が格好いい。北条家得宗としての帝王学、私利私欲のない奉仕精神、日本国の行 -
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上巻はつまらなかったけれど、下巻は良かったです。
変な男女間のラブ要素は一切なく、男として蝦夷としての戦いと死にざまが素晴らしかった!
自分の名誉ではなく、蝦夷の名誉と将来のために生きた阿弖流為くんと母礼さんの物語を読んで、次に京都の清水寺に行ったときは彼らの慰霊碑に手を合わせて来ようと思いました。
坂上田村麻呂さんはダメな巨大組織にある良心的な部長みたいな感じで、彼の苦しみのほうが現代社会では理解しやすいかもしれない。
なので、ラストにちゃんと行動で示す田村麻呂さんの武士らしさにリアルな悲哀を感じ、最後まで涙しました。
次に読むときは上巻は無視して下巻だけ読もうかな(笑)
途中で脱落し -
Posted by ブクログ
<上下巻通してのレビュー>
辺境と蔑まれ、それゆえに朝廷の興味から遠ざけられ、平和に暮らしていた陸奥の民。八世紀、黄金を求めて支配せんとする朝廷の大軍に、蝦夷の若きリーダー・阿弖流為(アテルイ)は遊撃戦を開始した。北の将たちの熱い思いと民の希望を担って。
古代東北の英雄の生涯を空前のスケールで描く、吉川英治文学賞受賞の傑作。
涙をこぼしながら読み終えました。感情移入してしまい、もう、涙、涙なのです。
陸奥の地に平和を愛し、自然とともに住む蝦夷という民がありました。
朝廷は、この地から出る黄金を欲して蝦夷討伐に乗り出します。
蝦夷たちは自分たちの生活に必要のない黄金になど興味はなかったが -
Posted by ブクログ
なんだこれ!めっちゃおもしろいじゃないか!
というのが率直な感想。こんなおもしろい小説に出会えてラッキーだ。
この小説を見つけたのは些細なきっかけだった。
古文の授業で『奥の細道』をやった。
この紀行文の中に、作者の松尾芭蕉が、奥州藤原氏の跡を訪ねて涙を流す「平泉」という箇所がある。
説明しながら、「そういえば奥州藤原氏についてはおれもちゃんと知らないなあ」と思い、奥州藤原氏を描いた小説はないものか、と探してこの小説を見つけた。
読んでみてとてもおもしろいのでびっくり。
全5巻でこれが1冊目。とにかく面白い。展開が熱い。歴史もよくわかるし、登場人物たちがみんなキャラが立っていて魅 -
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【ねじれた記憶】
『空耳だろうか。こっそりと忍び寄る足音が聞こえる。あれは私の足音なのだ。
振り返って確かめたい欲望にかられた。
ひたひたひた。
どちらの私も息を潜めていた。
【膚の記憶】
『体の関係ができたのは半年前のことだ。ママは三十八。私の生活に割り込んでくるような野暮な女ではない。五十にもなって妙な言い方だが、私たちは文字通り大人の付き合いをしている。』
【霧の記憶】
『だが、すべてはロンドンの霧のようにぼやけている。記憶にも時効があるのだろうか。
私はひたすらそれを願った。
でなければ生きていけないような気がした。
咲子を殺したのは私かも知れない。』 -
購入済み
日本古代史から続く歴史SF
半村良、石の血脈以来のお気に入り歴史SFで楽しんでます。前者も長編で一気読み出来ませんでしたがこれはもっと無理。膨大な史料調査がベースにあってもあくまで小説、というのについ引き込まれます。まだ読み終わってませんが長い歴史を持つ日本を見つめ直し故事巡礼の旅に出たくなります。但し日本の地理と歴史に興味が無いと??かも知れません。ディスカウント合本冊で一気に入手出来て嬉しいです。
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Posted by ブクログ
本書の舞台である平安京遷都前の東北地方について、数十年前に読んだ教科書には確か「坂上田村麻呂が初代 征夷大将軍として東北を平定」のようにすごくあっさりとだけ記述されていたような記憶があります。
途中まで面白いように策が的中し無敵とも思える蝦夷軍が何故、どのように敗れてしまったのかと思いながら読み進めましたが、このように描いてくれた高橋氏に感謝すら覚えるほどの素晴らしい結末でした。
本書を読んでいなければ生涯知ることがなかった可能性もある蝦夷の歴史は、非常に誇り高く、有能で、かつ魅力的な男たちの物語です。
陸奥三部作を読んで東北地方に対するイメージがすっかり変わりました。まだ平泉に一度訪れただけ