高橋克彦のレビュー一覧

  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

    Posted by ブクログ

    最後まで、自ら攻撃を仕掛ける事のなかった蝦夷。蝦夷の誇りを取り戻そうとして、闘いに挑み、最後まで破れる事はなかった。
    坂上田村麻呂との阿弖流為らとの友情。坂上田村麻呂が建立した清水寺に、阿弖流為、母禮らの慰霊碑があるのも、その友情ゆえ。

    弘仁5年12月1日(815年1月14日)、嵯峨天皇は「既に皇化に馴れて、深く以て恥となす。宜しく早く告知して、夷俘と号すること莫かるべし。今より以後、官位に随ひて称せ。若し官位無ければ、即ち姓名を称せ」と蝦夷に対して夷俘と蔑称することを禁止する勅を発し、ここに征夷の時代が終焉した。
     
    誇りを取り戻すために闘った蝦夷の英雄に、感動を覚えます。

    0
    2020年08月18日
  • 水壁 アテルイを継ぐ男

    Posted by ブクログ

    尊敬する高橋先生の新作。陸奥四部作に次ぐ5つ目の物語。

    物語は「火怨」と「炎立つ」の間の時代。阿弖流為の反乱後、朝廷の支配下に入るものの、他国と同程度の扱いを受けられず、ただ租税を払うだけの立場に苦しむ時代。立ち上がったのは阿弖流為の子孫である天日子。元から部下や家族を背負い、先頭に立っていた過去3作とは異なり、徐々にリーダーとしての資質を現していく姿は青春小説としての魅力もたっぷりとあった。また、右腕の阿部幻水の存在も良い。二人の関係は、阿弖流為と母礼、貞任と経清の関係を思い出させられる。

    何より元慶の乱という事件を知らなかったため、敗北という事実が分かりきっている過去作と異なり、どうい

    0
    2020年08月13日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

    Posted by ブクログ

    良い意味で少年漫画のよう。
    阿弖流為と母礼の練りに練った策や戦の臨場感にワクワクする。
    そして、何でここから降伏する流れになるんだ? と読み進め、蝦夷の陸奥の未来への思いの深さに痺れてしまう。
    ラストの飛良手と田村麻呂も印象的。

    0
    2020年06月13日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

    Posted by ブクログ

    下巻。
    いよいよ坂上田村麻呂が登場。阿弖流為率いる蝦夷軍との裏の裏をかく攻防戦。
    終盤からはずっと泣きっぱなし。涙なしには読めませんでした。己の尊厳をかけて戦う蝦夷たちの生き様、しかと見届けました。そして、蝦夷を獣などではなく一人一人の人間として敬い、対等に戦った田村麻呂にも心を打たれた。
    阿弖流為たちが命を賭けて守った東北の地に行ってみたくなりました。
    原作を読んだ後に宝塚版を再視聴しましたが、オリジナルキャラが出てきたり、多少のキャラ改変や脚色はあったけど、ほぼ原作に忠実な流れで、上下巻を2時間ほどに上手にまとめてあるなぁと思いました。田村麻呂と阿弖流為が都で初対面っていう設定なのはちょっ

    0
    2020年05月15日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

    Posted by ブクログ

    ぜひ他の人にも勧めたい作品。戦国ものの小説や冒険ものの少年マンガにあまり興味を持たない私がこんなに入り込み、泣いてしまうとは。。坂上田村麻呂に関しては、日本史の授業で習った「征夷大将軍で東北(蝦夷)を平定した」としか記憶がなく、蝦夷に関しては蛮族とされ不遇されていたとしか知識がなかった。こんな攻防が繰り広げられていたとは…。いろいろ書くとネタバレしそうなので、抑えておくが、この熱い男たちの話を多くの人たちに読んでもらいたい!次は「風の陣」を読みます。

    0
    2020年05月13日
  • 炎立つ 伍 光彩楽土

    Posted by ブクログ

    最終巻は、戦をしない、りっぱな武士の話でした。
    以前、何も知らないで中尊寺に行きましたが、今度はしっかり参りたいと思いました。

    「まことの武士たるは安寧にあって乱に備え、乱にあるや一人平穏を保つ者である」

    0
    2020年05月06日
  • 鬼九郎鬼草子 舫鬼九郎2

    Posted by ブクログ

    シリーズ2作目にしてますます面白くなってきた。
    何の気なしに調べてみたら幡随院長兵衛や唐犬権兵衛だけでなく天竺徳兵衛、高尾太夫、夢の市郎兵衛、明石志賀之助までもが実在の人物だったとは、驚くと共に当時の江戸の街の賑やかな様子が偲ばれます。
    天海僧正の清濁合わせ飲む凄みや、左甚五郎のやや不可解な行動の裏側など、登場人物の賑やかさだけでなくストーリー展開も見逃せません。

    0
    2020年04月29日
  • 時宗 全4冊合本版

    ネタバレ 購入済み

    日本を守ったのは20代の若者だ

    【巻の壱】まだ時宗は最後の最後で産まれたばかりの第一巻。主に北条時頼が5代執権に就任した前後の権力闘争を描く。やたらと兄弟や親戚が多いから、誰と誰が味方で敵なのか把握が実に難しい。北条家内部でのお家騒動に始まり、将軍家との対立や最大豪族三浦氏との対立、源氏の復権を狙う足利氏との対立など、様々な思惑が絡み合う中で、冷静に対処していく時頼が頼もしい。また、『徒然草』の中で障子の張り替えの話に登場する時頼の母松下禅尼の賢母ぶりが、ここでもいかんなく発揮されていて、兼好法師が称賛する理由も頷ける。

    【巻の弐】北条時頼の生き様が格好いい。北条家得宗としての帝王学、私利私欲のない奉仕精神、日本国の行

    0
    2020年02月08日
  • 時宗 巻の四 戦星

    Posted by ブクログ

    最終巻はいよいよ元寇。
    歴史の授業では二度の神風に守られたと習ったはずですが、本書では幕府軍の駆引きと武士の気概、内部崩壊による半自滅で弱っていた元軍などの背景が加わって、色彩豊かな出来事として読むことが出来ました。
    あの時代に巨大な帝国と戦をするために国をまとめた偉大な執権がいたということを、本書を読んで初めて知りました。

    0
    2019年11月21日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

    Posted by ブクログ

    上巻はつまらなかったけれど、下巻は良かったです。
    変な男女間のラブ要素は一切なく、男として蝦夷としての戦いと死にざまが素晴らしかった!

    自分の名誉ではなく、蝦夷の名誉と将来のために生きた阿弖流為くんと母礼さんの物語を読んで、次に京都の清水寺に行ったときは彼らの慰霊碑に手を合わせて来ようと思いました。

    坂上田村麻呂さんはダメな巨大組織にある良心的な部長みたいな感じで、彼の苦しみのほうが現代社会では理解しやすいかもしれない。
    なので、ラストにちゃんと行動で示す田村麻呂さんの武士らしさにリアルな悲哀を感じ、最後まで涙しました。

    次に読むときは上巻は無視して下巻だけ読もうかな(笑)
    途中で脱落し

    0
    2019年10月26日
  • 緋(あか)い記憶

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    短編集。
    一つひとつ、何となく答えが見えてそうで、見えなかったり、気付いたら最後まで読んでた感じ。
    読みやすいサスペンス。

    0
    2019年09月26日
  • 竜の柩(4)約束の地編

    Posted by ブクログ

    世界中の古代文明に関する膨大な知識に独自の解釈を組み合わせて、それぞれを日本と絡めながら、かつ物語として成立させる力技に感心するしかない。かなりマニアックなので一般受けしないかもしれませんが、自分にとっては本当に楽しい作品でした。

    0
    2019年04月22日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

    Posted by ブクログ

    <上下巻通してのレビュー>

    辺境と蔑まれ、それゆえに朝廷の興味から遠ざけられ、平和に暮らしていた陸奥の民。八世紀、黄金を求めて支配せんとする朝廷の大軍に、蝦夷の若きリーダー・阿弖流為(アテルイ)は遊撃戦を開始した。北の将たちの熱い思いと民の希望を担って。
    古代東北の英雄の生涯を空前のスケールで描く、吉川英治文学賞受賞の傑作。


    涙をこぼしながら読み終えました。感情移入してしまい、もう、涙、涙なのです。

    陸奥の地に平和を愛し、自然とともに住む蝦夷という民がありました。
    朝廷は、この地から出る黄金を欲して蝦夷討伐に乗り出します。
    蝦夷たちは自分たちの生活に必要のない黄金になど興味はなかったが

    0
    2019年03月29日
  • 炎立つ 壱 北の埋み火

    Posted by ブクログ

    なんだこれ!めっちゃおもしろいじゃないか!

    というのが率直な感想。こんなおもしろい小説に出会えてラッキーだ。

    この小説を見つけたのは些細なきっかけだった。

    古文の授業で『奥の細道』をやった。

    この紀行文の中に、作者の松尾芭蕉が、奥州藤原氏の跡を訪ねて涙を流す「平泉」という箇所がある。

    説明しながら、「そういえば奥州藤原氏についてはおれもちゃんと知らないなあ」と思い、奥州藤原氏を描いた小説はないものか、と探してこの小説を見つけた。

    読んでみてとてもおもしろいのでびっくり。

    全5巻でこれが1冊目。とにかく面白い。展開が熱い。歴史もよくわかるし、登場人物たちがみんなキャラが立っていて魅

    0
    2019年03月11日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

    Posted by ブクログ

    これまでの奥州についての知識とはかなり違っていて衝撃的だった。
    旅行したときも、朝廷側から見た考えが強く
    アテルイはあまり良い印象ではなかったのが、180度変わった。
    何事においても双方の立場から見てみると、全く言い分が違うのだ。

    0
    2018年10月17日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

    Posted by ブクログ

    先月平泉に旅行する際にかの地の歴史を調べ、アテルイのことを知った。
    旅行した地名が出て来て想像しながら読むのはとても楽しく、下巻がとても楽しみ。

    0
    2018年10月17日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(3)

    Posted by ブクログ

    二巻目までは、なんやかんや言いながらもフィクサーの如く他人を動かすだけで自身は殆ど行動を起こさなかった政実がついに立ち上がった。
    最終的には勝てる見込みのない戦いだと分かっていながら、決して臆することなく一戦一戦は完勝を続ける九戸党が見せる戦の強さ。最後に「負けたことがないからこの先が分からない」と笑い飛ばす潔さ。政実だけでなく、みんな格好良かった。
    この本を読んで戦国期の東北を初めて知りましたが、圧倒的少数ながら豊臣軍に引けを取らず、兵を救うために降伏しながらも、その約束を反故にされたという大筋は史実のようですね。

    0
    2018年09月29日
  • 非写真(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    写真に撮れば現実の裏側も真実として写し出しているかもしれない。怖い話が読みたくて買って読んだんですが、もっと違うものを感じ取ってしまったかも。小説と写真の違いとか作者はめっちゃ考えているのかなとか思った。あとは震災のこと。岩手県の方なのできっとワタシの見ていた震災のことよりももっと心のなかでどうしようもないものを感じておられるんやろうとは思う。あの時、たくさんの命を一気に連れていったことをずーっとワタシも考えている。そこから、離れられない。

    0
    2018年07月05日
  • 緋(あか)い記憶

    Posted by ブクログ

    【ねじれた記憶】
    『空耳だろうか。こっそりと忍び寄る足音が聞こえる。あれは私の足音なのだ。
    振り返って確かめたい欲望にかられた。
    ひたひたひた。
    どちらの私も息を潜めていた。

    【膚の記憶】
    『体の関係ができたのは半年前のことだ。ママは三十八。私の生活に割り込んでくるような野暮な女ではない。五十にもなって妙な言い方だが、私たちは文字通り大人の付き合いをしている。』

    【霧の記憶】
    『だが、すべてはロンドンの霧のようにぼやけている。記憶にも時効があるのだろうか。
    私はひたすらそれを願った。
    でなければ生きていけないような気がした。
    咲子を殺したのは私かも知れない。』

    0
    2018年06月09日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

    Posted by ブクログ

    東北の地を巡る蝦夷のプライドをかけた戦いも大団円を迎えます。坂上田村麻呂の登場で、状況が大きく変わり物語は一気に終焉に向かって進みます。登場する男たちが本当にかっこいい!ドラマにもなっているようで、見てみたいです。

    0
    2018年04月01日