高橋克彦のレビュー一覧

  • 時宗 全4冊合本版

    ネタバレ 購入済み

    日本を守ったのは20代の若者だ

    【巻の壱】まだ時宗は最後の最後で産まれたばかりの第一巻。主に北条時頼が5代執権に就任した前後の権力闘争を描く。やたらと兄弟や親戚が多いから、誰と誰が味方で敵なのか把握が実に難しい。北条家内部でのお家騒動に始まり、将軍家との対立や最大豪族三浦氏との対立、源氏の復権を狙う足利氏との対立など、様々な思惑が絡み合う中で、冷静に対処していく時頼が頼もしい。また、『徒然草』の中で障子の張り替えの話に登場する時頼の母松下禅尼の賢母ぶりが、ここでもいかんなく発揮されていて、兼好法師が称賛する理由も頷ける。

    【巻の弐】北条時頼の生き様が格好いい。北条家得宗としての帝王学、私利私欲のない奉仕精神、日本国の行

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    2020年02月08日
  • 時宗 巻の四 戦星

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    最終巻はいよいよ元寇。
    歴史の授業では二度の神風に守られたと習ったはずですが、本書では幕府軍の駆引きと武士の気概、内部崩壊による半自滅で弱っていた元軍などの背景が加わって、色彩豊かな出来事として読むことが出来ました。
    あの時代に巨大な帝国と戦をするために国をまとめた偉大な執権がいたということを、本書を読んで初めて知りました。

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    2019年11月21日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    上巻はつまらなかったけれど、下巻は良かったです。
    変な男女間のラブ要素は一切なく、男として蝦夷としての戦いと死にざまが素晴らしかった!

    自分の名誉ではなく、蝦夷の名誉と将来のために生きた阿弖流為くんと母礼さんの物語を読んで、次に京都の清水寺に行ったときは彼らの慰霊碑に手を合わせて来ようと思いました。

    坂上田村麻呂さんはダメな巨大組織にある良心的な部長みたいな感じで、彼の苦しみのほうが現代社会では理解しやすいかもしれない。
    なので、ラストにちゃんと行動で示す田村麻呂さんの武士らしさにリアルな悲哀を感じ、最後まで涙しました。

    次に読むときは上巻は無視して下巻だけ読もうかな(笑)
    途中で脱落し

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    2019年10月26日
  • 緋(あか)い記憶

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    ネタバレ

    短編集。
    一つひとつ、何となく答えが見えてそうで、見えなかったり、気付いたら最後まで読んでた感じ。
    読みやすいサスペンス。

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    2019年09月26日
  • 竜の柩(4)約束の地編

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    世界中の古代文明に関する膨大な知識に独自の解釈を組み合わせて、それぞれを日本と絡めながら、かつ物語として成立させる力技に感心するしかない。かなりマニアックなので一般受けしないかもしれませんが、自分にとっては本当に楽しい作品でした。

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    2019年04月22日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    <上下巻通してのレビュー>

    辺境と蔑まれ、それゆえに朝廷の興味から遠ざけられ、平和に暮らしていた陸奥の民。八世紀、黄金を求めて支配せんとする朝廷の大軍に、蝦夷の若きリーダー・阿弖流為(アテルイ)は遊撃戦を開始した。北の将たちの熱い思いと民の希望を担って。
    古代東北の英雄の生涯を空前のスケールで描く、吉川英治文学賞受賞の傑作。


    涙をこぼしながら読み終えました。感情移入してしまい、もう、涙、涙なのです。

    陸奥の地に平和を愛し、自然とともに住む蝦夷という民がありました。
    朝廷は、この地から出る黄金を欲して蝦夷討伐に乗り出します。
    蝦夷たちは自分たちの生活に必要のない黄金になど興味はなかったが

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    2019年03月29日
  • 炎立つ 壱 北の埋み火

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    なんだこれ!めっちゃおもしろいじゃないか!

    というのが率直な感想。こんなおもしろい小説に出会えてラッキーだ。

    この小説を見つけたのは些細なきっかけだった。

    古文の授業で『奥の細道』をやった。

    この紀行文の中に、作者の松尾芭蕉が、奥州藤原氏の跡を訪ねて涙を流す「平泉」という箇所がある。

    説明しながら、「そういえば奥州藤原氏についてはおれもちゃんと知らないなあ」と思い、奥州藤原氏を描いた小説はないものか、と探してこの小説を見つけた。

    読んでみてとてもおもしろいのでびっくり。

    全5巻でこれが1冊目。とにかく面白い。展開が熱い。歴史もよくわかるし、登場人物たちがみんなキャラが立っていて魅

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    2019年03月11日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    これまでの奥州についての知識とはかなり違っていて衝撃的だった。
    旅行したときも、朝廷側から見た考えが強く
    アテルイはあまり良い印象ではなかったのが、180度変わった。
    何事においても双方の立場から見てみると、全く言い分が違うのだ。

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    2018年10月17日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    先月平泉に旅行する際にかの地の歴史を調べ、アテルイのことを知った。
    旅行した地名が出て来て想像しながら読むのはとても楽しく、下巻がとても楽しみ。

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    2018年10月17日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(3)

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    二巻目までは、なんやかんや言いながらもフィクサーの如く他人を動かすだけで自身は殆ど行動を起こさなかった政実がついに立ち上がった。
    最終的には勝てる見込みのない戦いだと分かっていながら、決して臆することなく一戦一戦は完勝を続ける九戸党が見せる戦の強さ。最後に「負けたことがないからこの先が分からない」と笑い飛ばす潔さ。政実だけでなく、みんな格好良かった。
    この本を読んで戦国期の東北を初めて知りましたが、圧倒的少数ながら豊臣軍に引けを取らず、兵を救うために降伏しながらも、その約束を反故にされたという大筋は史実のようですね。

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    2018年09月29日
  • 非写真(新潮文庫)

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    写真に撮れば現実の裏側も真実として写し出しているかもしれない。怖い話が読みたくて買って読んだんですが、もっと違うものを感じ取ってしまったかも。小説と写真の違いとか作者はめっちゃ考えているのかなとか思った。あとは震災のこと。岩手県の方なのできっとワタシの見ていた震災のことよりももっと心のなかでどうしようもないものを感じておられるんやろうとは思う。あの時、たくさんの命を一気に連れていったことをずーっとワタシも考えている。そこから、離れられない。

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    2018年07月05日
  • 緋(あか)い記憶

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    【ねじれた記憶】
    『空耳だろうか。こっそりと忍び寄る足音が聞こえる。あれは私の足音なのだ。
    振り返って確かめたい欲望にかられた。
    ひたひたひた。
    どちらの私も息を潜めていた。

    【膚の記憶】
    『体の関係ができたのは半年前のことだ。ママは三十八。私の生活に割り込んでくるような野暮な女ではない。五十にもなって妙な言い方だが、私たちは文字通り大人の付き合いをしている。』

    【霧の記憶】
    『だが、すべてはロンドンの霧のようにぼやけている。記憶にも時効があるのだろうか。
    私はひたすらそれを願った。
    でなければ生きていけないような気がした。
    咲子を殺したのは私かも知れない。』

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    2018年06月09日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    東北の地を巡る蝦夷のプライドをかけた戦いも大団円を迎えます。坂上田村麻呂の登場で、状況が大きく変わり物語は一気に終焉に向かって進みます。登場する男たちが本当にかっこいい!ドラマにもなっているようで、見てみたいです。

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    2018年04月01日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(3)

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    どこまでも熱い漢達の話、第三弾。
    九戸政実なんて、日本史で習った記憶無い程知名度は低いと思うのですが、天下人秀吉にここまで抗った武将が他に居るのでしょうか。

    素晴らしく魅力的な人物が次々と登場しますが、やはり九戸政実が断トツ。
    男が惚れる漢です。
    阿弖流為と言い貞任と言い、本当にこの作者は描き方が旨い。

    現代の野党も、このぐらい与党に筋の通った抵抗をすれば良いのに、なんて事も思ったりします。

    日本男児は是非一読を。
    東北3部作は全て、傑作です。

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    2018年01月24日
  • だましゑ歌麿

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    歌麿や北斎、蔦屋、松平定信など実在の人物が登場する歴史事件簿。
    恐らくはフィクションだと思いますが、時代背景や浮世絵に関する知識を上手く盛り込んだ、非常に面白いエンターテイメント作品に仕上がっています。
    高橋作品の新たな一面を見たようで大満足です。

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    2018年01月15日
  • 竜の柩 全6冊合本版

    購入済み

    日本古代史から続く歴史SF

    半村良、石の血脈以来のお気に入り歴史SFで楽しんでます。前者も長編で一気読み出来ませんでしたがこれはもっと無理。膨大な史料調査がベースにあってもあくまで小説、というのについ引き込まれます。まだ読み終わってませんが長い歴史を持つ日本を見つめ直し故事巡礼の旅に出たくなります。但し日本の地理と歴史に興味が無いと??かも知れません。ディスカウント合本冊で一気に入手出来て嬉しいです。

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    2018年01月11日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    本書の舞台である平安京遷都前の東北地方について、数十年前に読んだ教科書には確か「坂上田村麻呂が初代 征夷大将軍として東北を平定」のようにすごくあっさりとだけ記述されていたような記憶があります。
    途中まで面白いように策が的中し無敵とも思える蝦夷軍が何故、どのように敗れてしまったのかと思いながら読み進めましたが、このように描いてくれた高橋氏に感謝すら覚えるほどの素晴らしい結末でした。
    本書を読んでいなければ生涯知ることがなかった可能性もある蝦夷の歴史は、非常に誇り高く、有能で、かつ魅力的な男たちの物語です。
    陸奥三部作を読んで東北地方に対するイメージがすっかり変わりました。まだ平泉に一度訪れただけ

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    2017年12月29日
  • 風の陣【大望篇】

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    1巻に引き続き、臨場感たっぷりの舞台展開。名前しか知らなかった歴史上の人物が物語の中で鮮やかに踊ります。よくぞここまで詳しく丁寧に調べ上げ、物語まで昇華なさったなと尊敬です。

    余談ですが、天皇まで人間の感情を持って行動する姿が印象的で好ましい。

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    2017年08月22日
  • 風の陣【立志篇】

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    全5巻にもかかわらず、1巻だけでも充分に見せ所が用意されており満足感が高いです。現代にも通じるような感情の機微、揺れが丁寧に描かれているところがお気に入り。
    それぞれの策略が蠢く中、誰を信じるのか。それが生死や一族の盛衰にまで関わることがこの時代の恐ろしさ。2巻もすぐに手にとって読みたくなる臨場感です。

    登場人物が多いせいか前半少し読み進みにくいですが、後半には慣れてしまいます。

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    2017年08月22日
  • だましゑ歌麿

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    ネタバレ

    驚愕の事実!内風呂の普及していない時代の「謹慎」とは、風呂屋へも行けないんである!温暖化の進んだ現代ニッポンだったら、もはや極刑だ…

    南町奉行所の同心、仙波一之進が主人公。江戸町奉行の現在位置をご存知?南町奉行が有楽町マリオン付近、北町奉行が八重洲北口付近だって。変な感じ。

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    2017年08月12日