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奈良の都を震撼させた橘奈良麻呂の乱の鎮圧から、3年半が過ぎた天平宝字四年(七六〇)秋――。ライバルを葬った藤原仲麻呂は、恵美押勝と名を変え、新帝を操って強大な権勢をふるっていた。朝廷で授刀衛の役職を得ていた蝦夷の若者・牡鹿嶋足と、同志の物部天鈴は、押勝の野望が陸奥に向けられることに危機感を募らせる。陸奥の平和を守るため、蝦夷たちの戦いが始まった!押勝に対抗する勢力をいかに育てるか。大宰府の吉備真備を都に戻すことで政局を転回させようと目論む嶋足たちは、続いて怪僧・道鏡に接近。しかし、急速に孝謙太上天皇の寵愛を得ていく道鏡の存在が、物語を意外な方向に展開させていく。『炎立つ』『火怨』に続く著者渾身の大河長編である『風の陣』は、すでに第一弾[立志篇]が文庫化され、今回は第二弾の文庫化。04年12月中旬には第三弾[天命篇]が単行本として刊行される。壮大な歴史ロマンの相貌が、いよいよ明らかになる!
...続きを読む※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ 2020年09月03日
風の陣、第二弾。藤原仲麻呂は、恵美押勝として我が世の春を謳歌。弓削道鏡が孝謙太上天皇と接近、恵美押勝が太上天皇らと対立、恵美押勝の乱にてついに失脚。牡鹿嶋足は従四位下まで大出世する。
天鈴の妹の水鈴のほか、紀一族の益女が登場、牡鹿嶋足とどうなっていくのか期待される。
この時代の小説がこんなにも面白い...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年06月05日
陸奥支配の野望を抱く恵美押勝に対し、牡鹿嶋足、物部天鈴らの知略を尽くした戦いが始まる歴史大河ロマン第2弾。
歴史の学習で少し記憶に残っている奈良時代の人物たちが生き生きと描かれ、改めてこの時代の権力闘争の激しさが伝わってきました。
同時に、貴族を中心とした都から見た蝦夷たちへの差別の辛さを...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年10月15日
2巻に入っても相変わらず内裏での権謀術数三昧。栄枯盛衰は世の常なれど、あれほど権勢を誇った押勝すらあっけなく退場を余儀なくされてしまった。権力者の最期をごく簡潔にしか表現しないのは炎立つにも共通するところがあるので、これも高橋流なのかな。
蝦夷の立場から正義の味方のように書かれている天鈴も、反対側か...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年05月07日
風の陣、2巻目。前作で橘奈良麻呂を葬り、権力のトップに立った恵美押勝(藤原仲麻呂)。今作では、権力を思いのままに操る押勝を、嶋足、天鈴らが智略を尽くして討伐するまでを描く。
押勝を権力の座から引き摺り下ろすために手を組む相手として、弓削道鏡が登場。策士としての力を発揮する天鈴だけれど、それを超える...続きを読む
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