風の陣【大望篇】

風の陣【大望篇】

750円 (税込)

3pt

奈良の都を震撼させた橘奈良麻呂の乱の鎮圧から、3年半が過ぎた天平宝字四年(七六〇)秋――。ライバルを葬った藤原仲麻呂は、恵美押勝と名を変え、新帝を操って強大な権勢をふるっていた。朝廷で授刀衛の役職を得ていた蝦夷の若者・牡鹿嶋足と、同志の物部天鈴は、押勝の野望が陸奥に向けられることに危機感を募らせる。陸奥の平和を守るため、蝦夷たちの戦いが始まった!押勝に対抗する勢力をいかに育てるか。大宰府の吉備真備を都に戻すことで政局を転回させようと目論む嶋足たちは、続いて怪僧・道鏡に接近。しかし、急速に孝謙太上天皇の寵愛を得ていく道鏡の存在が、物語を意外な方向に展開させていく。『炎立つ』『火怨』に続く著者渾身の大河長編である『風の陣』は、すでに第一弾[立志篇]が文庫化され、今回は第二弾の文庫化。04年12月中旬には第三弾[天命篇]が単行本として刊行される。壮大な歴史ロマンの相貌が、いよいよ明らかになる!

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風の陣 のシリーズ作品

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  • 風の陣【立志篇】
    630円 (税込)
    八世紀中頃の黄金発見に端を発する奥州動乱と、中央政界の血腥い権力抗争を描く大河ロマン。本篇は全三部構成の第一部であり、奈良朝を震撼させた「橘奈良麻呂の乱」を中心に描く。蝦夷の若者・丸子嶋足は、黄金を土産に帰京する陸奥守・百済敬福の従者となり、平城京に上る。朝廷の野心から陸奥国を守るための上京であり、敬福の後押しもあって兵衛府に仕えることになった。やがて、八年の歳月が過ぎ、番長に出世していた嶋足のもとに、同じ蝦夷の若者・物部天鈴が現れる。天鈴は嶋足を衛士府の少尉・坂上苅田麻呂(田村麻呂の父)と引き合わせ、苅田麻呂に採り立てられるよう仕向けた。一方、中央政界は、橘諸兄の死後、その子・奈良麻呂と藤原仲麻呂との対立が激化。奈良麻呂派による仲麻呂打倒の策謀が進行する中、嶋足はそれを未然に防ぐべく、渦中に身を投じていくのであった……。奥州動乱前夜の若き蝦夷たちの躍動と葛藤を、壮大なスケールで描く。
  • 風の陣【大望篇】
    750円 (税込)
    奈良の都を震撼させた橘奈良麻呂の乱の鎮圧から、3年半が過ぎた天平宝字四年(七六〇)秋――。ライバルを葬った藤原仲麻呂は、恵美押勝と名を変え、新帝を操って強大な権勢をふるっていた。朝廷で授刀衛の役職を得ていた蝦夷の若者・牡鹿嶋足と、同志の物部天鈴は、押勝の野望が陸奥に向けられることに危機感を募らせる。陸奥の平和を守るため、蝦夷たちの戦いが始まった!押勝に対抗する勢力をいかに育てるか。大宰府の吉備真備を都に戻すことで政局を転回させようと目論む嶋足たちは、続いて怪僧・道鏡に接近。しかし、急速に孝謙太上天皇の寵愛を得ていく道鏡の存在が、物語を意外な方向に展開させていく。『炎立つ』『火怨』に続く著者渾身の大河長編である『風の陣』は、すでに第一弾[立志篇]が文庫化され、今回は第二弾の文庫化。04年12月中旬には第三弾[天命篇]が単行本として刊行される。壮大な歴史ロマンの相貌が、いよいよ明らかになる!
  • 風の陣【天命篇】
    679円 (税込)
    恵美押勝が討伐されてから一年近くが過ぎた天平神護元年(七六五)――。淳仁天皇を廃した孝謙上皇が帝位に返り咲き、再び内裏に訪れたかに見える平穏。その裏には、女帝を誑かし、陰で政治を操る怪僧・弓削道鏡の存在があった。異分子を巧妙な罠に嵌め、次々に排除していく道鏡。その毒牙が嶋足の最愛の婚約者・益女にも迫る! 道鏡の専横に危機感を募らせた嶋足と天鈴は、密かに「打倒道鏡」を誓い合うのだが……。彼らの目論見とは裏腹に、道鏡と女帝の蜜月関係は続き、その権勢は揺ぎないものになっていく。黄金眠る陸奥に食指を伸ばし、帝位さえ脅かし始める飽くなき道鏡の欲望、その阻止を図る嶋足、天鈴らの奇計妙策の数々……。朝廷への憧憬と疑心暗鬼の念に揺れる蝦夷たちは一枚岩となることができるのか? 暗雲漂う平城の都と陸奥を舞台に、蝦夷の存亡と誇りを懸けた新たなる戦いの火蓋が切って落とされた。シリーズ第三弾、待望の文庫化!
  • 風の陣【風雲篇】
    660円 (税込)
    黄金の眠る陸奥が政争の道具として朝廷に搾取されることを避けるため、近衛府員外中将として都に仕える蝦夷・道嶋嶋足と、その嶋足を陰に陽に支える策士・物部天鈴は、朝廷を取り巻く権力抗争に巧みに入り込み、知略を尽くして蝦夷のために戦ってきた。しかし、自らが担ぎ上げた怪僧・弓削道鏡が称徳女帝を誑かし、予想外にも法王として朝廷の頂点を極めることに。だが、神護景雲四年(七七〇)四月に女帝が篤い病に臥したことで、道鏡の悪運にも翳りが生じ始めた。これを好機と捉えた天鈴は、左大臣・藤原永手、右大臣・吉備真備らを巻き込み、道鏡に反旗を翻そうと画策するのだが…。一方、陸奥では、専横を極める陸奥守と蝦夷の関係が悪化し、一触即発の状態になっていた。蝦夷を人とも思わない朝廷の扱いに憤る若き伊治鮮麻呂ら蝦夷たち。道鏡の栄華が夢と消え、新たな勢力が台頭する時代の大きなうねりの中で活躍する蝦夷の勇姿を描く歴史ロマン第四弾。
  • 風の陣【裂心篇】
    789円 (税込)
    称徳帝が没し光仁天皇の御世になって8年、物語の舞台は陸奥に移る。平城の都で働く道嶋嶋足に対し、伊治鮮麻呂は陸奥の地で、蝦夷でありながら国府多賀城の役人として蝦夷の乱の鎮圧にあたっていた。祖国を戦場にしないため、朝廷と蝦夷の共存を目指し腐心してきた鮮麻呂だったが、8世紀半ばに発見された黄金を狙う陸奥守の横暴、背後で牙を剥く朝廷側の無理難題に我慢は限界に達していた。さらに、蝦夷の地である奥六郡に城を築く計画が着々と進み、また蝦夷を人と思わない帝の勅に、鮮麻呂はもはや戦を防ぐ手立てはないと決起を覚悟する。後事を託すのは胆沢の首長・阿久斗とその息子・阿弖流為(アテルイ)。狙うは陸奥守の首ひとつ。ついにその時はやって来た。北辺の部族の誇りをかけた闘いが、ここに幕を下ろす。「風の陣」シリーズ、感動の最終巻。『火怨』『炎立つ』へと連なる著者渾身の大河歴史ロマン、堂々完結! 解説はマンガ家の里中満智子氏。

※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません

風の陣【大望篇】 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年08月28日

    権力争いの様が読んでいて苦しい。
    天鈴や嶋足が、その為に戦っているのではないから少し気が晴れるというか、爽やかな空気になるというか。
    いや、だからこそ、権力争いの醜さが際立つのか。

    0

    Posted by ブクログ 2020年09月03日

    風の陣、第二弾。藤原仲麻呂は、恵美押勝として我が世の春を謳歌。弓削道鏡が孝謙太上天皇と接近、恵美押勝が太上天皇らと対立、恵美押勝の乱にてついに失脚。牡鹿嶋足は従四位下まで大出世する。
    天鈴の妹の水鈴のほか、紀一族の益女が登場、牡鹿嶋足とどうなっていくのか期待される。
    この時代の小説がこんなにも面白い...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2017年08月22日

    1巻に引き続き、臨場感たっぷりの舞台展開。名前しか知らなかった歴史上の人物が物語の中で鮮やかに踊ります。よくぞここまで詳しく丁寧に調べ上げ、物語まで昇華なさったなと尊敬です。

    余談ですが、天皇まで人間の感情を持って行動する姿が印象的で好ましい。

    0

    Posted by ブクログ 2017年06月05日

     陸奥支配の野望を抱く恵美押勝に対し、牡鹿嶋足、物部天鈴らの知略を尽くした戦いが始まる歴史大河ロマン第2弾。

     歴史の学習で少し記憶に残っている奈良時代の人物たちが生き生きと描かれ、改めてこの時代の権力闘争の激しさが伝わってきました。

     同時に、貴族を中心とした都から見た蝦夷たちへの差別の辛さを...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年02月20日

    道鏡の登場から恵美押勝の乱、そして道鏡の太政大臣昇進まで。
    さすがの天鈴も年の功で道鏡に遅れをとったか。
    多麻呂に「火怨」の飛良手に似た匂いを感じる!

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    Posted by ブクログ 2012年10月11日

    2012-108
    実権を取ってかわるだけで、民の生活の苦しさが変わらないのと押勝も道鏡も自分達のためだけに政治を行っているのは、今の政治と一緒。
    何百年たっても結局は変わらないんだと思い知らされる。
    そのなかで、変わらず蝦夷のために働く嶋足と天鈴はすごいと思う。

    0

    Posted by ブクログ 2011年02月12日

    面白いけれど時代考証がしにくい。蝦夷は大丈夫なのだろうか、勢いがあり、そのもの語りの重厚さに感動した。

    0

    Posted by ブクログ 2019年12月13日

    橘奈良麻呂の乱平定後、恵美押勝の台頭と陸奥支配の野望に対し牡鹿嶋足、物部天鈴らの知略を尽くした戦い。
    平城京の激しい権力争いの中で、嶋足と天鈴が蝦夷の平和を守ろうと奮闘する。

    0

    Posted by ブクログ 2017年10月15日

    2巻に入っても相変わらず内裏での権謀術数三昧。栄枯盛衰は世の常なれど、あれほど権勢を誇った押勝すらあっけなく退場を余儀なくされてしまった。権力者の最期をごく簡潔にしか表現しないのは炎立つにも共通するところがあるので、これも高橋流なのかな。
    蝦夷の立場から正義の味方のように書かれている天鈴も、反対側か...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年05月07日

    風の陣、2巻目。前作で橘奈良麻呂を葬り、権力のトップに立った恵美押勝(藤原仲麻呂)。今作では、権力を思いのままに操る押勝を、嶋足、天鈴らが智略を尽くして討伐するまでを描く。

    押勝を権力の座から引き摺り下ろすために手を組む相手として、弓削道鏡が登場。策士としての力を発揮する天鈴だけれど、それを超える...続きを読む

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