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称徳帝が没し光仁天皇の御世になって8年、物語の舞台は陸奥に移る。平城の都で働く道嶋嶋足に対し、伊治鮮麻呂は陸奥の地で、蝦夷でありながら国府多賀城の役人として蝦夷の乱の鎮圧にあたっていた。祖国を戦場にしないため、朝廷と蝦夷の共存を目指し腐心してきた鮮麻呂だったが、8世紀半ばに発見された黄金を狙う陸奥守の横暴、背後で牙を剥く朝廷側の無理難題に我慢は限界に達していた。さらに、蝦夷の地である奥六郡に城を築く計画が着々と進み、また蝦夷を人と思わない帝の勅に、鮮麻呂はもはや戦を防ぐ手立てはないと決起を覚悟する。後事を託すのは胆沢の首長・阿久斗とその息子・阿弖流為(アテルイ)。狙うは陸奥守の首ひとつ。ついにその時はやって来た。北辺の部族の誇りをかけた闘いが、ここに幕を下ろす。「風の陣」シリーズ、感動の最終巻。『火怨』『炎立つ』へと連なる著者渾身の大河歴史ロマン、堂々完結! 解説はマンガ家の里中満智子氏。
...続きを読む※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ 2024年03月10日
最終巻は伊治鮮麻呂が主役。4巻までが嶋足・天鈴の京視点の蝦夷だったため、少し残念と思っていたが、最後まで読んでそもそも4巻までが鮮麻呂の物語の御膳立てだったのだと思い構成に舌を巻いた。
本巻は陸奥三部作に劣らない「熱」があった。内外両方から敵と見做されながら耐え続けてきた鮮麻呂の保っていた糸が切...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年09月07日
風の陣最終刊。伊治鮮麻呂を中心に展開。蝦夷を狼とし、卑しい蝦夷を刈り取り滅ぼせ、との勅令についに、鮮麻呂は決起を決意する。
阿弖流為という次代のリーダーをみて、鮮麻呂は、
紀広純、道嶋大楯らの首をとり、蝦夷らを一つにするため、身を捨てる覚悟をする。
自分がかけた橋を阿弖流為らが渡っていくだろう。その...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年06月25日
奈良時代、陸奥の鮮麻呂は、蝦夷の誇りを懸けてついに決起を覚悟する。朝廷と蝦夷の戦乱を描く歴史大河ロマン最終巻。
シリーズ最終巻の主人公は、今までの嶋足から鮮麻呂に引き継がれ、舞台は陸奥に移り、蝦夷がどれだけ朝廷からさげすまれていたのかが、描かれています。
これまでの嶋足や天鈴の権謀術数も通...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年11月02日
1立志篇 2大望篇 3天命篇 4風雲篇 5裂心篇
上記5巻からなる火怨の前篇となる時代の物語。
火怨の主人公であるアテルイの生まれる前から、青年期をを迎える749年から30年くらいの間の話である。
主人公は1~4までは道嶋嶋足で5で伊治鮮麻呂に移る。
嶋足と物部天鈴は京にて、蝦夷への不遇を避け...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年11月09日
シリーズラスト。先に読んだ火怨に、どうつながって行くのかを思いながら、わくわくしながら読み進みました。
最終章では、火怨では胆沢側の視点で描かれていたシーンが、鮮麻呂側の視点で描かれているのも良かったです。
あとの時代の物語(火怨)を先に読み、そのきっかけとなった前の時代(風の陣)を後から読むという...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年10月01日
鮮やかに描かれる「人として扱われない苦しみ、忌まわしさ」の受け手の感覚。
「蝦夷は人ではないこと」が普通になっている天皇を含めた大和の感覚に随分温度感があるように感じます。
ずっと堪えてきた蝦夷がついに決起。
やっぱりそうこなくっちゃ、と思いつつ、戦の時代に雪崩れ込む予感にゾクゾクします。
個人...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年06月05日
「風の陣」シリーズ、5作目。完結編。
この巻だけ、主人公は鮮麻呂。それまで主人公がずっと嶋足だっただけに、嶋足に対して悪態さえつく鮮麻呂に前半は正直、感情移入し辛かった。しかしながら、いざ鮮麻呂が決起を決断したところからはグイグイと物語に入り込み、最後は結局泣いてしまった。「火怨」のストーリーとも...続きを読む
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