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恵美押勝が討伐されてから一年近くが過ぎた天平神護元年(七六五)――。淳仁天皇を廃した孝謙上皇が帝位に返り咲き、再び内裏に訪れたかに見える平穏。その裏には、女帝を誑かし、陰で政治を操る怪僧・弓削道鏡の存在があった。異分子を巧妙な罠に嵌め、次々に排除していく道鏡。その毒牙が嶋足の最愛の婚約者・益女にも迫る! 道鏡の専横に危機感を募らせた嶋足と天鈴は、密かに「打倒道鏡」を誓い合うのだが……。彼らの目論見とは裏腹に、道鏡と女帝の蜜月関係は続き、その権勢は揺ぎないものになっていく。黄金眠る陸奥に食指を伸ばし、帝位さえ脅かし始める飽くなき道鏡の欲望、その阻止を図る嶋足、天鈴らの奇計妙策の数々……。朝廷への憧憬と疑心暗鬼の念に揺れる蝦夷たちは一枚岩となることができるのか? 暗雲漂う平城の都と陸奥を舞台に、蝦夷の存亡と誇りを懸けた新たなる戦いの火蓋が切って落とされた。シリーズ第三弾、待望の文庫化!
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Posted by ブクログ
奈良時代、蝦夷の存亡と誇りを懸けた、新たなる闘いを描く大河ロマン第3弾。
この巻の大きな敵は、前巻まで共闘していたあの道鏡、嶋足と天鈴の二人が道鏡を倒すため、様々な策略を図っていくところが歴史を動かしていく醍醐味を感じさせ、読みごたえがありました。
歴史上の人物も次々に登場し、今まであまり縁のなかった奈良時代の歴史を身近に感じることができました。
大義を貫くため、犠牲を払わさざるを得ない苦しさに悩む嶋足の人間性にもとても魅力を感じました。
次巻でついに道鏡が最高の権力を手にしてしまうのか、まだまだ読ませる力が止まらない感じで、とても楽しみです。
Posted by ブクログ
再読。第二作で手を貸した道鏡が巨大権力を握っていく中、嶋足と天鈴がそれを阻止すべく奮闘する。
本作は最後を除き天鈴の策が尽く外れる。それだけ道鏡が狡猾だったということを表しているが、聖武天皇以前の藤原氏の権勢(称徳天皇自身、祖母も母も藤原氏)を知っているだけにこの一瞬で藤原氏の勢いが減退したという事実は改めて見ると面白い。もし称徳天皇が藤原氏の血を疎んで意図的に道鏡を利用していたらという妄想も…(澤田瞳子氏の『月人壮子』に感化されて)。
いずれにせよ、道鏡の試みはあっさり阻止され、蝦夷にとっては苦難の時代に入る。道鏡が皇位についた方が蝦夷にとっては良かったのかとも思ってしまう辛い歴史が…。
Posted by ブクログ
風の陣3巻目。
漸く恵美押勝が倒されたと思ったら、今度は弓削道鏡が台頭し、天皇までも凌駕する。策士っぷりが天鈴を上回るだけに、嶋足たちは何度も煮え湯を飲まされる羽目に。著者によるフィクションも多々あるだろうが、天皇の勅が挙げられているのを読むと、あながちフィクションばかりとは言えないような。飽くなき権力への欲望が垣間見え、人間の恐ろしさ、愚かさを感じた。
いかに天鈴でも道鏡相手には太刀打ち出来ないかと思われた後半、和気清麻呂が登場。最後、道鏡にしてやったり、な場面は久々に爽快だった。次は道鏡の没落、藤原氏の再台頭へと繋がっていくのだろうか。
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