高橋克彦のレビュー一覧
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朝廷との戦いも数十年に渡り、次世代に蝦夷の志を継ぐためにはどうすればよいか…朝廷側に坂上田村麻呂がいたからこその結末。
著者の解釈でしかないが、いかにもそうであったろうと思わせる説得力がある。Posted by ブクログ -
名前と結末は知識として知っていたけど読んで良かったな。
日本の正史の影の部分から見た日本みたいな視点ってあまりない。
朝廷を外側から見るってのは新鮮だったな。
後、正史によく出る北九州から関東あたり、花形の関西から関東あたりではない地域にも勿論その時の歴史があるっていうね。
そういうのにも更に興味が...続きを読むPosted by ブクログ -
久しぶりの「炎立つ」だけれど、4巻のみ。
むか~し、夢中になっていた頃は、経清と安倍一族ばかり読んで、
今で言う「聖地めぐり」までしていた。
その分、後半の4,5巻の記憶が抜けている。
(あらすじはわかっているけれど)
後三年の役の舞台となった、出羽を旅するにあたり、読み返したわけ。
いや~、止まら...続きを読むPosted by ブクログ -
アテルイとモレ達の生き様がとても潔い。
最後まで勝って、処刑された武士。
後世が舞台の「炎立つ」を先に読んだのですが、そちらよりスッキリとまとまっていて好きです。
良かった。本当にいい作品でした。 -
表紙を見たとき、これは読まなければと思った。
心もってかれる本だ、とわかった。
東北の歴史に目を向けた事がなかった。
そういった意味でも、驚きと新鮮さと、感動がある。
蝦夷にこそ大和魂を感じた。
息をつかせぬ展開で、寝不足になりながら下巻へ。Posted by ブクログ -
火怨の後に読んだからか、比較してしまった。
アテルイを継ぐ天日子に、期待しすぎていたと思う。今にまで名が残っているアテルイの存在が大きすぎる。
それでもやっぱり感動する、蝦夷の心。
いいなあ。私もそういう風にありたい。Posted by ブクログ -
舫九郎も魅力ある剣客だが、天海大僧正、柳生十兵衛、高尾太夫、幡随院長兵衛に唐犬権兵衛、天竺徳兵衛などなど…とこの時代の主人公になるような人物が脇を固め、加藤明成と堀主水の因縁話まで出てくる全部盛り状態。面白くないわけがない。
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これは人権の話だ…。下巻の途中までは単なる中央にまつろわぬ民の英雄譚なのか〜と読んでいました。が、アテルイが戦いの意味を少し変えたくらいから、この話はマジョリティの差別に立ち向かうマイノリティの物語で、人間が人間らしく生きるためにどうしてそんな試練と策略がなくてはいけないんだろうと胸が詰まりました。...続きを読むPosted by ブクログ
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源頼義が陸奥守に任命され多賀城へ。
安倍のため、奥六郡のため忍耐を貫く頼時ら安倍一族だが、源氏の名を確固たるものにし義家に継がせるという頼義の執念が再び戦さへと向かわせる。
経清は頼時の娘・結有と結ばれ、従五位の位を授けられて亘理権太夫となった。そして陸奥守代理に。
頼時からは、安倍の血を守るために...続きを読むPosted by ブクログ -
前九年の戦さが終結し、安倍一族は滅亡した。
安倍を支えた貞任と経清という二本柱の壮絶な最期に涙腺が緩んだ。特に経清の最期といったら……頼義との愛憎が安倍を巻き込んだと言っても良いのでは、とすら思う。
しかし、あれだけの強さを誇った一族が身内の裏切りによって呆気なく敗れてしまうのだ。
敵を手引きした身...続きを読むPosted by ブクログ -
藤原経清と結有の子・清衡が主人公となり、前九年の役後から後三年の役後までを描いている。
清衡の半生はひたすら忍耐に次ぐ忍耐の日々で、読んでいるこちらも辛く、ときには我慢ならなくなりながら物語を追った。
清衡は「経清と貞任の思い描いた楽土の夢」「民のための国」という念願を成就させるために耐え続け、つい...続きを読むPosted by ブクログ -
陸奥歴史ロマンの超大作、第1巻。
安倍頼良の息子である貞任の婚儀に陸奥守・藤原登任が招待されるところから物語が始まる。
黄金に目が眩んだ登任がまんまと戦を仕掛けるが、安倍一族の軍事力の前に為す術もない。
本作の主人公・藤原経清は陸奥守側だが、とんでもない上司を持つ部下は苦労するなぁとため息。
経清自...続きを読むPosted by ブクログ -
ついに最終巻。読み終えた達成感と充足感、そして読み終えてしまった…という寂しい気持ちとで半々。
確かに歴史伝奇小説なんだけれど、俗説を拾い上げて正史の行間を埋めるように昇華しきっていると感じた。
特に藤原泰衡は、こういう人物像もあり得るんじゃないかと思わされる。義経との絆には泣かされたし、泰衡の最期...続きを読むPosted by ブクログ