あらすじ
230年間、未解決。
2025年大河ドラマ『べらぼう』を観る前に読むべき歴史ミステリーの大傑作!
活動期間わずか10ヵ月、残した浮世絵は約150点。江戸中期に彗星のごとく現れ消えた謎の天才絵師・東洲斎写楽は、何者だったのか。大学助手の津田はある画集と出会ったことで写楽の正体に肉迫する。その一方で、浮世絵研究界では連続殺人が起きていてーー。
蔦屋重三郎(『べらぼう』主人公)が愛した天才絵師。
しかし、素性、本名、筆を絶った理由……
すべてが不明。
写楽の正体と目された代表的人物はーー
葛飾北斎、歌川豊国、丸山応挙、酒井抱一、山東京伝、蔦屋重三郎etc.
連続殺人の果てに明かされるのは、実像か?虚像か?
「歴史上の難問」を題材にした伝説の江戸川乱歩賞受賞作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
面白い。
研究者としての矜持とか門下生ならではの葛藤とか、新事実を発見したかもしれない興奮とおそれが伝わってくるのはもちろんのこと、写楽は何者か?に迫るその根拠とかも全部をひっくるめて面白かった。ミステリーとしては弱い気もするけれど、人間性が魅力的でした。
Posted by ブクログ
ミステリー小説ですが、個人的にこの物語で起こる殺人事件に関してだけでみたらそこまで素晴らしいとは思わないかもしれません。
しかしこの小説は異常な面白さでした。浮世絵を全く知らない私でしたがこれから浮世絵のことをさらに知りたいと感じてしまうくらいでした。中盤までは専門的な用語や人物が多く退屈しそうな部分もあります。しかし、登場人物の情熱や交わす言葉のどれもが素敵で魅了されます。
写楽の謎から始まる殺人事件ということで浮世絵をミステリーの道具としていますが浮世絵の部分が完璧すぎました。
こんなミステリー小説でもいいのだとまた新たに読書が好きになりそうです。
Posted by ブクログ
新装版、大河ドラマ「べらぼう」の帯で手に取り、何十年ぶりかに再読。
まだスマホはおろか携帯もない頃の話だか、そもそもひとつひとつ、その地に赴いて人に聞いて資料を自分で見ないと謎を解き明かせないのは同じだから、ギャップを感じずに楽しむことができました。
読み終わってから、もう一度読みたくなります。
Posted by ブクログ
序盤、視点や描写が定まらず少し読みづらいが、中盤からの写楽の謎を追うフィールドワークのパートが、とにかく面白い。
作者の浮世絵に対する知識と熱量が伝わってきて、導き出された大胆な仮説は、発表から40年以上たった今でも新鮮。