高橋克彦のレビュー一覧

  • 噴怨鬼

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    陰陽師 弓削是雄シリーズ

    『噴怨鬼』と名乗る強力な鬼の怪異から都、ひいては民を護る為、神の見せた夢を仲間と共に辿る、王道ファンタジー
    前作を読んでいなくても楽しめます

    鬼の正体は?
    陸奥に眠る艮の金人とは?
    蘇我氏に中央から追われた物部氏の背景にも興味は尽きません
    爽やかな仲間の絆にとても心満たされる作品です

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    2023年08月20日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    武士の生き様

    アテルイとモレ達の生き様がとても潔い。
    最後まで勝って、処刑された武士。
    後世が舞台の「炎立つ」を先に読んだのですが、そちらよりスッキリとまとまっていて好きです。
    良かった。本当にいい作品でした。

    #感動する #泣ける #アツい

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    2023年06月06日
  • 風の陣【大望篇】

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    権力争いの様が読んでいて苦しい。
    天鈴や嶋足が、その為に戦っているのではないから少し気が晴れるというか、爽やかな空気になるというか。
    いや、だからこそ、権力争いの醜さが際立つのか。

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    2022年08月28日
  • 風の陣【立志篇】

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    人間って汚い。自分もそうだけど、どこまで人間て汚いのかと嫌になった。
    なんのために?が重要。

    嶋足はいいやつだけど、流されやすいし染まりやすい。すごいわかる。
    天鈴が、一体何者なのか。キレすぎ。

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    2022年08月20日
  • 水壁 アテルイを継ぐ男

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    火怨の後に読んだからか、比較してしまった。
    アテルイを継ぐ天日子に、期待しすぎていたと思う。今にまで名が残っているアテルイの存在が大きすぎる。
    それでもやっぱり感動する、蝦夷の心。
    いいなあ。私もそういう風にありたい。

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    2022年08月15日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    表紙を見たとき、これは読まなければと思った。
    心もってかれる本だ、とわかった。

    東北の歴史に目を向けた事がなかった。
    そういった意味でも、驚きと新鮮さと、感動がある。
    蝦夷にこそ大和魂を感じた。
    息をつかせぬ展開で、寝不足になりながら下巻へ。

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    2022年08月15日
  • 鬼九郎鬼草子 舫鬼九郎2

    Sum

    購入済み

    痛快時代小説要素全部乗せ

    舫九郎も魅力ある剣客だが、天海大僧正、柳生十兵衛、高尾太夫、幡随院長兵衛に唐犬権兵衛、天竺徳兵衛などなど…とこの時代の主人公になるような人物が脇を固め、加藤明成と堀主水の因縁話まで出てくる全部盛り状態。面白くないわけがない。

    #ドキドキハラハラ #カッコいい #アツい

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    2022年05月26日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    これは人権の話だ…。下巻の途中までは単なる中央にまつろわぬ民の英雄譚なのか〜と読んでいました。が、アテルイが戦いの意味を少し変えたくらいから、この話はマジョリティの差別に立ち向かうマイノリティの物語で、人間が人間らしく生きるためにどうしてそんな試練と策略がなくてはいけないんだろうと胸が詰まりました。蝦夷の人々の魅力、理不尽に立ち向かい活き活きと生きた人間の姿を美しく素晴らしく描くことに感動しながらも、誰かが踏み躙られている物語を楽しんでしまった自分に「どんな気持ちになればいいんだろう?」という読後感です。作者の他の作品も読みたいです

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    2022年02月02日
  • 炎立つ 伍 光彩楽土

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    ネタバレ

    ついに最終巻。読み終えた達成感と充足感、そして読み終えてしまった…という寂しい気持ちとで半々。
    確かに歴史伝奇小説なんだけれど、俗説を拾い上げて正史の行間を埋めるように昇華しきっていると感じた。
    特に藤原泰衡は、こういう人物像もあり得るんじゃないかと思わされる。義経との絆には泣かされたし、泰衡の最期の演出もニクかったなぁ…。
    平泉に行ってみたい。

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    2022年01月12日
  • 炎立つ 四 冥き稲妻

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    ネタバレ

    藤原経清と結有の子・清衡が主人公となり、前九年の役後から後三年の役後までを描いている。
    清衡の半生はひたすら忍耐に次ぐ忍耐の日々で、読んでいるこちらも辛く、ときには我慢ならなくなりながら物語を追った。
    清衡は「経清と貞任の思い描いた楽土の夢」「民のための国」という念願を成就させるために耐え続け、ついにそれを成し遂げる。
    ここまで来るのにどれ程の血が流れたのかを考えると、虚しくも感じる。しかし、遂に父や安倍一族、物部氏の大きな夢が果たされたのだった。
    それにしても、高橋克彦さんの想像力に圧倒される。

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    2022年01月12日
  • 炎立つ 参 空への炎

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    ネタバレ

    前九年の戦さが終結し、安倍一族は滅亡した。
    安倍を支えた貞任と経清という二本柱の壮絶な最期に涙腺が緩んだ。特に経清の最期といったら……頼義との愛憎が安倍を巻き込んだと言っても良いのでは、とすら思う。
    しかし、あれだけの強さを誇った一族が身内の裏切りによって呆気なく敗れてしまうのだ。
    敵を手引きした身内も一族と血統の行く末を案じて浅慮の結果、敵方と内通したという遣る瀬無さ。
    一概に敵と味方、善と悪に分けることのできないうねり。これがヒトなんだなぁ、こうして歴史が作られてきたんだなぁと妙に感じ入ってしまった。

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    2022年01月12日
  • 炎立つ 弐 燃える北天

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    ネタバレ

    源頼義が陸奥守に任命され多賀城へ。
    安倍のため、奥六郡のため忍耐を貫く頼時ら安倍一族だが、源氏の名を確固たるものにし義家に継がせるという頼義の執念が再び戦さへと向かわせる。
    経清は頼時の娘・結有と結ばれ、従五位の位を授けられて亘理権太夫となった。そして陸奥守代理に。
    頼時からは、安倍の血を守るためにも安倍と縁を切るよう申し渡されたが、頼義の謀略により永衡を失ったことが安倍への離反を決意させる。
    永衡の最期が辛く、涙した。
    経清の士道は真のものだが、それ故に散るのだろうなぁと、黄海での義家との邂逅から思う。

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    2022年01月12日
  • 炎立つ 壱 北の埋み火

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    ネタバレ

    陸奥歴史ロマンの超大作、第1巻。
    安倍頼良の息子である貞任の婚儀に陸奥守・藤原登任が招待されるところから物語が始まる。
    黄金に目が眩んだ登任がまんまと戦を仕掛けるが、安倍一族の軍事力の前に為す術もない。
    本作の主人公・藤原経清は陸奥守側だが、とんでもない上司を持つ部下は苦労するなぁとため息。
    経清自身はまさに武者、しかも腕が立つし賢く、蝦夷からも源氏からも引く手が数多である。
    源義家との出会いのシーンが素晴らしかった。
    また、安倍貞任のつはものっぷり!まさか阿弖流爲が守護神とは……2巻も楽しみ。

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    2022年01月12日
  • 緋(あか)い記憶

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    記憶をテーマにした七篇。
    粒揃いな中、表題作とねじれた記憶は舌を巻く巧さ。重厚で好み一直線のホラー作品。

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    2021年12月04日
  • 完四郎広目手控

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    高橋氏が得意とする実在の人物に活き活きと行動させる展開に加え、任意に選んだ2枚の浮世絵から物語を紡ぐという豊かな趣向の作品です。
    江戸末期に知恵を使って報道の原点とも言える活動を行い、それを通して感じた使命感が後の新聞紙設立に繋がるなんて、粋な物語を考えたものだと感心します。
    次作以降も楽しんで読めそうです。

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    2021年10月12日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(3)

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    どんな結末なるかは、歴史的な事実もあるので、いささか気が重い感じもしていたが、想像していた結末と違って、最後まで主人公である九戸政実「らしい」結末であったという印象である。
    何より、作者の主人公への思い入れが、最後まで九戸政実という人物を際立たせ、物語を推し進める大きな力となっていたのであろう。

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    2021年07月09日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(1)

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    とあるテレビ番組で九戸政実のことを知り、今まで其の名をまったく知らなかったこともあり、さっそく九戸政実を主人公にした全3巻の小説を買い求めた。作者のことも寡聞にして知らなかったが、読み始めてその筆力に脱帽した。続巻が楽しみである。

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    2021年07月03日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    東北のアイヌの阿弖流為についての朝廷との戦争の小説である。最後はアテルイらの処刑で終わるが、歴史では東北の統一とひとことで片付けられてします。
     その歴史を征服される側から描いた小説であるので、歴史を再認識するのにはいいと思われる。

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    2021年04月22日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    日本史ではほとんど学ばない東北地方の戦いの小説である。日本史では、東北地方の朝廷の制圧か征夷大将軍とひとこと書かれているだけであり、東北地方は伊達政宗と戊辰戦争での東北の動き、更に東日本大震災につきる。
     東北地方に興味を抱くにはいい小説である。

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    2021年04月08日
  • 鬼九郎孤月剣 舫鬼九郎4

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    鬼九郎シリーズの完結編。
    京都に向かう道中で一行を襲う風魔一族を描いているうちに筆が止まらなくなってきたようで、中盤は九郎達はそっちのけであたかも風魔物語とでも言うべき展開に。山田風太郎氏を彷彿させる忍法帖を楽しんだ後は、今度は柳生一門による剣の極意に主題が移り、もはや九郎の出自はすっかり脇役的な位置付けになっています。
    こんな筆の暴走は高橋作品では珍しいことではありませんが、今回はいつもに増して調子が良かった印象なので、気がすむまで一緒に楽しむことができました。
    氏にとって初めての娯楽時代小説ということですが、本当に面白いシリーズだったな。

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    2020年12月06日