高橋克彦のレビュー一覧

  • 風の陣【大望篇】

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     陸奥支配の野望を抱く恵美押勝に対し、牡鹿嶋足、物部天鈴らの知略を尽くした戦いが始まる歴史大河ロマン第2弾。

     歴史の学習で少し記憶に残っている奈良時代の人物たちが生き生きと描かれ、改めてこの時代の権力闘争の激しさが伝わってきました。

     同時に、貴族を中心とした都から見た蝦夷たちへの差別の辛さを感じました。

     果たして陸奥に真の平和が訪れる日がいつ来るのか、大長編の作品ですが、1ページも気を抜くことができずにページをめくる手が止まりませんでした。

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    2017年06月05日
  • 炎立つ 参 空への炎

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    あれほど強固だと思われた阿部の柵たちが、1つのきっかけで次々と落とされて、遂には経清、貞任までも。。。
    史実で結末が決まっているとはいえ、魅力的な人物たちが退場するのは無念です。

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    2017年06月03日
  • 風の陣【立志篇】

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     8世紀中頃の黄金発見に端を発する奥州動乱と中央政権の血生臭い権力抗争を描く大河ロマン第1弾。

     これまで奈良時代を舞台にした作品を読んだことがなかったので、人物等もなじみがなかったのですが、主人公の丸子嶋足をはじめ、権力に固執する藤原一族など、一人一人が生き生きと描かれ、あっという間に奈良時代の歴史舞台に入り込んでしまいました。

     武士ではなく貴族の時代にあれほどまでの権力闘争が繰り広げられていたことに、正直衝撃を受けました。

     陸奥の平和を目指して、躍動と葛藤を重ねていく若き蝦夷たちのこれからに期待が高まりました。

     この1巻でも十分一つの作品として読むことができますが、やはり蝦夷

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    2017年05月29日
  • 炎立つ 弐 燃える北天

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    2巻目にして怒濤の展開を見せる。
    今まで奥州の歴史に殆ど知識がなかったのに、本書を読むことで活き活きとした明確なイメージを持つことができている。
    何て楽しい作品なんだろうと思いながら読み進めており、続きが楽しみです。

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    2017年05月20日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(3)

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     目前に迫る十万の豊臣秀吉軍。日本中がひれ伏した敵にわずか5千の兵で九戸政実は誇りを賭けて喧嘩を売った。

     最終巻にふさわしく九戸軍と豊臣軍との戦いの連続が描かれ、めくるページが止まりませんでした。

     数では圧倒的に不利な九戸軍が数だけが頼りの豊臣軍を優れた作戦で次々と打ち破っていく様は読んでいて、その場の戦場の雰囲気を感じられるほど、とても爽快でした。

     秀吉の時代にこんな優れた熱い武将がいたことにとても驚くと同時に、その存在をこの作品を通して出会えたことにとても幸せを感じました。

     「火怨」「炎立つ」に続いてこの作品を読むことができてほんとによかったです。

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    2017年05月20日
  • ツリー 下

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    面白い!!こんなワクワクするSF久々!!
    楽しい~♪
    エンターテイメントとして、もう楽しめばいいのだ!
    突っ込まない。悩まない。
    設定と勢いで駆け抜けろー!な作品。
    私は楽しんだよ!!

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    2017年05月19日
  • 炎立つ 壱 北の埋み火

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    念願だった平泉を観光できることになり、行きの道中で読み始めた。
    作品の当時から長い年月が経過しているものの、登場する場所の雰囲気が想像できるだけに臨場感をもって読むことができ、とても贅沢で楽しい経験になりました。あまり記録か残っていないという奥州の歴史ですが、高橋氏がどのような世界を見せてくれるか楽しみです。

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    2017年05月20日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    坂田村田麻呂の蝦夷征討の話。主人公は 蝦夷・ 阿弖流為。

    「炎立つ」に負けず、心熱くなる話であった。蝦夷贔屓の著者によると、史実がこうなるのかと感心しながら読むが、引き込まれ蝦夷の心意気に熱くなる。

    「4千人が呼応しての戦となれば、命令が下まで届くことこそ大事。それには馴れ合いこそが大敵と心得ねばならない。もし自分の兵を他の兵と同じに扱えるか?いや、過酷な状況に追いやって無駄に死なせることになるだろう。出身地関係無く、兵を混ぜ、将も感情に流されず、指揮する事が必要。」のくだりは現在のマネジメントにも繋がると感じ、多くの人間を部下にもつ人の考え方を垣間見れた。

    【参考】
    文の菅原道真と武の

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    2017年05月16日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(2)

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     南部の雄、九戸政実は南部一族内の権謀術数うごめく陸奥に縛られていた。そんな中、天下人となった秀吉が20万の兵を率いて東へ進軍を始める。

     前巻では、政実の戦いぶりが数多く描かれ、戦国武将の強さを見せつけられましたが、この巻の前半部分では、合議の駆け引きの緊張感漂う戦いが描かれ、一気に読み進めてしまいました。

     陸奥に縛られながらも南部の将来を見据えて闘い続ける政実の生きざまに心を打たれてしまいました。

     政実の敵や弟たちが戦いの中で武将として成長していく様子も読みごたえがありました。

     次巻の最終巻で政実が秀吉とどのような決着をつけることになるのかしっかりと見届けたいと思います。

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    2017年05月07日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    登録を忘れていたので改めて。上巻を読んでから少し時間が空いたけど、結構キャラがたっていることもあって、人物関係の把握とかは問題なし。更に歴史上の超有名人が積極的に絡んできたこともあり、上巻以上に魅力的な内容になっていました。最後まで優勢に抗いぬいたアテルイ軍団が素敵過ぎるけど、幹部連中の見事な散り方に感動。この時代、こんなにも心惹かれる戦いが繰り広げられていたんですね。実に面白かったです。本作者の東北関連作品が解説で紹介されていたけど、是非とも読んでみたくなりました。

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    2017年02月07日
  • 総門谷

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    ちょうどこの時同時に読んでいた柳田さんの「遠野物語」とリンクする部分が多く、シンクロニシティを感じたのを覚えています。東北地方の不可思議さにも関心をもつきっかけになりました。普通のSFとしても一級品と思います。

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    2017年01月19日
  • 浮世絵鑑賞事典

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    浮世絵インデックス本、もんのすごい短文ですばらしいまとめっぷりに脱帽、”事典”の名を冠する事に意義無し。ビギナー向けの基本情報にも良いと思いますし、ババ的ド忘れを補うのに最適。読み物と言うにはナニですが、1、2分の隙間に(たとえば厠とか、笑)1つ読むような、そんな用法もアリだと思います。とりあえず、1冊常備系。
    著者の専門分野の”角川ソフィア”物件なのでぶよぶよエイリアンとかは出て来ないです。

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    2016年11月25日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    まだ日本が今ほどひとつじゃなかった頃、奈良時代末期の物語。金が採取される山があって、それをめぐる戦いが、即ち蝦夷との戦いだったんですね。授業では時間が無くて仕方が無いんだけど、年代と人物と出来事を詰め込んだだけで、どういう事件だったのかとか、背景にまつわる部分は本当に知らないことばかり。小説だけの脚色とか、もちろん多々あるんだろうけど、それにしてもこうやって描かれると、随分興味の持ち方も違ってくると思うんですけどね。いわゆるゲリラ戦で少が多を挫く、って内容に終始しているけど、ここからの後半で逆転劇が起こるんですね。ちょっと寂しいけど。ってか、敢えて苦言を呈するなら、政府軍の不甲斐なさが目立ちす

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    2016年10月12日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    ネタバレ

    以下、思いっきりラストのネタバレ。
    他の蝦夷を離反させたように見せかけ、アテルイが犠牲となって、大多数の蝦夷と朝廷の和議へと方向づける...というのは幾らなんでも作者の創作だろう(もちろん小説なんだから、これくらいは有りだよ)。ただ、それを考えると、戦闘には負け続けていながら、蝦夷の結束を崩し、アテルイを捕虜にして、蝦夷との戦争を終らせてしまった田村麻呂の力量が凄いわな。この辺りの史実をもっと調べてみたくなる。

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    2016年08月07日
  • 星の塔

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    東北の民話をベースにした、それはそれは恐ろしくて怖いお話ばっかり。

    「さざえ堂」の螺旋階段を登ってみたい。

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    2016年07月26日
  • 星封陣

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    オチが今ひとつ…だけどおもしろかった。
    主人公が太っている事にも意味があったのだな。
    しかし最後はつまり?どうなったの?
    黄金のジパング?

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    2016年06月20日
  • 時宗 巻の四 戦星

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    蒙古に勝ったのは、神風が吹いたからではなく、立派な作戦勝ちだったということが、よくわかります。大河ドラマの時は、ほとんど見ていませんでした。

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    2016年06月19日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    22年間無敗を通しながら、最後に投降という形で幕を閉じたのは、蝦夷の未来を守るために周到に練られた阿弖流為の戦略だったのか。その気持ちは田村麻呂には届いたが、朝廷や都の民には届かなかった。っというより理解されなかったというべきか。断末魔の阿弖流為の言葉が今も目に焼き付いて離れない。「俺たちはなにも望んでおらぬ。ただそなたらとおなじ心を持つ者だと示したかっただけだ。蝦夷は獣にあらず。鬼でもない。子や親を愛し、花や風に喜ぶ…」そう。阿弖流為はただ、蝦夷という地を正しく理解してほしかっただけだった。

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    2016年06月19日
  • ドールズ 闇から覗く顔

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    ネタバレ

    これは「ドールズシリーズ」2冊目になる。

    2冊目は短編集なので
    どれを読んでも最後は
    おっさん目吉センセーが現れて
    江戸言葉に江戸時代の仁義で
    犯人を説得する。
    これが何とも良い。
    私が犯人でも
    説得されて出頭するわ。

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    2016年06月08日
  • ドールズ

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    ネタバレ

    ドールズシリーズの1冊目
    (最近5冊目が発刊されたらしいが
    今は単行本なので我慢)

    個人的には2冊目の
    短編集が1番!
    江戸の古き良き時代の
    考えが現れていて
    江戸言葉で
    犯人に問いかける。
    「おめえさんも・・・」
    ほっこりして好きだった。

    シリーズ全般を通して
    面白い着眼点で
    面白い小説だった。

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    2016年06月08日