高橋克彦のレビュー一覧

  • 緋(あか)い記憶

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    先月読んだ『前世の記憶』が印象的だったので、シリーズの前作にあたるこの作品集も読むことにしました。これ、ほんとにすごいシリーズですね。もしまだ続けて書かれているなら、次の作品集もぜひ読みたいものです。
    古い住宅地図から子供の頃に住んでいた町の記憶が次々によみがえるのに目当てにしたある家だけが見つからないという表題作もおもしろかったけれど、やはりこの作品集でもっとも怖くそして美しいのは「ねじれた記憶」でしょう。思わず何度も読み返してしまいました。そうする価値があるでしょう?例えば現代恐怖アンソロジーを組むなら必須の作品といってもよいですね。あとでカバーの解説をふと見たら直木賞の選考委員が激賞とか

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    2026年01月26日
  • 前世の記憶

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    高橋克彦というと『総門谷』とか『写楽殺人事件』とかそういうイメージだったので、こういう短編集は意外だったのですが、氏の直木賞受賞はこのシリーズの前作にあたる『緋い記憶』ということなので、これはぼくの不勉強ですね。
    表題作の「前世の記憶」はちょっとストレートすぎるかなという気がしましたが二番目に収録されている「針の記憶」では思わずうなってしまいました。これはいい。それと「匂いの記憶」がじつに怖くて秀逸。なまじのホラーではこの話のラストシーンにたちうちできないでしょう。思えば「記憶」だけをテーマにしてこれだけ書くというのはすごいことなのでしょうね。ぜひ『緋い記憶』も読んでみなければなりません

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    2026年01月26日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(2)

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    ネタバレ

    南部は信直が継ぎ、いよいよ愛想を尽かした政実は葛西を見据えて和賀を攻める。だがしかし、戦国の世は政実の想像を越えた急流で、ついに秀吉の手が小田原を越え陸奥へと伸びてきてしまった。
    序盤の和賀攻めはこれぞ九戸党と言える名勝負で、その後の南部本家の浅瀬石攻めの体たらくと比較でき面白い。また大浦為信決死の秀吉謁見もなかなか。さて、安東愛季が死に、奥州仕置が始まり、高水寺斯波が潰えた…急に陸奥が乱れ始め、伊達と九戸の未来に暗雲が立ち込める…ここからどうなるか。
    にしても南部の小田原参戦はいやにあっさり書いてるな…本書では敵役とは言えもうちょっと書いても良さそうだが…

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    2026年01月21日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(1)

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    伊達や最上など戦がイマイチな戦国東北にあって、精強をもって知られる九戸政実が主人公の歴史小説。戦国ファンにとってもなぜ政実が当時天下人であった秀吉相手に喧嘩を売ったのかは明確でないし、そもそもろくに資料も残ってないにも関わらず見事に主人公らしい男前なキャラクターを作れている。この巻では安東からの長牛城奪還〜南部晴政死去あたりまで。
    北の鬼といわれる九戸政実が、2歳違いの信長が尾張に畿内にと八面六臂の大活躍を見せているのを羨み、南部という辺境で足掻く様は見ていてもどかしい。また戦の天才とはいえ政争や駆け引きにはちと弱い印象があり好感が持てる。この巻の最後でついに南部晴政が死に、南部藩の結束崩壊は

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    2026年01月04日
  • 春信殺人事件

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     鈴木春信の作品を巡る殺人事件の謎を美術品の探し屋である耿介が解いていく作品。まず作者の代表作の浮世絵三部作の続編として、同連作の津田(名前のみ)や塔馬が登場するのは非常にエモい。そして春信と司馬江漢という一般知名度の低い2人の過去や特徴を知れるのは非常に良かった。個人的には三部作の『北斎〜』や『広重〜』より好きだ。
     事件自体は脱税や複雑な売手買手の利害といった俗世的でかつ込み入っておりその点が読む上での難点だった。が、舞台をNYまで広げ、絵探しから殺人事件まで広がる謎を解決していく展開は面白かった。江漢キリシタン説なる、高橋氏お得意の突飛でかつ興味深い学説も終盤に登場しファンも満足の仕掛け

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    2025年12月04日
  • 私の骨

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    短編集。だいたいの話が作者の出身地である岩手以北に収束していくのがちょっと笑える。東北に多少縁があるからか情景が描きやすく、ミステリ要素も惹かれるものが多く全編堪能した。是非長編も読みたい。

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    2025年11月24日
  • 炎立つ 伍 光彩楽土

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    正史とは違ってて蝦夷寄りで、蝦夷とは国とは人とはが描いてある
    平泉行ってみたいな

    そういえば昨日多賀城と言う地名もニュースで出てきてたな、おおおおお

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    2025年10月02日
  • 完四郎広目手控

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    広目屋・藤岡屋由蔵に居候する武士・香冶完四郎の謎解き短編。1篇30頁程度で非常にテンポ良く読みやすい。魯文や芳幾を始め実在の人物を交えたバラエティ溢れるストーリーが魅力的。特に高橋氏らしく怪談関連が多く、現代の怪談には興味がない私だが、虚実の狭間を突く今回のような物語は非常に良い。相棒・魯文の下っ端感と由蔵の面倒見の良さ、完四郎の飄々としつつも誠実な優しさが綺麗に混ざり合い、心地よい雰囲気を醸し出している。最後の安政の大地震は非常にショッキングな事件だが、被害や被害者にスポットを敢えて当てずに復興や正常化に向けて奮闘するメディアの意義に焦点が当たっており、非常に示唆に富んだ短編になっていると思

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    2025年07月20日
  • 完四郎広目手控4 文明怪化

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    江戸時代を舞台にしていた作品が、明治時代に舞台を移したとたんに、何となく違和感を感じることが多い(少なくとも僕は)のだけど、この作品は、そんなことなく、むしろ、より面白くなった。高橋克彦さんは、このシリーズを書き始めた最初から、明治時代まで書き進めることを前提として考えていたのだろう。さすが!と思う。

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    2025年07月01日
  • 完四郎広目手控3 いじん幽霊

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    ちょっと大袈裟かもしれないけど、このシリーズはエンターテイメント小説だと思う。幕末を舞台とした時代小説であり、サスペンスであり、スリラーであり、史実に乗っ取った歴史小説でもある。非常に面白い!

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    2025年06月07日
  • 完四郎広目手控2 天狗殺し

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    前にも書いたけれど、高橋克彦さんの作品では、陸奥3部作のような大長編の重厚なものばっかり読んで来た。しかし、このシリーズのような短編集も良い。短編集と言っても、高橋克彦さんらしい、芯の通った作品だから読み応えがある。

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    2025年06月01日
  • 写楽殺人事件 新装版

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    序盤、視点や描写が定まらず少し読みづらいが、中盤からの写楽の謎を追うフィールドワークのパートが、とにかく面白い。
    作者の浮世絵に対する知識と熱量が伝わってきて、導き出された大胆な仮説は、発表から40年以上たった今でも新鮮。

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    2025年05月13日
  • 完四郎広目手控

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    高橋克彦さんの作品は、今まで、陸奥3部作や「水壁」のような”重い”ものしか読んでなかったけど、この作品のような”軽い”ものも良い。”軽い”と言っても、歴史の要点はキッチリ押さえてあるし、謎解きの部分には深みがある。さすが、と言うしかない。

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    2025年05月08日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    東北の人々が
    蝦夷と呼ばれていた時代に、
    その命と誇りを
    守る為に戦い続けた
    英雄 阿弖流為(アテルイ)と
    仲間達の話。

    その生き様と信念の強さを
    見事な文章力で表現している。

    上下巻だがあっという間に
    読み終わってしまう。
    怒涛の熱い展開に、
    涙を流さずにはいられません。

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    2025年04月19日
  • 噴怨鬼

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    応仁の乱の後の話に道真が出てきたらうれしいのに名前すら出てなくて残念…
    判大納言が怨霊となって奮闘。
    読んでいて緊張感全然ないよなぁ何故だろうと思っていたら、会話のテンポと髑髏鬼のお茶目なやり取りでゆるい話になっていて意味不明な事は髑髏鬼も意味不明なので疑問をぶつけてきてくれる。会話になっているので説明文よりわかりやすいのかも。

    前回までの内容も所々で出てくるので思い出しながら読み進めるが楽しい現実逃避できた時間を過ごす事ができた。

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    2025年01月21日
  • 鬼九郎孤月剣 舫鬼九郎4

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     鬼九郎シリーズ最終巻。ツッコミどころ満載のはちゃめちゃ話だったが、作者の目指す娯楽時代小説としては満点だと思う。
     1、2巻で敵対した左甚五郎が仲間になったように本作の序盤、中盤を引っ張った風魔の西鬼、南鬼、小五郎が、中盤以降の主役、高澤恒志郎、青柳元七といった強者が皆敵から味方となり、200人近くを相手に大乱闘を繰り広げる圧巻のラスト。
     九郎と又右衛門が九郎の理不尽に命を狙われる境遇を嘆くシーンは高橋氏らしい熱を持っていて、明るい展開が続く中で、短い文章で泣かされた。
     まだまだ続いてほしい気もするが、蛇足になりかねない気もするので丁度良い完結だったと思う。

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    2024年12月30日
  • 完四郎広目手控4 文明怪化

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    今回は完四郎が帰国してからの短編集。
    毎回露文センセーやその仲間が瓦版と新聞の中間のような錦絵付き一枚新聞のようなものを持ち込んで、完四郎がどうも額面通りの事件じゃなさそうだと背後を推理し始め、現地入りして真相を暴くという趣向。
    真相が分かったところで、決して杓子定規に善悪の裁きをしないところが江戸時代からの流れをくんでいて古き良き日本の雰囲気が好ましい。
    完四郎以外は実在の人物が数多く登場して、何となく本当にこんなことがあったかもと思えるのも高橋作品によくある魅力です。

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    2024年11月22日
  • 鬼九郎五結鬼灯 舫鬼九郎3

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     シリーズ3作目。今回は短編5作で、鬼九郎以外の面々を主役に据えながら、1つ1つが読み応えのある作品に仕上げられている。
     どれも良いが、『怪談高尾』はホラーとミステリを混ぜた独特な雰囲気と展開で先が読めない面白さがあった。全員集合で犯人を嵌めるのはお決まりであり、この話の読後が一番良かったと思う。
     ただ本作のハイライトは最終話の『九郎非情剣』。九郎の出生の秘密が判明。私の予想は将軍の腹違いの兄弟だったが、その更に上で、かつ実の親に命を狙われるという非情。皆が九郎を守るために命を張る場面は心揺さぶられる。決して大きく感情を顕にしない九郎が涙するシーンは、それが皆への感謝の嬉しい涙であり、親に

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    2024年10月20日
  • 時宗 全4冊合本版

    KOU

    購入済み

    時宗

    元寇から日本を守ったのは台風みたいな認識だったが北条時頼、時宗と二代に渡って何年も前から巧妙な作戦を立てていた。
    北条と言えば権力争いしかしてないみたいなイメージだったが、、、長兄の時輔が実際はこんなにすばらしい性質の方だったかは
    さておき、いい味出しています。北方謙三さんがチンギス紀の次に元寇の話らしくたのしみだ。

    #感動する #憧れる #アツい

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    2024年10月01日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    朝廷側ではなく蝦夷側の視点が新鮮。歴史物なので最後はわかっているのでせつないんだが、登場人物が魅力的だ!

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    2024年08月22日