あらすじ
完さんが日本に帰ってきた! 明治の政府になって早7年。江戸の広告代理店、広目屋「藤由」の居候から、アメリカでのジャーナリズム体験をひっさげ、今度は東京日日新聞の居候となった香冶完四郎。人気の新聞錦絵をひと目みるなり、不審の数々を暴き出す推理の冴えは昔のまま。免許皆伝の剣をステッキに替え、いまや売れっ子戯作者となった仮名垣魯文らと事件の真相を探る。人気シリーズ第4弾。
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Posted by ブクログ
江戸時代を舞台にしていた作品が、明治時代に舞台を移したとたんに、何となく違和感を感じることが多い(少なくとも僕は)のだけど、この作品は、そんなことなく、むしろ、より面白くなった。高橋克彦さんは、このシリーズを書き始めた最初から、明治時代まで書き進めることを前提として考えていたのだろう。さすが!と思う。
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今回は完四郎が帰国してからの短編集。
毎回露文センセーやその仲間が瓦版と新聞の中間のような錦絵付き一枚新聞のようなものを持ち込んで、完四郎がどうも額面通りの事件じゃなさそうだと背後を推理し始め、現地入りして真相を暴くという趣向。
真相が分かったところで、決して杓子定規に善悪の裁きをしないところが江戸時代からの流れをくんでいて古き良き日本の雰囲気が好ましい。
完四郎以外は実在の人物が数多く登場して、何となく本当にこんなことがあったかもと思えるのも高橋作品によくある魅力です。
Posted by ブクログ
第4弾は時代が飛んで維新後に。
幕末の動乱の頃、完四郎はアメリカにいたらしい。
維新間もない江戸に完四郎が戻ってきて、
いよいよ新聞に本格的に取り組み始める。
Posted by ブクログ
広目屋・香冶完四郎シリーズの第4弾。
アメリカ渡航時代が描かれるのかと思いきや、帰ってきてからの話でしたか…(苦笑)。
ミステリーとしては各話軽めの仕上がりでしたが、随所に挿入されている新聞錦絵が結構面白かった。
でもそれが作中で、瓦版と新聞の違いを浮き立たせる材料にもなっていて、
読み物とジャーナリズムの差をサラッとインプットしてくれた感じです。
氏の著書『新聞錦絵の世界』が読んでみたくなりました。
…絶版かぁ…orz
【収録内容】
第1話 帰ってきた男
第2話 文明怪化
第3話 人生双六
第4話 怪談指南
第5話 びっくり箱
第6話 ニッポン通信
第7話 絵空事
第8話 死人薬
第9話 かどわかし
第10話 手口
第11話 番茶組
第12話 幻燈国家
<解説>縄田一男