あらすじ
鬼九郎とその仲間たちを様々な怪異が襲う。幡随院長兵衛が巧妙に仕掛けられた罠に落ち、殺しの濡れ衣を着せられる「長兵衛獄門首」、高尾太夫を悩ませる鼠に顔を食い荒らされた遊女の亡霊譚「怪談高尾」、九郎に刺客が迫り、ついにその出生の秘密が明かされる「九郎非常剣」など、血わき肉おどる五篇。絶好調のシリーズ第3弾!
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Posted by ブクログ
シリーズ3作目。今回は短編5作で、鬼九郎以外の面々を主役に据えながら、1つ1つが読み応えのある作品に仕上げられている。
どれも良いが、『怪談高尾』はホラーとミステリを混ぜた独特な雰囲気と展開で先が読めない面白さがあった。全員集合で犯人を嵌めるのはお決まりであり、この話の読後が一番良かったと思う。
ただ本作のハイライトは最終話の『九郎非情剣』。九郎の出生の秘密が判明。私の予想は将軍の腹違いの兄弟だったが、その更に上で、かつ実の親に命を狙われるという非情。皆が九郎を守るために命を張る場面は心揺さぶられる。決して大きく感情を顕にしない九郎が涙するシーンは、それが皆への感謝の嬉しい涙であり、親に殺されかける悲しみの涙、惜別の涙であるのが辛い。
これだけ面白いシリーズ。話題にならなかったのが不思議。次がシリーズ最終巻。早く読みたいようで終わってしまう寂しさよ。
Posted by ブクログ
シリーズ第3弾は大きな流れは少し休憩で、主要メンバーそれぞれにフォーカスした短編で構成されているスピンオフ的な一冊。
敵方から見れば無敵のチームに見えるだろう面々ですが、個人になればいろいろと弱みや事情もあるのだという裏話を知ることで、最終巻をより深く味わうことができそうです。
Posted by ブクログ
鬼九郎とその仲間たちを様々な怪異が襲う、血沸き肉躍る時代劇アクション。
この巻は、今までとは変わって多彩な登場人物それぞれが中心となって連なる短編小説の形をとっており、前巻までとは違った楽しみを味わいました。
それぞれの人物が活かされ、その中で鬼九郎の出生の秘密が徐々に明らかにされていく展開も興味深かったです。
次巻が最終巻ということで、寂しい気もしますが、早く読みたいと思わざるを得ません。