高橋克彦のレビュー一覧
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日本史には必ず出てくる蘇我氏と物部氏の政争。その物部氏の血族は東北に逃れ、そこにとてつもない秘宝を封じた。その秘宝を狙って蘇我氏の子孫が襲い掛かるー。
なんだかものすごくスケールの大きい話です。話自体も長いのですが、グイグイと引き込まれてその長さが気になりません。秘宝の封印を解いていく過程にでてくる東北の遺跡などがまたそそります。好きな人は知っているだろう「キリストの墓」や「ストーンサークル」などバンバンでてきて古代の東北の豊かさを感じさせます。 あと、何よりスゴイと思ったのが主人公がデブなのも複線だったということ。ただのデブと侮る無かれ(笑) -
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恐らく史上唯一の九戸政実が主人公の歴史小説。戦国ファンにとってもなぜ政実が当時天下人であった秀吉相手に喧嘩を売ったのか、そもそもろくに資料も残ってないにも関わらず見事にキャラクターを作れている。この巻では安東からの長牛城奪還〜南部晴政死去あたりまで。
北の鬼と恐れられる戦の天才九戸政実が、2歳違いの信長の八面六臂っぷりを羨み、南部という辺境で足掻く様がよく書けている。また戦の天才とはいえ政争や駆け引きにはちと弱い印象があり好感が持てる。この巻の最後でついに南部晴政が死に、南部藩の結束崩壊は決定的に…北の最果てにも戦国の潮流が訪れる。さてどうする政実? -
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鈴木春信の作品を巡る殺人事件の謎を美術品の探し屋である耿介が解いていく作品。まず作者の代表作の浮世絵三部作の続編として、同連作の津田(名前のみ)や塔馬が登場するのは非常にエモい。そして春信と司馬江漢という一般知名度の低い2人の過去や特徴を知れるのは非常に良かった。個人的には三部作の『北斎〜』や『広重〜』より好きだ。
事件自体は脱税や複雑な売手買手の利害といった俗世的でかつ込み入っておりその点が読む上での難点だった。が、舞台をNYまで広げ、絵探しから殺人事件まで広がる謎を解決していく展開は面白かった。江漢キリシタン説なる、高橋氏お得意の突飛でかつ興味深い学説も終盤に登場しファンも満足の仕掛け