高橋克彦のレビュー一覧
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新規購入ではなく、積読状態のもの。
2009/2/22〜2/23
源義経を主役としてのストーリーしか知らなかったが、平家と源氏の争い、奥州藤原氏の栄華と頼朝の征伐など、もちろんフィクションが沢山含まれるとはいえ、史実には不思議なことが沢山ある部分について、なるほどそうだったかもしれない、と思わせる展開。また、この全5巻を通じて、政治とは、政治家とは、ということを非常に考えさせられた。もちろん小説の中の話ではあるが、今の私利私欲しか考えない人たちに是非読んでもらいたい一冊である。
山形にいる頃、中尊寺に行ったことがあるが、是非もう一度訪れたいと思う。 -
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新規購入ではなく、積読状態のもの。
2009/2/15〜2/22
前九年の役で安倍一族が滅んだ後、清原氏が陸奥を治めることになった。経清の妻結有は敵であった武貞の後妻として清丸とともに生きながらえていた。清丸にとっては異父弟となる家衡も産まれる。清衡となった清丸は、父経清、伯父貞任らの夢を実現すべく忍従の日々を送る。清原氏の跡目相続に端を発する私闘が始まらんとするとき、因縁深き源義家が陸奥守として着任する。後三年の役の火蓋が切って落とされる。果たして清衡は夢を実現できるのか?
歴史の教科書に載っていた後三年の役がこういう裏があったとは(もちろん細かいところはフィクションであろうが)まったく知 -
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新規購入ではなく、積読状態のもの。
2009/2/9〜2/15
陸奥守の任期が切れかけた頼義は、出羽の清原を味方につけ、安部一族の内紛から切り崩しに成功。任期ぎりぎりで攻勢にでる。守る安倍側は衣川を捨てて、厨川柵での決戦を選ぶ。後に前九年の役と呼ばれる合戦がこの巻では描かれる。高橋作品に出てくる男らしく、貞任、経清は仲間の情に厚くかつ潔い。この潔さと仲間の連帯感が高橋風ヒーローのキーワードであろう。このあたりは山形にいる頃安比スキー場へいったり八幡平スキー場へ行く途中通ったはずだが、あまり意識していなかった。機会があったらもう一度訪れてみたい。解説は早世した杉浦日向子氏。 -
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新規購入ではなく、積読状態のもの。
2009/2/3〜2/8
陸奥守として赴任した源頼義、何かにつけ戦に持ち込もうとするが、ひたすら耐える安倍一族。間に入った経清は辛い立場に立たされる。頼義の任期が切れる寸前、貞任が罠にはまってしまい、とうとう戦いの火蓋が切られてしまう。
後に前九年の役として知られる戦いであるが、昔日本史を習ったときにはあまり気にも留めなかったが(教科書は朝廷側からの視点で書かれている)、逆から見るとまったく違う様相が見えてくる好例であろう(もちろん著者があとがきで書いているようにフィクションの部分も多いが)。3巻にも期待。 -
Posted by ブクログ
再読。
やはり面白い。
スケールも大きく、時代小説の熱さを存分に味わえる。
さらに、東北地方に縁のある人には絶対におすすめ。
歴史とは何か。
解釈によって、視点によってこれほどにも違って見えるものかと思う。
経清、貞任の第一部も大変な引力を持っているが、
泰衡の最終章がもっとも印象的。
そもそも四代泰衡という人は、名君藤原秀衡と対比的に国を滅ぼした愚将と語られるのが常だ。
その泰衡の真意が語られるシーンは感動的。
長らく中央政権から隔絶し、幕府権力に滅ぼされた奥州藤原氏について、
信頼できる文献史料はおそらく望めないだろう。
だから、実際の平泉がどうだったのかは、誰にもわからない。