齋藤孝のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ参考になる。要保管。
以下メモ
○「全体像」と「具体的な指示」の二段構えで教える
※最初に全体像を簡潔に説明すること。組織としてどういうビジョンをもち、そのためにどんな業務に取り組み、その中でどういう役割りなのか明らかにする。但し、あくまでも簡潔に。その後、できるだけ具体的に教える。
○大切なのは「優先順位」と「期間設定」
○教えた成果を確認して新たな指示を出す
報告は当人が経験した具体的なケースを3件挙げてもらう。「失敗したケース、中途半端なケース、うまくいったケース」そのうえで、現状の全体像を把握し、責任を持って部下に次のミッションを与え、成果を出す。
○教える重点ポイントは「段取り」
○情報共有で「当事者意識」を持たせる
徹底的な情報公開と情報共有が必要
○抜き打ちの口頭試験を行う
例 今私が言ったことをオウム返しのように言ってみて -
Posted by ブクログ
ネタバレ本物の「思考」のために
齋藤孝先生による「本物の思考」を行うための知的トレーニングブック.
本著では,考えるということは非常に濃い体験だと,5つのステップを踏むことで実感することができる.
エッセンス:「『思考』とは,見聞し,こねくり回し,実践すること.最たる具現化は意思決定だ」
本は5章構成からなっており,概要は以下.
1. レビューを書こう
2. 5つの型で思考対象をこねくり回す
3. 思考を実践すること
4. 考えを深めるために読書を欠かさない
5. 意思決定こそが思考の具現化
レビューを書くことは,情報を集め,自分の中で整理するとともに,アウトプットするということ.これこそが自身の中での情報の整理・定着化に他ならない.
注意すべきことは2点.
・マナー・理解あるレビューを下すこと
・8割要約で良い,2割はオリジナリティを混ぜること.
マナーとは,ネガティブよりポジティブ,理解とは精神論・抽象論より具体的経験に焦点を当てようということである.また,オリジナリティは量少なくて良く,自身の立場みる角度からの着目点からの意見を述べることが重要.さらにある一部分に限定した意見が良い.網羅的は器用貧乏に成り得る.
5つの型とは,「比較」「比喩」「弁証法的思考」「現象学的思考」「システム思考」である.
・「比較」は価値判断基準と定義を明らかに.
・「比喩」はイメージ・共通点を見つけることで普遍性を見出し,引用や経験で説得力を与える.
・「弁証法的思考」は対話.命題と命題のぶつかり合い.思考を進めることで量質転化が生じる.
・「現象学的思考」は,実際は詳しい観察によりレッテルを次々と更新していくことである.
・「システム思考」は,準備・フィードバックが基本となる.俯瞰して図示(フレームワークに落とし込むこと)が重要.
これら,5つの型に当てはめ,実践することが思考の基本方針となる.
感化された言葉以下の通り.
思考の実践.
・語彙力は頭脳のバロメータである.
・本を読む人とラジオを聴く人の相関.
・「思考」とは「概念を使いこなすこと」
・無茶振りで殻を破る.
・よく聞いて,良い質問をする.よく聞くということはメモを取ることである.良い質問をするとは,いくつかの選択肢のうち,吟味したものを繰り出すということ.
読書の重要性.
・ベストセラーは共通の認識,共体験を生み,会話のネタとなる.
・知的体力をつける上で読書は格好の練習.
・知的シャワーで良い発想を得る.
・読みこなすことがコスパをあげる方法.古典は腐らないので,古典がコスパ最強.
・実体験と引用の結び付けを行え.名言に共感することは経験したことがあるということ.
意思決定こそが思考の具現化
・価値ある意思決定のためには責任が必須.
・自分がしてきた意思決定によって人には評価される.
・意思決定の鍛錬のためには「口分田」を作る
・直感力は経験の産物.
などである.
自身のしてきた意思決定は多くはないが,これからは積極的に意思決定していくことをしていきたいと思う.真に考えることは何かということを教示してくれる本だと感じた.それには型が重要で,常に思考は積極的能動的でなければならない.研究者を志すものとして,能動的な思考は欠かせず,型の駆使は基本的な要素としての試行が必須となるだろう.また,これは教育者的な意味でも,他者に考えさせるということはどういうことなのかを考える上で重要となりうるのではないかと感じた. -
Posted by ブクログ
賢い子どもに育てるコツが山ほど載っており、大人になってからも生かせそうなことも沢山!
なるほど!と何度思ったことか。百々のつまりはやはり国語力なんですね。
*絵本を読み聞かせる、続きを考えさせる
*アイデアが浮かんだらメモをする
*一流のものに触れさせる
*集中するには「3秒吸って2秒止めて10秒で吐くのを2、3回繰り返す。」
*勉強する大きな目的のひとつは「時間管理能力を身につけること」。学生時代から、自分で時間割りを組んで集中するときは集中し、休むときは休むというメリハリをつける習慣が身に付いていると、その後仕事に就いたときも非常にスムーズに移行できる。
*記憶術》自分と関連付けると覚えやすくなる -
Posted by ブクログ
何か壁に突き当たったときに具体的にどういう行動をとるべきなのか、ゲーテの言葉を引用しながら齋藤氏がとても解りやすく示してくれています。
ゲーテに関する本をまともに読むのは初めてだったのですが、最初に読んだのがこの本でよかったです。
「人間が自分に与えることのできるもっともおどろくべき教養は、他の人は自分のことなど求めてはいない、という確信である」
まえがきにあったゲーテの言葉ですが、この言葉で救われる人がどれだけいるだろうと思いました。
対象は小さく分けてうまくエネルギーを使うこと。
人生は有限だから合理的なのは最高を知ること、それには古典に学ぶこと。
自分の専門、使い尽くせない資本をつくること。
書かれている中のほんの一部ですがどれもはっとさせられました。
この本から得たものが多過ぎてとても書ききれそうにないのですが、「ある種の欠点は、その人間の存在にとって不可欠である」というゲーテの言葉から始まる章が、今の私にとってはとても響くものでした。齋藤氏は「今の社会は、癖を愛そうという風潮があまりない」と語っています。
ゲーテは癖を愛せとまでは言っていないし、自分の欠点を正当化してはいけないけれど、少しは許すことも必要なのかもしれません。その方が生きやすそうだなと思いました。
人は変わろうと思わないと変われないので、人生のこのタイミングでこの本に出会えたことに意味があってほしいと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ西洋では聖書、日本では論語。教養は心の指針となり、心の免疫力になる。
シェークスピアのマクベスを読んだ人なら、ズルしてでもお金を設ける話が出た時、王を殺して王になったマクベスが、その王の亡霊に悩まされ滅びたことを知っているので、的確な判断ができるでしょう。
古典や名作には難解な部分があるが、退屈さを乗り越えて以前はわからなかったけど、わかってみるといい、となる。お酒、音楽、絵画、骨董、着物など全てに教養が求められる。
マナーはいい若者、でも心の内面に奥行きがない。性格や気質、生活ぶりは出てきても、ほかにはなにも出てこない。人間の厚みは自分のなかにどれだけ偉大な他者が住んでいるか。ドフトエフスキーの罪と罰や、シェースクピアのマクベスやハムレットと一緒に、悩んだ分だけ深さのようなものが感じられる。それをくぐってきた人は、人間の大切な人生の問題を一度深く考えたので、次のバイトの心配だけをしている人より人間に厚みがでる。
「いまの君のままでいい」では人間的な厚みが出ない。同年代の水平な関係だけでなく、深い、高い文化に触れることで、いい、優しいという「気質」だけの人間ではなく、深みのある人間になる。
精神的に辛い時期にある人の方が、芸術に触れた時の浸透力が高い。著者が、浪人時代「シーシュポスの神話」を読んで、不条理に屈せずに何度でも持ち上げる主人公を見て、現在の状態や運命は常に不条理だけど、自分の未来は自分で決める、つまり、「受験をすると決めたのは自分だから、ベストを尽くして、結果はどちらでもかまわない、結果を受け止めよう。それが実存主義だ」と思えた。落ちたらまた自分で未来を切り開けばいい、と。
教養力とは引用力。本全部を理解しなくてもいい。どれだけ普段の会話に引用できるか。(じゅんごさんの論語や兵法につながる!)
著者もカラマーゾフを読破した時は、一つの山を制覇したような充実感を得た。難しいし長いけど、人類にとって最高の小説といわれる作品を読んだという自信で、それ以降どんな小説も怖くなくなる。
基礎を身につければ世の中のいろんなものが面白くなってくる。「ソクラテスの文明」「セザンヌ物語」こんな人間がいたんだと感じ、自分の中に偉人を取り込むことで豊かに、強くなる。
すごい、すごすぎるよ、モーツァルト!と、常に心をインスパイアできるI am readyの状態にしておくこと。ビジネスにしても、変化し続ける時代に、このインスピレーションが大事になってくる。これに触れたからもう死んでも悔いはない、と思えるような、感動の一瞬があればそれでいい。
奥が深くて、一生使ってもたどりつけないと思った時に、人は人生を幸せだと思える。イチローはバッティングほど難しいものはないと言っている。その奥深さを知るところまでたどりつけたら幸せだ。
優れた人の語りを聞くのも、教養を身につけるのに有効。雑誌のインタビュー「プロフェッショナルの流儀」「論語」「ブッダのことば」「ソクラテスの弁明」など。
夏目漱石の後継者で、軽さ読みやすさを加味しても深みを失わないのが村上春樹。軽くて深いというのは重要。井上陽水も。
素養とは教養以前のもの。論語を寺子屋で復唱するなど、身体性ももつ。禅もそのひとつ。今ではほとんど理解されていないので、精神文化の柱を何本も失った日本人の心は弱くなっている。禅の素養を取り戻す必要がある。
これからは知性と完成が一体化している人間が求められる。今は心が肥大化して存在の全てになってしまいがち。本来身体(習慣)と精神(精神文化)の上に心がのって、心を支えていた。型が大事。精神文化には先人たちの知恵がつまっている。それを丸ごと型として自分の中に落とし込む。サッカーでも一流の選手ほどプレーの幅が広い。身体的な技術が次のクリエイティブなプレーをうみ、幅を広げている。身についているワザを組み合わせれば自ら何かを生み出せる。
1、知っているレベル
2、引用できるレベル
3、ワザとして身についているレベル
型をつけるのはそんなに難しくない。気に入った本を一年間持ち歩き、なにかにつけて声に出して読んでいれば完全に身につく。できれば偏らず、論語、トルストイ、モーツァルト、のように幅広くもちたい。
外を流れている水は様々だけど、自分の中には常に変わらない地下水脈があり、それに接すれば必ず喉が潤う、という安心感。ネットにはなくて良書にあるもの。