あらすじ
数千年の叡智を、誰にでもできるシンプルな「型」に凝縮した齋藤式呼吸法を実践することで、精神が安定し、集中力が増し、疲れにくくなる。呼吸を通じて自己を高められる一冊。
※本書は、二〇〇八年刊行の角川文庫『呼吸入門』を再編集し、はじめにを加筆したうえで、新書化したものです。
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Posted by ブクログ
「息を合わせる」「呼吸をつかむ」「息を凝らす」「息が長い」等、日本には息すなわち呼吸に関する言葉がたくさんある。
20代に呼吸に関して長く模索した著者だから編み出した、簡単で型(日本の武道の本質)から身につけて技にするといった3.2.15の呼吸法について書かれている。
教育者の立場から、放っておくと気の散りやすい小学生に集中力を持たせる方法や、現在の、周りに気遣いはできても、真面目一方の大学生に大声で笑える身体をつくらせて授業をすすめる実践論まで、とても面白く読み進めた。
深い呼吸で、胆力を鍛え、集中力を少しでも増し、自己肯定力にも繋がればこんな良いことはない。
私自身、身体ががちがちで、ストレスに負けて病気になった経緯もあり読むに至った。
惜しげも無く教えていただけたこの一冊に感謝。
Posted by ブクログ
呼吸って何となく大切な動作だよね…、という認識から手に取った一冊。さすが齋藤先生、確かにその道の専門家では無いが、自らの実体験、また歴史、道徳、教育的観点からの考察は、却って一般の人には理解しやすい。また、専門家にありがちな、難しい「専門的な」表現に、理解しようとする読み手の努力が割かれる事は無いと思います。「息が合う」、「息が長い」、「息が弾む」、「息を忍ばせる」等、なるほど日本人は「息」を大切にしてきた文化…、やはり呼吸の大切さを知らしめてくれる良書でした。
Posted by ブクログ
普段何気なくしている呼吸を見つめ直す機会になった。
スポーツでも生活でも何気ないところと
呼吸はすごく密接に関わっている。
当たり前だけど振り返れた。
日本は息の文化があったと書いていて
禅も武道も確かに息と精通している。
そして、無性に弓道をしたくなった。
作者の言う
三・二・十五の呼吸法も試してみると
何かスッキリしたような心地がした。
"大きな世界と自分という存在はつながっているのだ」ということを呼吸はわからせてくれる"
と書かれていた。
呼吸は動物も植物も、きっとすべてのものがしている。
呼吸をすることですべての生命の力を感じることができて
そこからパワーをもらえるような気がする。
呼吸を調えることは気持ちを調えること。
呼吸入門とは呼吸という精妙な生命の働きの不思議さに心打たれ、自分の息を見つめ直すこと。
呼吸という当たり前のことを見直して技にすることで
大きな力が漲る気がした。
内容とは直接関係ないが齋藤先生の引用力には驚いた。