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Posted by ブクログ
齋藤孝先生による世界史の解説・ならびに入門書です。世界史と言うには本当に大まかなものなのですが、それでも、要所要所はキチンと押さえてあって、一冊の書籍ながら、非常に読み応えがあるものになっております。
この本は先日読み終えたものです。ざっくりとは言いながらも、世界史の要点はしっかりと抑えてあって、入門書としては非常にすばらしいものになっております。
僕は高校時代に世界史を挫折しておりますがここ最近の国際的な事件をきっかけに以前紹介した、山川出版の世界史の教科書も読んでいましたけれど、大まかな流れを知るためにはこっちのほうがいいです。
僕が読んでいて好きだったのは、世界を二分する飲み物とされる、コーヒーとお茶についての考察でした。僕はどちらかというと紅茶よりもコーヒーが好きで、20代の最初の3年間は相場の世界に身をおいていたことがあって、今でもコーヒーの先物価格はチェックしています。
それはさておいて、コーヒーがもたらす覚醒作用がもたらした人類の推進力と、コーヒーを供給する側の今でも形を変えて存在する貧しい、もしくは奴隷労働の存在。それに衝撃を受けました。
前にフェアトレードを扱ったドキュメンタリー映画
「おいしいコーヒーの淹れかた」
というものにも取り上げられていましたけれど、こういう中にも今の今まで続く南北の問題が横たわっていることや、世界三大宗教といわれるユダヤ教、イスラム教、そしてキリスト教がなぜあそこまでいがみ、憎しみ、また殺し合っているのか?それは聖地であるエルサレムの攻防を巡る話を通して、非常に平易に語っておられました。
いま、世界中で起こっていることは、みんな過去につながっている。その過去を知ってこそ、未来をある程度予測できる。それを知ることができるきっかけとして、本書をぜひオススメします。
※追記
本書は2011年12月14日、祥伝社より『齋藤孝のざっくり!世界史 (祥伝社黄金文庫 さ 15-2)』として文庫化されました。
Posted by ブクログ
歴史に限らず、あらゆる学問がそうではないかと思うのだが、そこで語られていることは「事実」というよりも「解釈」として受け取ることがなによりも「真実」に近付くコツなのではないかと思う。そして専門家の優れたところは「本当のこと」を語っているということではなく、それに少しでも近付くための方法を示していること、そのための解釈や提案をまとめてくれていることではないか。本書はそうした語部の解釈が物を言う世界史という分野を、教育に精通している齋藤が非常にコンパクトにまとめてくれている。
齋藤先生による世界史の視点は「5つのパワー」。モダニズム、帝国主義、欲望、モンスター、宗教。これらの概念説明を追っていくだけでもとても勉強になるのだが、そこをお互いに関連付けていくことが著者の特徴が出るところ。本書の日本史バーションでもそうだったと思うが、こうした視点を固定化することによって膨大な範囲の知識を体系的にインプットできる。そして他の視点でまとめたマクニールなどの歴史観と比べてみるのもおもしろいだろう。
歴史を学ぶ意義は「過去を知ることによって現状を認識し未来を見通す」ことにある。さらに「物を知り場所を知り人間を知ることができる」ことも見逃せない。すなわち、歴史はあらゆる分野を浅く広く知るとても便利な学問であるということが言えるのではないか。そう考えると歴史は教育とくに義務教育においてもっと然るべきポジションにおく必要があるのではないかと思う。
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