齋藤孝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
太宰治の「人間失格」を解説しています。
なぜ今「人間失格」なのか。
それは、この作品で扱われている「生き
づらさ」の問題が現代にも通じるテーマ
であるからと齋藤氏は言います。
「人間失格」の主人公は世間というもの
が分からず、他人の目が怖いと感じます。
外見では道化役を演じ、明るく振舞って
いても、心の中では不安だらけなのです。
SNS全盛の現代でも、一つ間違えると
世間から攻撃を浴びてしまうことがあり
ます。
世間は怖いのです。
コロナ禍においても、近所で感染者でた
時は犯人捜しのようにその人を特定しよ
うとした地域もあったらしいです。
人間が、世間が一番怖いのです。
そんな今 -
Posted by ブクログ
語彙力、教養をつけることを目的に購入しました。
言葉をつなげるコツや技術が書かれているかと思いきや、いい意味で裏切られた。この帯やタイトルでは勿体無いと思うような、広く知性について教えていただける本でした。
知識や考え方、人間関係、過去の偉人や海外の翻訳本、歌舞伎の話まで様々な話題に触れながら、そういった知識を繋げる力を「文脈力」という言葉で表現をされていました。
場の空気を読むのも文脈、過去の偉人の作品や芸術から今の自分に役立てられることを見つけることも文脈。繋げる力を持ちたいと思えました。
本著の中にいくつか本も登場しますが、
その中で特に気になった本
「心より心に伝うる花」は購入し -
Posted by ブクログ
福澤諭吉が還暦を超えた頃に人生をざっくばらんに振り返った本。全体の20%は酒の話。
特に中盤で禁酒を誓った福澤が、友人に「キツい我慢はよくない」と唆され煙草を吸い始めた挙句に禁酒にも失敗し、ただの大酒飲み&ヘビースモーカーに成り下がった話は涙なしには読めなかった。
気難しそうな顔からは想像し難い、破天荒な人物像。しかし、男子高校生のような言動ばかり。
友人に「鯛だ」と言って河豚を食わせ、「お前は河豚を食った、もうすぐ死ぬ」とビビらせ横で爆笑してたり、神社の御神体をその辺の石ころにすり替え、それを知らず人が拝んでるのを見て爆笑してたり。
しかし勉強に対する熱意も凄まじい。
昼夜問わ -
Posted by ブクログ
「心」と「精神」は別のものとして考えるべき
と著者は言います。
心は個人的なもの。人それぞれであるし、一人
の人にとっても心は毎日状態が変わります。
しかし精神は、ある文化の中で生きる人が共通
して持っているものです。
武士には武士の精神、日本人には日本人特有の
精神が存在します。
精神は文化として共有され、100年単位で残っ
ていきます。それほど安定的な内容を持った
ものです。
私たちの心は精神という土台の上に乗っかって
いるというイメージを持てば分かりやすいと
思います。
そして精神の下にあるのは身体文化です。
鏡餅に例えると、下の餅が精神文化。上の餅
が精神文化、そして一番上