スティーヴン・キングのレビュー一覧

  • シャイニング(上)

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    ネタバレ

    これ読んだ後にホテルに泊まらないといけない用事があり、お風呂にお婆さんの腐った死体があるかも、カーテンを開けたら全裸のガリガリの女がいるかもとビビりすぎて全然休めず、爆速で帰った

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    2026年02月03日
  • ビッグ・ドライバー

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    ネタバレ

    個人的には、とても興味深く刺激的な内容でした。超平たく言いますと「面白かった!」という表現になってしまうのですが、、、「面白かった」という表現だと、ちょっと語弊があるくらいに、内容は凄惨です。凄まじい、と言っても良い気がします。スティーブンキング、凄いなあ!と。

    個人的には、スーパーナチュラルや超常現象ありきのキングの小説より、そういった要素が一切ない、単純に「やっぱ一番怖いのは人間だよなあ、、、」な、キングの作品の方が、僕は好きだなあ、ということをね、思いましたね。

    元々の原本は、2010年に刊行されているそうです。「FULL DARK, NO STARS」という、4本の中編が収められた一冊の書物として刊行され、そのうちの「ビッグ・ドライバー」「素晴らしき結婚生活」の二編が、日本では「ビック・ドライバー」という作品として発表された、と。残り二編「1922」「公正な取引」は、「1922」のタイトルで、日本では作品化されている、と。かなりのボリュームの中編4作を一冊にまとめると、日本では、ちょっと売れ行き心配なんで、、、ということで分冊化したんでしょうかね?文春文庫さんの判断なのかなあ?とか思ったり。

    個人的には、原題の「フルダーク、ノースターズ」が、すっごく好きなタイトルですね。「漆黒の闇、星影も無し」ってな感じでしょうか。人間存在の暗黒面を、見事に表題化している感じ?って思いましたねえ。プログレッシブロックの超有名バンド、キング・クリムゾンのアルバム名でいうなら、「Starless And Bible Black(邦題:暗黒の世界)」って感じですよねえ。

    「ビッグ・ドライバー」
    うわあ、、、見事に凄惨な。どギツい作品ですねえ、、、そこそこの売れっ子で、そこそこの美貌もあると思われる中堅女性作家が、講演会の帰り道に極悪人の仕掛けた卑怯な罠にはまり、その途轍もない残酷な大男にレイプされ、そして無残に殺されて「暗渠」に捨てられる、、、はずが、なんとかギリ、その女性(テス)はマジでギリ、生きながらえていた。そして死の淵から生還した、テスが決意したことは、、、という物語。

    超凄惨ですね、レイプの描写とか、その後に容赦なく物のように「暗渠」に捨てられる感じとか。巣穴の蛇のように、暗渠はじっと、テスを待っていた、みたいな表現があるんですが、、、マジ怖い。

    物語としては、結構、どんでん返しもありました。ビッグ・ドライバーが実はビッグ・ドライバーとビッグ・ビッグ・ドライバーの二人いた!とか、まさか母ちゃんまで抜群のサイコ女性で、息子の性欲の為に獲物の女性を物色する女だったとは。ビッグ・ビッグ・ドライバーは、ビッグ・ドライバーの異常性欲を野放しにしていて、戦利品のおこぼれにあずかっていたとは。おっとろしい、、、まるでトビー・フーパー監督の最強スプラッター映画「悪魔のいけにえ」のソーヤー一家みたいなもんやないか。

    あと、超賑やかな音楽かけまくりのバーの女性スタッフのベッツィ・ニール女史。彼女も、実は、、、あれほどに凄惨な、過去を抱えていたとは、、、それが分かる物語の最終盤。そして彼女の、不思議な色をたたえた、あの瞳の秘密。心を完膚なきまでに傷つけられた女性たちへの哀歌であり、、、こんな表現は適切ではないのですが、、、応援歌、、、としか、、、言いようがないか。そんな物語、ですよねえ。

    レイプされ殺されかけて九死に一生を得た、テス。レイプの後に、全ての人目をさけるように、必死に物陰に隠れながら、家までの道のりを、逃げるやないですか。あの時の描写の冷徹さよ。残酷さよ。でもあれはあの時のテスは、真実、「(完璧にプライバシーを守るリムジンタクシーのスタッフ以外には)誰にも、今のこの私の、この姿をみられたくない!」と、本当に強く強く思ったんだろうなあ、、、

    彼女が、民家や店に駆け込んで、助けを求めなかったこと。警察に駆け込んで、ビッグ・ドライバーを訴えなかったこと。公共の善意に頼らず、公の正義に頼ることもなく、善悪の裁きを司法の判断に委ねるわけではなく、「わたしが全て自分でケリをつける」と決断したこと。

    もちろん、そこそこの有名人である自分が浴びるであろう、世間の好奇の目に耐えられない、という思いは勿論あったでしょうが、、、それよりも「自分の人間としての自尊心」が、それを許さなかったのかなあ、と。思いました。「これほどの仕打ちを受けたのだ。なんとしても自分の手でケリをつけない事には気が収まらない」という気持ち。

    レイプ事件の後、テスが、車のナビゲーターや自宅の猫ちゃんとしきりと会話をする、という描写があるやないですか。アレは「とんでもない酷い経験を受けた人の、自分を癒やすための、セルフ治療の一環と考えられる」という分析を、どなかたの読書感想で拝見したんですよ。「なるほど!」と、凄く合点がいきました。

    レイプ、という犯罪は、レイプされた人が生き延びたとしても、その被害者を「ある意味では殺してしまう」ということなんだろうなあ、、、酷い。本当に、酷い、犯罪なのでしょう、、、うむ。

    この話、感じとしては、宮部みゆきさんが編集したアンソロジー集「贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き」に収録されていた、ジョイス・キャロル・オーツの短編「パラダイス・モーテルにて」と近い雰囲気を、感じました。個人的には。ジョイス・キャロル・オーツ、全然詳しくはないんですが、、、ちょっと、スティーブン・キングと、共通点、、、あるのかしら?どうなのかしら?

    あと、テスが決断した「私が自分の手でケリをつける」という決断なのですが、、、いわゆる私刑。私的制裁。私人逮捕。2026年の日本では、私人逮捕系ユーチューバー、という言葉は、もう下火になってきているんでしょうかね、、、でも、個人で復讐を果たす、という行為は、、、物語としては、美しい。必殺仕事人、ですよねえ。胸がスカッとする面は、間違いなく、あります。勧善懲悪、が、分かっているならば。

    だが、現実には、、、本当に危うく、難しいところですよねえ、、、我々は、このキングの小説では、テスが完全な被害者で、善人で、そしてビッグ・ドライバーとその家族が、完全な悪でありサイコな人々である、という事実を、読者の視点から、いわば物語世界の外側の神の視点から、知っている訳です。ですので、テスの復讐譚に、深く納得し、感じ入る事が、できるのだろうなあ、と。

    だが。これがもし、現実世界の出来事、本当にリアルな実際の出来事であったとしたら。そしてこの一連の流れを、ニュース番組で知る側の立場だったならば。完全な第三者である我々は、物事の真相が完全に明確に超正しく判明するまでは、はたして、テスが正しいのか?それともビッグ・ドライバーが正しいのか?実際のところは、分かりません、、、よね?ましてや、ビッグ・ドライバーとその家族は、一見外面の良い善人一般市民的生活を普段は装っているわけで。「あのいつもニコニコ親切なビッグ・ドライバー一家が!途轍もない凄惨な殺人事件に巻き込まれて!あまりにも可哀そうすぎる!」って見方も、フツーに発生する案件だと思います。

    このリアルな現実世界では、個人による復讐譚は、極めて全くもって難しい、、、ということを、なんというかまわりまわって、僕は、感じました。なんか、変な感想に、なっちゃったな。

    「素晴らしき結婚生活」
    これも本当に見事な中編だと思います。過不足なさすぎ。本当にまあ、見事にまとめたなあ、と。物語の造形がもう、、、完璧だなあ、と。キング、すっげえなあ!と。痛感する作品でした。まず「素晴らしき結婚生活」という邦題も素晴らしいし、原題は「A Good Marriage」ですがコレもグッド。なんという皮肉の効いたタイトルであることか。うむ、、、素晴らしいです。

    「長年幸せに連れ添ってきた、自分の良き伴侶が、まさか。最悪の性的猟奇的イカレ殺人鬼だったとは」という作品なんですが、、、現実問題だとして、超ウルトラ、怖いですよね。主人公の女性、ダーセレン・マドセン(愛称は「ダーシー」)の、恐怖。それを思うと、、、本当に胸がすくむのです。「これが現実のことだったら」という恐怖感は、人として、本当に凄まじいものが、あるでしょうねえ、、、「自分の身内にシリアルキラーがいる」ということが判明した時の、、、本当に「本当に」どうしようもない恐怖。

    そのシリアルキラー、夫のボブ・アンダースン。コイツが本当に、、、本当にまあ、、、怖い。怖すぎる。ああまで狂った心をしっかりと持ちつつ。でも、ほぼそれを完璧に、基本的には、隠し通して、一般生活を。良き伴侶であり良き市井の一個人として、過ごしていられるものだ!そしてやはり、これが本当に恐怖なんですが、、、このような人間は、間違いなくこの現実の世の中に、存在しているのでしょう、、、いるのでしょう、、、だからこそ、我々の住むリアルな世界は、今「こうなって」いるわけですもの。この小説はフィクションですが、このフィクションの世界で描かれている物語は、間違いなく。完全に「リアル」なのでしょう。怖い。

    でも、、、どうしようもないですよね。それが「人間」ですものね。そういう意味では、もう一つの作品「ビッグ・ドライバー」の世界も、ある意味、完全に「リアル」なんですけどね。

    ボブが、自らを殺人鬼だと認め告白しつつ、ダーシーに「君が全てを白日の下にさらしたとしても。俺はどうなってもいい。君もまあ、いいのだろうともいえるのだろう。でも、、、俺たちの子供は、、、どうなると思う?」と囁いた、あの言葉。悪魔の言葉ですよね。本当に酷い言葉です。だが。どうしようもない剥き出しの現実、ですよね。

    そして、この凄惨すぎる物語に、キングは見事に、見事すぎる結末を、ありていに言えば、本当に見事な「救い」を用意した、と思うんですが、、、物語の最終盤の、ダーシーと、州検事総務局のホルト・ラムジーの会話。なんと見事な。お互いに、おそらく「全てを」知っていながらも、それでも互いに手持ちのカードを、ちょっとずつ見せながらの、真剣をたずさえながらの、会話。もの凄い見事です。そして、救いでもある、というね。

    物語の最後、ホルトがダーシーを抱擁して囁いた「あなたは正しいことをしましたよ」の言葉。あの言葉は、ダーシーを救い、そしておそらくホルト自身の今までのキャリアもポリシーも救い、読者をも救った、と言えるのではないでしょうか。ダーシーは、全てを自分一人で抱え込む必要は、なくなった。「わかってもらえた」ということの心強さ、ですよね。キヨシローさん的にRCサクセション的に言うならば「わかってもらえるさ」ってこと、ですよね。

    物語が終わった後に語られる、著者あとがき。ま、キングのあとがき、ということなんでしょうが、ここでキング自らが語る、物語の語り手としての矜持。物語を生み出すものとしての心構え。これも、凄いなんといいますか、、、素敵でした。

    僕は日本の作家では、宮部みゆきさんが一番好きなのですが、その宮部さんが、超熱烈なスティーブン・キングのファンだという事は、けっこうよく知られた事実だと思います。で、「死者は嘘をつかない」と、この「ビッグ・ドライバー」を読んで、なるほど、宮部みゆきが強烈なスティーブン・キングのファンであること合点がいった!と、心の底から理解しました。宮部さんの作品には、間違いなく、キング的なフィーリングが、あります。作家のベクトルであり、人間としてのベクトルが、相当に、近しいな、と思った次第です。そのことが理解できた点でも、キング作品を読んで、良かったなあ、と。シミジミ、思いましたね。

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    2026年01月31日
  • ビリー・サマーズ 下

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    スティーヴン キングあまり読んだ事は無いけど、
    これは最高でした。

    デビューして50年だそうですが、こんな面白い本を今書けることが凄い。

    凄腕の殺し屋ビリー サマーズが最後の仕事として殺しを依頼される事から始まる話はラストまで予測不能な展開でグイグイ引き込まれました。

    読んだ事が無い方、オススメします。

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    2026年01月27日
  • フェアリー・テイル 下

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    読書備忘録966号(下)。
    ★★★★★。

    やっと読み終わりました。
    キング作品は時々菊版(A5よりちょいデカい)で出版される。
    今作がこのサイズ。
    このデカいサイズで更に上下段組。300pとはいえ、進まん!全然ページが進まん!
    1日50pが限界!

    そんなことはおいといて。
    フェアリー・テイル。
    すなわちおとぎ話です。ディズニーの世界です。
    言ってみれば鏡の国のアリスです。

    いやいやちゃいます。
    表紙絵を見てください。
    藤田新策さんの絵ですよ。
    確かに向こうに王国を統べる王家が住んでそうな城がありますけど、不気味すぎて・・・。
    そしてあたり一面罌粟の花・・・。
    犬くらいのサイズのあるコオロギとかゴキブリとかが出てきますわ。
    馬もしゃべりますわ。

    さて備忘禄です。どこまでも自分用の。
    上巻の備忘禄に書いた通り、主人公チャーリーの住む家の横にはサイコハウスという不気味な屋敷がある。そこに住んでる不気味なジジイ。そして獰猛なジャーマンシェパード。近づいたら噛み殺される。

    そんなある日、犬の悲しい鳴き声が。
    行ってみるとジジイが倒れている。ハワード・ボウディッチという名前があるけど。
    どうやら、屋根から落ちたみたい。
    横でおろおろしているのは老犬レイダー。お婆ちゃん犬。
    救急車を呼び、ジジイを入院させ、レイダーを預かり、すっかりなじんでしまったチャーリー。レイダー可愛すぎ。

    ただ、ボウディッチの屋敷には倉庫があり、時々そこから不気味な音が。
    退院して歩けるようになったボウディッチは銃を持って倉庫に。
    バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!
    心臓に爆弾を抱えている老人にはキツイアクションだった。

    心臓発作を覚悟したボウディッチは全ての遺産と遺言のテープを残して旅立っていった。
    テープには驚愕の物語が残されていた!
    倉庫の中にある井戸を下り、螺旋階段を下り、トンネルをくぐるとそこには異界があると・・・。
    バンッ!バンッ!バンッ!は、異界から這い出してきた巨大なゴキブリの駆除だった。
    そして異界には、時を巻き戻せる日時計があると!
    寿命を迎えるレイダーを救うためには日時計だと!
    おいおいチャーリー。レイダー可愛いけど天寿を全うでええやんか!
    ただ、それでは物語が始まらない!

    そしてレイダーの若返り作戦のついでに(あくまでついでに・・・)、闇の怪物ゴグマゴグに支配されたエンピス王国を取り戻すためにレーア王女を助ける為に、チャーリー王子となって活躍するおとぎ話のはじまりはじまり!
    以上備忘録終わり!

    ただね。
    やっぱり不気味ですよ。
    キングのおとぎ話ですからね。
    ドワーフとか、夜影兵とか、フライト・キラーとか、巨人とか・・・。

    そして、恒例の白石朗さんの解説。
    この作品をキングが書いたのはまさにコロナ禍。
    米国は数百万人の死者を出しましたよね。
    キングは考えたそうな。
    どうしたら、人々の心をちょっとでも明るく出来るのだろうか。
    そうだ!楽しい小説だ!ディズニーだ!おとぎ話を書いたんですと。
    不気味すぎっ!

    デビュー50年にしてまだまだ旺盛な執筆活動を繰り広げて下さっているキング様にはリスペクトしかない!これから翻訳される作品全てに★5つ決定です。

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    2026年01月25日
  • シャイニング(下)

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    上巻の大人しさはこの下巻の爆発の為の溜めモーションだった。映画を観て小説も読むとスティーブンキングが映画の出来に怒った理由がよくわかる。映画も映画で良いんだけどね。読み終わった後の清涼感、カタルシス、どれも一級品。良い小説だった。

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    2026年01月22日
  • 死者は嘘をつかない

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    スティーブン・キングは久しぶりに読んだけど、やっぱり面白いなあ!読み出すと時間を忘れて読んでしまう。
    これは文庫1冊でキング的には短いし、読んだことない人にもおすすめ。

    死者が見え、会話もできる主人公の、6~15歳の間に起こった”事件”を、22歳の現在に語る構成。
    子供が死者と向かい合わないといけない状況にハラハラするし、身勝手に利用しようとする大人には腹が立つ。
    そして回顧録なので、原題のLater、”あとになってわかったけど”のような記述が頻出する。
    もう戻ることのできない子供時代を思い起こさせて、怖いだけでなく背後にせつなさもあってとてもいい。

    最高級のホラーエンタメ。キングはやっぱりすごい。

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    2026年01月14日
  • ビリー・サマーズ 上

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    最近はキング作品をよく読んでいる。
    これは殺し屋が依頼を受けて殺しの準備が整うまで小説家として二重生活をする話。
    キングが描くアメリカの田舎生活の解像度は本当に高い。自分は割りとそれ目当てで読んでいる。
    上下巻で構成されていて上巻だけでも話が大きく展開される。

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    2025年12月21日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

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    書くことについて基本的に好意的に書いているところが良い。もちろんできるできないということは本人次第だけど、その後押しはしてくれた

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    2025年12月17日
  • ランニング・マン

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    バトルランナーの全面改訂版!
    バトルランナー読みたくて中古で手に入れてたのですが新装版としても出版されてて嬉しい。
    そして初回刊行は1980年代にも関わらず、全然古さを感じない面白さです。

    10億ドルの懸賞金をかけて逃げ続ける男、リチャード。キングにしては描写が薄めではじめっからスピード感溢れる展開。そして予想のつかないラスト。
    2025年から見ると、そのラストはまさかあの…とある事件を思い起こさせますが、、、
    本当にさすがキング!さすがキング!!で面白かったです

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    2025年12月10日
  • ビリー・サマーズ 上

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    全ページ面白いとはよく言ったもので、読む手が止まらなかった。
    あまり何も起こらない場面でさえ面白く描けるのは天才。

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    2025年12月09日
  • H・P・ラヴクラフト 世界と人生に抗って

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     『クトゥルフ神話』の創造者として今日まであらゆる分野で影響を与えている怪奇幻想作家のH.P.ラヴクラフトの作品と生涯を独自の目線で語った、小説家ミシェル・ウエルベックのデビュー作。
     1991年に発行した本文に、作者本人による「はじめに」(1999年)とスティーヴン・キングによる序文「ラヴクラフトの枕」(2005年)を加えた普及版を底本にしているとのこと。

     怪奇幻想文学を読む上でラヴクラフトは外せないとのことで、最近発売されていた新潮文庫のシリーズを読んでみたがいまいちノリが掴めず断念していた。魅力を知る人の感想は作家の世界に入る足がかりになるものなので、ラブクラフトを「熱烈な偏愛で語る」という裏表紙の文句に縋るように購入。しかし、キングの序文で早々に心配になる。嫌な予感は当たるもので、呪いの何たるかを知りました。元気な時に読みましょう。

     端的に言ってしまうと、時代と社会に徹底的に合わない人間の不運の物語だった。副題は世界と人生に「抗う」というよりは「呪う」が相応しい気がする。ラブクラフトは『クトゥルフ神話』という呪われた物語を世に出すつもりはなかった。ラブクラフトにとって創作というのは、居場所のない類稀なる想像力を慰めるための場所であって、誰かのために書かれた物語ではない。故に多くの共感を得たというのも、あまりにも皮肉な話である。本書を読む人は、救いのない人生にとって死こそが唯一の救いなのだという絶望と正面から対峙することとなる。

     人生に希望の光を当てることが創作物の役割の一つであるが、現実問題として夢も希望も失くした人々は世界に山ほどいる。夏休みが明ける頃に自殺をするこどもたちがいる。光に怯えるようになった人をどうやって救うことができるのかわからないが、『クトゥルフ神話』には絶望と親しむような力があるのかもしれない。これも人間なんだなと本書を読みながら何とも言えない気持ちになった。

     「幸」とういう字は、手枷の形が字源であるという説がある。なぜ手枷が「幸せ」なのかというと、死罪は免れたからだそうだ。それを思えば随分と幸せな時代を生きているのだが、『クトゥルフ神話』が多くの人の救いになるような時代がまた来るのかもしれない。などとだんだん悲観的になってくる。
     少しでも前向きに捉えるなら、歴史には決して残らない闇に消えていった人々の代弁者と言えるかもしれないが、そんなものは気休めにもならないか。しばらくは引きずりそうな本でした。

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    2025年11月29日
  • ビリー・サマーズ 下

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    ネタバレ

    2025年の40、41冊目は、スティーヴン・キングの「ビリー・サマーズ」です。キングの作品を読むのは、「アウトサイダー」以来でしょうか。この作品は、キングお得意の超能力もホラーも有りません。至って普通の小説です。上下巻、2段組みの構成で合計600ページ以上有りますが、流石にキングです。読ませます。作家人生の最終盤に向かいつつあるキングの最後の傑作と言って良いかも知れません。
    主人公は、元軍人でイラク帰還兵の凄腕の殺し屋ビリー・サマーズです。ビリーは、ある人物の暗殺を依頼され、それを最後の仕事と決めて引き受けます。最後の仕事と云うベタな設定ながら、そこはキングです。最後は思いも寄らない所に着地します。
    読み所としては、まずは、ビリーが暗殺に向けて、何ヶ月も前から地域に溶け込み、地域住民と触れ合いながら、入念に準備を進める過程が面白く、非常に凝ってもいます。次に、アリスが登場して以降は、別の作品になったかのように変化して行きます。辛い出来事を経験したアリスが、ビリーに助けられ、行動を共にして行く中で、辛い出来事を消化しつつ、新たな人生を模索し、踏み出す過程が描かれて行きます。
    そして、作中作品として描かれるビリーの自叙伝が何より素晴らしいです。最後、作中作品であったはずが、本編に合体してクローズするという構成が凄すぎます。
    ☆4.9余韻が残るラストも素晴らしい

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    2025年11月09日
  • ビリー・サマーズ 下

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    ネタバレ

    印象的なラストに感動しました。
    事件の真相は割と呆気なく分かりますが、それ以上にビリーやアリス、バッキー、ニックなどの魅力的な登場人物が多く、飽きずに最後まで楽しめました。

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    2025年10月21日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

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    自分も書いてみたい、そう思わせてくれる1冊でした。私は小説どころか、何か物を書くということを仕事にしているわけではありません。仕事どころか趣味としても書くことにはなじみがありません。
    それでも心のどこかに、何かを書いてみたいという欲求はあって、それがどうしてなのかわからずにいました。でもこの本を読んで、少しだけその理由がわかった気がします。
    もちろん著者にとっての書くことと、私にとっての書くことの意味は違うと思います。でも誰かに読んでもらうことを意図して書いている場合、そこには読者のために何かを為したいという意図は働いているはずです。たぶんそれが子を持つ親になった今、実感として理解できるようになったからだと思います。そんな時、何に注意する必要があるのか、そんなふうに自分に置き換えて読んむのも楽しく感じました。

    スティーブンキングという著者自身がどんな考えを持ってこれまでの作品を書いてきたのか、その物語を知ることができたのも、この本の醍醐味の一つだと思います。この本を通じて著者の人となりを感じることができ、すっかり好きになってしまいました。
    きっとこれからスティーブンキング作品は、これまでとは比較にならないほど、私にとって味わい深いものになるのだと思います。

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    2025年10月20日
  • フェアリー・テイル 下

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    あー面白かった〜」で閉じる幸福。やっぱり上手いな、キング。
    全作品ではないにしろ『キャリー』から読んでいるのだから、読んでいるこちらも50年ということになる。50年も面白いってどういうことよ!

    いろいろ書き留めておきたいこともあるけれど、ネタバレになってしまってはいけない。読み終えた心地がよかったことだけ、書いておこう。

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    2025年10月13日
  • フェアリー・テイル 上

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    高校生のチャーリーはある日、近所の怪しい屋敷に住む老人を助け、生活の支援をすることになる。謎めいた老人、ミスター・ボウディッチとその飼い犬レイダーと親交を深めるうち、チャーリーは奇妙なことに気づき始めた。庭の小屋から聞こえる不審な物音、そしてミスター・ボウディッチが所有する大量の黄金。彼はいったい何者なのか。そして始まる異世界への冒険にわくわくさせられるファンタジーです。
    偏屈に思えたミスター・ボウディッチですが、読むごとに魅力が増してきます。そしてなんといってもレイダーが可愛くて健気でたまりません。もちろん彼らとどんどん親しくなるチャーリー、彼が一番魅力的。幼少期に様々な苦難を乗り越えただけあって、善良だし頼もしさが高校生とは思えません。そりゃあこんな少年、誰だって好きにならずにはいられないかも。
    しかし楽しい生活がずっと続くことはなく、やがて迎えた転機。そこからの展開が何ともいえず奇想天外で、「おとぎ話」そのものでした。しかしその世界観はふわふわしたような感じではなく、不穏さも内包していてサスペンスが高まる一方。壮大で危険な冒険に挑むチャーリーの物語は、これからが本番です。

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    2025年09月17日
  • フェアリー・テイル 下

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    異世界エンピスで、死に瀕したレイダーを救うことに成功したチャーリー。しかしある者の罠により、チャーリーは囚われの身となる。牢獄で行われる残虐な競技を生き抜き、チャーリーは世界に平和をもたらすことができるのか。異世界ファンタジー全開の下巻です。
    ハッピーエンドの物語だということは最初から公言されているものの、それでもどきどきが止まらない展開です。牢獄の息詰まるような生活、その中で行われる「大一番」の恐ろしさ、そして囚人たちと団結しての、敵との闘い。どれもこれも読む手が止まりません。数々の「おとぎ話」をモチーフとした、いわばお約束のようなエッセンスが大量にありながら、しかし意外な展開も満載。強大と思えた敵が意外とあっけなく、だけれど予想外の方法で倒されたりするのには驚きの連続。チャーリーに与えられた運命とも言うべき役目、その中で成長していくチャーリーの姿が頼もしいです。
    残虐な部分も多々あり、決して甘いだけのおとぎ話ではないのですが、間違いなくハッピーになれる物語でした。そしてなんといってもレイダーが可愛い。とんでもなく可愛い! 特に犬好きではないのだけれど、メロメロでした。

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    2025年09月17日
  • 呪われた町 下

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     舞台設定や人物相関の深堀りから一転、不吉な事件を経て町に現れる甦る死者達と立ち向かう主人公達の構図が徹頭徹尾恐怖を掻き立て、滅び行く町の姿と相まって面白さが加速していく、まさに『恐怖の帝王の本領発揮』の名に恥じない名作だった。

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    2025年09月22日
  • ビリー・サマーズ 下

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    2025年に読んだ本の中で、最も「読んでよかった」と思った上下2巻であった。
    スティーヴン・キングというとホラーの巨匠、話題の映画化小説を何冊も生み出した大作家の印象が強く手を出すのに気遅れしていたが、こちらはこのミス2025年版海外編にランクインしていたため手に取った。

    とても面白く上下巻一気に通読(あえて言うなら、ミステリーというよりはサスペンスのような?)。主人公が殺し屋ということもあってアリスを迎えてからの後半は映画レオンを彷彿とさせる部分もあったが、ビリーとアリスの別れ際の情景の美しさが目に浮かび、個人的にはこちらの方こそ映画の大画面で見たいものだと思った。上巻を読んでいるときはまさかこんな流れになるとは思っておらず、やたらビリーの潜伏生活が詳しく語られていて、まさかこれが下巻まで続くのか…?と訝しみながら残りのページ数を確認したりしていた。

    ビリーが潜伏生活をするうえで作家として自分の半生を書き起こしていくが、それによってビリーの生い立ちだけでなく人となりが分かり、いつしかビリーに肩入れする気持ちが生まれる。そんなビリーがこの仕事を無事にやり遂げ、穏やかな余生を送れるよう願う気持ちがさらに読むスピードを加速させ、手に汗握らせる。それだけでなく、この物語の形式が結末にも関わるので、さすが巨匠が書くとこれほどまでに完成した作品になるのだなあと感服した。

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    2025年08月18日
  • フェアリー・テイル 上

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    主人公チャーリーは幼い頃母を亡くし、それ以来アル中になってしまった父の世話をしながら育つ。いよいよ路頭に迷う時に神と契約する。父のアル中を治してくれるなら何でもします、と。それ以降のチャーリーはボランティアや勉学やスポーツに励み、模範的な高校生になる。ある時、サイコハウスと恐れられている屋敷で犬の鳴き声を聞く。タダならぬ気配に屋敷に入り骨折した老人を助けた事で世捨て人同様に暮らしていた彼とその犬と交流を深める事になる。彼の品行方正さや父親への想いや日々の生活が目に見えるように描かれる。そして8割位過ぎた所で転機が訪れる。いよいよ異界への旅立が始まる。
    チャーリーと犬のレイダーが愛おしくて堪らない。下巻が楽しみ。

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    2025年08月18日