スティーヴン・キングのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白過ぎた。衝撃的な展開の連続で飛ばし過ぎ。これ、最後まで持つの?と心配したけど無用だった。はい、最初から最後まで文句なしに怖くて痛くて面白いです。
売れっ子作家が不慮の事故で大怪我をし、元看護師の熱狂的なファンに監禁される怖いお話。
元看護師のアニーの狂いっぷりが豪快で想像を超えてくる。作家ポールがいけ好かないヤツなので、可哀想とばかり思えない。そして悲惨な状況なのに所々、笑ってしまう描写がある。結末がどうなるのか早く知りたくて読む手が止まらなかった。
作中作の「ミザリー」の物語の意味が理解できなかったのが、私の読解力の足りないところ。考察サイトを探そうと思っている。
稀代のストーリーテラ -
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面白かった!グイグイ引き込まれて夢中で読みました。森へ入っていく主人公トリシアは9才にしては大人びて、頭もよく、観察眼があって、運も強い。それが面白い。
森の細かな描写は美しく、恐ろしい。広大な世界の光や闇が実際思い浮かぶよう。歩くうち思いも掛けない情景が突然広がり、唖然とさせられ、ゾッとして、虫のうっとおしさにウンザリして、自然の怖さを見せつけられる。その中でも野生動物を見て喜ぶ子供らしさもあるトリシアの視線全てに生き生きとした生命力を感じる。
あらすじを数行でまとめると単純な話なのに、命のかかった大冒険のワクワクとスリルと、現実を超えた驚異的な展開、魅力的な登場人物や悪魔じみたもの、トリシ -
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Posted by ブクログ
過去を変えることができたら――。個人的なことであれ、社会的なことであれ、たぶん、多くのひとが一度は考えたことがあるのではないかと思います。だからこそフィクションは数多くの時を超える物語を生んできたのではないか、とも。ケネディ暗殺を阻止しろ、と死期の迫った友人から想いを託された主人公が過去に戻って奔走する本作も、過去を変えようとする物語。
様々なジャンルの要素を内包する長大な(文庫本にして1400ページを越える)物語は、中盤以降は恋愛小説としての大きな魅力を持って進んでいき、あぁ最後までこの物語に付き合って良かった、と心から思えるような結末を迎えます。時を超える壮大な冒険と恋の物語、ぜひお -
購入済み
温かさと悲しみの入り雑じったラストがとても切なかったです。
年齢を重ねるにつれ、作風も変化しているのでしょうか。キングってこんなに優しさに溢れた人だったんだと感じる事、しばしば。
作品としてはリーシーやジョイランドに似た傾向があり、ホラーが読みたい時に読むと期待通りとはいかないかもしれません。
ただ、不思議さは盛り沢山です。
私には「カードマン」の存在が一番強烈な印象で、その言動にゾクッときました。
こういうのはキングしか描けない。
フィクションかノンフィクションかわからないエピソードをさりげなくちりばめてくる技量が圧巻で、だからキングを読むのは止められないと読むたび毎回思います。 -
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Posted by ブクログ
キングは何冊か読んでますが、長編ではこれが一番お気に入りになりました。
だいたいキングの長編は前半にためにためたエネルギーを後半に向けて開放するジェットコースターみたいな構造になってますが、今作ではそのジェットコースターが本当に底知れず、どこまでいっても止まりそうにない恐怖感が本当に素晴らしかったです。
モダンホラーの定義は諸説あると思いますが「隣に越して来た人が何者なのかわからない」というのも一つの要素だと思います。今回は吸血鬼伝説をどうモダンホラーにするか。ゴシックホラーからモダンホラーへの飛躍をどうするかということだと思いますが、このハードルも見事に飛越していたと思います。
そして、この -
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さあ皆様、お立ち会い。
ここに描かれるのはあるホテルでひと冬を過ごす事になった親子三人の物語だ。
何? そんなのつまらん? そんな事言わないで。ほら、頁を開いて読んでごらん……。
キングがキューブリック版をこき下ろしたのは有名だが、わからなくもない。ここにある親子の絆は欠片も出てこないし、ジャックはただの危ない親父で、次第に精神を狂わせていく怖さが出ていないからだ(個人的にあれはあれで悪くないし、面白いのだが)。
ここで目を惹くのはエンターテインメントとしての構成の上手さだ。何度読んでもドキドキ、ワクワク、同じところで怖がってしまう。
オーバールックホテルにようこそ! 入る時はニコニコ、 -
Posted by ブクログ
岡田斗司夫さんの読書特集で紹介されていたこの小説、普段あまり小説を読むことのない私にとっては、新たな読書の扉を開くきっかけとなりました。物語の魅力に引き込まれ、気づけば最後まで一気に読み切ってしまったほどです。小説が持つ物語の力、キャラクターの魅力、そしてその先に広がる深いテーマについて考えさせられる素晴らしい作品でした。
この本を読んで特に感じたのは、物語の緊張感とスピード感です。作者の筆致は非常に巧みで、グロテスクな描写や複雑なテーマにもかかわらず、全体のテンポが絶妙に保たれています。そのため、一瞬たりとも飽きることなく、ページをめくる手が止まりませんでした。映像化を望む気持ちもわかりま -
Posted by ブクログ
ものすごく良かった。
上巻からの仕込みが期待以上に炸裂していて大満足の下巻。
私がキングに望むのはこういうの。
とてつもなくおぞましく、でもその根底に流れるのは物悲しさとせつなさ。狂気に満ちた愛も。
冒頭の献辞。そうそうたるホラー作家たちの名前が連ねられてるのも、読み終わって納得できる。
特に私が本作で感じたのはメアリー・シェリーとラヴクラフト。ラヴクラフトはそのまんま。キングお得意の虚実織り交ぜテクニック。
メアリー・シェリーについてはフランケンシュタインのオマージュで溢れかえっていると思う。過去の異端発明家たちからの影響を受ける牧師がそのまんまフランケンシュタインと重なる。取り扱うのが電気 -