スティーヴン・キングのレビュー一覧
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(上下合わせた全編の感想です)
▼好みでした。分量あるのに、読み終わりたくないような。スティーブン・キング76歳、凄いです。エンタメ力が凄いのに、そこに皮肉と人間ドラマが濃厚。
▼ビリー・サマーズという名の、40代くらいの職業的殺し屋がいます。主にいわゆる犯罪組織の親玉などに雇われています。凄腕の射撃手であるらしい。そして、ぼちぼち引退を考えている。このビリーが巨額報酬の狙撃を依頼されるところから始まります。これを最後に引退したい。ラスト・ジョブ・ストーリー。冒頭からダレ場無し。
▼今回の仕事は、標的は犯罪者。逮捕され裁判を迎える犯罪者。だがとある大物にとって、法廷で言われたら困ることが -
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ネタバレ上巻ではあらすじ以上の事は起こらないのに面白い。
ビリーのなりすまし生活が図らずも、尊いものになってしまい、この仕事を受けたことすら後悔し出すのが可笑しくも愛おしい。
ビリーの人となりは悪人以外殺さない信条とか、一般人に向ける優しい目からも分かる通り善の人だし、後半で隣人家族の娘から貰った愛溢れる絵を捨てずにお守りみたいに大切にする所も微笑ましい。
そんなビリーがどうして暗殺稼業をしているのかを小説にして書いていき、間に作中作として読みながらビリーの過去を知れるという作りになってる。上巻では子供時代までだから核心に迫るような話まではいかないし、暗殺の方も成功するけど一筋縄ではいかないしとまだま -
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一気読み…
残念ながら、我らのバァァビィーは活躍できなかったけど(囚われてるので)、相変わらず檻の中でも生存のために手段を選ばないところがかっこよかった。ベタ褒め。
街のマトモな人たちが少しずつ少しずつ、集まりはじめて、対ビッグジム勢力になりつつある。嬉しい反面、やっぱりいつか誰かが死ぬことになるのかと怯えながら読む。秘密の集会と、バービーたちの救出。うまくいくのか? 痛手を負わずに?ハラハラ。ドキドキ。
私も異常事態になった時、できればまともな方に入っていたい…自分を恥じることがないように。
それにしてもラスティ!
のこのこと…たった1人でビッグジムのとこ行くなんて、お前はバカか!と言い -
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物書きを目指す人には是非読んで欲しい一冊。キングの生い立ちから、文法や会話文やテンポ、推敲の仕方などの小説作法が丁寧に書かれている。小説の書き方がメインだが、エッセイとかノンフィクションなど書くこと全般に生かせるアドバイスも沢山ある。自分も物書きを目指しているから、これから何度も見返そうと思う。文章自体も堅苦しくなくユーモアがあって読みやすかった。
キングの幼少期から作家として売れるまでの半生は凄く苦労が伝わってきた。トレーラーハウスの洗濯室の机で執筆していたことや教師をしながら小説を書いていたこと。才能に加えてこのストイックさがアーティストには必須なんだなと思った。ここでの沢山の体験や出会 -
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読書備忘録820号(下巻)。
★★★★★。
稀代のストーリーテラー!さすがキング!という感じでした。今回はネタバレ感強めです。
冒頭、翻訳物によくある巻頭。
「全米では毎年80万人の子供たちが行方不明になり、大半は戻ってくるが数千人単位の児童は行方不明のままである」と挨拶文が。ということは怪しい誘拐ものか!とゾクゾク感半端ない!
そして、物語は始まる。
フロリダからニューヨークへ向かう飛行機に乗るおっさんの話。ん? 誘拐は?笑
おっさんの名前はティム・ジェイミースン。
飛行機は満席。どうしても乗りたいお偉いさんがいて、席を譲ってくれたら相応の謝礼をすると。
ティムは2000ドルで席を譲っ -
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買っちゃった…ドラマシーズン3まで見終わってから読むつもり!
しかし1-3(文庫)、すごいボリュームで恐れ慄いてる
読んだ…めちゃめちゃ面白い!
ドラマ見た後だからまぁ筋はそこそこ同じなんだけど、登場人物の細かい事情が若干異なり、さらに一人一人の描写が多いせいか性格もドラマよりもクリアで濃い。
そうなると途端にスティーブンキングだ!
ドラマだとそんなに不穏さは感じなくて…というかドラマはサクサクテンポ良く進んでいくせいもある、言動や表情から読み取り想像しながらだからかなぁ?ホラーというよりサスペンスだったが…こちらは不安がいっぱい。人間の怖さよ…ねちっこい感じの。
それで気づいたんだけどそ -
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・履歴書
・書くこととは
・生きることについて
の3本立てでキングが自分の人生と創作について語って聞かせてくれる素晴らしい本。
書くことについて、16章にも分けて丁寧に語られたメソッドはシンプルで実践的であるとともに全く手軽ではない。自分が産み出した登場人物たちが自然に織りなすストーリーを見守り、自分が本当に感じたままの言葉で真摯に語るのは決して簡単なことではないけれど、それこそが文章を書く楽しみであり、その積み重ねが物語の価値を生み出す。
楽しんで、真摯に書くこと。
"私が書くのは悦びのためだ。純粋に楽しいからだ。楽しみですることは、永遠に続けることができる"
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