橋爪大三郎のレビュー一覧
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著者が2014年に慶応丸の内シティキャンパスでおこなった6回の講義をもとにしている本です。『旧約聖書』の「創世記」「出エジプト記」「申命記」、『新訳聖書』の「マルコ福音書」「ローマ人への手紙」「ヨハネ黙示録」の六編をとりあげ、それぞれの内容をわかりやすいことばで解説しています。
著者は独創的な社会学者として知られており、他の著書でも、宗教が現代の国際政治を動かす大きな要因となっていることを論じています。本書においても、そうした観点からの言及がときおり見られ、たとえば『旧約聖書』でモーセがヤハウェに抗議をおこなっているところに注目して、「相手が神でも議論するんですから、相手が人間なら、大統領だ -
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安倍総理の暗殺事件をきっかけに書かれた本。
カルトに関する簡単な解説が最初にあって、生長の家→日本会議、統一教会について、その思想と教団の変遷を丁寧に解説した上で、それらが政治、特に自民党に入り込んでいったかを分析している。
最後は、政教分離の考え方の基本を確認した上で、日本においてそこがほとんど理解されないことを指摘し、それを改めてろ理解した上で、投票しよう、制度を改革しようという話かな?
生長の家と統一協会については、初めてちゃんとした解説を読んだ気がした。
最後の政教分離のところでは、アメリカにおける政教分離が説明され、それとの比較において、日本の問題が指摘されるわけだが、この辺 -
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ヴィトゲンシュタインの言語ゲームの入門編の序、的な一冊。学生時代、言葉が先か、モノが先か、という議論で盛り上がったのを思い出した。言葉で世界を表現しているとふだんは思っているけれど、言葉はそうやって世界を映す鏡ではなく、言葉そのものが出来事だ、という考え方は面白い。ことばは「ふるまい」であり、それがもともと確定した意味を持っているわけではなく、言葉を交わす中で一定のルールが見えてくる、という捉え方。
事実と規範を分け、いったん世界は事実でできている、と基礎固めしてみる。その後を自分の頭で考えていくのは難儀だけれど、それが哲学の面白さなのだと思う。もう少し「分かってみたい」と思わせてくれる本。難 -
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「おどろきの中国」が面白かったので、こちらも読んでいた。
タイトルと内容は、ちょっと違う感じで、内容はウクライナ戦争を真ん中にはさみつつ、中国、ロシア、そしてそれに対する西側の対立の話しかな?
いろいろな話しがあって、もちろんウクライナの話もあるわけだけど、それはほとんどロシアとの関係ででてくるもの。ウクライナ戦争もそれ自体というより、ポスト・ウクライナ戦争について考えるための前提くらいな感じが出てくるところかな。
西側的な資本主義と中国的な資本主義の対立というところに話は進んでいく。それを中立的に、あるいは相対主義的にどっちもどっちとするのではなく、価値判断をしつつ、はっきりと西側?に -
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Q&Aで構成されている本書を気楽な読み物として手に取ったが、哲学の深みに導く内容であり読み疲れた。社会の成り立ちにつき、深い思考を積み重ねたヴィトゲンシュタインの論説を準えながら、彼が提唱した言語ゲームなる考え方を紐解いていく。例として、ある椅子を見て、イスという言葉が浮かび、それは細かな定義を超越して人々に共通の理解をもたらす。ここに言語ゲームの本質があり、彼は人々の一致したふるまいに帰着させる。この言語ゲームの思考訓練として練習問題が繰り出されるが、そこに何の意味があるのかいい加減飽きたところに、突然現代の問題、国際法に関する理解の問題が提示される。この部分の掘り下げこそが、言語ゲ
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著者が、ネットはまだ発展途上でそこに書かれている情報は基本「ごみ溜め」の情報と言ってしまうと、オッと今現在の教養について語れるのかなと思ってしまう。それだけ「ごみ」情報でも氾濫している中で真実を読み取る嗅覚が身についていることが教養だと思ってしまう。私の尊敬する先輩が本を買ったらまずページを開いてインクの匂いをかぐと言っていたことを懐かしく思い出しながら、でも本の著者もネットに書き込みをしている人も真剣に書いている人は同等数存在すると思う。通信費だけでネットを通じて、世界中に自分の考えを表現できる平等性があること、それが今の可能性であり、将来を開くものだと思う。