橋爪大三郎のレビュー一覧
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生成AIの台頭により、人類は革命的な転換期に立たされている。現在の国家管理による「一斉教育・効率重視」の学校システムに対しては、日本の未来を憂う悲観的な声も少なくない。しかし、この仕組みを安易に解体すれば済むという問題ではない。拙速なシステムの破壊は、子供たちにさらなる教育格差をもたらす危険を孕んでいるからだ。
教育において最も肝要なのは、すべての子どもに対して、土台となる基礎能力を公平に授けることにある。
生成AIというツールは、誰もが平等に、同じ時間だけ利用する権利を有している。しかし、「それを使いこなす能力」までが等しく保証されているわけではない。その結果、使いこなせる者は飛躍的に成長 -
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はしがきと第一章はとても読みやすく引き付けられる。が、第二章からはちょっと難しくなりました。なんとか6割くらいは理解できたかな?と思います。構造主義を説明できるレベルまでは至っていないように思う。『寝ながら学べる構造主義』も買っているので、さらに理解を深めたい。
構造主義とは「世の中には共通するパターンがある」という理解だが、小川哲さんの『言語化するための小説思考』に、多くの原理の抽象化は似た構造に突き当たるというような言及があり、似ているなと思った。私はこういう共通点を見つけるとワクワクします笑。
物事の見方(視野)が広がるような良い読書でした!
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「現代思想入門(2022年)」から「寝ながら学べる構造主義(2002年)」を経て本書。一番古い本(1988年)だがカジュアルな語り口も構造主義の成り立ちが読みやすく分かりやすい。「寝ながら・・・」が構造主義の面白トピックを取り上げて掘り下げという印象なのに対し、本書はレヴィ=ストロース中心に構造主義が出来上がる流れを押さえている感じ。単独で湧き上がってきたものでなく言語学、数学、物理、神話学とかいろんな分野と絡みながら、また繋がってるのが分かり驚き。内容的にも歴史的にも。数学や物理周りの関連は理系には馴染みもあり読みやすい。
「寝ながら・・・」を読んだ際にインセストタブーの話でなぜ遺伝的な影 -
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年始に本屋を回って気になり購入
本書の前書きにリベラルアーツは、教養であり人を自由にする学問であるという記述があった。教養を広げることで、自分の持つ環世界が増え、いろんな環世界を行き来することで自由な発想、思考が生まれる。最近読んだ様々な本(塑する思考、暇と退屈の倫理学、バカの壁など)をコンパクトにまとめたような導入ですんなり納得できた。
全世界の思考の根本、源流、今日に至る流れを理解するのに適している。これまで宗教に関する基本知識はいくつか書籍を読んだが、文明まで遡ったり宗教ごとの共通点や今日への影響については、この本が最もわかりやすくて書かれていると感じた。
キリスト教とイスラム教を -
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2012年新書大賞本。
2012年!?
今読んでも、食い入るほど、面白いんですけど。
ユダヤ教とキリスト教(カトリックとプロテスタント)とイスラム教ってどう違うのか?
というベースから。
政治、経済、科学に至るまで、宗教がどう影響してきたかについて、驚くほど分かりやすく書かれている。
分かりやすすぎて、分かってないから、アウトプットも必須。
橋爪さんの博識が、大澤さんの鋭い質問によって、うまく展開されていくし、そこから新たな視点に持っていくのも上手い。
正直、新書にしては割と分厚いので、読めるかなぁと不安に思っていたけれど、ゆっくり読まなきゃと自分をセーブするくらい、進みたくなった -
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これは宗教版の「銃・病原菌・鉄」ではないか!
なぜ、中世以前まで栄えていたイスラム圏を圧倒してキリスト教圏が近代文化の覇権を握ることになったのか。
いかに、私たち近代文化の思考の根底にキリスト教的な考えがあるか、がよくわかる。
キリスト教は厳格な宗教法を持たなかったため、柔軟に法律を作る、変えることができ、民主主義、資本主義の発展につながった。
解釈の余地があるということで、そこから自然科学や哲学が生まれ、科学技術の発展や産業革命に寄与した。
あらかじめ、法則が決められていたら、考える必要もないのだ。「なぜだろう?」がどれだけ素晴らしい魔法の言葉かがよくわかる。
さらに、人権についても -
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数学や物理学の進歩が人々の思想にも影響している、という説明は明快で共感できるものだった。今後は背景にあったヨーロッパ的思想の推移を理解することで、構造主義の理解を深めていきたい。
①
数理: ユークリッド空間におけるニュートン力学の成功が、理性による"(唯一の)真理"(↔︎啓示による真理)に依拠する時代を導いた。
思想: カントの「純粋理性批判」における問題意識には、理性による真理が強まった社会背景が関わっている。(人間が各々持つ"真理"像の解釈)
②
数理: ニュートン力学では説明できない現象が非ユークリッド空間で説明された(相対性理論, 量子力学 -
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中国共産党の成り立ちというか、毛沢東がでっち上げたものがどう変化しつつ現存しているかについてよくまとまっている対談であると思う。
とくに、鄧小平に比べて過小評価されている江沢民時代の党の変貌について一目置いているところは新鮮だった。
また、ナンバー2のいない「習近平超一強体制」における習近平に何かあったらどうなるのかリスクについて大きく扱っている。これも良い。
しかし、何よりスゴいのは、ファシズムでさえ、地主と労働者と資本家がいるのに、中国では共産党がすべてを支配していて、地主も労働者も資本家も存在しないという点である。改めてタイプしていてもクラクラする。
また、中国の超監視社会についてはよく -
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明治維新の基盤は江戸時代にできていたよねと、そのバックボーンになった思想家たち12人を軽妙な語り口でわかりやすく解説する。江戸時代は今まで関心があまりなかったので、これはありがたい。
朱子学の導入ということも思想家たちに影響を与えていると思うので、家康もいう存在のデカさも書かれてないけど感じた。
徳川光圀、藤原惺窩、林羅山、中江藤樹、熊沢蕃山、契沖、伊藤仁斎、荻生徂徠、富永仲基、賀茂真淵、本居宣長、上田秋成の12人。
光圀は家督と兄との関係がきっかけで儒学にのめり込んだ。朱子学を林羅山や朱舜水について学び、和歌なども学び、大日本史の編纂を始めた。尊王思想の原点となり明治維新を準備した。
藤原惺 -
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小室直樹先生の門下生・橋爪大三郎氏が、世界文明を大胆かつ超簡単にモデル化してしまった一冊。
コンパクトで面白い内容でした。
世界を、宗教をベースにした四つの文明(西欧キリスト教、イスラム、ヒンドゥー、中国儒教)に分類し、各文明における人々の行動様式を次のように4行でモデル化。
①まず、自己主張する。
②相手も、自己主張している。
③このままだと、紛争になる。
④○○○○なので、紛争が回避できる。
○○○○の部分に、例えばキリスト教なら「法律」というように、各文明の特徴を示すワードを入れることによって、宗教的な視点からそれぞれの行動様式を読み解いていきます。
四つの文明もさることながら、日 -
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ネタバレおもしろかった。一神教の特徴や、キリスト教の疑問あれこれ、近代とキリスト教の関係などを、社会学的な視点から、橋爪先生と大澤先生が対談して分かりやすく説明してくれている。
世界三大一神教のユダヤ教・キリスト教・イスラム教。どれも同じ神を信仰しているが、やっぱりキリスト教だけ特異だ。イエス・キリストという「神の子」の存在がやはり異色で、神の子が存在しながらそれでも一神教であるために三位一体というアクロバティックな学説を出して乗り切ろうとしている。ユダヤ教もイスラム教も預言者を通して神の言葉を聞き、その唯一の神の言葉を律法なりイスラム法なりとして守っていくことになるが、キリスト教は神の子が自らこの世 -
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教養とは学問である。
学問とは世界の仕組みを明らかにするものである。
それゆえに今抱えている問題は、先人たちの知恵の結集で解決できる可能性が高い。
ただ全ての問いに答えがある訳ではなく、
答えがない問いに自分のオリジナルアンサーを導き出すことができるのも先人たちの知恵が必要。
知恵に共感するもよし、疑って自分の視点を持つも良し。
教養が身につけばあらゆる角度でものごとを見ることができ、あらゆる立場の人とコミュニケーションができる。
革命とは前提を疑問視し新しい概念を生み出した活動のことである。
教養がある人は理性によって行動し0から1を生み出すこともできる。視野が広く、世界や人々との共存がで -