橋爪大三郎のレビュー一覧
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これは宗教版の「銃・病原菌・鉄」ではないか!
なぜ、中世以前まで栄えていたイスラム圏を圧倒してキリスト教圏が近代文化の覇権を握ることになったのか。
いかに、私たち近代文化の思考の根底にキリスト教的な考えがあるか、がよくわかる。
キリスト教は厳格な宗教法を持たなかったため、柔軟に法律を作る、変えることができ、民主主義、資本主義の発展につながった。
解釈の余地があるということで、そこから自然科学や哲学が生まれ、科学技術の発展や産業革命に寄与した。
あらかじめ、法則が決められていたら、考える必要もないのだ。「なぜだろう?」がどれだけ素晴らしい魔法の言葉かがよくわかる。
さらに、人権についても -
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数学や物理学の進歩が人々の思想にも影響している、という説明は明快で共感できるものだった。今後は背景にあったヨーロッパ的思想の推移を理解することで、構造主義の理解を深めていきたい。
①
数理: ユークリッド空間におけるニュートン力学の成功が、理性による"(唯一の)真理"(↔︎啓示による真理)に依拠する時代を導いた。
思想: カントの「純粋理性批判」における問題意識には、理性による真理が強まった社会背景が関わっている。(人間が各々持つ"真理"像の解釈)
②
数理: ニュートン力学では説明できない現象が非ユークリッド空間で説明された(相対性理論, 量子力学 -
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中国共産党の成り立ちというか、毛沢東がでっち上げたものがどう変化しつつ現存しているかについてよくまとまっている対談であると思う。
とくに、鄧小平に比べて過小評価されている江沢民時代の党の変貌について一目置いているところは新鮮だった。
また、ナンバー2のいない「習近平超一強体制」における習近平に何かあったらどうなるのかリスクについて大きく扱っている。これも良い。
しかし、何よりスゴいのは、ファシズムでさえ、地主と労働者と資本家がいるのに、中国では共産党がすべてを支配していて、地主も労働者も資本家も存在しないという点である。改めてタイプしていてもクラクラする。
また、中国の超監視社会についてはよく -
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明治維新の基盤は江戸時代にできていたよねと、そのバックボーンになった思想家たち12人を軽妙な語り口でわかりやすく解説する。江戸時代は今まで関心があまりなかったので、これはありがたい。
朱子学の導入ということも思想家たちに影響を与えていると思うので、家康もいう存在のデカさも書かれてないけど感じた。
徳川光圀、藤原惺窩、林羅山、中江藤樹、熊沢蕃山、契沖、伊藤仁斎、荻生徂徠、富永仲基、賀茂真淵、本居宣長、上田秋成の12人。
光圀は家督と兄との関係がきっかけで儒学にのめり込んだ。朱子学を林羅山や朱舜水について学び、和歌なども学び、大日本史の編纂を始めた。尊王思想の原点となり明治維新を準備した。
藤原惺 -
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小室直樹先生の門下生・橋爪大三郎氏が、世界文明を大胆かつ超簡単にモデル化してしまった一冊。
コンパクトで面白い内容でした。
世界を、宗教をベースにした四つの文明(西欧キリスト教、イスラム、ヒンドゥー、中国儒教)に分類し、各文明における人々の行動様式を次のように4行でモデル化。
①まず、自己主張する。
②相手も、自己主張している。
③このままだと、紛争になる。
④○○○○なので、紛争が回避できる。
○○○○の部分に、例えばキリスト教なら「法律」というように、各文明の特徴を示すワードを入れることによって、宗教的な視点からそれぞれの行動様式を読み解いていきます。
四つの文明もさることながら、日 -
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ネタバレおもしろかった。一神教の特徴や、キリスト教の疑問あれこれ、近代とキリスト教の関係などを、社会学的な視点から、橋爪先生と大澤先生が対談して分かりやすく説明してくれている。
世界三大一神教のユダヤ教・キリスト教・イスラム教。どれも同じ神を信仰しているが、やっぱりキリスト教だけ特異だ。イエス・キリストという「神の子」の存在がやはり異色で、神の子が存在しながらそれでも一神教であるために三位一体というアクロバティックな学説を出して乗り切ろうとしている。ユダヤ教もイスラム教も預言者を通して神の言葉を聞き、その唯一の神の言葉を律法なりイスラム法なりとして守っていくことになるが、キリスト教は神の子が自らこの世 -
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教養とは学問である。
学問とは世界の仕組みを明らかにするものである。
それゆえに今抱えている問題は、先人たちの知恵の結集で解決できる可能性が高い。
ただ全ての問いに答えがある訳ではなく、
答えがない問いに自分のオリジナルアンサーを導き出すことができるのも先人たちの知恵が必要。
知恵に共感するもよし、疑って自分の視点を持つも良し。
教養が身につけばあらゆる角度でものごとを見ることができ、あらゆる立場の人とコミュニケーションができる。
革命とは前提を疑問視し新しい概念を生み出した活動のことである。
教養がある人は理性によって行動し0から1を生み出すこともできる。視野が広く、世界や人々との共存がで -
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ソシュール「一般言語学講義」
世界は言葉によって切り取られている。例えば、水や湯と日本語で表現されるものも英語ではWaterのみで表現されている。このように、世界から言葉を切り取って認識している(物質世界≠言葉)
これを、言語の「恣意性」と呼ぶ
言語システムを複雑化することで精神世界を複雑にすることができる。言葉が何を意味するかを発展させる
音も、シニフィエもシニフィアンも対立によって規定されるわ
交換のための交換が基本、それが特殊に変化して経済が現れるにすぎない
真理は制度である。時代によって人が社会が勝手に決めるもの
よって唯一の真理はなく、その時代、社会で制定される
定理は公理