あらすじ
この4行が理解できるだけで、宗教から社会問題まで、世界の仕組みが読み解ける。日本で最も著名な社会学者が到達した、思考の最終着地点。
キリスト教、イスラム教、ヒンドゥ教、中国(儒教)、そして日本。その文明の本質をコンパクトにまとめ、そこから米中貿易戦争からテロまで現代社会の諸問題を分析していく、圧巻の橋爪ワールド。
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Posted by ブクログ
小室直樹先生の門下生・橋爪大三郎氏が、世界文明を大胆かつ超簡単にモデル化してしまった一冊。
コンパクトで面白い内容でした。
世界を、宗教をベースにした四つの文明(西欧キリスト教、イスラム、ヒンドゥー、中国儒教)に分類し、各文明における人々の行動様式を次のように4行でモデル化。
①まず、自己主張する。
②相手も、自己主張している。
③このままだと、紛争になる。
④○○○○なので、紛争が回避できる。
○○○○の部分に、例えばキリスト教なら「法律」というように、各文明の特徴を示すワードを入れることによって、宗教的な視点からそれぞれの行動様式を読み解いていきます。
四つの文明もさることながら、日本社会についてもモデルを作っているのですが、日本だけスタートの①から「自己主張する前に、まず相手の様子を見る」という特異なものとなっており、その後に続く日本分析も秀逸。
日本は、小室先生が指摘するように論理はなく、山本七平氏が言うように「空気」の支配する社会、ということなんでしょうな。
ある物事に対し「反対です」と言わないと同意したとみなされる、そしてその決定にみなが拘束される、という分析は非常に頷けるものであり、こうやって大事な物事が実質的な議論や利害調整なく決まっていく、ということに怖さも感じました(太平洋戦争開戦など)。
後半では、文明間の衝突についても対話形式で論じられており、こちらも唸らされることが沢山ありました。
小室先生が「論理の方法」で述べられていた「モデル化」の好例となる一冊でした。
Posted by ブクログ
非常に面白い本でした。国際政治論を学ぶ際には前提として知っておく必要があるも思いました。
キリスト教徒、イスラム教徒、ヒンドゥ教徒、中国人とは前提が違いすぎるということが分かります。
Posted by ブクログ
世界を四つの文明に分けて、その本質を4行でモデル化して説明する。その本質は宗教的背景や歴史的背景が踏まえられていて説得力がある。そこから現代の国際社会情勢も説明できる。
このモデルは歴史を学ぶ上でも、現代社会を知る上でも良い指標になると感じた。
Posted by ブクログ
《複雑な世界をシンプルに理解するための4行モデル》
キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、儒教、日本社会を対象に、それぞれの文化圏に属する人々の行動様式をモデル化している。
世界各国の文明の概要を知るには、非常によいモデルだと思います。
《4行モデルで国際社会を読み解く》
後半部では上記のモデルを使い、対話形式で米中衝突等、国際社会での文明の対立について解説しています。
前半部とは異なり、やや議論が浅い箇所がありました。
前半部のみ読み、より複雑な事象については他の書物で補うくらいでよいと思います。
Posted by ブクログ
キリスト教的価値観、イスラム教的価値観、といった日本人が理解しづらい外国人の思考をわかりやすくまとめている。
ざっくりと大枠を理解するのには十分。
細かく米中の覇権だの、歴史的な解釈だのに突っ込むと質は落ちる印象。対談形式でわかりづらい点も含め。
結論:前半部分だけ読めばいい