橋爪大三郎のレビュー一覧

  • ふしぎなキリスト教

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    めちゃめちゃ面白い。最初から最後までびんびんだった。キリスト教で疑問だったことが悉く語られている。キリスト教や聖書のおおまかな知識をつけてから読んでよかった。
    著者2人の見識がすごいなあ。どれだけ深い知識があるのだろう。
    でも、橋爪さんという人は学者でありながらクリスチャンであるようだが、教義が政治的な駆け引きに近いものによって決まるとか、イエスは歴史上ただの大工の息子であるとか信仰の立場から外れた発言がある一方、大澤さんという完全に信仰の立場にない人からの素朴な疑問に対する答えが???なこともあって。やっぱり信仰していると客観的になりきれないのか、、、?宗教を信仰する気持ちはさっぱり分からな

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    2024年01月27日
  • はじめての構造主義

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    インタビューデータの質的分析は主観的にならざるを得ない.インフォーマントの語りも事実を語っているわけではなく主観に引きずられている.そのようなデータをどう分析すれば良いかと言う点で構造主義が関係してくる.というわけで,構造主義の超入門書を読んでいるが『はじめての構造主義』がとてもわかりやすい.

    この本は数学や物理学と結びつけて「構造」を語っているのだが,客観的に存在する物体を見ている主観的な私(主体)との関係で世の中が見えていることを示していて,私(主体)の視点が異なれば客観的な世の中の見え方も変わること,その中で不変なのが構造であると言っている.ユークリッド幾何学で記述できる我々の世界と,

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    2024年01月13日
  • はじめての構造主義

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    構造主義のこれ以上ない入門書。『寝ながら学べる構造主義』も読んだが断然こちらがオススメ。中高生のうちにこれを読んだ人が羨ましい。

    第1部はレヴィ=ストロースの伝記とソシュール一般言語学の系譜。ここは他の本と大差ない内容だが、構造人類学の方法論の記述はかなり詳しい。本書は中高生向けに特別易しく書いてあるらしいが、橋爪大三郎の文章は本当に読みやすい。

    そして本書の白眉は第2部、構造主義のルーツ。構造主義の入門書でよくあるのが、ヘーゲル→マルクス→サルトルの近代哲学の流れを概説した上で構造主義の革新性を説くもの。これも興味深いが、そもそも実存主義に至るまでの哲学の流れが非常に難解だし、ゴリゴリの

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    2023年11月14日
  • 核戦争、どうする日本? ──「ポスト国連の時代」が始まった

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    社会学者 橋爪大三郎による日本核武装論の検証と国連機能不全化後の安全保障について考える。
    ルトワックも日本は必ずしも核武装する必要はないと言っていたが、橋爪も米国の核が抑止力として機能していると日本人が思っている限りは必要ないだろうと言うもの。
    逆に言えばアメリカが中国等から日本に核兵器を使って攻撃した場合核によるアメリカ本土への反撃を恐れて核を使わないと多くの日本人が考えるようになれば核武装も仕方ないと言う主張だ。
    妥当な見解だと思う。国連はもう機能しないのは誰の目にも明らかなので西側諸国で軍事同盟して安全保障するしかないだろう。

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    2023年10月19日
  • 世界史の分岐点 激変する新世界秩序の読み方

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    橋爪大三郎氏が、佐藤優の脱線しがちな対話の流れを何度も引き戻す。解説もそれぞれに得意分野があり、佐藤優を上回る知識や見解を披露できる橋爪大三郎は流石だ。分かりやすいし、面白い。技術論も踏まえた世界情勢について。

    今の中国は大東亜共栄圏とよく似ている。グローバル経済は主権国家がたくさんあって、しかし経済は各国の法律のもとで活動するのがルール。法律は国ごとに違う。各国の法律を国際フォーマットに合わせなければならない。会計法、訴訟法、特許権とか知的財産権とか。現状これにそぐわない国はイスラム圏と中国。国際秩序のゲームチェンジャーになろうとしている中国を牽制すべく、こぞってウィグル問題で中国を非難し

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    2023年09月20日
  • 言語ゲームの練習問題

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    ヴィトゲンシュタイン入門というより哲学入門としてもいい本だと思う。
    生成AI、XR、BMIなど黎明期だが、これらの技術は人類の価値観を転換し「世界」の定義すら変えてしまう可能性があるところがこれまでの革新的技術とは次元の違うものだ。
    その意味で、法律や常識の以前の問題として哲学を勉強しておかないといけないなと思った。

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    2023年08月31日
  • 死の講義―――死んだらどうなるか、自分で決めなさい

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    死んだらどうなるか、誰にも分からない。証言した人がいないから。では、どうするか。死んだらどうなるか、決めるしかない。あるいは、信じるしかない。それこそ宗教だ。死についてとことん考えてきた宗教の知恵を借りるしかない。この本は、様々な宗教が死についてどう考えてきたか、わかりやすく教えてくれる。私としては、ゆるい一神教であるユニタリアンがいいかな。

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    2023年08月18日
  • 言語ゲームの練習問題

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     人間の思考が言語で出来ている以上、言語そのものがどのようなものなのかを知らなくてはならない。私たちは言葉で対象をつかむが、掴んだ時にはもう言葉の性質に従っている。哲学の基本が言葉の学問であることを改めて考えさせられた。

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    2023年08月14日
  • 核戦争、どうする日本? ──「ポスト国連の時代」が始まった

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    ウクライナのロシア侵攻、そして核の使用も辞さないとのプロパガンダ。勿論限定的な戦術核だろうが、世界経済までズタズタにしてしまう無意味な行為。そして着々と軍備を強めていく中国。
    周辺国のこれらの動きに対して日本はどうすれば良いのか考えさせるのがこの本。
    ただ、何か足りない。戦争は負の遺産しか残さない無意味な闘いだ。世界の平和に向けて共感の輪が世界中に広まるもう一つの抑止力が欲しい。その力に我が国が果たせるものがあると思う。

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    2023年07月06日
  • 死の講義―――死んだらどうなるか、自分で決めなさい

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    本当にこの本面白かった。
    この前読んだシェリーケイガンの「死とはなにか」とどうしても方向性は似るんだけど、宗教の位置付けとかを宗教別に紐解いて行って、偏りは感じるものの…橋爪氏ってキリシタンだったっけ…仏教にバイアスが掛かってる印象を結構受けたかな。
    兎に角色々な宗教観や宗教を取っ払った思想など網羅した上での死生観や日本の悪しき風習を濃縮してるような一冊だった。

    この本読んで改めて覚り(悟り)の事を思うと、誤解を恐れずに言うと、「結局やってる事ってディープラーニングしてるんかな?なら結局LLMって悟りじゃん。」とかこの本の真意じゃない所で浅い思考してて読み進むのがえらく時間掛かってしまった…

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    2023年06月07日
  • ほんとうの法華経

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    これまでにない法華経の解釈や解説。法華経が長い間読まれ継がれてきたのは、その時代に相応しい解釈がなされてきたからではないだろうか。植木先生の「本来の自己に目覚める」という読み方こそ、今の時代になって最も相応しい読み方なのでしょう。

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    2023年06月04日
  • 人間にとって教養とはなにか

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    アインシュタインだってエジソンだって、学校の成績は下から数えたほうが早かった。 学校の枠からはみ出して、いつも余計なことを考えていた。だから、世界を変えるような 理論や発明を生み出せたのですね。 学校の勉強がよくできるタイプの人は、「答えのある問題」の正解をすばやくみつける ことに慣れすぎているのかもしれない。学校ではほめられる。でもそういう能力は、「答 えのない問題」でいっぱいの実社会では、じつはあまり役に立ちません。上司からふられ た仕事を要領よく終わらせることはできるかもしれない。でも、斬新なアイデアを出すこ とは難しい。 そもそも世の中には、「答えのない問題」のほうが、ずっと多

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    2023年06月04日
  • 世界は宗教で動いてる

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    主な宗教を相対化

    世界的に認知されている主な宗教を相対化して学べる書。各宗教の詳細な内実は、それぞれの研究書を読むことが出来るが、多岐にわたる宗教の成立基盤を比較して展望できる解説書というか、講義の文字起こし的な本です。

    この内容が、全てにおいて客観的で正確なのかは、この本を読んだだけでは判断できないけれど、著者が宗教というものを眺めるための視線は、非常にクリアだと思います。
    知って、納得する学びがいくつもありました。

    #深い #タメになる

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    2023年04月23日
  • 人間にとって教養とはなにか

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    教養とは何か、なぜすぐに役に立たない教養を学ぶのか、どうして古典を読むのか。あるタイミングで読んでおいて、少しでも意識しておくと少しは立派な大人、立派な日本人になれるかもしれない。

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    2023年03月26日
  • おどろきの中国

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    3人の社会学者による中国の長い歴史、そして日本との関係を社会学の理論なども参照しつつ、現実の観察をしっかりと踏まえて、議論を進めていく。

    「おどろきの中国」というタイトルで、なんとなく「やっぱ中国って変な国だよね」的な内容をイメージたのだが、純粋に本当に「おどろいた」。

    これ1冊で、よくわからなかった中国のすがたがモヤの中から立ち上がってくる感じがあった。

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    2023年03月08日
  • はじめての構造主義

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    分かりやすいとは言っても読めばすぐ分かるものではないので、何度も読んで理解を深めたい。
    ただ構造主義を理解する上で、数学を取り入れる事はなるほどと感じた。

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    2023年03月07日
  • はじめての構造主義

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    構造主義を理解したかといえばまだそうとも言えないけれど、好奇心をくすぐられて一気に読めたのは確か。歴史や数学とのつながりはたいそう面白くかった。

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    2023年02月08日
  • おどろきのウクライナ

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    ウクライナの話だけではない

    社会学者ですでに数々組んで本を出している橋爪大三郎、大澤真幸両氏の新刊、2021年~2022年にかけての対談の記録。
    ウクライナの話だけではなく、イスラム圏・中国・ロシアなどのさまざまな動きが読み解かれている。いつもの橋爪氏らの本とおなじく、文章はきわめて平易で難しい言葉使いはほとんどない。それでいて問題に対する思いもかけない博識な切り口が示され、読んでいてためになるしとても楽しい。再読三読したくなる。

    #深い #タメになる

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    2023年01月16日
  • おどろきのウクライナ

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    橋爪先生、大澤先生の両巨頭による最新の対談。
    ウクライナ情勢だけではなく、アフガニスタンのタリバンによる支配の背景など世界で起きている不可解な事態に、歴史的な文脈を補助線を入れながら解説。後半の中国に対する西側の姿勢のあり方では激論が展開。現在の世界情勢を理解するための必読書。

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    2023年01月08日
  • 世界は宗教で動いてる

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    宗教って何なのか、やっとこの本でつかめた気がした!
    日本人として普通に育った私は、これまで「一神教」をどこかファンタジーで、心が狭くて、他責的で、胡散臭いように感じていた。でも、そうではなかった。一神教(特にキリスト教)は人間が自立した存在として暮らすための拠り所といえるもので、こちらの方がスタンダードなのだと感じた。うまく言えないけどこの感覚を得られたのは大きな収穫だったと思う。
    本書を読んでから、興味を持ったので、宗教関係の本を数冊買った。

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    2023年01月04日