橋爪大三郎のレビュー一覧

  • 国家緊急権

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    題は国家緊急権そのものなんだけど、立憲主義とはなんだって根本からのわかりやすい議論がありがたい本。
    憲法は国民が政府に与えるもので、憲法を守るのは政府。その憲法以前に憲法制定権力があり、それは主権者のもので、政府がダメダメなら革命を起こす革命権がある。自然法の立場からは人間には固有の人権があり、それを守るために憲法があるが、公共の利益のために憲法違反をすることがある。それが国家緊急権。国家緊急権を発動すると憲法は停止でなく無視されることになるが、期限を定めないと民主主義が死ぬ。また、憲法に国家緊急権を定めるとそれが為政者に言い訳を与えて国家緊急権を発動しやすくしてしまうので、憲法に定めるべきで

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    2014年07月11日
  • おどろきの中国

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    これは面白い!中国庶民の日常感覚を知っている人だから語れる、中国近代史の本当の意味。変に西洋基準で見ると不思議な中国だが、儒教国家として見れば納得できなくはない。確かに日本人の感覚の方が、より変かも知れない。世界の双頭であるアメリカと中国に対して、より良い関係を築いていくためには、お互の歴史と庶民感情を理解する事が重要ですね。

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    2014年02月24日
  • おどろきの中国

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    「ふしぎなキリスト教」に続き、橋爪、大澤コンビに加え、宮台真司まで加わった、ハイレベルの鼎談。ハイレベルといえども決して難解ではなくわかりやすく「中国」を読み解く。帯にあった通り、そもそも中国というものが「国家」なのか、というあたりから議論は始まる。文字通り、その二千年以上の歴史を知らずして、昨今の日中問題など語ることなどできないことがよくわかる。必読の一冊。

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    2013年10月27日
  • 政治の教室

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    政治のことをろくに知らなかったころに読んだ一冊。
    草の根の民主主義の考え方がすごく印象に残った。
    また、日本には民主主義の思想がまだ根付いていないという指摘もこの本にあった。

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    2013年03月05日
  • はじめての言語ゲーム

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    素晴らしい本。ヴィトゲンシュタインの思想が良く理解出来た。言語ゲームという視点から人生を楽しむ事が出来そうだ。生まれてからエイリアンの哲学をしていた自分にも気付けたw 人間とはなにか?自分は人間なのかどうか?みたいなことを考えてしまう人間に送りたい。著者の橋爪氏に心から感謝したい。もちろんヴィトゲンシュタインにも感謝。

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    2012年12月25日
  • はじめての言語ゲーム

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    ヴィトゲンシュタイン(この本の表記では「ヴィ」となっていました。一般的には「ウィ」のような気がします)の、伝記と、前期『論理哲学論考』 ・後期『哲学探究』 の哲学の解説が前半で、後半に「言語ゲーム」の応用が載っています。

    とても良い、役に立つ、読んで損のない本だと思います。

    ★★★

    「言語ゲーム:規則(ルール)に従った、人びとのふるまい」本書によると、言葉が通じる理由について、ヴィトゲンシュタイン前期では、世界(出来事の集まり)と言語(命題の集まり)は1対1対応しているからと考えていたそうです。

    しかし、同じ言葉でも、石工がその助手に向かって「ブロック」と怒鳴れば、助手はブロッ

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    2012年05月01日
  • ふしぎなキリスト教

    購入済み

    興味がある人は必読!

    個人的には無宗教ですが、マイケルムーア監督の西洋社会への風刺をかいた映画を見てから、
    西洋社会が政教分離できていないことに驚きと関心があったので、この本を購入。

    そもそも興味がないと読まないジャンルだと思いますが、社会学、心理学的にキリスト教にせまっていて
    興味のある人にとっては大変おもしろいとおもうので★5つにしました。


    今の西洋に影響を与えた宗教の成り立ちを中心に書いてあり、

    (第1部ユダヤ教、第2部キリストについて、第3部まとめ、な感じでした)

    なぜキリスト教に人々が特にハマることになったか、など心理的な部分もフォーカスされています。


    対談形式な

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    2012年02月27日
  • はじめての言語ゲーム

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    800円でおもしろくってためになる。素晴らしいじゃないですか。
    でもヴィトゲンシュタインが何を言っているかはまだよくわかりません。これは著者のせいでなく、私が阿呆なだけです。普通の人ならよく理解できると思います。次は野矢茂樹を読もうと思いました。

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    2012年02月11日
  • はじめての言語ゲーム

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    本書は、社会学を専門とし、

    東京工業大学教授である著者が、

    ドイツの哲学者ウィトゲンシュタインと

    彼が提唱した言語ゲーム論について紹介する著作です。


    著者は、ウィトゲンシュタインの生涯を振り返り、

    その思想や言語ゲーム論の要点をコンパクトに解説。

    その上で、後の哲学者への影響や相違点を指摘。

    さらに、キリスト教、仏教、宣長などを例にとって、

    言語ゲーム論の射程の広さを論じます。


    言語ゲーム論に基づく『ゴドーを待ちながら』の分析

    トルストイの『要約福音書』の重要性など、

    どの記述も興味深いのですが、

    個人的には、クリプキとの相違や

    H・L・

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    2010年06月27日
  • 人間にとって法とは何か

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    まさに、法とは何かについて書いてある本。法についての素人に分かりやすく書かれている。橋爪大三郎の本は、全て何か、一貫した価値観の基に書かれているので、それに共感できればどれも面白いが、共感できないと面白くないんだろうと思う。

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    2010年03月03日
  • はじめての言語ゲーム

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    言葉=ゲーム=ルール。非言語コミュニケーションについてはどうなのか?という疑問は残るが、非常に面白い。日本語は、言外の意とかが多いから、言語哲学とかは直感的に分かりにくいんだろうな、という気がする。この辺、空気論ともからんで来る話だと思う。いずれにせよ、言葉でしか物が考えられないのは、そうなんじゃないかと思う。

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    2010年03月03日
  • 世界がわかる宗教社会学入門

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    目から鱗が落ちまくり! 自分がいかに宗教を知らなかったかが良く分かる。 筆者が「日本人はあまりにも宗教オンチであり、このまま国際社会に出て行くと大変なことになる。」という危惧を抱くのもうなずける。 宗教を知れば、社会のシステムがなぜそのような形になったのかが分かる。逆に、宗教を知らなければ、諸外国の社会システムを理解することは難しい。 各国の文化は宗教と密接な関係にあるので、一般教養として(世界の)宗教を学ぶことは重要。日本の教育過程の中に無いのは問題だと思う。 [more] ・日本人の「宗教アレルギー」は、江戸幕府の政策、明治政府の政策が原因だった。 ・ユダヤ教からキリスト教が生まれ、その

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    2013年03月16日
  • アメリカの行動原理

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    アメリカで暮らして8ヶ月間たったが、これほどアメリカのことをうまく書いている本はないと思う。 この本で著者は非常に冷静かつ的確にアメリカという国の歴史や構造を分析している。 日本から見て、アメリカという国はとにかくでかく自由で経済大国だということばかりが目立つがそもそもそうなりえたのか、どういうメカニズムがそこにあるのかということは知って損なことではない。 日本という国のあり方に何か思うところがある人には目からうろこの本だと思う。おすすめ。

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    2010年01月24日
  • 人間にとって法とは何か

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    2ちゃんねるで誰かがすすめているのを見て、半信半疑で買ってみた本。

    まだまだ法務のプロとは言えない私ですが、一応は大学で4年間法律を学んだ身です。法律とは何か?という問いに対する答えぐらいは、自分なりに持っていたつもりでした。

    しかし、この本のレベルには全然達していませんでした。

    特に、法を考えるにあたって前提となる「公共性」についての一節に学びを得ました。
    「自分の幸せを犠牲にして「公」のために尽くす、その分だけ自分は不幸せになるけれども、それは仕方がない−そういう関係ではいやですから、誰だって公共性のことなんか関心を持たないし、考えない(後略)」
    「自分が幸せになるために、相手を不幸

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    2009年10月04日
  • ゴーマニズム思想講座 正義・戦争・国家論  自分と社会をつなぐ回路

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    小林よしのりは、とても真摯な表現者であると思う。いざとなった時に信頼できる人間とは、理屈が得意なキザなインテリ君ではなく、裸一貫から「言葉」を獲得してきた人間である。
    一流の学者二人が分かりやすく語る「市民」論は、現代に生きる人間は、全員読むべき。皆、怖いくらいに誠実に熟考する人だから信頼できる。

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    2009年10月04日
  • 正しい本の読み方

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    ネタバレ

    とても素晴らしい本でした。特に心に残ったことが2つある。1つは「読書は著者との対話」。ありふれたストーリーだとしても、あえてそれを書いた理由があるはずである。それを読み取るのが読書。ただ物語を楽しむだけではない。2つ目は「すなおに読む」。読み進める中で、著者の思想が示されていたり、著者に対して好悪の感情が芽生えることがある。しかし、これは読書にとって不要である。読破してから評価すべき。読む途中に好悪の感情がチラついていたので、意識しないように心がけようと思う。

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    2025年10月21日
  • 一神教と戦争

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    世界三代宗教といえばキリスト教、イスラム教、仏教であり、更に二つ、ヒンドゥー教とユダヤ教を加えると五大宗教となる。これらは世界的に見て信者数が多い事からも世界に与える影響も大きく、世界で起きている戦争や各国の政策根拠を宗教に求めることも多くの場合に可能であるとも言える。厳密にいえば宗教以外の各国の思惑が様々あるのかも知れないが、その中に確実に宗教の影響力が及んでいると感じる事は多数あるだろう。トランプを支援した福音派しかり、イスラエルのガザ侵攻しかり、イスラム教過激派による活動しかり。宗教は世界を動かしている要因の一つである事は間違いない。
    その様な宗教の中から、最大の勢力といえばキリスト教と

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    2025年10月20日
  • はじめての構造主義

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    橋爪先生の語り口はとても聞きやすく?読みやすく好き。
    ひとつひとつの章はわかる…と思うのだが、では構造主義とは何かを説明してと言われたらふんわりしてしまう…まだまだ腹落ちしていない感じがする。もう少しじっくり勉強したい分野である。

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    2025年09月30日
  • 人間にとって教養とはなにか

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    教養って何となく身につけておくべき最低限の知識や常識のことだと思っていた。もちろんそういう概念でもあると思うが、もっと奥が深いものだと感じた。今すぐに役には立たないし何の役に立つかは分からないが、いずれどこかで役に立つのが教養という著者の考えは興味深い。

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    2025年09月14日
  • 教養としての聖書

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    ネタバレ

    冒頭の「まずは創世記を読んでこい!」との要請を見て、効率性を求めて本書を手に取った心の内を最初から見透かされていたようで恥ずかしい…。結局全章の元文献を予習しながらだったのでトータルでかなり時間が掛かったがそれでよかった。日本に広く根付く八百万の神の考え方とは根本的に違いすぎて本書を読んでもなお難しいが、世界の多くの人が聖書を常識として物事を考えているのは間違いなく、その点への意識を強めるには必要な教養と思う。

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    2025年09月11日