橋爪大三郎のレビュー一覧
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ネタバレタイトルは「おどろきのウクライナ」であるが、話はウクライナにとどまらない。「不思議なキリスト教」以来、数々の対談で謎を解き明かしてきた橋爪、大澤両氏がこの本で語り始めるのは、ロシアによるウクライナ侵攻前からであり、話はウクライナの戦争の背景からポスト・ウクライナ戦争まで及んでいる。今の混迷する世界について考えるために少しでも見通しを持ちたいのなら、ぜひお勧めする書である。アメリカ、ロシア、中国が今何を考え、どこへ進もうとしているのか、分かりやすく語っている。
今は大きく分けて二つの資本主義が生き残っている。アメリカに代表されるリベラルな資本主義と中国の権威主義的な資本主義である。中国が成功する -
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タイトルは仰々しいが、この本からは、各宗教(キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教、儒教、神道)のエッセンスを学ぶことができる。
各宗教が死をどのように捉えるかは、宗教の考え方の根本をなすところであり、本著では、それを分かり易く解説しているところが評価できる。
何よりも、各宗教に共通するところ、異なるところを改めて整理することが理解を深めることができる。
宗教を合理主義を補完する位置付けにあるとし(両方が成り立つ)、宗教の価値を違った捉え方から認識することができたことは収穫。
以下抜粋~
・この世界を神が創造した/この世界は偶然である、は二つの「相」である。
一神教の神を信じること/世界 -
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2回目。前回はざっと読んだだけであまり覚えていなかった。
『ゆかいな仏教』を読んで再度読んだ。
間違っている箇所もあるとの指摘もあるそうだが、全体に読みやすく切り口も面白いので、自身含めキリスト教のことが全然わからないという人が最初に読む本としてはとても良いと思う。
●概要
今当然にある世俗的な概念や制度(資本主義、自然・社会科学、民主主義、芸術)が出てきた背景や受け入れられた素地が実はキリスト教にある。日本人は一神教でもなく特にキリスト教への理解が薄い。キリスト教を知ればもっとその概念や制度、一神教の人々の通底する考え方が理解できるのではないか。
キリスト教がベース・前提としているユダヤ教 -
Posted by ブクログ
橋爪先生は、宗教をうまく、説明するなぁ、と
いつも感心する。
とくに何を信仰しているわけでもないが
他社がどう考えるのか、を理解する補助線ができる。
宗教は、信仰するのも、しないのも自由。
そういうもの、として、信じて生きる。
キリスト教は、神は全知全能、が基本。
神は一人一人の、全てを知っている。
一人一人の責任。
人間は、神の意志に背いてしまう。
約束事(モーセの十戒)も守れない。
そこで、前の約束事を守れなくともいい、
とする、キリスト教がでてきた。
自然は神が作ったものであり、
神を知ろうと自然科学ができた。
一方で、真実は、聖書に書いてあることのみとする
福音派のような人 -