【感想・ネタバレ】はじめての構造主義のレビュー

あらすじ

西欧文明中心の近代に終わりを告げ現代思想に新しい地平を拓いた構造主義。レヴィ=ストロースの親族・神話研究の、鮮やかな方法と発想の背景に見えてくる、ソシュール言語学やモースの贈与論。そして遠近法にまでさかのぼる、数学史の水脈に隠された〈構造〉のルーツ。モダニズムからポスト構造主義への知の戦線に、軽快な文章で歯切れよく迫る! (講談社現代新書)

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Posted by ブクログ

はじめてじゃない人にも。
ある意味では「はじめて」構造主義からポスト構造主義への流れはそう読めばいいのか、となる。ポストしゃあないのか。なるほど。

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2025年07月22日

Posted by ブクログ

数学や物理学の進歩が人々の思想にも影響している、という説明は明快で共感できるものだった。今後は背景にあったヨーロッパ的思想の推移を理解することで、構造主義の理解を深めていきたい。


数理: ユークリッド空間におけるニュートン力学の成功が、理性による"(唯一の)真理"(↔︎啓示による真理)に依拠する時代を導いた。
思想: カントの「純粋理性批判」における問題意識には、理性による真理が強まった社会背景が関わっている。(人間が各々持つ"真理"像の解釈)


数理: ニュートン力学では説明できない現象が非ユークリッド空間で説明された(相対性理論, 量子力学)。これにより、唯一無二と思っていた真理が相対化された(公理(前提)の置き方次第で変わる)。
思想: 構造主義が公理の置き方次第で真理が変わる、という考えを突きつける。

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

非常に面白く読むことができた。レヴィ=ストロースの考え方を中心に、構造主義について様々な観点から理解できる。新たな世界の見方を教えてくれた。

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2025年03月19日

Posted by ブクログ

ソシュール「一般言語学講義」
世界は言葉によって切り取られている。例えば、水や湯と日本語で表現されるものも英語ではWaterのみで表現されている。このように、世界から言葉を切り取って認識している(物質世界≠言葉)
これを、言語の「恣意性」と呼ぶ

言語システムを複雑化することで精神世界を複雑にすることができる。言葉が何を意味するかを発展させる

音も、シニフィエもシニフィアンも対立によって規定されるわ

交換のための交換が基本、それが特殊に変化して経済が現れるにすぎない

真理は制度である。時代によって人が社会が勝手に決めるもの
よって唯一の真理はなく、その時代、社会で制定される

定理は公理(それの証明が使用のないほどの定説)により証明される

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2024年03月02日

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インタビューデータの質的分析は主観的にならざるを得ない.インフォーマントの語りも事実を語っているわけではなく主観に引きずられている.そのようなデータをどう分析すれば良いかと言う点で構造主義が関係してくる.というわけで,構造主義の超入門書を読んでいるが『はじめての構造主義』がとてもわかりやすい.

の本は数学や物理学と結びつけて「構造」を語っているのだが,客観的に存在する物体を見ている主観的な私(主体)との関係で世の中が見えていることを示していて,私(主体)の視点が異なれば客観的な世の中の見え方も変わること,その中で不変なのが構造であると言っている.ユークリッド幾何学で記述できる我々の世界と,脳に投影されている射影幾何学の空間は数学的な変換で関連付けることができる.変換によっても不変なのが「構造」である.こういう説明を読んでなるほどと思った.

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2024年01月13日

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構造主義のこれ以上ない入門書。『寝ながら学べる構造主義』も読んだが断然こちらがオススメ。中高生のうちにこれを読んだ人が羨ましい。

第1部はレヴィ=ストロースの伝記とソシュール一般言語学の系譜。ここは他の本と大差ない内容だが、構造人類学の方法論の記述はかなり詳しい。本書は中高生向けに特別易しく書いてあるらしいが、橋爪大三郎の文章は本当に読みやすい。

そして本書の白眉は第2部、構造主義のルーツ。構造主義の入門書でよくあるのが、ヘーゲル→マルクス→サルトルの近代哲学の流れを概説した上で構造主義の革新性を説くもの。これも興味深いが、そもそも実存主義に至るまでの哲学の流れが非常に難解だし、ゴリゴリの哲学と言語学、人類学の対決というとどうにも話が噛み合っていない印象を受ける。本書の最もすぐれた点は、これとパラレルに展開する数学史(あるいは、西欧の知の歴史)の流れから構造主義を語るところだろう。
ここで下手くそな要約を垂れ流すのは無意味だろうから、是非とも橋爪先生の文章で読んでいただきたい。キリスト教の凋落に伴う科学の隆盛、中高レベルの数学・物理の成立史、そしてその根本を揺るがす非ユークリッド幾何学の登場、「数学は哲学」たる所以の現代数学。一つ一つの物語それ自体が冒険活劇のように面白く、それでいて構造主義の解説としてこれ以上なくピッタリくる。久々にこんなに面白い読み物に出会った。
すっかり説明してしまった後で「これまで構造主義を紹介した人びとは、ソシュール以来の言語学とのつながりを、少し強調しすぎていたようだ。」(185P)と締める。橋爪先生カッコよすぎます。

あまりにも良い本すぎて、中高生のうちに読んでいればと悔しい気持ちにさえなった。良い本の証だろう。
一方で、こんなにわかりやすく解説されてしまうと、なんだ構造主義ってたったこれだけのものなのか、という気にも。内田樹の方の本にも、そういえば現代社会で構造主義は当たり前になりすぎていてもはや意識されることは少ないとあった。
むしろ「たったこれだけの」考え方に衝撃を受けた近代主義の方が、今となっては驚きだろう。
橋爪先生はこういう感想までもお見通しなのか、あとがきには「もういちど近代主義にさかのぼっていくというのも、面白いんじゃないだろうか。」(230P)と。いやはや参りました。

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2023年11月14日

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分かりやすいとは言っても読めばすぐ分かるものではないので、何度も読んで理解を深めたい。
ただ構造主義を理解する上で、数学を取り入れる事はなるほどと感じた。

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2023年03月07日

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構造主義を理解したかといえばまだそうとも言えないけれど、好奇心をくすぐられて一気に読めたのは確か。歴史や数学とのつながりはたいそう面白くかった。

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2023年02月08日

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構造主義とはなんだろう?という疑問を持ったので読んでみた。ざっくりと構造主義に関して骨組み的な知見が得られたように感じる。が、同時にまだまだ足りないのでやはり勉強をしなければならないな、とも思う。

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2022年06月17日

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構造主義は、主体性を排除しようとする考え方である。公理の上に成り立つ定理は真理のように感じるが、それは、主体的に選ばれた公理上での制度に過ぎない。構造主義は、主体を前提とした考え方から、ある対象となるものを、無意識的な、集合的な現象として捉え、その構造を理解しようとする考え方である。

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2021年07月24日

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橋爪先生の語り口はとても聞きやすく?読みやすく好き。
ひとつひとつの章はわかる…と思うのだが、では構造主義とは何かを説明してと言われたらふんわりしてしまう…まだまだ腹落ちしていない感じがする。もう少しじっくり勉強したい分野である。

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2025年09月30日

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レヴィ・ストロースの構造主義を初心者向けに解説してくれている。数学や言語学に着想を得た人類学や神話学は、斬新で読む者を惹き付ける。終盤の読書案内も手厚く、読んでみたいなと思わせてくれる本ばかり。
未開の民族だから劣っている、文明が発達しているから勝っている、といった西洋文明主体の価値観に一石を投じたレヴィ・ストロースの構造主義。人類の文化は、それぞれの社会が持つ秩序の中で形成されていく。なので、そこに優劣の発想を持ち込むのは無意味である。
数学や科学、言語学といった記号の世界と、奇妙に対応を見せる人類の営み。個々の学問の持つ世界の広大さ、同時に、それぞれの学問が繋がりを得て一体になっていく感覚を味わうことができた。

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2025年08月05日

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構造主義と数学の関係性が非常にわかりやすかった。その関係性によって、構造主義の思想が捉えやすかった。

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2025年03月30日

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難しかったけど、インセストタブーや神話学などレヴィ=ストロースの具体的な功績を知れて良かった。また、周辺の考え方や人物について、全体像を知ることができた。20年以上前の本だが、まったく古さを感じさせない良書。次はフーコーあたりを深掘りしてみたい。

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2025年02月27日

Posted by ブクログ

驚きの構造主義入門書。
何度も読み返したが、その度に感動を新たにする、名著。
「構造主義は終わった」とマスコミやアカデミズムが合唱するのに対して、そんなことは笑止千万、と一喝。長嶋茂雄よろしく「構造主義は永遠です!」と高らかに宣言してみせる。

構造主義は、思想ではない。
では、何か?
構造主義は、方法論なのだ。
だから、古びることはない。
あるのは、構造主義以前と構造主義以後という方法論的時代区分だけだ。
比較するとすれば、「ニュートン以前とニュートン以後」、アインシュタイン以前とアインシュタイン以後」と言った科学史の区分だろう。

橋爪40歳、東工大の教授に就任する直前の作品。
構造主義のキモをレヴィ=ストロースを中心に明快に描いてみせる。
新書とは思えない、橋爪の思考と知見が詰め込まれた冒険の書だ。
「冒険の書」と呼ぶのは、数学、遠近法に構造の起源を見し出すという驚きの「構造主義起源論」を展開するからだ。
通常、構造の起源は、ソシュール、ヤーコブソンの言語学に求める。
その通説に対して、橋爪は、ブルバキの数学に、そして遠近法に構造主義の起源を求めるのだ。
これは、言語学起源論の強調へのアンチ•テーゼと言える。 
構造主義を作ったレヴィ=ストロース自身が、その起源をソシュール、ヤーコブソンだと語っているのに、橋爪は、それを否定するのだ。
これこそ、構造主義方法論の真骨頂。
レヴィ=ストロースの無意識領域に潜む「構造」を炙り出したのだから。

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2024年04月20日

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 なんで読もうと思ったのか忘れてしまったが、構造主義について知りたかったのは確かだ。
 構造主義とはなにかといえば、変換を通して不変の構造を見つける方法だと言えるだろう。ただし、細かい部分は本書を読んで欲しい。
 参考図書にガードナーがピアジェとレヴィ・ストロースを並べた本が挙がっていた。ピアジェは子どもの発達を研究した心理学者だ。未開社会が文明社会に劣っていないのと同じく、子どもも大人に劣っていない。それを思うに、当時の西洋社会では権威の相対化とでも言える大きな流れがあったのだろう。他にもクライエント中心療法を研究したカウンセラーのロジャーズがいる。
 ここからは私事だが、現在、社会福祉の勉強をしている。ピアジェもロジャーズも社会福祉向けの心理学に登場する人物だ。おまけに60年代の公民権運動に端を発するエンパワメントは社会福祉の分野では重要な概念だ。しかし、人類学者レヴィ・ストロースは登場しない。上記の概念を構造主義を中心とした大きな流れとして把握せず、小手先の技術として利用しようとしたことが日本の社会福祉の低迷の一因だと思える。

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2023年10月28日

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わかりやすいけど、マルクス主義が何かを事前知識として入れとかなきゃいけない。いわゆる歴史(ヨーロッパ史)至上主義的なのに限界を感じて生まれたのが構造主義なのか。自文化を相対化し、異文化を深く理解する方法論。これに尽きるかなと。

橋爪さんの本ははじめてだったけど、文体に可愛げのある正直さとユーモアのある表現が隠れていて、読んでいてクスッと笑えた。ポスト構造主義と構造主義の繋がりとか、すごく言葉を噛み砕いて説明してくれるからありがたい。

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2023年05月06日

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初めて構造主義を知るにはとてもちょうどよかった。構造主義にも、構造主義以前の思想にも、構造主義よりあとの現代思想にも、自分なりの思想を作ることにも、興味を持てるようなつくりになっていた。

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2023年04月15日

Posted by ブクログ

同じく構造主義に関する基礎的事項の説明がある『寝ながら学べる構造主義』(内田樹)を最近読んだためどうしてもそちらとの比較論になりがちなわけではあるが, 極力目を瞑ってほしい
ちなみに結論から言うと解りやすさと話題の広範さについては『はじめての構造主義』が勝ると感じた

まずは数学, 何よりも数学, 構造主義を論ずるには数学は不可欠なのだ
本著ではユークリッド幾何学以降のさまざまな幾何学を位相変換の概念なども交えながら, 簡単に紹介しただけではあるが個人的には大変刺激的であった
対してそのような内容は内田氏の書著では全く触れられておらず, 私自身も数学がこれほど密接に現代思想に関わっているのかと面食らってしまった
加えて, 当時の西洋思想家たち(レヴィ=ストロース,サルトル,フーコーetc...)の数学的/自然科学的素養のレベルの高さを鑑みると, 改めて日本の哲学及び(経済学などを除いたゴリゴリの)文系の学者における数学的/自然科学的素養の欠如を思い知らされた

思想の入門書というものは得てして、その主張や歴史的立場の説明に注力してしまうものだが, 本書は「ソシュールの恣意性原理」, 「ヤーコブソンの二項対立原理」等, 一見無関係にも思える言語学の変遷について論じられている
それらの事柄がいかにレヴィ=ストロースの構造人類学及びのちの構造主義に多大な影響を与えたかについてある程度(ホントに, ある程度, すんなりはわからねぇよ)理解することができた
一方の神話分析に関してはレヴィ=ストロースのそれと同様、あまりにも再現性が低くちょっとやそっとでは初歩的理解さえままならなかった

第四章『構造主義に関わる人びと ほんのスケッチ』もとても魅力的だ
彼らの主張を一つ一つ説明しているわけではないが(不可能だと思う), フーコーやアルチュセール, デリダらがどんな人間であるかについて, ほんの一欠片ではあるがまさに「スケッチ」的に描かれている
最終的には当時の日本の思想に対する批判になってしまっていたが、その痛烈な批判もこの国の本質を言い当てており思わず唸ってしまうものだった

遥か彼方の未来, 構造主義が完全に過去のものとして葬られた時, まだこの日出る国が残っていたとしてもその国民はおそらく1960〜1980年代と同じように流行り物に飛びつくだけの中身のない雑食動物となるだろう...

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2023年02月25日

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自民族中心主義の色眼鏡があることの意識を促し、それを取り払う助けとなる思想が構造主義だと理解した。競争社会に身を置く、我々現代人にとって一読すべき価値ある本だと感じた。

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2021年10月15日

Posted by ブクログ

構造主義は1950年代後半にフランスでブームになった思想で、その産みの親はレヴィ=ストロースと言われている。

本書では彼が構造主義というアイデアに至るまでが説明されており、それはつまり神話や親族関係などの文化には見えない構造が存在しているということらしい。

また著者は構造主義の源泉を「遠近法」と捉え通り、遠近法と構造主義をつなぐものが数学であると言っている。正直この辺りは分かったような分からなかったような…

生成AIに聞くと、SNSでの行動、流行、政治の言説、ジェンダー観などは個人の好みではなく、背景の構造に大きく左右されるとのことらしい。ということは、構造主義の考え方は単なる過去の遺産というわけではなく、現代でも応用が効くものなのだろう。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

構造主義の入口の入口。それくらい簡単に読める。
でも、構造主義の奥行きと広がりがデカすぎるので、むしろわからないことが多いことが自覚できる。哲学ってそういうもんだろうと思うし、そこが楽しい。

私なりの構造主義の感触↓
・真なるものはない。唯一あるのはどこからそれを眺めているかの視点の違いとその関係性。 だから、今までの西洋哲学の発展⇔発展途上の図式は間違っている。
・真なるものが無い世界でも、その関係性には共通的なことや分類できることがあり、それが構造主義の言う構造。
・構造に良い悪い、善悪、発展と発展途上というような二元論的かつ一方向の流れは無い。故に、あるがままを肯定する力と、それでも構造的に問題を捉えたオブジェクティブな思考(人に責を負わせない思考)があることが、近代の哲学を否定してもなお、人間の考え方への希望となるもの。(月次な比喩だけど、多様性を知覚しそこに善悪を入れ込まない的なことかなと思えた)
・構造主義を理解するのは難しく、更に現在オンゴーイングで進んでいる分野なので、またどこかの機会で学び直したい。

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2025年11月01日

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なんとなくタイトルの印象だけで読んでみた。人類学方面から構造主義を唱えた第一人者であるレヴィ・ストロース視点の分かりやすい導入から始まる。

もちろん、これをいっぺん読んだだけで私が構造主義を一端に説明できるようになったかと言われたらそういうわけではない。

令和の世の中では、体系立てて物事を考えたり、抽象化して応用したり、それを言語化することがトレンドとして持て囃されている。その素地を作ったのがこの構造主義なのだろう。実際、この本ではソシュールによる言語学についても触れられている。

それらが普遍的な構造(Structure)として、パターン・ルールとして無意識化で成り立っている。かなり納得感がある考え方だ。

その構造主義に反人間主義だと異を唱え、ポスト構造主義の時代が訪れるのも趣がある。日常の痴話喧嘩にもありふれた「普通って何さ?」を地でやってる学問と捉えてる。これの良し悪しについてはニュートラルにいるつもりだが、その議論ができる素地として構造主義があるということは紛れもない事実。人類の素敵な発見だ。

この思想そのものより、人類がこうして年月を重ねてバトンを繋いできたということに心が動いた。

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

語り口は軽快でとっつきやすかったが、途中、数式を例えに思想を説明してくれるあたりから、分からなくなってしまった。まだまだ勉強しなくては!と思えたので◎

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

アイデアは既存のアイデアの組み合わせでしか生まれないと本で読んだことがある。レヴィ=ストロースのアイデア(発見)も、言語学や数学など他の学問の組み合わせでできている。この本は、彼がどのようにそのアイデアを持つに至ったかをアイデアの元ネタから探れるようになっている。しかし、この本を読めば鮮やかなアイデアが浮かぶ訳ではない。むしろ、アイデアの元となるアイデアを深く理解して、内面化して、試行錯誤をしないと新しいアイデアは生まれないということを改めて認識させられる。

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2024年03月24日

Posted by ブクログ

カジュアルな文体で読みやすいが、意図的にやっているにしろ脱線が少し多いように感じた。
構造主義への理解は深まったと思う。
特に最後尾に記載されていた通り、思想は批判の積み上げなのだから、それ以前の思想も把握していないと完全に理解できないのに、日本においては、海外の最新の思想を「流行」として断片的に取り入れるモダニズムの延長が根付いているために、構造主義やマルクス主義といった思想について深く理解がなされない、というのは強く感じる点だった。

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2023年07月25日

Posted by ブクログ

む、ムズい……。
特に数学に関する部分は文系の私にとってはジャングルの道なき道を分け入っていくような辛さでほとんど理解できなかったが、ヨーロッパの超頭の良い数学者たちが2000年かけて導いた理論を、オーストラリアの“未開”の原住民たちがとっくの昔から使っていたという話にはとても感動した。

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2023年06月19日

Posted by ブクログ

内田さんの方がわかりやすい。
とりあえずレヴィ=ストロースの考え方がどのように生成されていったのか?をまとめた本。
数学や視点の話などがあり、面白かった。

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2022年05月05日

Posted by ブクログ

構造主義、まだよくわかりません。
しかし構造主義について知りたいなら読んで正解だったと確信はしています。ブックリストもついてるし、何より興味を持たせるという意味で優れているなぁと。
なんとなく腑に落ちそうなんだよな、自分の理解があと一歩な感じ。
とにかく関連書物を読んでいこうと思います。

次は→町田健 「ソシュールと言語学」

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2022年02月02日

Posted by ブクログ

思いがけずに本書を手にすることになってしまった。橋爪さんの本は過去に何冊か読んでいるが、どれも分かりやすく面白く解説してくれる。本書もそう。本質を理解しているからなんだろうなと思う。構造主義が西欧中心主義を否定する形で出てきたと言う下りは納得感があり、スッと入ってきた。もちろん細部は難解で一度読んで分かるものではないと思うが、こう言う思想があるんだと言う事は勉強になった。しかしフランス人は思想が好きだし、学校でも沢山勉強させられると聞いていたのでまた腑に落ちた感がした。

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2021年06月28日

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