橋爪大三郎のレビュー一覧

  • ふしぎなキリスト教

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    内容スリリングでした笑

    学ぶ機会が無かったキリスト教について、布教的な宗教宗教した内容では無く、社会学の側面から解説がされててとても興味深い内容でした。

    なんか教義部分は結構間違いがある様なのでそちらは別途学びます。

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    2026年08月25日
  • ふしぎなキリスト教

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    佐伯啓思さんの『貨幣と欲望』や鶴見太郎さんの『ユダヤ人の歴史』を読んだことで、「そもそもキリスト教ってなんだ?」という疑問が湧き、この本を手に取った。あと、最近に限らず、ゲーム、アニメ、マンガなどに触れていると、キリスト教のモチーフや聖書由来の言葉が驚くほど多かったことも、この本を手に取るきっかけになった。最近ジャンプラで面白いと思って読み始めたとある2作品も、キリスト教を下敷きにしていて、余計に「キリスト教ってなんだ?」という疑問を掻き立て、この本を読むきっかけになった。

    新書大賞2012の受賞作ということで、刊行からはかなり年月が経っている。しかし、この本は、キリスト教の根本的な考え方を扱う内容であるため、古さはほとんど感じなかった。また、対談形式で書かれているので、専門書のような堅苦しさはなく、とても読みやすかった。

    読み終えて最も印象に残ったのは3つ

    ①キリスト教の持つ「解釈可能性」の大きさ

    福音書が四つ存在するという成り立ち、教会の公会議で多数決で教義が決定されてきた歴史、そしてユダヤ教やイスラム教のような宗教法を持たないこと。さらに、「神はすでに世界を去り、終末までは人間の歴史が続く」という世界観。こうした要素によって、人間が解釈を重ねる余地が生まれているように感じた。

    ユダヤ教は律法という強固な紐帯を持っていたからこそ、ディアスポラによる離散後も共同体を維持できた。一方でキリスト教は、教義そのものに多様な解釈を許容する余地があるからこそ、政治や思想、文化の中へ柔軟に入り込み、これほどまで世界へ広がったのではないかと思う。

    ②「一神教」という世界観
    私のような日本人は、「神様」と聞くと多神教の感覚で考えてしまう。例えば宝くじが当たるように祈るなら、「宝くじの神様」にお願いし、その神様が気まぐれや日頃の行いを見て、「今回は当ててあげよう」「今回はだめだね」と采配するようなイメージを無意識に抱いている。

    しかし、この本で描かれる一神教の神は、そのような存在ではない。人間が思い通りに対話したり取引したりできる相手ではなく、人間を超越した絶対者であり、人はその神と向き合い続ける。「神に祈る」という行為そのものの意味が、日本人の感覚とは根本的に異なるという説明は、まさに目から鱗だった。

    さらにキリスト教では、その神と人間との間にイエス・キリストが立つ。この構造が、キリスト教をより複雑で奥深いものにしている。そして、その複雑さこそが、戦術のとおり多様な解釈を生み出し、長い歴史の中で文化や思想へ広く浸透してきた理由なのかもしれない。

    ③キリスト教の基本
    預言者、福音、原罪といった基本用語についても、初心者にも分かるよう丁寧に説明されている点がありがたかった。私はそもそもキリストが神だと思っていた。「ヤハウェ」が神であり、イエス・キリストはその「神の子」であるという基本的な関係すら曖昧なまま読んでいた。日本史専攻ですみませんでした。

    キリスト教について詳しく学ぶというより、「キリスト教とはどういう世界観なのか」を最初に掴む一冊として、とても良い入門書だった。

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    2026年07月24日
  • 正しい本の読み方

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    まず驚かされたのは、この上なく平易で読みやすいということ。そして、著者の視野の広さが見てとれるのはもちろん、文章の背後から懐の深さや慈愛の精神まで伝わってくる。
    そんな著者である橋爪先生が、「人間と付き合っていくように本と付き合う」という結論に向けて、様々な分野の本との向き合い方を指南してくれる。
    文学との向き合い方が分からずに敬遠してきた私にとって、この本は私の人生を変えていく一冊となりそうだ。

    「必ず読むべき大著者一〇〇人リスト」の付録も必見。

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    2026年06月27日
  • 死の講義―――死んだらどうなるか、自分で決めなさい

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    素晴らしい、冒頭と、最終章を読むだけでも価値がある、と万人に強くお薦めしたい。
    自分が、小学生のころから漠然と抱えている死への不安について、死んだらどうなるか選びなさい、その指針として宗教という発明品を使えばいいよ、と、ほどよい距離感で寄り添うような著作だった。
    相対主義、評論家になることではなく、主体的に選び取ることの大切さが、仕事やライフスタイルだけでなく、死に方についても当てはまるんだな、と思わせてくれたことに感謝です。

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    2026年05月30日
  • 上司がAIになりました 10年後の世界が見える未来社会学

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    AIをベースに効率化できる可能性がたくさんある、社会をよくする可能性に富んでいるという希望を見せてくれました。その一方でAIの進化によってふるい落とされないように常に自分が進化する必要生を読み進みながらリアルに感じさせてくれ、モチベーションを高めてもくれました。

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    2026年05月14日
  • シリーズ・企業トップが学ぶリベラルアーツ 世界は四大文明でできている

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    特にキリスト教への理解が深まった。
    ①ヨーロッパ文明における『自然科学』は、理性(精霊)をもってして自然を理解することで、その創造主である神の意思・計画(=自然法則,普遍的で客観的な規則)を明らかにするという動機(理神論)で広がったこと、②労働・生産における『所有』の観念は、神の創造物は神の思いのままであること、③『個人主義』は終末、最後の審判において人間は個人として神に裁かれるということ、④神との契約(人間には神の意思に応える責任がある)がビジネスでの契約(相互関係、権利と義務)に現れていることに由来する。

    すべて【God=神、主、父】と【sin=罪・悪】と【人間=最後の創造物】と【nature=創造物】の関係で世界観が描かれている。人間が他の生物と違って特別なのは、最後の審判を受ける資格があることに現れている。

    救済予定説(最初からすべて運命が定められている。人間には変えられない現実。)始祖の巨人みたい。神の見えざる手による作用を意識した、市場メカニズムの自由とルール、政経分離。
    生命倫理、中絶をめぐる議論(神の造った生命か、母の主権・選択か)、職業観念、死生観。【造る】ことと【生む】ことの意味のちがいや、【復活】と【輪廻】のしくみのちがい。聖書中心主義(神の)で保守的なプロテスタントと、カトリック。

    以下メモ
    ●ユダヤ教
    アブラハム→イサク→ヤコブ(イスラエル)→ユダ王国・イスラエル王国→アッシリアによる滅亡→受難(バビロン捕囚、ペルシア王クロス、アレキサンドロス、セレウコス、ローマ帝国)→メシア待望論と『ユダヤ人』としてのアイデンティティー=ユダヤ教)

    ●キリスト教
    形式を重んじるユダヤ教(パリサイ派)の改革派、ナザレのイエスの登場。磔刑より3日目に復活。信者がイエスを「救い主=キリスト」と崇め原始キリスト教を形成。

    ●イスラム教
    アッラーの啓示を預言者ムハンマドが伝える。

    ●神
    ヤハウェ(el)=God=アッラー
    神との契約、罪深き人間は苦しみ、赦しと救いを祈る。
    ●預言者
    ☪️モーセ→イエス→ムハンマド(最後)
    ●安息日
    ☪️(金)ユダヤ(土) ✝️(日)

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    2026年04月20日
  • ふしぎなキリスト教

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    おそらく、現在キリスト教の思想史的意義および社会学的な意味について論じさせて、このふたりほど知的にスリリングな議論を期待できる組み合わせはないだろう。
    率直に言って、期待以上の出来映えだった。
    大澤の問題設定の巧みさ、本質を射抜く鋭さと、橋爪の考え抜かれた上に核心を衝く見事な答え。ふたりの対談本は複数あるが、これほど成功した著作はないと思う。

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    2026年04月12日
  • 上司がAIになりました 10年後の世界が見える未来社会学

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    生成AIの台頭により、人類は革命的な転換期に立たされている。現在の国家管理による「一斉教育・効率重視」の学校システムに対しては、日本の未来を憂う悲観的な声も少なくない。しかし、この仕組みを安易に解体すれば済むという問題ではない。拙速なシステムの破壊は、子供たちにさらなる教育格差をもたらす危険を孕んでいるからだ。

    教育において最も肝要なのは、すべての子どもに対して、土台となる基礎能力を公平に授けることにある。
    生成AIというツールは、誰もが平等に、同じ時間だけ利用する権利を有している。しかし、「それを使いこなす能力」までが等しく保証されているわけではない。その結果、使いこなせる者は飛躍的に成長し、そうでない者は取り残されるという、深刻な二極化が生じる。この格差を埋めることこそが、現代における「学校教育という強制的な学びの場」が果たすべき、極めて重要な役割ではないだろうか。

    本来、人は自分一人の力だけで学び続けることは困難である。自ら本を手に取り、高い向上心を持って突き進める一握りの人間だけが独走する社会は、誰もが幸福を享受できる世界とは言い難い。

    教育の本質的なビジョンは、「すべての人が、教育を通じて幸せに生きられるようにすること」にあるはずだ。AI時代だからこそ、個々の向上心だけに委ねるのではなく、学校という場が格差を阻む壁となり、一人ひとりの幸福を支える基盤として機能することが強く求められている。

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    2026年03月14日
  • はじめての構造主義

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    はしがきと第一章はとても読みやすく引き付けられる。が、第二章からはちょっと難しくなりました。なんとか6割くらいは理解できたかな?と思います。構造主義を説明できるレベルまでは至っていないように思う。『寝ながら学べる構造主義』も買っているので、さらに理解を深めたい。
    構造主義とは「世の中には共通するパターンがある」という理解だが、小川哲さんの『言語化するための小説思考』に、多くの原理の抽象化は似た構造に突き当たるというような言及があり、似ているなと思った。私はこういう共通点を見つけるとワクワクします笑。
    物事の見方(視野)が広がるような良い読書でした!

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    2026年03月11日
  • はじめての構造主義

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    「現代思想入門(2022年)」から「寝ながら学べる構造主義(2002年)」を経て本書。一番古い本(1988年)だがカジュアルな語り口も構造主義の成り立ちが読みやすく分かりやすい。「寝ながら・・・」が構造主義の面白トピックを取り上げて掘り下げという印象なのに対し、本書はレヴィ=ストロース中心に構造主義が出来上がる流れを押さえている感じ。単独で湧き上がってきたものでなく言語学、数学、物理、神話学とかいろんな分野と絡みながら、また繋がってるのが分かり驚き。内容的にも歴史的にも。数学や物理周りの関連は理系には馴染みもあり読みやすい。

    「寝ながら・・・」を読んだ際にインセストタブーの話でなぜ遺伝的な影響を一切触れないのかなあと思ったが、しっかり説明あり興味深く読めた。そういう話ではなく、もっと根源的なコミュニケーションに基づく文化 (構造) の話であると。この界隈では常識なのだろう。大元の根っこのなぜは分からないが、本能的に進化的に (人の脳の構造的に) そういうものということなのか。

    全般通してどの分野も根本的な普遍性のある統一的な理論は難しいのだなあとつくづく感じる。そもそもそんなものがあるのか、人間が理解できるものなのか、ASI (人工超知能) がブレイクスルーするのか、AIにも構造が宿るのだろうか興味深い。

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    2026年02月28日
  • シリーズ・企業トップが学ぶリベラルアーツ 世界は四大文明でできている

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    年始に本屋を回って気になり購入

    本書の前書きにリベラルアーツは、教養であり人を自由にする学問であるという記述があった。教養を広げることで、自分の持つ環世界が増え、いろんな環世界を行き来することで自由な発想、思考が生まれる。最近読んだ様々な本(塑する思考、暇と退屈の倫理学、バカの壁など)をコンパクトにまとめたような導入ですんなり納得できた。

    全世界の思考の根本、源流、今日に至る流れを理解するのに適している。これまで宗教に関する基本知識はいくつか書籍を読んだが、文明まで遡ったり宗教ごとの共通点や今日への影響については、この本が最もわかりやすくて書かれていると感じた。

    キリスト教とイスラム教を一神教世界として括ると理屈がより理解できるし、ヒンドゥー教も過去の奴隷制や仏教と比較するとその特色がよく分かる。そして、それら多数派を理解した上で日本を捉えると、「他文化理解」は推奨ではなく必須の姿勢であることが理屈として理解できるし、日本人として取るべき姿勢も理解できる。

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    2026年01月03日
  • 世界がわかる宗教社会学入門

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    入門という割には、なかなか難しく、色々と調べながら読み終えた。

    これを起点に、各種の宗教系の本を読み、再度読み直したいと思う。

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    2026年01月03日
  • ふしぎなキリスト教

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    2012年新書大賞本。

    2012年!?
    今読んでも、食い入るほど、面白いんですけど。

    ユダヤ教とキリスト教(カトリックとプロテスタント)とイスラム教ってどう違うのか?

    というベースから。

    政治、経済、科学に至るまで、宗教がどう影響してきたかについて、驚くほど分かりやすく書かれている。
    分かりやすすぎて、分かってないから、アウトプットも必須。

    橋爪さんの博識が、大澤さんの鋭い質問によって、うまく展開されていくし、そこから新たな視点に持っていくのも上手い。

    正直、新書にしては割と分厚いので、読めるかなぁと不安に思っていたけれど、ゆっくり読まなきゃと自分をセーブするくらい、進みたくなった。

    最後の「モノづくり」に対する、スタンスの違いの話もめちゃくちゃ面白いなぁ。
    確かに日本は、アニミズムだわ。
    それは日本という国の立地、地政学にも由来する。

    「ふしぎなキリスト教」にまつわる本も何冊か出ているようだけど、ひとまず橋爪×大澤対談本を読みきりたいと思う。

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    2025年08月10日
  • はじめての構造主義

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    はじめてじゃない人にも。
    ある意味では「はじめて」構造主義からポスト構造主義への流れはそう読めばいいのか、となる。ポストしゃあないのか。なるほど。

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    2025年07月22日
  • シリーズ・企業トップが学ぶリベラルアーツ 世界は四大文明でできている

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    キリスト教、イスラム、ヒンドゥー教、儒教について俯瞰するのに良い方。リベラルアーツかな。読んでおくと、翻訳物をら読む時に気持ちが分かりやすくなる。

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    2025年07月09日
  • ふしぎなキリスト教

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    これは宗教版の「銃・病原菌・鉄」ではないか!

    なぜ、中世以前まで栄えていたイスラム圏を圧倒してキリスト教圏が近代文化の覇権を握ることになったのか。
    いかに、私たち近代文化の思考の根底にキリスト教的な考えがあるか、がよくわかる。

    キリスト教は厳格な宗教法を持たなかったため、柔軟に法律を作る、変えることができ、民主主義、資本主義の発展につながった。

    解釈の余地があるということで、そこから自然科学や哲学が生まれ、科学技術の発展や産業革命に寄与した。
    あらかじめ、法則が決められていたら、考える必要もないのだ。「なぜだろう?」がどれだけ素晴らしい魔法の言葉かがよくわかる。

    さらに、人権についても、「神が自然を通じて人に与えたものだから国家はそれを奪えない」というキリスト教における自然法からのアイディアだったとは驚き。

    これから、このキリスト教的な近代文化、資本主義文化がどう変わっていくのか。
    エルサレムとパレスチナの問題が激化し、さらにイランへの攻撃が始まったいま、これらを包摂する文化がどう変容していくのか、日本も蚊帳の外ではなく主体的に議論していかなければいけない。

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    2025年06月17日
  • はじめての構造主義

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    数学や物理学の進歩が人々の思想にも影響している、という説明は明快で共感できるものだった。今後は背景にあったヨーロッパ的思想の推移を理解することで、構造主義の理解を深めていきたい。

    ①
    数理: ユークリッド空間におけるニュートン力学の成功が、理性による"(唯一の)真理"(↔︎啓示による真理)に依拠する時代を導いた。
    思想: カントの「純粋理性批判」における問題意識には、理性による真理が強まった社会背景が関わっている。(人間が各々持つ"真理"像の解釈)

    ②
    数理: ニュートン力学では説明できない現象が非ユークリッド空間で説明された(相対性理論, 量子力学)。これにより、唯一無二と思っていた真理が相対化された(公理(前提)の置き方次第で変わる)。
    思想: 構造主義が公理の置き方次第で真理が変わる、という考えを突きつける。

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    2025年05月06日
  • あぶない中国共産党(小学館新書)

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    中国共産党の成り立ちというか、毛沢東がでっち上げたものがどう変化しつつ現存しているかについてよくまとまっている対談であると思う。
    とくに、鄧小平に比べて過小評価されている江沢民時代の党の変貌について一目置いているところは新鮮だった。
    また、ナンバー2のいない「習近平超一強体制」における習近平に何かあったらどうなるのかリスクについて大きく扱っている。これも良い。
    しかし、何よりスゴいのは、ファシズムでさえ、地主と労働者と資本家がいるのに、中国では共産党がすべてを支配していて、地主も労働者も資本家も存在しないという点である。改めてタイプしていてもクラクラする。
    また、中国の超監視社会についてはよく知られているが、結局のところ「党が党を監視している」というのは慧眼である。そりゃそうだ。中国には中国共産党しか監視に値する対象が存在しないw

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    2025年04月30日
  • はじめての構造主義

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    非常に面白く読むことができた。レヴィ=ストロースの考え方を中心に、構造主義について様々な観点から理解できる。新たな世界の見方を教えてくれた。

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    2025年03月19日
  • 面白くて眠れなくなる江戸思想

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    明治維新の基盤は江戸時代にできていたよねと、そのバックボーンになった思想家たち12人を軽妙な語り口でわかりやすく解説する。江戸時代は今まで関心があまりなかったので、これはありがたい。
    朱子学の導入ということも思想家たちに影響を与えていると思うので、家康もいう存在のデカさも書かれてないけど感じた。
    徳川光圀、藤原惺窩、林羅山、中江藤樹、熊沢蕃山、契沖、伊藤仁斎、荻生徂徠、富永仲基、賀茂真淵、本居宣長、上田秋成の12人。
    光圀は家督と兄との関係がきっかけで儒学にのめり込んだ。朱子学を林羅山や朱舜水について学び、和歌なども学び、大日本史の編纂を始めた。尊王思想の原点となり明治維新を準備した。
    藤原惺窩は別所長治に実家を攻められ、以後は京で儒学をおさめ林羅山の師となり京学派のリーダーとなる。
    林羅山は秘伝のようにされてきた儒学を広く公開した。藤原惺窩に代わって家康と謁見してから家康の命で僧となり、訓点を付けたり孔子廟をつくって儒学の枠組みを作った。
    中江藤樹は武士をやめ琵琶湖の辺りで自分の生き方を通して儒学を人々に伝えた。朱子学だけでなく王陽明の研究もした。
    熊沢蕃山は中江藤樹に入門し岡山藩に召し抱えられる。しかしトラブルに巻き込まれ各地を転々、改革プランが幕府に警戒され最後は古河に幽閉された。
    契沖は真言宗の僧だったが、光圀に頼まれて合理的で科学的なテキスト読解で万葉集の註解に当たり、国学の原点となった。
    伊藤仁斎は京の商家に生まれたが、勉強が好きすぎて家を出た。訓点なしで漢籍を読んだ。大学が孔子の作でないことを証明し、朱子学の根底を揺るがした。
    荻生徂徠は唐話で漢文を読み、朱子学の矛盾をついた。中国びいきとして尊王の志士からは評判が悪かった。
    富永仲基は元祖オタク青年、短い生涯で大乗非仏説を論証した。
    賀茂真淵は古学を学び、国学のビッグネームとして万葉集の研究などで名を馳せた。
    本居宣長は松坂の商家に生まれたが商売に向いておらず医師をやりながら学問に励んだ。源氏物語に夢中で、賀茂真淵と出会ってからは古事記の研究に取り組んだ。
    上田秋成は宣長と論争したり、型にはまった江戸時代に自由な生き方を追求した。

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    2025年01月07日