橋爪大三郎のレビュー一覧
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ネタバレ中国人を妻に持つ中国通の社会学者・橋爪大三郎と、イスラム教に入信したイスラム学者・中田考による、ウイグル問題を端緒とした中国共産党体制をめぐる対談。
中田氏がカリフ制復興を提唱していること、ヨーロッパ・キリスト教に端を発する価値観やアメリカに対して(歴史的経緯を踏まえたうえで)批判的なのが印象的(特に「あとがき」で爆発している)。
以下、印象に残った点。
なぜイスラム諸国がウイグル問題に介入しないのかというのは、イスラム諸国同士で対立していてまとまることができないから。トルコはアメリカやEUとの関係が悪化し、経済状況も厳しくなって、中国への依存が強まっている。そして、現在のムスリムはイ -
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様々な宗教の死に対する見方、死後の世界をどう考えているかが書かれてあって、とても面白かった。一番初めに書いてあった「いよいよ死にそうになった時には、じっくり考える時間がありません。気力も体力もないかもしれない。そうするうちに、死んだらどうなるかもはっきりしないまま、死んでしまう。もったいないことです。せっかく死ぬのに。」という文が気に入った。
もともとは人々は、小さいコミュニティの中で暮らしていて、そのコミュニティの人々は同じように生き、同じようないイメージの中で死んでいった。しかし、社会が大きく複雑になっていく中で、商人、職人、農家など人の営みも様々で、人の生き方も様々になってきた。人々の生 -
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不思議なキリスト教
東方正教会
布教には現地の言葉でよかった
カトリック ローマ教会は、あくまで聖なる語のラテン語で教えたい
けど学がない民衆には伝わらない
から、宗教画が許された
だれでもどこでも伝わる語だと、一神教の神の超越性、権威が弱まる、特別性なくなる
カトリック プロテスタント
カトリックはラテン語
読めんやつもいた
プロテスタントは俗語訳OK ドイツ語とかでも
カトリックは雰囲気神聖だが、プロテスタントはあくまで聖書の内容を読めることが重要なので、誰でも読めるように訳した
カトリックは逆に聖書至上主義ではなくて、教会とか聖職者に重きを置いた
これ宗教画に関係ある?
カトリ -
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ネタバレイエス・キリストの存在のため、同じ一神教であるユダヤ教、イスラム教と決定的に異なるキリスト教。キリスト教にあけるイエスは預言者であり「神の子」である。
福音書はそれぞれイエスに対する証言であり解釈。聖典が神の言葉ではないのは特殊。
さらに、そもそもイエスの母語(アラム語)ではないギリシャ語で書かれたので、聖なる文字もない。
ローマ帝国が分裂したのち、東方教会とカトリックに分かれ、東方教会は現地語に訳して布教をしていく(○○教会が増えた原因)。
カトリックは権威づけのためラテン語に限定。
イスラム教由来で伝わったギリシャ哲学も導入。
宗教を否定するマルクス主義はキリスト教的終末論の再現。 -
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旧約聖書から、創世記、出エジプト記、申命記、
新訳聖書から、マルコ福音書、ローマ人への手紙、ヨハネ黙示録、の6つに絞った聖書講義録。
申命記の講義中のユダヤの律法に関する説明が滅法面白い。
• 隣人の畑《あなたが隣人の葡萄畑に入るとき、あなたは思う存分葡萄を飽きるまで食べてもよい。しかし、あなたの器のなかに取り入れてはならない。隣人の麦畑に入るとき、あなたはあなたの手で麦の穂を摘んで食べてもよい。しかし鎌を入れてはならない。》
• 挽臼質入れの禁止《挽臼、あるいは上石を質にとることがあってはならない。それは生命を質にとることになるからである。》
前者は、生存権の原型であり、後者は、年金 -
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読書で教養を蓄え、人生をおもしろくする
が、この本のテーマである。
問題視されている大学生の読書習慣がついていないことについて、子どもの頃は本を読むのが好きなのに段々と少なくなる傾向にある。
読書で深みのある人生にするためには…が第1章で書かれており、2章目以降からは目的に沿った本を紹介している。
紹介される本は歴史的な名著が多い。中には、取っ掛かりにくく、噛みにくい難しい本もあるだろう。しかし、そういった本を読んで「アゴ」の力を強くすることによって次に読む本が噛みやすくなるから、始めは難しい本を読むことをおすすめする。という所に自分もやってみようと思った。
最も印象に残ったのは、我々 -
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教養とはなんなのか?
について、優しく答えてくれる本。
若いビジネスパーソンが対象なのかもしれないが、「色々本を読んではいるが、教養が身についたのかどうかわからない」という私みたいな人には、おススメです。
印象に残った点は下記の通り
・本の学びを深めるために大事なのは、正解探しではなく、自分はどう読むか。また、他の人はどう読むかという、他の解釈に関心を持ち、突き合わせて、自分の読み方を発展させる。
・古書はいつ役立つかわからないから、読むときの動機は、読みたいから読む。
・古典の但し書きをしっかり読む。
・知識は人を介すことで、薄まったり歪曲されたりしやすいので、主張が成り立つための前提を押 -
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本書は、著者の『聖書』に関する連続講義を本にまとめたものである。比較的生徒とからの質問を講義途中で受ける形になっていてインタラクティブな感じで進められる。多くの書物からなる聖書の構成から出来上がった経緯、それぞれの内容と相互関係などをやさしく説明した本である。
【概要】
取上げられるのは、旧約聖書から『創世記』、『出エジプト記』、『申命記』新約聖書から『マルコ福音書』、『ローマ人への手紙』、『ヨハネ黙示録』 の六つの書物。これらの内容を生ととのやりとりの形で説明することで、聖書全体の構成や位置づけなどを解説していく。
まず、『創世記』は、「光あれ」から始まる世界創生の物語。原罪の概念のもと -
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祖父が亡くなり、葬儀に参列して「四十九日旅をして、故人は成仏する」という住職の話を聞いていたら、「死んだらどうなるのかな」という思いを抱き、手にとってみた一冊。
キリスト教、ヒンドゥー教、儒教など、世界の宗教の死に対する考え方が解説されている。その中で、日本で行われている仏式の葬儀や死に対する考え方は、本来の仏教の教えとは異なるということなども知る。一神教の考え方については、昔、クリスチャンの友人に「神を信じるってどういうことなの?」と尋ねた時に「神様がいるから大丈夫、っていう感じかな」と答えられた時のことが思い出された。
著者は、様々な宗教の考え方に触れたのち、自分が死について、どの考え方を