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Posted by ブクログ
丸山眞男の『日本政治思想史研究』と「闇斎学と闇斎学派」の内容について批判的検討をくわえるとともに、山本七平の『現人神の創作者たち』と対比することで、丸山の残した問題を超えて議論を前へと進めていくための道筋を示そうとする試みです。
著者は、丸山が『日本政治思想史研究』において、荻生徂徠の「作為」の思想に「近代」の萌芽を見いだそうとしたことに触れて、とくに「自然」の概念に関して丸山の議論に混乱があったことを指摘します。また「闇斎学と闇斎学派」では、丸山が埼門学派の「リゴリズム」に両義的な評価を与えていることについても検討をおこない、リゴリズムの背景をなしているものが何であったのかを明らかにしていないと批判します。
他方で著者は、山本が『現人神の創作者たち』のなかで、湯武放伐論や赤穂事件に関して、闇斎やその弟子の浅見絅斎、佐藤直方らの議論についておこなっている議論を紹介し、日本の政治システムに適合しない朱子学を受容する彼らの試みが日本の「近代」にどのようにつながっているのかということが明瞭にされていることを評価しています。
著者の議論は丸山に比して明快であり、たしかに丸山の思想史学が孕んでいた問題点をクリアに示しているように見えるのですが、もう少し丸山の議論のもつ緊張を肯定的にとらえることができるのではないかという気がしています。また、山本のとらえた日本の政治システムの特質も、近代以降のわれわれのまなざしによって規定されているということも、忘れられてはならないようにも思います。
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