橋爪大三郎のレビュー一覧
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ネタバレ帯につられて読んでみた。
久しぶりのキリスト教関連書。橋爪氏と大澤氏の軽妙かつド直球なやりとり。特に大澤氏の問いは時に読者が予想する以上の深堀というかそんなこときいていいのかな的な内容であり質問も面白い。そういう見方もできるなと。
ユダヤ教とキリスト教の違い、清書に書かれている理不尽なことなど、真面目に面白かった。特に哲学を知るためにはやはりキリスト教の素養がないとわからんというのはそうだなと思った。
でもこれ日本的多神教の感覚とは別にキリスト教的一神教の感覚も理解するって難しいなと思った。頭で理解しても多分この本を離れたらまた忘れるなあみたいな。
キリスト教の成り立ち、概論について宗派の偏りなく知りたいのであればおすすめの一冊である。 -
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生きていく中で避けられないテーマの一つ。「死」をどう捉えるか?科学の発達による余命の延長。資本主義と合理主義による価値の一様化。自由な社会故の選択の必要性。やはりこのぽっかり空いた現代のエアポケット「死」、ひいては「生きる」のに必要なものとして宗教は選択肢にあがるかもしれない。そしてそれは自身で選択し、実践する事とセットだと思う。なんとなく待っていてもそれはやってこない。ただそれを無理やり迎えにいっても自分に馴染まないと思う。来るべき時や感じるべき時に湧き上がる考えと気持ちであるのかもしれない。
(ポジティブに)いつ死んでもいいと思いながら生きれたらそれは素晴らしい心持ちだ。でもなかなかそこまで殊勝にはなれない。長く楽しく生きたいと思うものだ。どうしてだろう?何かをやり残したわけでも、凄い後悔があるわけではない。やはり本能的なものだろうか。特に理由はないが漠然と死ぬのは嫌だ。寿命が来た時や不慮の事故、病の時はまた少し今の心持ちと変わるんだろう。
あーなんも考えずヘラヘラと楽しく生きてヘラヘラと楽しく死ねたらいいのに。 -
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教養を身につけるためには読書!
本の中にかけられている様々なバイアスを感じ取り、多様な価値観が存在することを知る。
文系理系で分け、自分の得意な分野だけの知識を深めるのではなく、広く興味を持ち手を伸ばす。
経済も政治も医療も、全ては繋がっているのだから。
教養を身につけるには・・・
同時代の大勢の人々に関心を持つこと。
理性と感情を切り離す。ネガティブな感情に自分の冷静な判断力を影響されないようにする。
教養とは、今まで生きてきた人間の考えてきた全てのこと。
それらが、社会に出て、答えのない問題に直面した時、最も役に立つ!
本がどんな切り口(視点から)で書かれているかを知ること!
他の学問(分野)とどのように繋がっているのか、どんな関係なのか?
その疑問が多い人こそ、教養の深い人間! -
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死、というものを考えるにあたって、死を捉えるために宗教にバウンドさせて、この宗教が気に入ったならば、この宗教では死をこんな風に考えてるよ。と、想像でしか捉えられない死を地続きのものとして捉えることができる。
葬式や死後の世界、が世界や状態を変えた自分の生、死んでいる状態で生きていく、と何だか矛盾する言葉だけど、形を変えて生きていく自分として創造することにより、死というものから目を逸らしている、という考え方にはとてもショックを受けた。
文章が、わざとなのか、ゲーム内の機械のような書き方で、受け入れるまでには何度か休憩を挟む必要があったけれど、読み終われば講義として血肉になっている。 -
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死んだらどうなるのか誰にもわからない。
だって、誰もまだ死んでいないから。
そのわからないことを、哲学や宗教というアプローチで考えていく。
最初に提示された哲学者伊佐敷隆弘さんの6つの考え方がとてもわかりやすい。
私自身の考えは、4·子孫の命の中に生き続けると5·自然に還るが近いかな。
ここから哲学的に展開されていくのかと思ったら、各国の宗教から考えていく方向に。特定の宗教を持たないこともあって、イマイチわかりにくいなぁと思っていたら、6章の「死んだらどうなるか、自分で考える」で、見事に哲学×宗教の考えが落とし込まれていて、なるほどと腑に落ちた。
時間がない人はこの6章だけでも価値があるかも。 -
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キリスト教を、それを基盤とする資本主義を根っこから学び直す。
・神との関係は安全保障
・人間中心か、神中心か。これが、一神教かどうかの決定的な分かれ目
・Godはメートル原器のようなもの。正しさの規準。コミュニケーションの不可能性。Godとの不断のコミュニケーションを祈りと言う
・一神教と多神教に対立軸があるのではなく、古代の神々の否定という点で仏教、儒教との類似性
・偶像崇拝がいけないのは、偶像だからではない。偶像をつくったのが人間だから
・神と人間、神と被造物の差別・差異が圧倒的・絶対的であるがために、ヤハウェという例外的な点との関係で、すべての人が平等化されるという仕組み
・福音派を非科学的と馬鹿にする日本人が、現人神と進化論の矛盾を意識していない
・信仰というのは、意識のレベルと、本人が意識していない態度や行動のレベルとがある
例)宗教をアヘンと斥けるマルクス主義の世界観・形式自体が一神教
・歴史的イエス、メシア、神の子の違い -
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世界三代宗教といえばキリスト教、イスラム教、仏教であり、更に二つ、ヒンドゥー教とユダヤ教を加えると五大宗教となる。これらは世界的に見て信者数が多い事からも世界に与える影響も大きく、世界で起きている戦争や各国の政策根拠を宗教に求めることも多くの場合に可能であるとも言える。厳密にいえば宗教以外の各国の思惑が様々あるのかも知れないが、その中に確実に宗教の影響力が及んでいると感じる事は多数あるだろう。トランプを支援した福音派しかり、イスラエルのガザ侵攻しかり、イスラム教過激派による活動しかり。宗教は世界を動かしている要因の一つである事は間違いない。
その様な宗教の中から、最大の勢力といえばキリスト教とイスラム教である。それぞれ信者数はキリスト教23.8億人、イスラム教20億人前後と、3番目に多いヒンドゥー教の11億人を圧倒する(仏教5.2億人、ユダヤ教は約1700万人)。そしてキリスト教、イスラム教、ユダヤ教は何も聖地にイエルサレムを抱えており、アブラハムの宗教として同じ起源を有している。
本書の内容はその二大国家宗教であるキリスト教とイスラム教のそれぞれの研究の第一人者である、西欧思想および社会学者の橋爪大三郎氏とイスラーム学者で自らもイスラム教徒の中田考氏の対談形式となっている。それぞれの宗教における戦争感の違いから、国家のあり方ネーションステイト、更には互いが矛を交えた戦争の歴史から、なぜキリスト教は戦争に強い宗教となったのか、各宗教の起源やその後の発展の歴史による考え方の違いなどを比較していく。それぞれ同じ起源でありながら、長い年月を経て全く相容れない思想へと変化していく様、そして現代にまで続く慣習や考え方の違いを知る事は、現代を生きる我々にとっても二つの宗教に帰依する人々との対話の仕方にも参考になるものだ。現在もなお記憶に新しいアメリカ同時多発テロであるが、対立が表面化した事象だけを見て、それぞれの宗教を評価してしまうのは間違えている。イスラム教が殲滅戦的な争いを避け、平和を望む宗教である事は、それらテロとテロを報じるキリスト教国のメディアからは正確には伝わってこない。キリスト教フィルターを外した実態としてのイスラム教を捉える事は非常に重要であるし、今後世界人口に占める割合で言えば「産めよ増せよ」のイスラム教が最大勢力になるのは目に見えている。だからこそ、キリスト教との比較によるイスラム教の姿を捉える本書は、非常にわかりやすく役に立つ内容だと感じる。是非手に取って一読して欲しい書籍だ。