橋爪大三郎のレビュー一覧
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腑に落ちたところも、「?」のところもあったけれど、総じて面白かった。
第一部は、中国が何をアイデンティティにして成り立つ国家なのかという話。
儒教や漢字が大きく作用していて、それは軽く民族や王朝といった枠組みを越えてしまうとのことだった。
第二部は毛沢東の「権力」とはどのようなものだったかの話。
フーコーなどの社会理論が当てはまる部分、当てはまらない部分が列挙されていた。
こういうところが「反知性」の立場の人からは、知的遊戯というか、まだるっこしく見えるんだろうなあ、と思う。
ただ、私は理論を使いこなすというのは、こういうことなのかなあ、とむしろ好意的に読んだ。
第三部は歴史問題をどう考えるべきかについて。
責任の所在への認識があいまいなところが原因となって、謝罪の仕方もただ謝るだけになってしまっているとのこと。
それはそうなんだろうけれど、宮台さんがいうように、東京裁判の虚構を踏襲するということが、今の日本人にとって実際にできるのかどうか。
第四部は日中関係のこれから。
日本は米中関係の付属物になる、という認識は私もよく理解できる。
だからこそ、戦略的に立ち回らなくては、ということも。
中国の問題を合わせ鏡に、日本の様々な問題が照射されていた点が面白い。 -
購入済み
なるほどね―と感心しました
キリスト教の思想が現代の底流にあるというのは、なんとなく皆が感じているのではと思う。
この本はその辺の事をハッキリと感じさせてくれます。
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Posted by ブクログ
いろいろと「おどろき」ました。
中国は3回旅行しましたが、その時に感じた疑問のいくつかが解決しました。
2013年2月に出版されていますが、台湾問題なんかは、橋爪先生の予言通りに推移してますね。
本書で触れられる日中関係等の近代史の解釈は納得できない人もいるでしょうが、
それ以外の中国についての話は誰しも一読の価値ありです。
巷に溢れる中国評は、現在の利害だけを強調し、危機を煽るようなものばかりで辟易します。
中国は反日教育をしてる、と言う。
なら日本の教育はどうか。日本史を選択したら、世界史は選択しない…というのは常識ですしね。
そのような論法に欠けているのは、現在を歴史の流れの中で捉える視点と、相手の立場に立って物事を捉える視点です。
目先の利害に思考が居着いてしまっては、国益などは考え及ばなくなってしまうでしょう。 -
Posted by ブクログ
言うまでもなく、今、世界を席巻しているのは、
欧米由来のルールや習慣、文化などだったりします。
欧米の様式をデファクトスタンダードとして、
世の中は成り立っているところがある。
つまり、欧米のやり方が、世界のあらゆる場面の常識になっているということです。
そんな欧米の考え方を成り立たせているのは、
近代になって世俗化し、一部ではもはや形骸化してきているなどとも
言われているキリスト教だったりするのです。
哲学や科学が発展し、人間の理性を重視して宗教への態度が希薄になったことで、
キリスト教の考え方に縛られなくなったかといえば、
それはまったくそうではなく、その根本に、キリスト教の考えかたから、
順にも逆にも影響を受けていたりしている。
それだけ、すごい宗教なのがキリスト教であり、
そしてふしぎな宗教なんだということを本書では大澤さんが質問者として
橋爪さんに教えてもらっている。
本書は3部構成で、第1部ではキリスト教の下敷きとなっている旧約聖書を、
つまりユダヤ教をみていきます。
第2部では、新約聖書を中心にキリスト教そしてイエス自身に注目しています。
そして第3部では、キリスト教成立後のようすから、現代にいたるまでを
扱っています。
大きなテーマは、大澤さんのセリフから抜き書きするとこうです。
「近代社会の最もベースになるような制度やアイデアや態度が、
一見キリスト教を脱してるようでいて、いかにキリスト教的な
前提の中でつくられていたか」
それを確認するべく、いろいろ見ていくのです。
面白いのは、イスラム教やユダヤ教と違って、
キリスト教はあいまいでゆるい部分があることです。
そして、それゆえに、信者たちはクリエイティブに
頭を使うことになっているんだと思うんですよね。
その結果、西欧社会は発展していき、いまや世界を席巻している。
そこから学ぶことって、がんじがらめのルールでは人は成長しずらいんじゃないだろうか
ということです。
えーと、日本人だからキリスト教は関係ないやってことじゃないんですね。
最初に書きましたが、世界の常識になっているものは西欧のキリスト教由来の常識です。
この国の憲法や芸術や民主主義や市場経済や科学技術というものも、
キリスト教社会からもらってきた子どもなんだ、とあとがきで書かれていて、
その子どもたちが自分たちのルーツを知りたい、知ることで何かしっかりできそうだ、
ということで、本当の親であるキリスト教に会うようなことが、
この本を読むことにあたるのです。
これは橋爪さんの喩えですが、じょうずですね。
大澤さんについては、「正義」についての著書を読んだことがあり、
すごく知識を積んでいる方だという印象がありました。
橋爪さんの名前は来たことがある程度でしたが、
今回読んでみて、また一人、リスペクトできる学者の方を見つけたな、
という感想を持ちました。
現代社会に対する基本的な認識を持つために、
読むとすっきりするところのある本です。
キリスト教やユダヤ教などをほとんど知らなくても、
本書でそのエッセンスを享受できると思います。
面白かったです。 -
Posted by ブクログ
13年前に中国に1年ほど留学したときの感想は、
「なんなんだ、この国は!」
本書でも紹介されている小室直樹先生の『中国原論』でその“特異さ”はある程度予習したつもりだったが、実際見て体験した国はまさに驚きの連続だった。
本書は3人の社会学者の鼎談で、中国なるものの原理、日中の近代化の近代社会学的な考察、日中の歴史問題、そして今後日本が取るべき針路などについて語っている。
国家や国民と行った欧米のフレームにはおさまらない国、カリスマ毛沢東は現代の皇帝、「改革開放こそ文革の最終的な仕上げ」などなど、「おどろき」の理由がだいぶ明らかになった。
歴史問題も含め、「日本は米中関係の付随物にすぎない(p339)」ことを認識し(ちょっと残念だが)、覇権をうかがう中国をしっかり理解することが今の日本人の務めだと思った。 -
だれが決めたの?社会の不思議
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
あたりまえながら、日本は、江戸時代、明治維新、明治憲法、昭和憲法と、いろいろな政治体制の変革を通じて、現在民主主義の体制をとっているが、国民が王様とかを倒して、その代表からなる議会に法律を定めさせて、残った王様なり、その代わりの大統領や首相を縛るという意識がない。
なんとなく、アメリカがもってきた議院内閣制と現行憲法そして、日米安保条約をうけいれざるをえず、それが長続きしているから、別に法律など官僚が勝手につくって勝手に運用しているとうい意識になる。
それを利用して、官僚とか行政府側の政治家が脱法的な行為を平気でやる、こういう構造なのがよくわかった。別に先生はそこに重点をいれているわけではないが。
先生は、民主主義の蘇生にリアリズムが必要とされ、そのリアリズムのための3条件。これもあたりまえだが、大事。
(1)科学の精神といってもいいが、因果関係が明確なものは素直に認める。
(2)自分の主観を相対化する。
(3)専門家に任せることと、それと同時に言論の自由を確保する。(p151)
主義主張もはっきりしているが、きちんと、感覚的な日本人論になることなく、きちんと日本人の意識のかけているところを指摘しつつ、具体の対策も提案しているところがいい。 -
だれが決めたの?社会の不思議
- カート
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試し読み
Posted by ブクログ
学部の時から、橋爪先生の授業は結構好きだった。橋爪先生が書いているから、という理由だけで読み始めたのだけど、予想以上に良い内容だった。
小学生だけでなく、中高生が読んでも十分価値があると思うし、大人も子どもに聞かれて答えられない質問というのは多いので、その回答例として非常に優れているように思う。
第五章「大人はずるい?」にあった、「みなさんも子どもをやるのは初めてだと思うけど、親も親をやるのは初めてだからね」みたいな、なだめ方はうまいなぁと思った。
その他、宗教学者らしく「神さまは本当にいるのか?」という問に対する回答なども勉強になる。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
世界のあらゆるふるまいを説明しつくそうとしたヴィトゲンシュタインの言語ゲーム論は、いかに生まれ、どんな思想なのか?
きわめて平易で刺激的な哲学入門。
[ 目次 ]
第1章 ヴィトゲンシュタインのウィーン
第2章 数学の基礎
第3章 ケンブリッジの日々
第4章 『論理哲学論考』
第5章 放浪の果てに
第6章 言語ゲーム
第7章 ルール懐疑主義
第8章 1次ルールと2次ルール
第9章 覚りの言語ゲーム
第10章 本居宣長の言語ゲーム
第11章 これからの言語ゲーム
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]