橋爪大三郎のレビュー一覧
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日本を見つめ直せる
キリスト教を中心に世界の宗教の根本が、簡単にさらっとわかります。
対談形式なので、気になることが質問されていたりで、とても読みやすい。
文化のベースとなっている宗教的な対外比較で、日本の独自性を再認識できる。
当たり前に理解している気になっていることが言語化された形で、改めて海外との違いの根本に気付けるナイスな新書です。 -
Posted by ブクログ
タイトルだけを見たとき、古代の四大文明が、それぞれ現代にどのような影響を与えているのか、という教養の新書だと思っていましたが、いい意味で違っていました。宗教をベースに、文明を4つに分け、それぞれの成り立ちなどを振り返りつつ、日本はその文明には数えられない問題があること、それを克服する方法は存在することを、著者の独自の視点で解説しています。文明のベースを宗教ととらえている点は、日本人には理解しにくい点もあるわけですが、非常に分かりやすく述べています。それぞれの文明を理解して上で、日本の特殊性を考えなおすという、著者が冒頭に述べていますが、これまでとは違う見方で、非常に興味が湧く内容でした。
▼世界には4つの文明が存在する
-宗教がもとになって形成された
①ヨーロッパ・キリスト教文明
・ヨーロッパを中心に新大陸にも拡がる
・いちばん人数が多い。25億人
・ここ500年、人類をリードしている有力なグループ
・キリスト教をベース
②イスラム文明
・中東を中心。中央アジア、アフリカの北半分、インドの両脇、東南アジア(マレーシア、インドネシア)にも拡がる
・15億人
・イスラム教をベース
③インドのヒンドゥー文明
・10億人
・ヒンドゥー教をベース
④中国の儒教文明
・13億人
・儒教をベース
▼残りの10億人は、無視してもいい少数者。4つの次のグループは仏教かもしれないが、数億人。
▼文明とは、多様性を統合し、大きな人類共存のまとまりをつくり出すもの
-文明の特徴
・文字を持つこと
・法律や社会制度が整っていること
・帝国のような政治的まとまりや、教会のような宗教的まとまりをもっていること
・暦や生産技術や軍事力や経済活動や貨幣や交通などの社会インフラ等を備えていること
-共通点がある反面、内部に多様性を抱えている
-文化は、民族や言語など、自然にできた人びとの共通性に基づいている。それに対し、文明は、多くの文化を束ねる共通項を、人為的に設定すること
▼世界の四大文明は、どれも宗教をベースにしているのか
・宗教が、個別の言語や文化を超える、普遍的な内容のものだから
・『宗教とは、人びとが、同じように考え、同じように行動するための、装置である』
▼日本人は、トップリーダーや上司が、有能であることを嫌う傾向がある。なぜなら、自分の活動がそのぶん制限されるから。日本人は、この組織は自分のがんばりでもっている、と考えたがる傾向がある。これは、日本人が勤勉で、モラルが高いというメリットに通じると同時に、組織全体の意思決定が薄弱で、迷走しがちである、という欠点にも通じる
▼文人官僚も宦官もいない、日本が、世界的にみて例外だと思ったほうがいい
▼多様性を抱えているがゆえに、普遍性を強調する、これが文明
▼日本人は、目に見える多様性が、日本のなかにあるのを認めたいと思っていない。裏を返すと、日本が普遍的な価値をそなえていて、世界にそれを認めさせるべきであると、考えていない。文明として行動していない。日本はやはり、文明ではなく、文化である。そして、外の世界から、異聞たちに必要なものを取り入れることだけに、今も熱心である
▼キリスト教では、最後の審判のとき、人間は一人ひとりGodの前に立って、自分の罪について、説明しなければならない。こういう前提でものを考えるので、人間がなにか決めるときに、説明責任が果たせるように、文書を残しておく
▼日本人のつくる組織は、暗黙のうちに、日本人だけがいることを前提にしている。そして誰もが、だいたい同じように考え、行動することを前提としている。その期待が、空気をうみ出している。異質で予想のつかない他者を、受け入れる余地がない
▼最初から、多様で異質な人びとを排除することを習慣にしたわけではなく、共存する知恵と文化が、日本の伝統にもそなわっていた。
▼荘園制が崩れ、地頭を追い出し、ムラの結束が固まる室町時代から、農民の自治能力が高まった。勤勉に働き、助け合い、自分勝手な行動をとらない。同質な人びとが共同体をかたちづくる。近世から近代に続く、日本の組織の原型ができてきた。
▼対等で同質なメンバーが、コンセンサスを重視して社会を運営するのは、ムラのサイズならちょうどよいが、広い範囲の場合、武力(武士団→軍部→アメリカ)が必要になった
▼こう考えると、同質な人びとで組織や社会が成り立っていると考えるムラ社会の流儀は、ごく最近の習慣ではないか。そうであれば、グローバル世界に飛躍するため、日本の企業の仕組みと文化を、変化させることができる。それは日本の伝統にも反しないはずである。
<目次>
第1章 世界は四大文明でできている
第2章 一神教の世界―ヨーロッパ・キリスト教文明と、イスラム文明
第3章 ヒンドゥー文明
第4章 中国・儒教文明
第5章 日本と四大文明と -
Posted by ブクログ
ネタバレ【読んだきっかけ】
ハヤカワ五味さんが面白い!とツイートされていて気になったので。「眠れなくなる」ほどの本ってどんなん?と気になったのもありすぐに手に取りました。
【感想】
中高生むけの本らしいのですが、深く考えたことがなかったり知らないことも多くあったりして、自分の無知さを痛感しました。
戦争、経済、家族、性、幸福など、社会のことがらについて、著者である橋爪さんの言葉で分かりやすく説明してくれています。話し言葉なので、読解力に乏しい私でもすいすい読むことができました。
普段なにげなく「日本は戦争がなくて安心だね」「いつか幸せになりたいな〜」なんて言葉を発したり耳にしますが、そもそも戦争とは?幸せ(幸福)とは?と、物事についてもう少し追求したくなったときにおすすめの本です。
ただ、忘れられなくなるほど強く印象に残ったものはありませんでした。私、社会学にそんなに興味がなかったのかも?という気づきもありました。 -
Posted by ブクログ
「読書」そのものに対する姿勢を学べた。
▫️心に残った一文
「本を読む時には、本は間違っているかも、という前提で読まなければならない」
自分にとって薄れがちな視点だったのではっとさせられた。
▫️重要部引用
・本を読むのは、頭の栄養
・教養は、人々がよりよく生きることを支援するもの
・知そのものが目的になりうる
・書き手がどんな手立てを尽くして、この本を書いたのかを楽しみながら読む段階がある
・一人一人の人生は、キャンバスに絵を書いていくようなもの
・その書きかけのプロセス、できかけのプロセスがその都度の完成でもある
・自分の人生はありがちなことの繰り返しだが、そのパターンの見事なところを学んでいれば、自分独自のユニークなところを見つけて、味わうことが出来る
・言葉を学ぶことで自分の考え方を広げ、自分独自の世界を広げることが出来る
・この時代、この場所に、こんな風に生まれたという自分の特徴を持って生まれたということに折り合いをつけて、そのことに意味を見つけていくことが大事じゃない?それをどこまで深くできるか、が生きること
・生きる能力を高めるためには、似たようなことを過去にやった誰かの経験を参照するのがいい。そのために本を読む。
・ネットワークの節目にある本を読めばいい
・批判するのは関心があるから。読むに値する、と考える
・文学は、人間についてのリテラシーが高まる
・歴史は、現代社会の隠れた前提。この社会の意味を深めるために必要。
・教養(本を読んだ経験)は、自分の人生の主人公として、生きていくのを支援する
└意思決定をサポートする
・世の中に色んな考え方があるのはいろんな前提(ものの見方、価値観)があるから。相手が自分と違った考え方をしていたら、相手の前提を丁寧にチェックする。
・自分の考えの前提もチェックする
・情報から、価値を学ぶことは出来ない
・価値は、自分が生きていくのに、何かを選び、何かを捨てる選択のこと。
・人間と付き合っていくように、本と付き合う。
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