橋爪大三郎のレビュー一覧
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文芸批評家で哲学者の竹田青嗣と、社会学者の橋爪大三郎が、社会や文化、国家などの問題についてそれぞれの考えを語りあった対談を収録しています。
竹田は、フッサール現象学を独自のエロス論に読み替えた「欲望論」の提唱者として知られていますが、さらにヘーゲルの社会哲学と接続することで、市民社会的な自由にもとづく思想を構築しています。一方の橋爪は、ウィトゲンシュタインの言語ゲームのアイディアをたくみに取り入れた「言語派社会学」の立場を標榜しています。両者はともに、ポストモダン思想の一部に見られるような、社会についてのニヒリスティックな態度に批判的であり、人びとがよりよい社会のありようへと向かって進んでい -
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丸山眞男の『日本政治思想史研究』と「闇斎学と闇斎学派」の内容について批判的検討をくわえるとともに、山本七平の『現人神の創作者たち』と対比することで、丸山の残した問題を超えて議論を前へと進めていくための道筋を示そうとする試みです。
著者は、丸山が『日本政治思想史研究』において、荻生徂徠の「作為」の思想に「近代」の萌芽を見いだそうとしたことに触れて、とくに「自然」の概念に関して丸山の議論に混乱があったことを指摘します。また「闇斎学と闇斎学派」では、丸山が埼門学派の「リゴリズム」に両義的な評価を与えていることについても検討をおこない、リゴリズムの背景をなしているものが何であったのかを明らかにしてい -
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西洋文化の理解につながる聖書の基礎について、旧約から3本、新約から3本紹介されている。元々6回の聖書を読む講座で話した内容を基にしているため、対話形式になっていて読みやすい。
矛盾の部分について、複数のテキスト、資料が編集される過程で起きたという説明が納得できた。
「申命記」は物語としてはあまり面白いものではなさそうだが当時の生活や考え方がわかった。
「マルコ福音書」はイエスの問答についてもわかりやすく、第一の掟についても問答と旧約と新約の関係、新約によって旧約がどうやって更新されたのか、腑に落ちた。
「ローマ人への手紙」「ヨハネ黙示録」は元々実際には読んだことのなかった部分なためか、この章を -
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エズラ・F・フォーゲルはハーバード大学に籍を置いていた中国研究・日本研究の社会学者。「現代中国の父・鄧小平」の中国語版は100万部を超えて売上げられている。その内容をかいつまんだのが本書。
鄧小平は実務で実績を残し毛沢東の信頼を得た。権力闘争の過程で途中数度の失脚を味わうも能力を評価され、一時を経るとまた中央に戻される。
毛沢東が死去した後、文化大革命と決別し今の中国の発展の礎となる70年代後半から始まる改革開放をリードする。これは毛沢東の政策の否定とも言える。改革開放のひずみで不満を抱えた学生が蜂起したのが天安門事件。これを強制的に封じ込める。その後はそのような反発が中国では起きてない。
四 -
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哲学とか歴史とか、個別的、特殊的な細部に関心を持ち続けてきたが、人間に特段関心を持っていることに気づいてしばらく、社会学という言葉にピンときた。自分の向きはこちらにありそうだ。
本書は中高生向けに書かれているらしい。あとがきを読み、中高生を読者と想定している一文を読み笑った。くそ真面目に呼んだ自分が滑稽。道理で平たい表現ばかりだった。しかし内容が下らないかというと、全く読ませるだけのものはではあった。
つまるところ社会学とは何か、と言葉にできないところが社会学なのかもしれない。個別的な人間の意志とか願いとか行動から浮いた社会の原則がある。あるというか現れてくる。それを微に入り細に入り科学し -
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この書名の「元気な」は「日本」ではなく「論」にかかる言葉。日本史の18の質問を社会学的観点から語り合う。まずはなぜ日本は土器が発展したのか?から。なぜ日本で大きな古墳が発達したのか。なぜ日本は貴族階級、そして武士階級が生まれたのか、天皇を超える存在になろうとした信長を象徴する安土城など、興味深い根源から考えさせてくれるテーマが多い。貴族の代表格でもある藤原氏は爵位を継承していたわけではない、その権力の根源がどこにあったのか。武士の存在は日本にしかない!などは全く考えたこともなかったが、実にスッキリとした感じ!幕府と天皇の関係を巡る微妙な力関係が、北条義時の承久の乱の戦後処理、後醍醐天皇の失敗な
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ネタバレ■読んだきっかけ
・中国出張するにあたり、行く土地の歴史・地理・文化・国民性を知っておきたかったから。
・ニュースや人の話で聞く、中国の悪いイメージ(自己中心的・反日)は、あくまで日本側の視点なので、中国側の視点も知りたかった。
■本の内容
・社会学者3人による、「中国」についての鼎談であり、どちらかと言うと親中で中国に詳しい橋爪氏が、他二人の疑問点(以下のようなこと)に答えていくかたち。
・中国のような大きな帝国が、二千二百年も前(秦の時代)にできたのは、どうしてなのか。いかにして、帝国としての統一性を実現し、維持することができたのか。
・中国人=アグレッシブで自己中心的なため、統一国家に不