橋爪大三郎のレビュー一覧
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そもそもアメリカは、プロテスタントであるピューリタンがメイフラワー号に乗って、理想の国の建設を目的として米国はマサチューセッツ州プリマスに到着し、メイフラワー契約に基づき建国された、という前提から出発し、その歴史の中でキリスト教がどのように変遷、分派し、人々の心性に影響を与えていったかが、社会学者である二人の対話の中で語られていきます。
アメリカ独自の宗派、教会として、長老派(プレスビテリアン)、会衆派(コングリゲーショナル)、メソジスト、クウェーカー、バプテスト、ユニタリアン、ユニバーサリスト、アドベンチスト、モルモン教、クリスチャン・サイエンス、エホバの証人、などが紹介されていますが、日 -
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動機が不純です。
まず、ビジネスエリートなら当然知っておくべき基本知識という内容だそうですが、こうした内容をありがたがって聞いてくれる相手が本当にいるのか、さらに基本知識と言うならなおさらこんな話を唐突にし始めたところで「何を今さら」と冷たい目で見られるか、単に知識をひけらかしているように見られるのが落ちです。
もちろん、知識として知っておくのはいいことですが、ビジネス上のタブーと言われる話題が、宗教や支持政党などだとわかっていれば、危ない話題の選択になりかねません。
執筆目的やタイトルはダザイですが、内容は充実していますので一読をお勧めします。 -
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文芸批評家で哲学者の竹田青嗣と、社会学者の橋爪大三郎が、社会や文化、国家などの問題についてそれぞれの考えを語りあった対談を収録しています。
竹田は、フッサール現象学を独自のエロス論に読み替えた「欲望論」の提唱者として知られていますが、さらにヘーゲルの社会哲学と接続することで、市民社会的な自由にもとづく思想を構築しています。一方の橋爪は、ウィトゲンシュタインの言語ゲームのアイディアをたくみに取り入れた「言語派社会学」の立場を標榜しています。両者はともに、ポストモダン思想の一部に見られるような、社会についてのニヒリスティックな態度に批判的であり、人びとがよりよい社会のありようへと向かって進んでい -
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丸山眞男の『日本政治思想史研究』と「闇斎学と闇斎学派」の内容について批判的検討をくわえるとともに、山本七平の『現人神の創作者たち』と対比することで、丸山の残した問題を超えて議論を前へと進めていくための道筋を示そうとする試みです。
著者は、丸山が『日本政治思想史研究』において、荻生徂徠の「作為」の思想に「近代」の萌芽を見いだそうとしたことに触れて、とくに「自然」の概念に関して丸山の議論に混乱があったことを指摘します。また「闇斎学と闇斎学派」では、丸山が埼門学派の「リゴリズム」に両義的な評価を与えていることについても検討をおこない、リゴリズムの背景をなしているものが何であったのかを明らかにしてい -
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西洋文化の理解につながる聖書の基礎について、旧約から3本、新約から3本紹介されている。元々6回の聖書を読む講座で話した内容を基にしているため、対話形式になっていて読みやすい。
矛盾の部分について、複数のテキスト、資料が編集される過程で起きたという説明が納得できた。
「申命記」は物語としてはあまり面白いものではなさそうだが当時の生活や考え方がわかった。
「マルコ福音書」はイエスの問答についてもわかりやすく、第一の掟についても問答と旧約と新約の関係、新約によって旧約がどうやって更新されたのか、腑に落ちた。
「ローマ人への手紙」「ヨハネ黙示録」は元々実際には読んだことのなかった部分なためか、この章を -
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エズラ・F・フォーゲルはハーバード大学に籍を置いていた中国研究・日本研究の社会学者。「現代中国の父・鄧小平」の中国語版は100万部を超えて売上げられている。その内容をかいつまんだのが本書。
鄧小平は実務で実績を残し毛沢東の信頼を得た。権力闘争の過程で途中数度の失脚を味わうも能力を評価され、一時を経るとまた中央に戻される。
毛沢東が死去した後、文化大革命と決別し今の中国の発展の礎となる70年代後半から始まる改革開放をリードする。これは毛沢東の政策の否定とも言える。改革開放のひずみで不満を抱えた学生が蜂起したのが天安門事件。これを強制的に封じ込める。その後はそのような反発が中国では起きてない。
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