橋爪大三郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ題目通り、教養としては聖書の概要を理解出来た気がします。違う文化で育った人の事を理解するためにはまずその宗教を知る事が大事なんだなと感じました☆
----------------
p37
日本の学校では、自殺がいけないのは、命を粗末にするから、と教えます。一神教は、そういう考え方ではなく、命より大事なものがあると考えます。命は神に、与えられたもの。命か神か、どちらかを選ぶしか無いなら、神を選ぶのが正しい。そうして殺されてしまえば、殉教です。殉教は、価値がある事とされています。
p75
モーセは神に反論してます。抗議しています。神はえらいですけど、理屈があれば、何を言っても良い。「神さま、なんでこうなんですか?」みたいな。これが一神教の考え方です。
p150
いろいろな社会的弱者が居て、その人々の生存を保障するためです。それも、生活保護みたいなやり方では無く、畑や葡萄畑を持っている裕福な人々が、責任を果たしなさい。という考え方なんですね。弱者救済の考え方。古代法で、こういう法律が整っているのは珍しいです。 -
Posted by ブクログ
まず、まえがきを読んで読点が多いなぁという印象。
橋爪さんの癖なのか、声に出すと渡部陽一さんのような語り方に似ているのかな?なんて、そんな雰囲気を感じる文面。
割と断定的に「○○は〜である。」と書き連ねていくから、なんでだろう?と思うところもありながら、ちょこちょこ突っ込みながら読むとさらに幅が広がるかなぁ。
子供になんで勉強するの?と聞かれた時、この本通りの答え方をするならば大人には理解できても、子どもはしっくり来ないかもしれない。だけど、国語、算数、理科、社会それぞれの勉強する意味は橋爪さんの考えに同意する。
教養の師匠の様な方だからこそ断定できる言い方なんだろうなと節々から感じる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本を読むにあたっての、向き合い方を認識させてくれた本。
書いてある文字をただ理解して自分に落とし込むことがとても大変と今まで感じていたが、本は生きていて感情を持っているから、著者が何を伝えたいのか、価値観や思想がどのようなところにあるのかまでイメージしながら読むことにフォーカスしていく必要があることに気付かされた。
「正しい本の読み方」の全てが正しいかどうか、という懐疑心を持ちながら読むことも、本との会話であり著者の伝えたいことなのかなと思った。
きっと入門編で読みやすい本なのだろう、だけどこれまで読書と疎遠だった私にとっては、思想とかギリシャ・ヨーロッパの著者の考え方を理解するのが大変だった。 -
Posted by ブクログ
単にパワースピーチの紹介をしているだけでなく、文化的、政治的背景も丁寧に紹介してくれている。 パワースピーチとは、人を動かすスピーチ。勇気を与えるスピーチのことだ。
日本にパワースピーチが少ないのは、日本と日本語の歴史、そして文化のせいであると筆者は述べる。例えば以下のような事である。
●日本人はスピーチなんかしたがらない。嫌い。黙って実行する人間の方が評価されてきた。
●決まりきった用語やフレーズを使ってスピーチする日本企業のリーダーや官公庁の文章が多い。(整備文体という)
●整備文体を使うと、一般聴衆や国民を煙に巻くことができるし追求されなくてすむ。etc.
筆者はスピーチをするという文化やパワースピーチができるリーダーが日本国内で育って欲しいと願っている。そこで、世界のパワースピーチを紹介してくれている。クオモNY州知事。メルケル首相。チャーチルなどだ。
クオモのスピーチは確かに素晴らしいだろうが、コロナであんなに死人を出してもスピーチさえ上手ければ支持率が高いのかと興醒めしてしまうのは、筆者がいうように日本人らしい考え方なのだろうか。
チャーチルの演説も確かに素晴らしい。しかし、彼の敵であるヒトラーも演説が上手かったのだ。筆者は270ページで「現実があって、それを言葉でのべる、のではない。言葉でのべるから、そこに現実がそうしたものとして現れる。言葉が現実を、つくりだすのである。」とパワースピーチの素晴らしさを説く。しかし政治闘争で勝ち残った独裁者は、軒並みスピーチがうまい。スピーチによって現実がつくり出されるなどということは、一般庶民にとって迷惑千万である。ならば、一般庶民にとって必要なことは、パワースピーチができるようになることではなく、パワースピーチに騙されないようにすることではないだろうか。なぁんて考えるのは、筆者がいうように日本人らしい考え方なのだろうか。
-
Posted by ブクログ
序盤は中国社会、中盤は日本との関係、終盤は将来についてが書かれている。
序盤では、宗教観についてが印象に残った。
儒教が伝統的に強いというのは知っていたが、それが権力者が統治するのに都合が良く、科挙を突破できるようなエリート向けなのに対して、イマイチどういったものか掴めなかった道教が、科挙を突破できなかったような敗者を救うもので、「裏儒教」といっていたのは今後、道教を理解するきっかけになるものと感じた。
中盤の日本との関係では、第二次世界大戦付近の話が中心だった。
例え話も含めて分かりやすかったが、耳が痛い話が多かったので、読むのが辛かった。
納得する話ではあった。 -
Posted by ブクログ
「都市伝説」は本当か。世界最古で、最大の友愛組織、フリーメイソン。その「謎」を理解すれば、世界がわかる。■いつできたのですか。■どんな儀礼をしますか。■宗教団体なのですか。■陰謀集団なのですか。■日本人は入れますか。■なぜアメリカに、多いのですか。23のQ&Aで解き明かす、入門書にして決定版。
イギリス好きで以前から気になっていたフリーメイソン。その成り立ちや目的が簡潔に書かれているので入門書にはちょうどいい感じ。ただかなり閉ざされた組織なのは間違いないので、実際今はどんな活動をしているのか、会合では何を話すのか気になる点は多い。もう一歩突っ込んだ中身が知りたい。いろんな本からの抜粋がとても多く、まとまってはいるけどこの著者自身が専門家というわけでもないのだなという印象を受けた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2020/01/19-2020/01/30
前回読んだ本に、正しい本の読み方はないと書かれていた時に、このタイトルを見かけた。
読点が多いなというのが第一印象だった。読点の多い人には近づいちゃいけないと、ネットでは言われる。しかし、読み進めていくうちに、著者が語りかけているような感じがしてきた。
素直に読む、というのが印象に残った。1箇所、素直に読めなかった所があったが、そこは理解するのに時間が掛かった。
著者の背景として、学者だというのが滲み出ていた。
教育論について語る部分も多い。
割とハウツー本ではない。読書術の記載もあるが、私には真似できないと感じた。
著者が何を思って本を書いているか、という話の方が、よっぽど多い。大量の本を読んでようやく見えて来る思いもあるとのこと。そこまで読み取るのを目指すのは今の段階では無理だが、そのうち見えて来るかもしれない。 -
だれが決めたの?社会の不思議
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
ネタバレ21世紀になって20年が経ったけれど、タケコプターもどこでもドアーも生まれなかった。インターネットは発達したが、生活は思ったほどには変わらず、ドラえもんの時代にあった未来に対する熱はすっかり冷めてしまった。いまや日本の未来は暗く貧しいものでしかない。
ここで橋爪大三郎が日本再生に向けて提案するのは、「ダブル都市」「百年マンション」「太陽熱発電」「どこでもトーク」「無人自動車」「潜水商船隊」「新食糧」「日本逆植民地計画」の8本。最初の3本くらいまでは、政策としてもそれなりに議論されたものだが、ちょいちょいドラえもんが思い返された。ポテンシャルとしては可能なのに、思ったほどには実現されていない。
どこでもトークって、要するにほんやくこんにゃくで、今はディクテーション機能も翻訳機能もかなり高度になっているので、作ろうと思えばやれないことはない。無人自動車だってもう技術的には可能だろう。ドラえもんの時代にはそれらの技術が未来の日常生活を激変させているだろう、と考えられていたが、現実にはそういう方向に動いていない。
飛行機だって、コンコルドが発展し、NY-パリが1時間、とかそんな風になれば、もうこれはほとんどどこでもドアなわけだが、現実には低コストでの大量輸送という方向に行った。
でも生活はそんなに変わっていないようで、平均寿命も凄く伸びたし、週休二日は定着したし、人々のコミュニケーションはずっと幅広いものになったし、多様な情報があっという間に広がるようになった。半世紀前と比べても、ずっと暮らしやすくはなっている。
本書の提言はどれも重要なものばかりだが、未来の危機に向けて人々の意識を変え、実現にまでもっていく政治の貧困ということが、一番大きい問題のような気がする。 -
Posted by ブクログ
小林秀雄の晩年の代表作である『本居宣長』を読み解き、さらに宣長の『古事記伝』がじっさいにはなにを問題としていたのかを明らかにすることで、小林がなにをめざしたのかということを考察し、さらにその限界を指摘しています。
前半は、小林の『本居宣長』から数多くの引用をおこない、小林自身に語らせるというスタイルをとっています。もちろん思想史的事実についての解説はくわえられているのですが、著者自身が小林の議論のスタイルに大きな不満をもっており、小林の問題意識を内側からとらえることを避けているために、このような議論のしかたがえらばれたのではないかという気がします。
後半は、宣長の『古事記伝』についての解説にあてられていますが、ところどころで著者自身の「言語派社会学」の立場に引き寄せるようなしかたで説明がなされています。そこで著者は、宣長が『古事記』のテクストから「漢心」を引き算することで「古言」にせまるという実証的な方法論にもとづいて『古事記』の思想を読み解いていると論じるとともに、こうした方法論が宣長におけ合理主義とナショナリズムの同居を可能にしていると主張します。
ただ、著者の宣長解釈からみちびかれるべき結論は、宣長の「古言」がまさしく上述のような方法論によって「つくられた」ものであるということでしかないように思われます。これは、たとえば子安宣邦の宣長批判とかさなるような論点のはずなのですが、この点について著者は立ち入った議論を展開しておらず、すこし不満をおぼえました。 -
Posted by ブクログ
そもそもアメリカは、プロテスタントであるピューリタンがメイフラワー号に乗って、理想の国の建設を目的として米国はマサチューセッツ州プリマスに到着し、メイフラワー契約に基づき建国された、という前提から出発し、その歴史の中でキリスト教がどのように変遷、分派し、人々の心性に影響を与えていったかが、社会学者である二人の対話の中で語られていきます。
アメリカ独自の宗派、教会として、長老派(プレスビテリアン)、会衆派(コングリゲーショナル)、メソジスト、クウェーカー、バプテスト、ユニタリアン、ユニバーサリスト、アドベンチスト、モルモン教、クリスチャン・サイエンス、エホバの証人、などが紹介されていますが、日本ではあまりこうした宗派の違いになじみがないように思います。理神論(神を信ずるも、自然科学を肯定する)を提唱するフリーメーソンの果たした役割にも触れられていました。
聖書の言葉を神の言葉として重視する福音派が、トランプの支持地域である中西部に多い、という点は初めて知りました。
アメリカ、という主題から遡って、近代的啓蒙主義にも触れられていますが、デカルト(演繹法)とベーコン(帰納法)の対比は、アメリカという主題とは別に、演繹のフランス哲学と帰納の英国哲学、という観点から興味深かったです。
また、アメリカで発展を遂げたプラグマティズム哲学の提唱するアブダクションというアプローチが、アメリカの発明、起業といった個人の達成に対する考え方を裏打ちしているのではないかと言います。そこに予定説(神の救済はあらかじめ決定されている)の側面から、神が「見えざる手」を通して資本主義市場を支配している、という考え方も加わり、アメリカの資本主義を称揚するメンタリティーが醸成されているのでは、ないかと。
アメリカでソーシャリズムが嫌われるのは、自分の主体性を他人に預けることを良しとしない個人主義的考え方が根底にあり、それはカルヴァン派の考え方に近いと語られています。学者の研究では、再配分率が高いのはルター派、逆に低いのはカルヴァン派の地域で、カトリックがその中間という結果であったようです。
アメリカ人の精神の底流にこうしたキリスト教やプラグマティズム哲学があることは、なかなか読む機会がなく、大変興味深い一冊でした。