橋爪大三郎のレビュー一覧

  • おどろきの中国

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    著名な社会学者達の対談だけあって視点が多岐に渡っていて面白い。

    人類史の中で、他の文明とか他の文化の真似や影響なしで独自に文字をつくったところは4つしかない。メソポタミア、エジプト、マヤ、中国。
    頭の中が漢字でフォーマットされた中国人が日本を理解することは難しいという指摘は興味深い。
    また一方で、日本には行動規範となるテキストが存在しない。イスラムのコーラン、インドのヴェーダ聖典、中国の経典。特に戦後の日本は何をよりどころにしてきたかといえば米国であろう。パックス・アメリカーナの中で平和を享受してきたわけだ。

    経済の視点では、西側陣営で起きている資本主義の社会主義化と中国に代表される社会主

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    2015年07月29日
  • おどろきの中国

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     3人の社会学者が、中国について話し合うという本。前半は中国、中国人に関する基本的な謎について。なぜ中国人は、日本人から見ると自己主張の強い人たちに見えるのか、中国人にとっての宗教とは何か、そもそもなぜ広大な地域が国としてまとまっているのか、といった問題や、共産党と毛沢東についての話。後半は中国の歴史問題に関する認識の捉え方と日中関係のあり方を論じている。
     今回の3人のうちの2人が参加している『ふしぎなキリスト教』がとても面白かったという記憶があって、中国についてはまともに知らないけど、読んでみた。とても面白いけど、難しかった。まず中国の歴史、特に戦時の日中関係や日本の行動について、おれはあ

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    2015年05月24日
  • 教養としての聖書

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    カトリック系の学校にいたこともあるにも関わらず、まじめにキリスト教の勉強をしなかったため、ひいひいいいながら本書を読んだ。分かったような分かんないような感じで読み終えたけど、あとがきの”聖書のメカニズム”を読んだら、何だかスッキリ。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が生まれた理由が腑に落ちた。

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    2015年05月06日
  • 人間にとって法とは何か

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    社会学の立場から「法」の基礎をわかりやすく解説している本です。

    とはいうものの、いわゆるポストモダン法学が問題にしているような、法の基礎についての考察を展開することが、本書のもくろみではありません。本書の議論の枠組みになっているのは、ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」の発想を借りつつ、著者自身の「言語的社会学」の観点から解釈された、アメリカの法哲学者ハートの法哲学の理解であるといってよいと思います。もっとも、こうした論点について掘り下げた説明はなく、むしろそうした議論の枠組みを前提に、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教の宗教が、近代法の形成にそれぞれどのような関係をもってきたのか

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    2018年01月28日
  • アメリカの行動原理

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    アメリカがどのような行動原理に基づいているのか、その歴史的背景と今後の展望について、分かりやすく解説しています。

    アメリカでは、個人の自由を束縛するような中間集団の力が弱く、個人がそのつど合目的的なアソシエーションを組むことになります。そうしたアメリカの全体を束ねるのは国家しかありえないというのが、著者の示すアメリカの社会像です。また、旧大陸からの伝統を拒否して厳格な個人主義を掲げるアメリカの性格が、ピューリタニズムと深い関わりを持っていることが説明されます。

    さらに、トクヴィルをはじめ、パーソンズ、サムエルソン、リースマン、サリンジャーといった人びとの言葉を紹介しつつ、個人主義とピューリ

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    2015年02月24日
  • 面白くて眠れなくなる社会学

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    社会学の入門書ということで書かれているんやろうけど、けっきょく社会学っていう学問がどういうやり方でものごとを突き詰めていくのか、ということはわからなかった。それが知りたかったのだけどもなぁ。ほかの本では、当たり前を疑う学問というふうに書いてあったように思うけど。んー、なんかなぁ、まだまだ社会学とは、と聞かれたら、よくわからないというかんじ。

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    2015年02月20日
  • 面白くて眠れなくなる社会学

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    社会学の本当に基本的なことを分かりやすく説明している本。話し言葉で書かれているので、講義を聞いているような感覚で読めた。

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    2015年02月01日
  • 世界がわかる宗教社会学入門

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    要再読。

    ある程度勉強したとこは頭に入ってくるんだけど、全然知らないとこはまず単語からして?ッてなる。
    そういう意味では、ある程度基礎ができてる人向け。

    あと最初のガイダンスが素晴らしい。
    ここだけでも読む価値あると思う。

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    2015年01月10日
  • 面白くて眠れなくなる社会学

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    戦争、憲法、貨幣、家族、結婚、正義、宗教、資本主義、幸福など基本的な命題を平易だが説得力のある解説で説明してくれる。
    若い人あるいは中高校生向けとのことで、自分のレベルの低さを改めて認識するハメとなったが、こういうアプローチを受けていたらも少し真面な大人になれていたかもと悔やまれる。
    巻末のお薦め本もぜひ読んでみたい。

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    2014年12月13日
  • 世界がわかる宗教社会学入門

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    宗教を、深遠な境地への道とみなすのでもなく、怪しげなオカルトとみなすのでもなく、社会の中で宗教がどのような役割を果たしているのかという観点から、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教について、分かりやすく解説しています。

    「文庫版あとがき」に、著者は次のように言います。「本書について、「簡単すぎる」「知っていることが多い」という評を目にする。/それでよいのである。/本文を繰り返し声に出して読んでほしい。そして、まるごと暗記してほしい。そういう目的で書いたのだから」。宗教を敬して遠ざけるのではなく、セキュラーな立場から位置づけ正しく対処するための基礎的な知識を整理した本と言ってよいのではないかと思

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    2014年11月25日
  • 政治の教室

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    社会学者の著者が、若い世代に向けて分かりやすく政治を語り、政治参加することの意義を説明している本です。

    民主主義は、自分たちが選択をおこなうことによって、自分たちの国家を創造することだという考え方です。しかし、日本では明治以降、近代国家の建設に必要な人民の積極性が十分に認められてこなかったため、「これは自分たちの国だ」という認識が国民の間に育たなかったという見方が示され、そうした状況を変えていくことの大切さが語られています。

    民主主義に「死票」など存在しない、という指摘など、改めて考えさせられることも多く、有益でした。

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    2014年09月19日
  • おどろきの中国

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    橋爪大三郎、大澤真幸、宮台真司の3人が、中国をテーマに語り合った本。

    中国という国のあり方は、ヨーロッパの近代国家を基準にして作られた西洋の社会学の枠組みでは説明しきれないところがあるにも関わらず、文化左翼的な立場からの中国論者たちはポストコロニアル批評などの西洋の現代思想を当てはめることで中国を理解しようとしてきました。本書はそうした一方的な中国への共感を戒め、理論社会学についても独自の思想を展開し、中国の実情にも詳しい橋爪を中心にして、理論と現状分析の双面にわたって中国を分析しています。

    日中の歴史問題や、今後の日中関係についての議論も、たいへん興味深く読みました。ただ、座談会形式とい

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    2014年09月13日
  • 世界がわかる宗教社会学入門

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    ちょっと難しいかなあ。。

    辛口コメント、たとえば、「もし日本が儒教国家だったら、万葉集も源氏物語も発禁です」が章の最初によく有る。

    で、ええ、どういうことかなー、とワクワクしながら読むんだけど、その章を、読み終わってもそれに対する答えがモヤモヤしたまま。といことが何度かありました。

    しっかり読み込んで考えないと納得する感じに入ってこない、でした。

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    2014年09月08日
  • 政治の教室

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    政治の本質は何かを決めること。裏を返せば、多くの選択肢を捨てること。決定の仕組みの分類を歴史や宗教と絡めて易しく解説している。

    個人的には良書と思うが政治の知識乏しく、確かな内容か否かは判断できない。もう少し硬めの作品を一冊読もう。

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    2014年04月03日
  • おどろきの中国

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    隣国でもあり分かっているつもりでいるので、積極的に理解しようとしない。実際には知らないことばかり。我々にとって中国とはそんな国なのではないでしょうか。
    三国志は読んだことあるけど、文化大革命についてはよく知らない・・・私もそんな状態でした。

    中華という思想、儒教と文化大革命、国家というよりも共産党の支配、「帮」という集団意識、中台関係、日中関係の歴史などなど
    学者三名の討論を通して多くの事柄が紹介されていきます。

    少し難解なところもありますが、中国関連のニュースに触れた時にこの本の関係箇所を読み返してみたいと思います。

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    2014年03月01日
  • おどろきの中国

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    経済的にも文化的にも大きな関わりを避けられない隣の大国のことを、自分があまりにも知らないので、読みやすそうな本書を買いました。
    政治体制が変わっても中国社会の根底にある人間関係の規範のことが何となくわかったような気がします。

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    2013年10月19日
  • おどろきの中国

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    なかなか。
    三人の中国通対談集。
    中国は本当に国家なのか。毛沢東の間違い。鄧小平について。
    参考になった。
    少々、読み応えが有り過ぎる。

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    2013年09月28日
  • おどろきの中国

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    ネタバレ

    中国は帮(ホウ)の世界だ、三国志の劉備の関羽・張飛の関係だ。 その中に入れば親密で親しいがその外では完全な敵となる

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    2013年09月27日
  • 天皇の戦争責任

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    ネタバレ

    日の丸・君が代から始まった加藤・橋爪の毎日新聞の論争が、司会の竹田を交えた鼎談である本著を生みました。左からの主張ともいうべき国際関係論の加藤は「もし責任があるとすれば、戦後真実を語らなかった責任だとして、家永三郎・井上清・丸山真男ではなく、三島由紀夫こそ、その責任を正しく追及した人だ」と展開する。また、死んだ300万人の日本人たちへの責任はまずアジアで死んだ2000万人への責任に真直ぐに向かうことから始まると。これに対して右からの主張ともいうべき社会学の橋爪はむしろ天皇機関説的な立場から「天皇という場に選択の余地がなく座らされた個人の責任を追及したくない、それは主権者である日本国民としてのプ

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    2013年08月25日
  • はじめての言語ゲーム

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    ネタバレ

    2000年以上にわたり論理学の教科書であり続けるアリストテレスの『オルガノン』p26

    記号論理学
    フレーゲ『概念記法』

    ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』
    「写像理論 picture theory」:世界(出来事の集まり)と言語(命題の集まり)はぴったり一致している。p71

    【『論考』のエッセンス】p74
    ①世界は、分析可能である。
    ②言語も、分析可能である。
    ③世界と言語とは、互いに写像関係にある。(同型対応している)
    ④以上、①〜③のほかは、言表不能=思考不能である。
    「世界は、言語があるようにあり、言語は、世界があるようにある」p88

    マタイによる福音書21章42節
    Jesus

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    2013年08月05日