橋爪大三郎のレビュー一覧
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安倍総理の暗殺事件をきっかけに書かれた本。
カルトに関する簡単な解説が最初にあって、生長の家→日本会議、統一教会について、その思想と教団の変遷を丁寧に解説した上で、それらが政治、特に自民党に入り込んでいったかを分析している。
最後は、政教分離の考え方の基本を確認した上で、日本においてそこがほとんど理解されないことを指摘し、それを改めてろ理解した上で、投票しよう、制度を改革しようという話かな?
生長の家と統一協会については、初めてちゃんとした解説を読んだ気がした。
最後の政教分離のところでは、アメリカにおける政教分離が説明され、それとの比較において、日本の問題が指摘されるわけだが、この辺りはやや疑問が残ったかな?
アメリカ以外の国、例えばヨーロッパであれば、キリスト教民主主義の政党があるし、党名にキリスト教が入った政党がある。国によっては国教があるところもあるわけで、そういうのも含めて、政教分離というのをどう考えるのかはもう少し考えたい。
個人的には、ある宗教の価値観をベースにした政党があること自体は特に悪いことではないかと直感的には思う。問題なのは、宗教のトップが裏で誰に投票すべきかを決定して、それに信者に強く要請すること。そして、これは宗教に限らず、なんらかの組織票的な誰かがどこかで決定したものに、そのまま従うということが問題であると思う。
要するに、誰かが決めたことに個人が何も考えずに従うこと。政教分離というより、そっちの方が重要な気がしている。
あと、カルトについては、なにを持ってカルトとするかは難しいが、なんらかの定語に基づき、それを禁止する、正確には、信教そのものではなく、ある種の活動を法的に禁止することが大事だと思う。これは政教分離の話しとは別の話しと思う。
いずれにせよ、自分で考えて、投票するということの重要性を改めて感じた。 -
Posted by ブクログ
ヴィトゲンシュタインの言語ゲームの入門編の序、的な一冊。学生時代、言葉が先か、モノが先か、という議論で盛り上がったのを思い出した。言葉で世界を表現しているとふだんは思っているけれど、言葉はそうやって世界を映す鏡ではなく、言葉そのものが出来事だ、という考え方は面白い。ことばは「ふるまい」であり、それがもともと確定した意味を持っているわけではなく、言葉を交わす中で一定のルールが見えてくる、という捉え方。
事実と規範を分け、いったん世界は事実でできている、と基礎固めしてみる。その後を自分の頭で考えていくのは難儀だけれど、それが哲学の面白さなのだと思う。もう少し「分かってみたい」と思わせてくれる本。難解なものを平たい言葉と質問に分解してくれていて読みやすかった。 -
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「おどろきの中国」が面白かったので、こちらも読んでいた。
タイトルと内容は、ちょっと違う感じで、内容はウクライナ戦争を真ん中にはさみつつ、中国、ロシア、そしてそれに対する西側の対立の話しかな?
いろいろな話しがあって、もちろんウクライナの話もあるわけだけど、それはほとんどロシアとの関係ででてくるもの。ウクライナ戦争もそれ自体というより、ポスト・ウクライナ戦争について考えるための前提くらいな感じが出てくるところかな。
西側的な資本主義と中国的な資本主義の対立というところに話は進んでいく。それを中立的に、あるいは相対主義的にどっちもどっちとするのではなく、価値判断をしつつ、はっきりと西側?に立とうとする感じ。
と言っても、ある意味、そこまで新しい展開がある感じでもなくて、対談だから仕方ないのか、論旨の繰り返しが多い気もする。
対談自体は、ウクライナ戦争前から始まっているのだけど、ウクライナ戦争が入ってきて、それをとりこむことでちょっと論旨がごちゃごちゃしてしまった印象も。
頭の整理になったが、だからと言って、「次」は思いつかない。自分のなかの問題意識がより明確になったというところかな? -
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Q&Aで構成されている本書を気楽な読み物として手に取ったが、哲学の深みに導く内容であり読み疲れた。社会の成り立ちにつき、深い思考を積み重ねたヴィトゲンシュタインの論説を準えながら、彼が提唱した言語ゲームなる考え方を紐解いていく。例として、ある椅子を見て、イスという言葉が浮かび、それは細かな定義を超越して人々に共通の理解をもたらす。ここに言語ゲームの本質があり、彼は人々の一致したふるまいに帰着させる。この言語ゲームの思考訓練として練習問題が繰り出されるが、そこに何の意味があるのかいい加減飽きたところに、突然現代の問題、国際法に関する理解の問題が提示される。この部分の掘り下げこそが、言語ゲームの重要性として説明を尽くすべきだと、不完全燃焼で読み終える。
ヴィトゲンシュタインは、8人兄弟の末っ子として生まれるが、長兄から三兄が自殺でなくなっている。突き詰める性格の災いなのか、疑問を感じた。 -
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著者が、ネットはまだ発展途上でそこに書かれている情報は基本「ごみ溜め」の情報と言ってしまうと、オッと今現在の教養について語れるのかなと思ってしまう。それだけ「ごみ」情報でも氾濫している中で真実を読み取る嗅覚が身についていることが教養だと思ってしまう。私の尊敬する先輩が本を買ったらまずページを開いてインクの匂いをかぐと言っていたことを懐かしく思い出しながら、でも本の著者もネットに書き込みをしている人も真剣に書いている人は同等数存在すると思う。通信費だけでネットを通じて、世界中に自分の考えを表現できる平等性があること、それが今の可能性であり、将来を開くものだと思う。
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ネタバレ中国は西洋より早くに国として成立したので、西洋的国家概念には当てはまらない。
古代から一貫して支配層は文官。
毛沢東は史上もっともラディカルで、利己主義を徹底した(伝統的な儒教すら破壊しようとした)。
そんな毛沢東を中国人が否定しないのは、伝統的な皇帝システム(天と天子というシステム)の形式が無意識的に残っているから。
日本人は日中戦争が「何であるのか」を意味づけられていないので、いくら誤っても中国側は納得できない。
さらに、日本は戦争当事者世代と現在の世代のあいだの連続性を設定できていないので、過去について謝れない。
日本は米中関係の付属物にすぎず、情勢を正しく分析して最善の選択をし続けなければならない。
中国のリーダーは価値基準や人生の目標、仕事の責任、世界観などを自覚的、意識的に構成している。
日本人は大事なことは集団で決め、組織として行動するから、自分の考えや行動を相手に説明できないし、自分でも納得できない。これでは負けてしまう。
台湾の民主化の裏にはCIAが関与していた。
三人目の宮台真司は専門用語が多くて難解。