【感想・ネタバレ】自分を活かす思想・社会を生きる思想  思考のルールと作法 対論のレビュー

あらすじ

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「哲学って何の役に立つの?」という疑問にわかりやすい言葉で答える。「正しく生きる」より「楽しく生きる」ための哲学入門。

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Posted by ブクログ

文芸批評家で哲学者の竹田青嗣と、社会学者の橋爪大三郎が、社会や文化、国家などの問題についてそれぞれの考えを語りあった対談を収録しています。

竹田は、フッサール現象学を独自のエロス論に読み替えた「欲望論」の提唱者として知られていますが、さらにヘーゲルの社会哲学と接続することで、市民社会的な自由にもとづく思想を構築しています。一方の橋爪は、ウィトゲンシュタインの言語ゲームのアイディアをたくみに取り入れた「言語派社会学」の立場を標榜しています。両者はともに、ポストモダン思想の一部に見られるような、社会についてのニヒリスティックな態度に批判的であり、人びとがよりよい社会のありようへと向かって進んでいくことができると考えている点では、近い立場に立っており、本書においてもそのことが随所で確認されています。

ただし、実存的なエロス原理にもとづいて社会思想を立ち上げる竹田と、ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」に依拠する橋爪では、社会のルールの根底についての考え方に大きな違いがあるのではないかと思えるのですが、本書ではそうした問題について十分に掘り下げられていないように感じました。

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2018年04月21日

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