橋爪大三郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どのように本を読めばいいのか、どのように読む本を選べば良いのか、口語調で読みやすい文章で書かれているため、読みやすくすらすらと入ってくるため、楽しみながら読むことができる。
一方で、ネットや雑誌などの情報がメインの媒体に対しては否定的で、あくまで古典を読むべきだという主張を感じる。ネットなんて軟派なものではなく硬派な古典を読むように諭されているような印象。
古典の大切さは当然ではあるが、一方で情報が支配力を持ってしまっている世界においては、ストーリーや主張を持たない情報を集めるということと、著者の価値観に触れるという読書というものは、別個に考えるべきはないか。 -
Posted by ブクログ
言語ゲームでは、人々はふるまいの解釈で言葉を理解する、としている
そして先駆ける論考で、私の言語の限界が私の世界の限界を意味する、とも語っている
これらに基づくと、世界の枠(構造)を拡げるには、多くの[ふるまい→解釈]に触れる事が必要と考えられる
その手段のひとつに読書もあるだろうが、自身の枠(あたりまえ)を把握していないと、他の枠も把握し得ない
自戒しながら読書に臨もうと思った次第
以前、週刊プレイボーイのグラビア担当編集の方のインタビューでこんな事を言っていた
数多ある写真からグラビアを選んでいると自分の好みの傾向が分かってくる
読者を惹きつけるには直感的な良さが必要だが、自分の好みを理 -
Posted by ブクログ
最近原始仏典を読み始めたのだけれど、なぜか法華経も気になって、積読してたこの新書を引っ張りだした。
話がサクサク進むので、入門向きではないです。あと分厚い。
法華経の内容はざっくり予習でいいけれど、まずは仏教の歴史を一通り頭に入れた上で読んだほうがわかりやすい。
実際にお経の本文から、この部分は当時の仏教がこうだったから~ということや、サンスクリット語の原文をいかに訳すべきかなどが具体的に解説されているので面白い。
「誰でもさとれる!」と言うためだけになぜこんなに長いお経を…?という疑問が、少し解けた気がします。
鳩摩羅什の訳も日蓮の読み方も、法華経の編纂者たちの意図をしっかり汲んでいる -
購入済み
日本を見つめ直せる
キリスト教を中心に世界の宗教の根本が、簡単にさらっとわかります。
対談形式なので、気になることが質問されていたりで、とても読みやすい。
文化のベースとなっている宗教的な対外比較で、日本の独自性を再認識できる。
当たり前に理解している気になっていることが言語化された形で、改めて海外との違いの根本に気付けるナイスな新書です。 -
Posted by ブクログ
タイトルだけを見たとき、古代の四大文明が、それぞれ現代にどのような影響を与えているのか、という教養の新書だと思っていましたが、いい意味で違っていました。宗教をベースに、文明を4つに分け、それぞれの成り立ちなどを振り返りつつ、日本はその文明には数えられない問題があること、それを克服する方法は存在することを、著者の独自の視点で解説しています。文明のベースを宗教ととらえている点は、日本人には理解しにくい点もあるわけですが、非常に分かりやすく述べています。それぞれの文明を理解して上で、日本の特殊性を考えなおすという、著者が冒頭に述べていますが、これまでとは違う見方で、非常に興味が湧く内容でした。