【感想・ネタバレ】だめだし日本語論のレビュー

あらすじ

日本語は、そもそも文字を持たなかった日本人が、いい加減に漢字を使うところから始まった――
成り行き任せ、混沌だらけの日本語の謎に挑みながら、日本人の本質にまで迫る。
あっけに取られるほど手ごわくて、面白い日本語論。

■日本語のできあがり方 鎌倉時代まで
文字を持たなかった日本人
日本語のDNA螺旋構造
外国に説明できない日本史
学問に向かない日本語
日本語は「意味の言葉」ではない
言葉は神から与えられる?
お経を日本語に訳さなかった理由
言葉はまず音であった
音の多様性
ひらがなができた理由
歌があったから日本語がある
話し言葉を文字化する日本、文字化しない朝鮮
男女のコミュニケーションが国家体制の根幹
書きながら成長する紫式部
男は和歌が詠めない
公式には認めない女性とひらがな

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

タイトルにあるほど『だめだし』はされていないが、やはり橋本氏と橋爪氏の日本語に対するスタンスの違いが際立つ対談になっている。どちらが正しいというものでもないだろうが、自分としては橋本氏の『複雑なものは複雑なまま理解すべき』というスタンスの方に共感する。

この対談で何か結論めいたものを期待する向きにとっては期待外れに終わるが、日本語の成り立ちにまつわる雑多な知識、トリビアを学ぶ目的には持ってこいである。大いに楽しめた。特に日本語は音が基本の話し言葉と、漢文をベースにした書き言葉が2重螺旋のように絡み合いながら発展してきたとの解説には目から鱗が落ちた。

それにしても橋本氏は頭の回転が速いだけではなく、歴史や文化、風俗に関する造詣にも深くて(良い意味で)あきれた。

0
2018年05月09日

Posted by ブクログ

 へえー、この二人が出会うんだ。まずもって、そのことに感動。丸谷才一と山崎正和のセットのような取り合わせが、だんだんなくなっていってさみしがっている人にはなかなかいいセットだと思っていたら、橋本治君がなくなってしまった。
 この人とこの人を、という「人物」がまた一人いなくなったことをとてもさみしく思います。
 えっ、内容はどうなのかって?日本という文化の、いわゆる「ダブルスタンダード」をいま語らせるならこの二人でしょ、っていう感じで、炸裂していて、いいたい放題。面白いにきまってますよ。

0
2019年03月19日

「学術・語学」ランキング