【感想・ネタバレ】あぶない中国共産党(小学館新書)のレビュー

あらすじ

習近平の“危険な夢”の正体が明らかに!

習近平体制3期目で権威主義的・覇権主義的性格を強める中国。世界の関心は「米中対立」「台湾侵攻」などに集まっている。

しかし、「中国共産党」の“指導”により世界2位の経済大国となったこの国が、どんな原理原則・価値観に基づき動いているかを知る人は少ない。

毛沢東を凌ぐ“超一強”体制を築いた習近平は、中国を、中国共産党をどこに導くのか。
長年にわたり中国を内側と外側から観察・分析する社会学者・橋爪大三郎氏とジャーナリスト・峯村健司氏が、中国共産党の歴史を裏の裏まで解剖し、その“本質”に迫る異色の対談。

「これは、ファシズム以上の独裁だ」(橋爪氏)
「実態は、世界最大のスパイ組織である」(峯村氏)

序章 なぜ「中国共産党の研究」が必要か
第一章 「毛沢東」の凶暴性
第二章 狂気の文化大革命
第三章 「改革開放」は矛盾のかたまり
第四章 江沢民、胡錦濤、習近平 三代の角逐
第五章 中国共産党の本質とは
第六章 ポスト習近平の中国

(底本 2024年12月発売作品)

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Posted by ブクログ

中国共産党の成り立ちというか、毛沢東がでっち上げたものがどう変化しつつ現存しているかについてよくまとまっている対談であると思う。
とくに、鄧小平に比べて過小評価されている江沢民時代の党の変貌について一目置いているところは新鮮だった。
また、ナンバー2のいない「習近平超一強体制」における習近平に何かあったらどうなるのかリスクについて大きく扱っている。これも良い。
しかし、何よりスゴいのは、ファシズムでさえ、地主と労働者と資本家がいるのに、中国では共産党がすべてを支配していて、地主も労働者も資本家も存在しないという点である。改めてタイプしていてもクラクラする。
また、中国の超監視社会についてはよく知られているが、結局のところ「党が党を監視している」というのは慧眼である。そりゃそうだ。中国には中国共産党しか監視に値する対象が存在しないw

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2025年04月30日

Posted by ブクログ

恥ずかしながら、文化大革命や天安門事件がどういうものだったのかあやふやだったのと、どういう過程を経て習近平の独裁が出来上がったのかを知りたくて、本書を手に取りました。

一気に嚙み砕いて理解するのは難しかったですが、今後、中国のニュースを見聞きしたときに今までより厚みのある理解が出来るのではないかと思いました。

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2025年07月11日

Posted by ブクログ

文化が違いすぎるので、難しい問題やなー汗
しかもキンペーさん一強過ぎて、それが最大のリスクになるってのも、怖い話でもあるね、、、
我が国も対策して欲しいけど、、、

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2025年06月15日

Posted by ブクログ

25歳以上も齢の離れた2人の中国研究者による対談。

手頃な分量で内容も平易だが、中身は濃く、本質を突く。

現在の習近平中国共産党政権が、世界史的にみてもいかに異質な存在か。
例えば、
「資本主義経済を軍事力によって制圧した集団が政府を樹立し、権力を握っている」
「中国共産党は世界最大の裏社会だ」(共産党幹部の発言)
「なぜ中国共産党は権力を持つのか、それは、中国共産党が権力を持つからだ」

共産党統治の正当性を支えた中国独立、経済発展が威力を失い、国力が衰退に向かう中、その正当性の保持は危うい。

習近平政権が台湾統一を目指しているとの観察は遠藤誉氏と同じだが、同氏が武力統一はないとしているのに対し、本書はそれを否定しない。
一方、人民解放軍か戦える軍隊なのかについては、内部腐敗などから疑問を呈する。

毛沢東、周恩来、鄧小平、江沢民、胡耀邦と習近平・習仲勲親子らの関係、評価は概ね遠藤氏と同じ。特に毛沢東、鄧小平に対する思いというか恨みつらみが習近平の治世の原動力となっていることはもっと認識されて良い。

集団指導体制という政権継承の仕掛けを自ら壊し、超一強体制となった現政権崩壊後に来るのは混乱、混沌でしかないのか。

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2025年06月09日

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