あらすじ
統一教会、日本会議…
宗教社会学の第一人者がタガの外れた政教癒着を警告
日本人は、宗教の訓練が足りない
◆内容紹介◆
カルトが日本を、蝕んでいる。
安倍晋三元首相暗殺を機に、統一教会が自民党に喰いこんでいた実態が明らかになった。
だが、病巣はもっと深い。
統一教会以外の宗教勢力も自民党に隠然と影響を与えている。
なぜこんなことになってしまったのか?
原点に立ち戻り、政治と宗教の関係を考え直す必要がある。
政府職員も市民もカルトの正体を見抜く基礎知識を身につけよう。
そして政教分離の原則を改めて体得しよう。
本書は宗教社会学の第一人者がカルト宗教の危険性を説き、民主主義と宗教のあるべき関係について、基本から明快に解説する。
◆識者の評◆
オウム事件や統一教会問題を経験した日本でもっとも必要な知識がここにある。
――有田芳生氏(ジャーナリスト/『改訂新版 統一教会とは何か』著者)
当代随一の泰斗が、
その尋常ならざる「読む力」と「書く力」の双方を注ぎ込んだ本書は、
今後「政治と宗教」の議論に参加する人々にとっての、
ひとつの確かな羅針盤になるに違いない。
――菅野完氏(著述家/『日本会議の研究』著者)
◆目次◆
序 カルト原論
第1部 生長の家から日本会議へ
第2部 統一教会と自由民主党
結 政教分離と民主主義
◆こんな疑問にも答えます◆
Q カルトは、ふつうの宗教とどう違いますか?
Q 仏教にも出家があって、俗世間と離れます。これはカルトではない?
Q カルトはもともとよくない意味なのですか?
Q カルトが、カルトでなくなることもありますか?
Q 仏教も、カルトになるのですか?
Q 神道は、カルトになりますか?
Q 政教分離とは、どういうことなのですか?
などなど
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Posted by ブクログ
安倍総理の暗殺事件をきっかけに書かれた本。
カルトに関する簡単な解説が最初にあって、生長の家→日本会議、統一教会について、その思想と教団の変遷を丁寧に解説した上で、それらが政治、特に自民党に入り込んでいったかを分析している。
最後は、政教分離の考え方の基本を確認した上で、日本においてそこがほとんど理解されないことを指摘し、それを改めてろ理解した上で、投票しよう、制度を改革しようという話かな?
生長の家と統一協会については、初めてちゃんとした解説を読んだ気がした。
最後の政教分離のところでは、アメリカにおける政教分離が説明され、それとの比較において、日本の問題が指摘されるわけだが、この辺りはやや疑問が残ったかな?
アメリカ以外の国、例えばヨーロッパであれば、キリスト教民主主義の政党があるし、党名にキリスト教が入った政党がある。国によっては国教があるところもあるわけで、そういうのも含めて、政教分離というのをどう考えるのかはもう少し考えたい。
個人的には、ある宗教の価値観をベースにした政党があること自体は特に悪いことではないかと直感的には思う。問題なのは、宗教のトップが裏で誰に投票すべきかを決定して、それに信者に強く要請すること。そして、これは宗教に限らず、なんらかの組織票的な誰かがどこかで決定したものに、そのまま従うということが問題であると思う。
要するに、誰かが決めたことに個人が何も考えずに従うこと。政教分離というより、そっちの方が重要な気がしている。
あと、カルトについては、なにを持ってカルトとするかは難しいが、なんらかの定語に基づき、それを禁止する、正確には、信教そのものではなく、ある種の活動を法的に禁止することが大事だと思う。これは政教分離の話しとは別の話しと思う。
いずれにせよ、自分で考えて、投票するということの重要性を改めて感じた。