宮部みゆきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ宮部みゆき、昔から大好きだけど何故かブレイブストーリーは読んだことなくて、大人になった今の時点で初めて読んだ。今読んでよかったなぁと思った。
両親の身勝手な行動のせいで不幸せという状況に陥って、肉親を憎まざるをえなかったり、悲しみを覚えなきゃいけなかった亘。その人を憎いと思う自分自身を受け入れられないという気持ち、その状況を受け入れられないという気持ち、やり直せるならやり直したいという気持ち、すごくよくわかる。
でも、亘が最後に気がついたように、自分の運命を変えることも過去を変えることも人間はできず、ただあるがままを受け入れて、憎しみも悲しみも認めてあげるしかないんだな。いくら過去を変えたとしても、やはり悲しみはこれから先もあるし、でも同じくらいの幸せもあるかもしれず、それは生きてみないとわからない。
中学生、高校生の同じような苦しみをもつ子供たちはこの話に勇気づけられたんだろうな。大人も自分を顧みることができると思う。
読めてよかった。 -
購入済み
バラエティ豊かな物語
本格的な怪談もあり、人がもつ恐ろしさがテーマの話もあり、超常現象のような人智を超えた話もありで、飽きさせない構成になっていると思います。
と思えばおちかさんが不可思議な体験をするなど主人公の物語も進行していったり、そこに語り手の話との関連性があるなど先の展開が気になる内容でした。
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購入済み
緩急にやられます
怖い一辺倒ではなく、空恐ろしいような話や、切ない話だったりバラエティに富んだ内容になっていて飽きることがない。
ぞっとする話だけでなく、人情も感じたいならすごく楽しめると思います。
百物語を通して聞き手のおちかさんの世界が広がっていくのが冒険を進めているようです。 -
Posted by ブクログ
2003年刊行のファンタジー。
文庫化された当時にすぐ買って、その後借りパクされて手元に無くなっていた既読未登録のものを改めて購入し再読しています。
宮部みゆきにとっての2003年は、「時代物ばかり書いていた」スランプを脱し、直木賞受賞から4年、「模倣犯」刊行から2年後。
よく言われる「脂の乗り切った」頃で、この頃に書かれたものが一番楽しめると、個人的にはそう思っています。
試みに「ここではない世界」が舞台の、ゲームの影響を受けていそうなもの作品を拾ってみましょうか。
2001年:ドリームバスター
2003年:ブレイブ・ストーリー
2004年:ICO(イコ) ―霧の城―
2009年:英雄の書
2012年:ここはボツコニアン
2015年:悲嘆の門
初期のころから「龍は眠る」、「震える岩」や「クロスファイア」のようなSFはありましたが、異世界を舞台に冒険が繰り広げられるという、明らかにゲームの影響がみられるようになったのは2001年から。大ファンであることを公言している幻想水滸伝IIIの発売が2002年で、この時に公式サイトで「先行プレイ日記」を書いていたそうですので、いちゲーマー(本人によると「ゲーム女」)から一歩踏み出して、制作側とのつながりができたことが大きかったのかもしれません。
一方で、ゲーム原作となった本作、ゲーム自体のノベライズの「ICO」を経て、しかしその後の「英雄の書」「ここはボツコニアン」は腰砕けでした。いずれも壮大すぎる世界を描き切るには紙幅が全く足りていないのです…。クリアまでのプレイ時間が100時間を超えることも珍しくないゲームの世界に受けたインスピレーションを原稿用紙の上に再現するには、これまでの宮部みゆきにない仕組みが必要なのかもしれません。(それはおそらくラノベのような長大な作品の出版を可能とする仕組みであって、「ここはボツコニアン」なんて最初からラノベでシリーズ化していればあんな打ち切りみたいな終わり方はしなかったのではないかと思うのですが…。)
そんなわけで、宮部みゆきのファンタジーとしては「これが一番面白い」とお勧めできる1冊です。
ドラクエを始祖とする(と言うときっと怒られると思いますが、わかりやすいので例に挙げさせてもらいます)JRPGの王道を踏まえる――例えば、主なプレイヤー層である小学校高学年~中学生が主人公で、剣と魔法の世界を数人のパーティーを組んで冒険し、目的を果たして現世に帰る――一方で、単純な勧善懲悪からは一歩踏み出している――ドラクエで言えばロト3部作を卒業し、ラスボスにも三分の理(…いや、五割くらいはあったかもしれません)があった4を経過して、サブストーリーでいちいち表裏ある人間模様を描いて見せた7を思い浮かべてください――そんなトレンドをきっちり取り入れて見せています。
主人公の三谷亘が異世界に足を踏み入れたきっかけ、そこで迎える結末、いずれもこの時代のJRPGの文法にのっとっており、だからこそ多くのプラットホームでRPGの原作になっているのだと思います。
実際、文庫化の後、児童書・ラノベレーベルからの刊行、コミカライズ、劇場版アニメ化、ニンテンドーDS・PS2・PSPでのゲーム化と多彩なマルチメディア展開がされています。
出版が角川からなのが積極的な展開の一因なのはもちろんでしょうが、作品自体が素直で清々しい読後感のあるジュブナイルであることが特にティーンズ向けに安心してプッシュできる安定感につながっているのだと思えます。
ちなみに、ゲーム化されたものについては、自分はPSPでクリアしています。ゲーム自体はものすごく面白い、わけではありませんでしたが、原作の雰囲気がよく反映された佳作だったと思います。
以下粗筋に触れます。
ネタばれを気にされる方はそっ閉じをお勧めします。
3分冊のうちこの上巻では、主人公の小学5年生、三谷亘がいかにして「幻界(ヴィジョン)」を訪れることになったかが丁寧に描かれます。
ゲームだと疎かにされがちなところで(やりすぎるとドラクエ7のように「なかなか戦闘がなくて退屈」と言われてしまったりします)すが、ここをきちんと描いたものには「グランディア」などの超名作が挙げられます。
いきなり剣と魔法でモンスターと戦う世界に放り込まれても、プレイヤーは(特にRPGに慣れているプレイヤーは)それなりに対応してくれますが、丁寧に描かれた導入部はプレイヤーを上手に釈迦の掌に載せてくれるように思えます。そしてそれはヴィジョンの成り立ちや三谷亘が選び取った結末にとても強い説得力を持たせています。
PS2全盛期、綺羅星のように名作と言われるJRPGが続々と登場し、続編を重ねていたそんな時期と歩調を合わせて書かれたジュブナイル・ファンタジーの名作です。
繰り返しになりますが、すべての人に――主人公と同年齢の小学生にも、ゲームを毛嫌いしがちな大人にも――自信をもってお勧めしたいと思います。
中巻・下巻とペースを乱さず、世界観を崩さず、感動のラストまで走り切る様子を引き続き追体験してこようと思います。 -
購入済み
あやしが落ちていた
静かな夜にしんみり話すような昔話 江戸から郊外まで でも、最後にしっかり落としてくれました。
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Posted by ブクログ
2018年に作家生活30周年を記念して発刊された。
読書感想文の書き直しをさせられていた小学生時代。
働きながら通った夜間の速記学校。
法律事務所の事務員時代。
こうした「デビュー前史」から語られる作家生活30年ロングインタビュー。
単行本未収録の短編作品、エッセイ、対談、書評の数々。
ノンフィクション作家の佐藤優氏との対談では、氏が収監されていた東京拘置所で大人気だったことも明かされる。
そして最後に明かされる意外な事実。
宮部みゆきは〇〇〇〇を持っていなかった--。
それでいてあんなにリアルな描写ができるのか。
文庫本のカバーや、挿絵など、手元に取っておく価値も十分にある。
ミステリーと、時代劇と、映画が大好きな下町の少女の好奇心そのまま。
そして、読む人の心の奥の底の底まで染み渡る文章を書き続ける。
いつまでも、最高の読者であり、最高の創作者でもあり続ける。
読んだ本の背景を探るにも。
まだ読んでいない作品の道しるべとしても。
30年の時を刻んで、宮部ワールドは広がり続ける。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻では、小学生の亘にはあまりにも辛すぎる試練に読んでいても辛くなり、ファンタジーの部分が始まっても現世が気になって仕方ありませんでした。
しかし中巻になるとファンタジーの世界にのめり込み、スケールの大きな大冒険を、映像を想像しながら楽しく読み進めました。
そして下巻になると、仲間の生死に関わる事件が次々と起こり、最初に現世で起こった事なんてちっぽけに感じる程になりました。
自分では世界がひっくり返るような辛い出来事だと思っていても、世の中にはもっともっと辛い事がたくさんあり、それに比べると自分に起こった出来事なんてちっぽけに感じることがあります。
生きていれば、辛いことを全て避けて通るのは難しい。
乗り越えるには、自分が強くなるしかない。
それを改めて実感しました。
読んでいる途中は辛く感じる事もありましたが、読み終わってみるとどこかスッキリとした気分になれました。 -
購入済み
美しい絵、風情を感じる表現力
皇なつき先生の和物の他作品を読んで、こちらも和物と言う事で特に概要確認せず購入。江戸時代の人々や街並みの雰囲気を圧倒的な表現力と画力で落とし込まれている漫画です。相変わらず、美しい。芸術の域。
実はホラー要素がある漫画だと知らずに夜に読み始めてしまい、唐突に来た怖いシーンにビックリ…。一話まで読んで、続きは翌日の明るい時間に読みました笑
でも物語も怖いだけではない、侘び寂びと言うか、趣のあるの余韻を感じる作品でした。