宮部みゆきのレビュー一覧

  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー

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    同じ祭りをテーマにしたアンソロジー。
    同じ天下祭の説明の部分を比較しても面白いです。
    もしかしたら一つの祭りに色々なエピソードが組み込まれていたのではと想像しても楽しめます。

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    2024年03月13日
  • 泣き童子 三島屋変調百物語参之続

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    語って語り捨て。
    聞いて聞き捨て。
    三島屋変調百物語の第3弾。

    おちかの聞き役としての様子も段々と慣れてきた本作は、スケールアップ(?!)してきたというか「何でもあり」になってきた。なんせ怪獣が出るし、殺人犯も出てくる。怪獣ともなれば「日本むかし話」と「もののけ姫」を合わせたようなおどろおどろしくも珍妙な話になっているが、これまでの作品で徐々に読者を慣れさしてきたものだから、それほど違和感なく読めたところが面白いというか、宮部みゆきの上手さだろう。

    さて、こうなると次回作はどんな話が出てくるのやら。更に何でもありになるのか、それとも毛色の違う話になるのか。いずれにせよ少しずつ心の傷が癒えて

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    2024年03月12日
  • おそろし 三島屋変調百物語事始

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    ネタバレ

    【2024年54冊目】
    変調百物語――通常の百物語は人々が一堂に会して行うが、三島屋で行われているそれは、語り部がやってきて、話が済めば帰ってしまう、まさに変調の百物語だ。とある事情で三島屋に身を寄せている「おちか」は、叔父の伊兵衛の依頼でその百物語の聞き手となるのだが…。

    外れなしの宮部みゆきさんの三島屋変調百物語シリーズ第一作目です。やはり外れなし!五つの連作短編集をドキドキしながら読みました。

    章が進む度に主軸となる主人公のおちかの過去のあれそれも明らかになっていき、最終章の五章では過去話となっていたこれまでのお話が一つになりました。見事!

    おちかの成長ぶりも良いですし、最終章で姿

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    2024年03月14日
  • 宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本 2015-2019

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    「宮部みゆき」さんと言えば、言わずと知れた人気作家ですが、作品を読んだのは本書が初めてです。
    初めて読む作品が小説(数えきれないほどの名作がありますね)ではなく、本書(書評エッセイ)というのも我ながら”どうか”とは思いましたが、
    ・あの「宮部みゆき」さんが選んだ本とは?
    ・それらの本に対する書評(文章)は?
    等々を「知りたい・読みたい」という願望が勝りました。
    さて、本書は読売新聞の「本よみうり堂」で2015年~2019年に掲載された128冊を集めたもののようですが、私の願望を満たすための行動は「正解」でした。
    先ず、128冊で網羅されている範囲の広さ(ミステリー、ビジネス書、絵本、図鑑、ノン

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    2024年03月09日
  • 魂手形 三島屋変調百物語七之続

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    シリーズ第7巻。

    単なる怪異ものでない、琴線に触れる人情話は本巻も健在。

    表題作の水面のもの哀しさ、その壮絶な過去と仇をとる吉富の憤怒の裏にある深い悲しみに心を打たれる。

    おちかのお目出たに浮つく三島屋の様子が可笑しい。

    本巻で百物語も三十四話。やはり百まで行くのだろうか。

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    2024年03月08日
  • あんじゅう 三島屋変調百物語事続

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    『おそろし』に続く、三島屋変調百物語の2冊目です。今回も三島屋の姪おちかさんが不思議な物語を聞き集めます。

    『逃げ水』
    ある男の子の周りでは甕や花器の中の水が消えてしまい、、、この子のその後が気になるな。

    『藪から千本』
    とあるおうちの長男夫婦に双子の姉妹が生まれたけれど、姑は縁起が悪いと嫌がり、、、。 

    『暗獣』
    暗闇を好む妖怪?幽霊?の話。
    この先も登場しそうなキャラクター達が出てきます。

    『吼える仏』
    実際にあったんじゃないかと思えるような民間伝承のようなお話し。

     今回も神様だったり、仏様だったり、幽霊だったり、妖怪だったり、人の怨念や執念や思い込みだったりと面白かったです。

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    2024年03月02日
  • あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続

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    三島屋怪談語りの百物語、第5作。禍々しい話からほんわかする話まで、常に優しさを持つ宮部節は変わらず、ずっと読み続けたいシリーズ。
    おちかが新しい門出を迎え、次作から百物語の聞き手は富次郎へ。はてさて、次はどんな話が待っている?

    今回で累計27話(文庫版最後に、これまでの一覧と簡単な粗筋が掲載されているのが有難い)で、まだ4分の1。
    続きはまだまだございます。

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    2024年02月27日
  • おそろし 三島屋変調百物語事始

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    長いシリーズになっているから、今から読み始めるのに抵抗があったが、なんのことはない。
    この巻でちゃんと広げた風呂敷がとりあえず畳まれている(大団円がちゃんとある)。そして次巻以降を読む価値もある、と思わせる面白さもある。なので、とりあえず一巻だけ…で全然よいのでした。
    どの話にも、語り手が「わざわざ三島屋に語りに来る」事情があって、それが怪談に語り手の後悔や恐怖心を乗っける仕掛けになっているから、ただの怪異短編集とは違う、新感覚の「ものがたり」として読める。

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    2024年02月25日
  • おそろし 三島屋変調百物語事始

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    辛い経験をきっかけに心を閉ざしてしまった17才のおちかは、袋物屋「三島屋」の主人である叔父の元に身を寄せる。

    叔父はおちかに三島屋を訪れる客から「変わり百物語」を聞くよう言い付ける。

    三島屋を訪れる客達から辛く不思議な話を聞くうちに、おちかの心境にも変化が、、、。

     三島屋シリーズ第一弾。
    第一話『曼珠沙華』
    第二話『凶宅』
    第三話『邪恋』
    第四話『魔鏡』
    第五話『家鳴り』

     江戸時代を舞台にしたお話しなので、慣れるのに時間がかかりましたが、内容自体はとても面白かったです。あと、昭和の死語だと思ってた言葉が江戸時代からの言葉だったと知りビックリしました。《おきゃん》《おちゃっぴぃ》《こ

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    2024年02月23日
  • 宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本 2015-2019

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    これだけ書くためには、この何倍もは読んでなければいけない。
    沢山の作品を書き、沢山の本を読む。
    確か、宮部さんはゲーマーでもあった気がする。
    自分だったら1日24時間では足りないですね。
    たまには人がおすすめする本を読んでみるのもいい。
    自分では思いつかなかった新しいジャンルが開ける。

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    2024年02月22日
  • おそろし 三島屋変調百物語事始

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    江戸の袋物屋で働く娘が、店に訪れる客から不思議な話を1話ずつ聞いていく、という形で進むホラー歴史小説。
    ホラーといいつつ、ただ怖いという話ではなく、人の心の機微が丁寧に描かれていて、気づくとあらゆる人物に感情移入しながら読んでしまいました。

    怪異譚としての肌触りは、創作怪談や都市伝説ホラーとはまた違った感覚。実話怪談を聞いた時のような、不気味さと「説明のつかなさ」がじわりと滲んでいるように思います。

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    2024年02月17日
  • 新装版 震える岩 霊験お初捕物控

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    久しぶりに宮部みゆきの『震える岩』を再読。忘れているところも多く、楽しく読んだ。

    新潮文庫の『かまいたち』におさめられているお初のシリーズ、『迷い鳩』などとは、登場人物も若干違う。別のシリーズとのことで、お初の性格も少し勝気である。不思議な力を通しての、事件への関わり方も、より積極的。

    少し描写が長々と続くように感じる箇所もあったが、込み入った事件をほぐすには、これくらい丁寧な方がわかりやすい。
    続刊も読んでみます。

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    2024年02月16日
  • 泣き童子 三島屋変調百物語参之続

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    遂に三島屋百物語も3冊目。怖い話が苦手なので大好きな宮部みゆきさんの江戸物でありながら読まずに来ましたが読めてよかった!本文に百物語を聴いてすす払いとありましたが、本当に同感。道ならぬ事、人の想念、あの世この世の不思議の中に感じることが多く、登場人物にも段々と親しみが出てきて面白くなってきました。

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    2024年02月12日
  • ぼんぼん彩句

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    ネタバレ

    安定の面白さ。事故で亡くなった同級生をいつまでも想い続ける男とその家族の話は気持ち悪くて特に妹が。最後は少しざまあーって感じでスッキリ。

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    2024年02月11日
  • 宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本 2015-2019

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    宮部みゆきファンには必読本。でなくても、世のレビュアーには教科書になるような本です。

    人は人を評しながら多くは自分を語っているという。本書も他人の書物を語りながら、自分の著作世界を語っている様な気がしてならない。時代小説、推理小説、SF小説作家としての宮部みゆきの創作の源泉のひとつは、類稀なる好奇心と読書欲だと常々思っている私にとっては、様(さも)ありなんというラインナップだった。

    もう一つ感心したのは、500字から多くて800字という、極めて短いけれども、新聞書評欄としたら当然の長さの中に納めていること。これくらいの長さが、人が「序でに読んでやろう」と思えるギリギリのところなのだろう。し

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    2024年02月05日
  • 三島屋変調百物語 2

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    原作に忠実だけど、屋敷の描写は文字を読んで自分がイメージしたものの方が鮮やかで豪華だった。漫画や実写は描写に限界があるから、自分のイマジネーションが勝った感じかな。

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    2024年01月31日
  • 黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続

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    シリーズ6作目。聞き手が替わった第一段。
    すごい面白かった!ですが、ホラーがそもそも苦手な私にとっては怖すぎた…
    宮部みゆきさんのホラー(特に時代小説)は、怖いけど、哀しくて優しい。「優しい」が強めのものが多い気がしていたのですが、今回、特に最後のお話は怖過ぎて。
    夜読みはじめて、怖すぎて止められなく…ん?やっぱり面白いのか!(笑)

    自分としては「同行二人」が好きでした。

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    2024年01月28日
  • おそろし 三島屋変調百物語事始

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    心の闇、あやかし、どちらもおそろしい。
    枠物語は枠でなく存在感あるメインストーリー。
    ふくよかでこまやかな文章に、ええもん読んでる気分になれます。

    事情あり他者と接したぁあらへんおちかに叔父の染物屋三島屋伊兵衛は、松田屋藤兵衛と曼珠沙華のできごとののち、変わり百物語を集めたいと言い出し訪ねてくる人々から怪談話を聞き出すよう命じる(おちかのリハビリ目的でしょう)。
    心閉ざすおちかが他者の怖い話を聞くうち、なんやしらんけどいつの間にかタフになってもうてて怪談の方を救う。
    メフィスト的なキャラが登場、おちかのライバルとなる?

    曼珠沙華:曼珠沙華の影になにが見える?
    凶宅:安藤坂の屋敷。おたかが語

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    2024年01月27日
  • 宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本 2015-2019

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    ただでさえ読みたい本がたくさんあるのに、この本を読んだら更に倍増。
    こんなにも世の中は読むたい本で溢れている。
    幸せなことだ。ともすれば偏りがちな私の読書範囲も著者おすすめによって違うジャンルのも手にとれる喜び。
    まずはS・キングの「ドクター・スリープ上下巻」と
    宮沢章夫の爆笑エッセイ「長くなるのでまたにする」
    と映画にもなった、「スポットライト世紀のスクープ、カトリック教会の大罪」をチェック。

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    2024年01月20日
  • 魂手形 三島屋変調百物語七之続

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    ネタバレ

     宮部さんのライフワークである「三島屋」シリーズの第7弾ですが、今回も面白かったです。

     表題作の終盤で、義憤に燃えた吉富が葵の継母を懲らしめるシーンが爽快でした。
     葵の継母は容姿は端麗ながら陰険な性格の持ち主で、葵が幼い頃から彼女を苛めていたのみならず、私利私欲のために、ごろつきを使って葵を貶めさせ、死に追いやってしまいます。その後、彼女は肥えた老婆となっていたので、きっと葵を殺したことを露ほども気に病んでいなかったんだと思います。
     一方、吉富にも継母がいますが、彼の継母であるお竹は、吉富を苛める祖母に凄んで虐待を止めさせた大人物です。「おめえのはらわたには虫が湧いてる」だの「鉈で腕を

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    2024年01月14日