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一度にひとりずつ、百物語の聞き集めを始めた三島屋伊兵衛の姪・おちか。ある事件を境に心を閉ざしていたおちかだったが、訪れる人々の不思議な話を聞くうちに、徐々にその心は溶け始めていた。ある日おちかは、深考塾の若先生・青野利一郎から「紫陽花屋敷」の話を聞く。それは、暗獣“くろすけ”にまつわる切ない物語であった。人を恋いながら人のそばでは生きられない“くろすけ”とは―。三島屋シリーズ第二弾!
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Posted by ブクログ
うわっ面白い。特に表題作が良すぎる。 怪異なのに愛らしい暗獣〈くろすけ〉との日々は微笑ましい。 だけどその性質は悲しく切ないもので、堪え切れずに泣きました。 収録されている四話とも本当に面白くて、怪異譚といっても“怖い”以外の感情が沢山湧き上がってくるので読むのが楽しい。 時代小説には苦手意識があっ...続きを読むたけど、このシリーズはぐいぐい読めるので自分でも驚いてる。
【短評】 ――語って語り捨て、聞いて聴き捨て。 神田に店を構える三島屋「黒白の間」においては、来客が自ら体験した奇譚変事を語る「変わり百物語」が営まれている。聞き手を勤めるのは、心に傷を抱えた主人の姪・おちか。 本作で語られる話は、四つ。 周囲の水が"逃げて"しまう小僧が邂逅した...続きを読むものーー「逃げ水」 双子に纏わる親子の歪な情愛の物語ーー「藪から千本」 暗がりに潜み、人間を恋い慕う何かーー「暗獣」 隠れ里に受け継がれる習俗と業ーー「吼える仏」 江戸を舞台とした怪異譚『三島屋変調百物語シリーズ』の第二作。 前作「おそろし」を読んだのは少なくとも十五年以上前のことで、設定云々は綺麗さっぱり頭から抜け落ちていたが、問題無く物語に入り込むことが出来た。ただし、其処此処で前作由来の描写があるため、記憶に新しい方が愉しいとは思う。 構成の巧さに唸らされる。 どのお話も、唆られる導入に始まりつつ、凡百な読者の想像を振り切って、意外で多彩な膨らみを見せてくれる。「うむむ、これがどう冒頭に結びつくのだ」等と考えながら、突飛な方向に進む怪談にのめり込み、気が付いたら綺麗に着地している。嗚呼、お見事。「お話に聴き入る」という体験をすることが出来た。 ①逃げ水 ★★★★★ ファンタジィが巧い。「お旱さま」周りの活き活きとした描写に舌を巻く。特に山走りの下りなどはお気に入りだ。ありありと絵が浮かぶ。山を"滑る"時、顔に受ける風を感じる程に。からりとした読後感も良い。「お旱さま」が未だ健在という終着も好むところだ。 ②藪から千本 ★★★☆☆ ある種のヒトコワなのだろうか。こういう趣向も良い。人形に針が突き立つというのが実に不気味だった。快活な語り口のなかに、心の闇が垣間見えるような筋書きも巧いなぁと思う。ファンタジィ色は薄いが、安定して面白い。 ③暗獣 ★★★★★ 抜群。やはりファンタジィが巧い。気配とか予感ではなく「くろすけ」を実体のある存在として描いたのが素晴らしい。実際に触れ合うことが出来るからこそ胸を打つものがある。どかんと盛り上がって、嗚呼、滂沱の涙みたいな話ではなく、実際に何があったのかは想像することしかできないところに趣があると感じた。 ④吼える仏 ★★★★☆ 結構怖い。壊れてしまった男の有様が印象に残る。やはり実体があるんだよな。最後に出てくる「化物」にはゾクリとさせられた。救いの無さも含めて、結構好みなお話ではある。 ほっこりするお話から、そくりとするお話を経て、じーんとするお話まで網羅する。 百物語ならではの懐の深さを堪能させて頂いた。ストーリーテラーとしての宮部みゆきの偉大さを再認識した次第。続編はいっぱいある。新たな鉱脈を引き当てた喜びを抱きながら、続編もじっくり掘り進めていくとしよう。
10年振りぐらいの再読 ★暗獣(あんじゅう) 4話収録になっているうちの一話で、この本の表題にもなっているお話 三島屋シリーズの中で最も好きなお話 優しくて悲しく寂しいけれど、ほんのり温かくなる。 耳をすませば歌声が聞こえてくるような気がする。
この世のものと、違う世界のものが交わろうとすると、双方に負担がかかってしまう、というのは思いもよらなかったがとても説得力のある考え方だと思った。そもそも住んでいる世界が異なるので、交わるのは互いの気や生命を削る行為なんだろうと。「あんじゅう」は、異なる世界のものが通じ合い、交流するという温かい話では...続きを読むあるが、あまりそうした話が一般的ではないのは、そうした負担があるから、と考えるのもやぶさかではない。そうそう交われるものではないから、怪異であるのか。
三島屋変調百物語シリーズの2巻です。 おちかがたくましくなるにつれ、危うくなっていく。 味方が増えれば面倒ごとも増え、オカルティックな部分が強くなれば現実から遠退く。塩梅加減の難しさは現世と隠世の境界を曖昧にする。おちかを応援したい。 話は変わるが、善人長屋の舞台とかなり時代と地域が近いみたいだ。...続きを読む全然違う話だから接点はないけれど。
黒白の間でおちかが聞く百物語。 だんだんメンバーが増えて嬉しい。 お旱様はかわいらしく、藪から千本と叫ぶ仏は背筋がすっとするような怖さ。 そして表題作あんじゅうは、なんて切ない。 続編ぜひ読みたい。出会えてよかった!
あんじゅう。 帯と絵でなんとなくやられた感はありましたけど、時代ものでこんなに涙が出るとは… 宮部みゆきはすげぇっすわ。 動物好きならば、いや、動物が好きでなくても、あんじゅうのことを見守りたくなると思います。 あたたかくて、切ない。
大好きな1冊になりました。 “あんじゅう”って何かなって疑問でしたが、読み終わってこれが題名になった事に納得です。“おそろし”も読んでいないので次回読みたいって思います。
もうこのシリーズを読むと決めたらこれが一番の展開だと思う。 今風に言ったらファンタジー?もっとおどろおどろしく言ったら怪談? おちかの素直で可愛い人となりと叔父さん叔母さんの人間性などキャラクターに癒される
三島屋百物語第二段 逃げ水のお旱さん、藪から千本のお花とお梅、暗獣のくろすけ、吠える仏の4部作。 お勝と利一郎らが三島屋の新レギュラーに加わりより賑やかさを感じた。 そしてくろすけに泣いた。星5 人を恋うが共に暮らせない悲しい生まれのくろすけに出逢い、人嫌いな自分の傲慢さに気づき人と関わり生きると...続きを読む心変化した師匠。とても感動するし、序盤の師匠の気持ち、わかるな〜と思っていたが後の改心は見習いたいし自分に言われてるような気分になった。良本。
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