滝口悠生のレビュー一覧

  • ラーメンカレー

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    ネタバレ

    旅のなかで、芽生える友情や恋心。
    その旅先で、どんな物語が出来上がるのか、そして、その物語が全部が良い物語とは限らない。
    本作の登場人物たちも、旅先で、様々な体験を
    目の当たりにし、新たな価値観を得る。

    本作では、イギリスとイタリアにそれぞれ旅に
    向かうのだが、茜と仁の夫婦は、仁の友達のけり子の結婚式が行われるイギリスに向かう。
    その後に、今度は茜の友達が住んでいるイタリアのペルージャに向かうのだが、そこまでに行くのが大変で、バスの乗り換え、チケットの買い方等、
    様々なトラブルに遭いながら、夫婦お互いの目線で、物語が語られている。こういう性格なんだとか、英語しゃべれるんだとか、普段あまり知ら

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    2023年02月15日
  • 茄子の輝き

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    ネタバレ

    『長い一日』が微笑ましくて良かったので、同じ作者の二冊目を読んでみた。
    味わい深くはあるが、最後の方は読み疲れてしまった。短編7編を収め、うち6編は連作。離婚したあと妻の記憶に囚われたまま呆然と生きる男の日常を綴る。連載ではないため重複が多いこと、男の内面の進展がごくわずかなもので、読んでいる方もうつうつとしてくる。
    その心情には共感できるところも多いが、しかしこういう感受性を誇っているとうつ傾向が常態になりそうという危機感も覚えた。
    最後の一編は連作よりずっと年寄りの男の話なのだが、30歳頃に離婚した男が喜びの少ない人生を送った果てのようにも思えてうら寂しい。

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    2023年02月08日
  • 茄子の輝き

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    茄子と餃子が食べたくなる。
    安い居酒屋とか、町中華へ行きたくなる。

    千絵ちゃんに抱く感情って名前はないけど素敵だなって思った。そういうのちょっとわかる。

    記憶って自分が持ってるモノの中で1番大切だと本気で思う。
    でも目まぐるしく過ぎる日々の中で些細な出来事や具体的な感情すべてを覚えていることなんてできなくてなんなら昨日何してたかとか何食べたかすら思い出せない時もあって切なくなる。

    Vlogとか日記つけるのありだな、絶対続かないけど。

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    2023年02月04日
  • 高架線

    古アパートは心の居場所

    池袋からほど近い家賃3万円の古いアパート。退去するときには次の入居者を見つけてこなくてはならない。そのことを通じて人がつながる。このアパートに思い出をおいていくのですね。良い居場所です。

    #ほのぼの

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    2023年02月01日
  • 茄子の輝き

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    ストーリーで何かを得るのではなく、読み進めていく過程で感じる感覚が面白かった。薄れていく記憶の脆さと、時に違う内容で上書きされていくいい加減さ、その中でなぜか残り続ける何でもない断片的な記憶のワンシーン。
    主人公の記憶を主人公視点でダラダラと思い出していく。

    かなり事細かに、ある意味しつこく、ここまで書く必要ある?と著者に対して思うほど、過度に具体的とさえ感じる文章。
    あれ、これさっきもあった、またこの話?とくどいくらい高頻度で登場するとりとめもないエピソードや人。

    ‥と、思っていたらしばらくして、朧げかつざっくりした情報でしか表現されなくなり、名前さえ登場しなくなるあの人。それはまさに今

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    2023年01月18日
  • 死んでいない者

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    文芸春秋
    滝口悠生 「死んでいない者」

    芥川賞受賞作を読んでみた


    葬祭の場で起きる 故人と親戚の追憶の物語。死から生を問うているようにも読めるし、親戚の滑稽さとしても読める


    主人公は誰なのか、話し手は誰なのか 不明のまま、親戚(死んでいない者)が 次から次と出てきて 故人との記憶をたどる展開。私には読みにくいが、玄人好みなのかもしれない


    最初の文章〜斎場からお通夜に至る悲しみの感情の変化の描写は見事だと思う。親戚たちについて「血のつながっていない配偶者たちもなぜかどこか似ている」というのも面白い



    自分の死について、それがなんなのかさっぱりわからないまま、刻々それに近づい

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    2022年08月20日
  • 死んでいない者

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    死んでいない者

    本文の中でも言われていたが親戚内でのとりとめのない会話がだらっと続いていく内容である
    お世辞にも面白いとは言えない話だと思ったが、その場面、背景や心情には抵抗なく入り込めた
    登場人物が非常に多く、それぞれ何をするでもなく現れては文章に流されていくのだが、読後に思い返してみると何となくその情景が浮かんでくるから不思議だ
    しかし文章力があるのかと問われれば否、だろうか
    鉤括弧を使わない会話なども含めて易しい文章のせいかすぐ読み終えてしまったためか、明瞭に記憶に残ることはないが、ふとした時にああ誰でもこんなふうに考えたりするんだろうなあなどと考えるのかも知れない


    夜曲

    短く読

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    2022年08月05日
  • 茄子の輝き

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    「花束みたいな恋をした」きっかけで読んだ。
    まず、なかなか出回っていなくて手に入れるまでに少し時間がかかった。
    全体的に淡々とした文章が読みにくく、時間がかかったがオノが登場してからは少し読みやすかった。
    人の頭の中を文章化するとこんな感じになるんだろうな。

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    2022年03月20日
  • 茄子の輝き

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    途中何回も同じ話が繰り返されてすこししんどかった、飽きた
    主人公の煮え切らなさ、未練がましさ、自己愛先行なところ、どこをとっても好きにはなれないのだけど、物語としての実体のなさ、つかみどころのないものが続いていく感じはこの人の本の良いところだよなあとつくづく思う

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    2022年02月07日
  • 死んでいない者

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    表題作は芥川賞受賞作品
    それともう1短編収録
    表題作は、死んだ男の通夜に集まった親族たちの
    一夜のお話
    男の子供たちそのまた子供たちと登場人物は多く
    とても把握しきれませんでした
    なんてことないお話と思っていますがでもそこに
    何かを感じることができるのかもしれない
    短編はママさんがやってる飲み屋のお話
    ママの過去がちょっと語られるがもっと
    深堀してほしかったかも

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    2022年01月11日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    ネタバレ

    二十四節気をさらに三等分した七十二候をもとに、年末から夏にかけて、それぞれ人気作家がつづる短編集。
    季節がテーマで、純文学系の作家が中心ということで、その表現を楽しむ小説であることは間違いない。
    でも、その反面、連想で思考があちこちに飛んでしまうので、集中できないのも確か。
    寂聴氏の作品を初めて読んだが、住職っぽくなく驚いた。もうすぐ100才。

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    2021年10月23日
  • 茄子の輝き

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    花束みたいな恋をしたで出てきたので気になり読んでみた。
    日常の描写が細かくて、よくここまで書けるなあと。
    そのときには鮮明に覚えていた記憶も、段々と薄れていく。日々は、愛おしいものなんだろうなあ。今の気持ちを大切にしたいし、やっぱり、毎日を生きていくことの積み重ねなんだろうな。
    でも、ちょっと自分には難しかったかも!笑

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    2021年08月08日
  • 茄子の輝き

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    ネタバレ

    「花束みたいな恋をした」でこれを読み終えた絹が息を吐くシーンが印象的で気になってて読んでみた
    人の記憶ってどこまでも勝手で曖昧。
    頭の中の独り言って同じところを何回もくるくるするよね。
    共感できる部分もあり、ちょっとそれは気持ち悪いなという部分もあり。

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    2021年08月03日
  • 茄子の輝き

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    妄想男の独り言を文字起こし
    ささいな仕事のモチベーションは微笑ましい
    社会の歯車となる だれかの生活をまわす

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    2021年07月03日
  • 茄子の輝き

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    ある一人のごく普通の成人男性の身の回りで起こる日常や移り変わる心情をを繊細で多様な表現で描いていた。

    過去を尊重しつつ、いまを大切に生きていこうと思いました。

    また些細な出来事であっても、思考し、なんらかの考えや意見を持つような習慣をつけようと思いました。


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    2021年06月02日
  • 茄子の輝き

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    ふとした日常の出来事やもので、蘇る過去のたわいもないエピソードは、無性に愛おしくもあり切なくもあると思う。
    思い出すことが年月と共に風化されてしまうのは、人生においての年齢や立場によって回避できないことかもしれない。いい意味でも、悪い意味でも。

    主人公の作ったアルバムは、いつか彼の手で捨てられる日がくるだろうか。


    作中の「夫婦の日々の記憶が、ふたりの時間、ふたりの過去、離れがたくあらしめる愛着のようなものを形成していく」という言い回しが素敵だった。

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    2021年05月05日
  • 茄子の輝き

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    風景や匂いや感触、それらと記憶が結びついていて、けれども、それが確かなものなのかどうかは分からない。今から見た過去と未来から見た過去は同じものではない。作中何度も同じことを振り返るが、その時々によってすべて微妙に異なったものとして捉えられる。
    記憶、過去、それが今と未来に繋がってはいるが、複雑でどんな形をしているのか見えない。常に変化し続けているから掴むことができないのかもしれない。
    それぞれ短編からなる連作ですが、いやはや、一冊の本ともなると長すぎる。

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    2021年04月25日
  • 愛と人生

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    ネタバレ

    寅さんをこんな風に小説にするのか巧いなと思わされつつぐいぐい読んだけど、途中から私には難しくなってきた。純文学は苦手だ。けど他の二話も嫌いではなかった。

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    2020年05月16日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    季節の生江を表す二十四節気七十二候のうち春から夏の十二の候を題にして、十二人の作家の掌編集。
    七十二候のとらえかたが様々で、面白い。

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    2019年10月02日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    村田沙耶香さんがやっぱ面白かった。どうやったらこんな不思議で面白いこと思いつくんだろう。
    私は野生に返るといって家を出た姉と、女3人で暮らし人工授精で子どもを持とうとしている妹の話。ぽうという声。
    村田さんの作品が読めたので大満足です。

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    2019年05月29日