滝口悠生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私の苦手とする一見脈絡のない独り言のような文章が続いてるけど、テーマが子育てや保育園の日常なので興味深く読めた。(改行少なめだし)
保育園に通う早生まれのももちゃんは、同じクラスの4月生まれのお友達と比べるとかなり小さい。そのももちゃんの視点(これは多分に父親の想像).
保育園の送り迎えは大抵文筆業の父親が担当してる。その父親の視点、母親の思い、担当保育士の気持ちなどが、行きつ戻りつ細やかに表現されていく。大きなアクションで「ある!ある!」というような出来事ではなく、そうそうこんなことばかりだよなぁ、と思うようなうつろうようなエピソードとそれにまつわる心情を繊細に文章にしている感じ。これはほぼ -
Posted by ブクログ
ネタバレ※登録は文庫版ですが、読んだのは単行本なので、「夜曲」という短編が読めず残念でした。
「やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)」で気になっていた滝口さん。どの作品から読むか悩みましたが、本書にしてみました。
読み始めて「ん?」と思いました。これはあまり読んだことのないタイプだぞ、と。たくさんの人が出てくる群像劇だとか、相関図があった方がいいだとか、セリフが括弧で書かれていないとかそんなことではなく、何かうまく言えないけれど、読んだことのないタイプの本だと思いました。ちょっとググってみて、すごく納得。これは、芥川賞受賞作だったのですね。おそらく芥川賞受賞作なんて今まで読んだことありません。あ -
Posted by ブクログ
表紙がとても綺麗で手に取りました。
二十四節気は知っていても、それをさらに三等分した七十二候は知らない人が多いのでは?
わたしも今回初めて知りました。
雉始雊(きじはじめてなく)というように、動詞で示されているのが、分かりやすい。
どれも現代人にも理解できるもので、時代が変わっても季節の移ろいは変わらないものだなと思います。
この本では、二十四節気の春夏部分を抜き出し、また、各節気の真ん中の七十二候をタイトルに各自が短編をお書きになっています。
思えば、短い作品は触れてこなかったので、どれも不思議な余韻を残す終わり方で、こちらの想像力や読解力を掻き立てるなぁと短編の面白みを初めて知りま