滝口悠生のレビュー一覧
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この作家の本を読むのは4冊目。若い世代の男性作家をあまり読まないのだが、『長い一日』がとても良かったし、これからどんな小説が読めるのか、楽しみだ。
亡くなった高齢の男性の一族が通夜に集まる、一夜の群像劇っぽい話。
でも描かれるのは、子供から孫にいたる多数の人々の内面と記憶、それが一夜の行動の中で代わる代わる書かれるだけなので、これを群像劇と読んで良いのか、分からない。
世間的には引きこもりと思われる孫と祖父(この話の中心である死者)の関わりが関係性としては一番重厚そうで意味があるように思うのだが、それは具体的には記されない。それぞれの想像を駆してまで書かれる部分と、まったく書かれない部分 -
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『花束みたいな恋をした』に重要なアイテムとして登場していたので読んでみた。過去のかけがえのない記憶についての小説だったので、『花束みたいな恋をした』のテーマに通じるものがある。
小説内では派手な出来事は起こらず、ゆったりとした時間が流れている小説だった。読んでいると、大切な人との過去の記憶を思い出したくなる。主人公は離婚した妻のことをなにかにつけて思い出すのだけど、私たちは過去の延長線上にいるんだなと実感させられる。けれど、どんな大切な思い出だって時の流れには逆らえず、部分部分が風化していってしまう。だから、新しい思い出を塗り重ねて生きていくのかなと感じた。今思い出せる過去を大切にしたいなと思 -
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Posted by ブクログ
家賃3万円のオンボロアパート「かたばみ荘」。お風呂とトイレもありますが、シャワー&和式トイレのユニットバスって!この間取りには違和感を覚えました。想像しにくいよ〜
退去する際は『次の入居者を連れてこないといけない』というルールがあるため、住人は、知り合いの知り合いの知り合い…が続いてるということ。
退去時に清掃なんてせず、家具や家電はそのまま引き継いだり、代々の住人の暮らした気配を感じながらの生活なんです。
物語はこのアパートの2号室で暮らした住人・関係者がリレー形式で語る、16年間の出来事です。
とにかくずっと語り。相槌を打っちゃいそうになるくらいみんな普通にしゃべってる。脱線もするし「こ -
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私の苦手とする一見脈絡のない独り言のような文章が続いてるけど、テーマが子育てや保育園の日常なので興味深く読めた。(改行少なめだし)
保育園に通う早生まれのももちゃんは、同じクラスの4月生まれのお友達と比べるとかなり小さい。そのももちゃんの視点(これは多分に父親の想像).
保育園の送り迎えは大抵文筆業の父親が担当してる。その父親の視点、母親の思い、担当保育士の気持ちなどが、行きつ戻りつ細やかに表現されていく。大きなアクションで「ある!ある!」というような出来事ではなく、そうそうこんなことばかりだよなぁ、と思うようなうつろうようなエピソードとそれにまつわる心情を繊細に文章にしている感じ。これはほぼ