滝口悠生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一人の老人が亡くなりその葬儀に集まった親族達の様子を、それぞれの視点で何気ない一言や頭の中で考えていることが次々と描写されていく短編小説。
登場人物達自身も、葬式の場で久しぶりに会う面々でお互いに「誰の家族か、何て名前だったか」という状態のため、次々と視点の主が変わるので「今、誰が話の主なのか」が時折混乱してくる。しかしそこで描写される情景は、何気ない過去の記憶(なのになぜか良く覚えている)に飛んだり、発した言葉の一瞬のうちによぎった思いだったりが巧く表現されていて、「こんな感覚、たまにあるよなあ」と思わされる。
特に大きな事件が起こるわけでもない。全体的にゆったりと時が流れて行く話だが、 -
Posted by ブクログ
『花束みたいな恋をした』に重要なアイテムとして登場していたので読んでみた。過去のかけがえのない記憶についての小説だったので、『花束みたいな恋をした』のテーマに通じるものがある。
小説内では派手な出来事は起こらず、ゆったりとした時間が流れている小説だった。読んでいると、大切な人との過去の記憶を思い出したくなる。主人公は離婚した妻のことをなにかにつけて思い出すのだけど、私たちは過去の延長線上にいるんだなと実感させられる。けれど、どんな大切な思い出だって時の流れには逆らえず、部分部分が風化していってしまう。だから、新しい思い出を塗り重ねて生きていくのかなと感じた。今思い出せる過去を大切にしたいなと思 -
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Posted by ブクログ
故人(老人)の葬式で集まった人たちのあれこれ。みんな動く、考える、故人でさえも親類や幼馴染の中で動き出ししゃべりだす。それぞれが思い出していく。なにかのきっかけで思い出す記憶があるけど、そのきっかけがなければ思い起こされることのない思い出(記憶)。「たしかにあったどうでもいいことは、この世界にどのように残りうるのか。」こういう、交錯することのない各々の思いみたいなものが自分は好きみたいだ。最後に鐘を鳴らしたのは誰なんだろう、寛であってほしい。
ちなみに登場人物が多くて相関図書かないときついかもしれない。途中で登場人物の一人が「誰が誰だかわかんねえよ。」と言ったところで、作者自身がそう思いなが -