滝口悠生のレビュー一覧

  • 掌篇歳時記 春夏

    Posted by ブクログ

    二十四節気、七十二候テーマの12作。
    日々の変化や季節の移ろいを表す、その言葉の意味の楽しさにはっとする瞬間。
    流されるままの同じ日々だと見誤っているわたしへの気づきになればいいな。

    0
    2019年05月21日
  • 掌篇歳時記 春夏

    Posted by ブクログ

    12人の作家さんが旧暦の七十二候をテーマに執筆した小説集。春夏編。
    気になる作家さんが書いているので読んでみたかったのです。それに12人! 豪華執筆陣。装丁も綺麗ね。季節を表す言葉、日々の生活で変化を感じたこと、素敵で、自分の生活も日々に流されるだけでなく、自然の声に目を向けたくなりました。それぞれ短いですが、作家さんの色が出ていて楽しめました…際立っていたのは村田沙耶香さん、好み的には前半の方。

    0
    2019年05月17日
  • ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    芥川賞の嬉しいところは本が薄いこと。じゃなくて、芥川賞に関しては私が薄い本を選んでいるだけでしょか。本作は受賞作ではないけれど、選考会ではそこそこ推されていた模様。確かに芥川賞っぽい。『ボヘミアン・ラプソディ』を観てレイ・フォスターの「ジミヘンと働いたこともある俺様が」という台詞が頭に残っていなかったら、書店でこの本を手に取ることはなかったかもしれません。

    19歳、原付でちんたら走った東北の旅を振り返る。東日本大震災やアメリカ同時多発テロがいかにもという感じで絡められている小説は正直言って苦手ですが、本作はとてもさりげなく、でも読者の意識の内には残るような描写に好感。

    ちょうど誉田哲也の『

    0
    2019年02月22日
  • 愛と人生

    Posted by ブクログ

    メタ小説、ポストモダン小説。しかしながら、内容は近代文学的な情緒もの、家族ものである。
    なんと形容したら良いのだろうか。
    車寅次郎と渥美清は同一人物なのか。
    さくらと倍賞千恵子は??

    0
    2018年12月31日
  • 寝相

    Posted by ブクログ

    妻と別居生活を送ることになり実家へ身を寄せる「私」。
    近所に住む同級生の今、その子供との関わりを書いた『わたしの小春日和』は、
    「間」が感じられ、ゆっくり進む日常が心地よかった。
    『楽器』は、頭で考えず何かを感じ取る物語なのかな。難しかった。
    表題作『寝相』大病を患い、孫娘・なつめの家に身を寄せることになった竹春。
    二人の何気ない日常が書かれている。
    色々なことがわからなくなってきた祖父の背中を流すなつめは
    〈竹春の忘れてしまった色や音は、すべて背中に残っているように思われた〉
    気持ちがあたたかくなる優しい話だった。

    0
    2016年07月20日
  • 寝相

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    虹みたいに、最初黄色と思ってたものがいつのまにかピンクになり、なったと思うとブルーになってる。みたいな印象。そんで最初の色には戻らずに、変化したまま終わる。

    書いてること・・自分が今読んでるものを疑いながら読んでた。
    最初の話の終わりかたはまるで
    エヴァのラストシーンみたいでもあるし、
    ぐりとぐらが焼いたカステラをみんなで食べるシーンみたいでもあって、微笑ましい&ちょっと狂気でした。

    0
    2014年09月05日
  • 寝相

    Posted by ブクログ

    つかみどころがない中篇が3本.表題作は祖父・竹春と暮らし始めたなつめの話しで始まるが、竹春の若い時代の遍歴が語られる.最後の場面で全世代の皆が集い宴会が始まるが、よく意味がつかめない.題目は竹春となつめの寐る時の姿勢がよく似ていることから取ったようだ.「わたしの小春日和」は職を失った南行夫が実家に帰って、同級生らと付き合う話しだが、安西加代子が中心となっている.息子の洋平が奇妙な行動をする場面があり、元教師の坂口と加代子が劇団を立ち上げる所で話が終わるが、これもよく分からない内容だ.さらに「楽器」では私、谷島、塔子、きよ子が池探しをするが見つからず、山羊の公園や赤い東屋、廃車の森に出くわす.久

    0
    2014年08月01日
  • 寝相

    Posted by ブクログ

    放蕩の末に最後の日々を過ごす老人と、その孫娘の静かな同居生活を描いた表題作をはじめ、奇妙な美しさを放つ庭の情景が男女4人の視点から鮮明に浮かび上がる「楽器」など、全3編を収録した作品集。『新潮』掲載を単行本化。

    と抄録にはあるけれど、こんな話だったっけ?と思う。
    もう一つの「わたしの小春日和」が一番わかりやすかった。
    全て誰が主人公で誰で話が終わるのか予想しにくかった。

    0
    2014年04月14日