池澤夏樹のレビュー一覧

  • こどもを野に放て! AI時代に活きる知性の育て方

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    贈呈された本で課題として読みはじめたが、対談形式で読みやすく話も面白かった。

    が、表題が適当かというと微妙なところ。

    養老氏との対談こそ幼少期の自然とのかかわりと大切さを主眼において話されてるが、他2人に関してはどちらかというと自然と人間というテーマになっていてこどもは関係ない。

    あ、これネタバレになっちゃうかな。

    ただまぁ自分ではこの話題を手に取って購入はしないだろうから知見を広めるという意味では大変有り難かった。

    本文に出てくる引用図書も何冊か気になったのでいつか読んでみようかな。

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    2024年06月04日
  • こどもを野に放て! AI時代に活きる知性の育て方

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    表題が「子どもを…」なので、もっと子育て、子どもの成長環境に視点があると思ってしまった。
    対談者の子供時代の話はあるものの、現在に当てはめられる具体的な指標はこの表題に集約されています。
    編著者である春山慶彦さんが、文中で「自分の生業として美しい風景・風土をつくり、人間だけでなく多くの生き物が住みやすい環境を次の世代に引き継いでいきたい」と、語っている事、ココを共有したい。

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    2024年05月05日
  • 堀田善衞を読む 世界を知り抜くための羅針盤

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    ネタバレ

     実際にフランスに行ってみると、日本とのあまりの違いに反発することもありますが、その一方で素晴らしいところもたくさんあります。自分と全く違うものを学ぶということは、比較が可能になるということです。自分の国しか知らないと比較が難しい。例えば、北朝鮮です。今、我々が外側から見て、「民衆はさぞや不幸だろうな」などと思いますが、結構幸せかもしれない。一つしか知らない人間は、かなり幸せなはずです。自分と他を比較するようになると、人間は不幸になります。
     しかし、さらに比較を進めることによって、逆に、自分とは何かが分かってくる。あるいは、自分たちと比較することによって、他者が分かってくる。だから、フランス

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    2024年04月28日
  • 春を恨んだりはしない 震災をめぐって考えたこと

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     本書は、池澤夏樹さんが東日本大震災に寄せたエッセイ、コラムを再構成したものです。
     表題は、ポーランドの作家ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩集からの引用とのこと。

     本書では、被災者や困難と闘った人に光を当てたり、ジャーナリズム向けに書いたりするのではなく、単に震災の全体像を描こうとしたようです。
     動揺、哀しみ、怒り、希望などが綴られ、思考を重ね練り上げた良質な言葉が並びます。池澤さんの様々な想いが行間から立ち上がるようです。

     印象的だったのが、池澤さんの日本人観と震災後の日本の歩みの記述でした。先日読んだ、外国人ジャーナリストのルポの視点と同様だったためです。
     良くも悪くも「諦めの

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    2024年02月25日
  • 古事記

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    断片、断片は、知っているが、まともに向き合って読んだことが無かったので、この機会に読んで見ました。
    思っていた以上に、 誰が誰の子かを書いた部分が多かった。しかし、その歴史が、大和政権の他国征服の歴史なのだと理解でき、興味深かった。

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    2024年02月11日
  • みんなのなつかしい一冊

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    それぞれの紹介者のなつかしい本なので、他の書評本では紹介されないような本があり面白い。
    字が大きくて読みやすいが、もう少し小さな字でもいいからもっと一冊でたくさんの人の紹介が読みたい気持ちもある。

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    2024年02月07日
  • また会う日まで

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    ネタバレ

    こういう、家族の一代記ものはもともと好きで読み応えもあった。
    軍人として、天文学者として、そしてキリスト教信仰者として信仰との矛盾に悩みながらも生きる主人公とその妻たち(先妻の死亡後に再婚)が魅力的だった。特に2番目の妻のヨ子(ヨネ)さんが魅力的だった。
    終戦後、彼女が夫に向かって言う
    ヨ子「でも終わりました。次は勝てばいいのですよ。平和のための戦に」
    利雄「そんなものがあるか」
    ヨ子「平和と繁栄の日本を造ってかつての敵を見返す」
    軍人だった利雄がヨ子と再婚したのはよかったなと感じた。彼女によって短い戦後の人生ではあったけど利雄は救われたのではないかと思った。

    靖国神社の扱いについてここはい

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    2024年01月22日
  • 星の王子さま

    匿名

    購入済み

    小さな王子様

    中盤、この物語はどこに向かっているのかが分かりませんでした。最後になってやっとこのストーリーの視点が王子様ではない意図が分かりました。

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    2023年12月13日
  • 古事記ワールド案内図

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    ネタバレ

    讃美でも、無味乾燥な研究でもなく、ほどよい熱量で、忌憚ない解説。
    まずは、文学としての体裁が整っていないという前提をハッキリ。
    その上で、物語伝承記録書と歴史の記述を同時に行っているから、その歪みも後々把握しづらい文章になっている、と。
    現在の天皇制に対しては言及を控える、というくだりも、いいスタンス。
    にしても日本書紀、万葉集と、数十年単位で文章の筋合いがかなり異なるとか、ますます興味惹かれる。
    旧約聖書、ギリシャ神話、 西アフリカの伝説など、縦横無尽なのも、よい。
    ちなみに107p「アジア大陸の上に架かった虹としての日本列島と南西諸島」、つい最近何かの本で読んだばかりのはずなのに、何だった

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    2023年11月18日
  • 古事記

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    翻訳が親しみやすく、古事記へのハードルを下げてくれた。注釈があることで、複雑な情報を処理しやすくしてくれている配慮を存分に感じた。しかし次から次へと神が生まれる。八百万とはよく言ったもので、1ページで10柱ほど生まれる。

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    2023年11月04日
  • 古事記

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    ようやくきちんと読んだ古事記三巻。アマテラスが弟スサノヲの所業を見て、天の岩屋戸に入って中から戸を閉じてしまう話や、八俣のオロチをスサノヲが退治する話、稲羽の白兎と大国主命の話あたりはよく知っているが、あとは代々天皇の伝説的な話が続く。とても読みやすい現代語訳ではあるし、池澤夏樹氏が丁寧につけてくれている注釈を参考にしつつ読めば話についていくことはできるが、如何せん、代々天皇は妻が多く子だくさんで、もちろん伝説と実話の区別は不明だから、名前が列記されているページはかなり読み飛ばしてしまった。
    古代ヤマトを伝える書物として、古事記、日本書紀があるが、解題によれば、日本書紀よりも古事記の方がはるか

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    2023年11月03日
  • 古事記

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    最初の方は神がどんどん神を産んで、それが大地になったり、神の一部からまた神が生まれたりとなかなかにカオスで楽しい。
    途中から興味を失ってやっつけで読んだ。

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    2023年10月20日
  • 作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首

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    百人一首について語った小池昌代さんの解説が、僕の感性ととても一致しており、自分の感じたことを解析もしてくれた。

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    2023年10月09日
  • 古事記ワールド案内図

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    アマテラスやタカミムスヒなどの神話の神々による日本の誕生に始まり、オホクニムシの国造りと国譲り、ヤマトタケルの登場や脈々と続く天皇家の歴史

    当時の日本を巡る歴史背景や島国であることの地理的背景などを分析。

    より合理的に、よりシステム的、性に厳しいな現代社会よりも古事記の中の性に大らかで、兄弟喧嘩もある世界観の方がより人間らしさを感じました。

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    2023年09月10日
  • また会う日まで

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    ネタバレ

     新聞連載の大作。少し前の『ワカタケル』を思い出させる単行本の文量だ。
     著者池澤夏樹の大伯父・秋吉利雄の生涯を透し、近代日本の歩んだ歴史を描き出す、一市民の大河小説。
     歴史の大まかな流れは日本人なら誰もがよく知る大正~昭和史、その大きな流れの中で、海軍軍人でありキリスト教信者、そして天文学者という、一見相容れない側面を持つ主人公の人生、ヒトトナリを、いかに矛盾なく描き通すかが見せどころ。
     主人公利雄は、当然のことながら、キリスト教の信仰と軍人としての責務(戦争としての殺人行為)を、個人の中で、矛盾を抱え葛藤しつつ、人生を全うしていく。

     史実の中に、個人の生の存在を描き出す筆致は、30

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    2023年07月25日
  • また会う日まで

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    池澤夏樹さんの大伯父・秋吉利雄さんの生涯を描いた作品。秋吉さんは海軍軍人、天文学者、キリスト教徒として明治~終戦まで生き、決して戦争に賛成ではないが、海洋地図製作などを通じて一翼は担う状況だった。あの太平洋戦争は誰が見ても間違いで、多くの人が敗戦がほぼ決まった状況の中でも無駄に命を落とした。海軍少将まで出世し海外のこともよく知っており冷静な判断ができる秋吉さんのような人たちが、どのような行動に出れば戦争を回避または早く終わらせることができたのだろうかと思う。特別な地位もなく海外も知らない当時の多くの国民にはできることは限られていただろう。主流のように見えてもおかしいなと感じることがあれば声を上

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    2023年04月17日
  • あなたのなつかしい一冊

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    週刊誌の書評をみて読んでみた(というかパラパラとめくってみた)もの。
    知らない作家さんや著名人の方が多かったかも。。

    いくつか興味を惹かれた推薦本があったので、読んでみたいと思いました。

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    2022年09月21日
  • 作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首

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    作家が翻訳した作品について、テクニックや翻訳きた際の感想などを書いた本。
    てっきり作品によって翻訳された作品がたくさん読めると思っていたのですが、おそらく講演会があった際の対談した内容がそのまま本になったような形です。
    作家さんの言葉でここが好き、難しいなど書かれていてそれはそれで面白かった。

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    2022年08月13日
  • あなたのなつかしい一冊

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    なつかしい一冊は、オススメの一冊とはやはり違う訳で、必然的にそれなりに古い作品が中心になるし、個人的には、ブックガイドとしてはあまり惹かれず…。各人の思い出語りエッセイと捉えれば、それなりに面白く読めるものもチラホラ。そんな中、数少ない引かれた作品は以下。

    内臓とこころ
    大人問題

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    2022年09月28日
  • スティル・ライフ

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    文学

    文章は難しくないが全体的なメッセージをつかむのは難しかった。しかし分からないなりにも心に残るものがあった。普段軽い本ばかり読んでいる自分にとっては久々に文学を読んだなという感じがした。「ぼく」や「佐々井」がものごとを眺めるときのSF的な感性がおもしろい。

    物語は淡々と進んでいくが、終盤、彼らの置かれた状況は少しも穏やかなものではなかったことが明かされる。それでもなお平穏に過ごし続ける彼らの姿を見ていると、こちらの価値観まで揺らいでくるかのようだったし、そのせいかラストの壮大な話も柔軟にイメージすることができた気がする。

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    2022年07月30日